JPH05117287A - アントラサイクリン誘導体 - Google Patents

アントラサイクリン誘導体

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JPH05117287A
JPH05117287A JP3276010A JP27601091A JPH05117287A JP H05117287 A JPH05117287 A JP H05117287A JP 3276010 A JP3276010 A JP 3276010A JP 27601091 A JP27601091 A JP 27601091A JP H05117287 A JPH05117287 A JP H05117287A
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formula
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JP3276010A
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English (en)
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Yasuyuki Kita
泰行 北
Hiroshi Maeda
ひろし 前田
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Mercian Corp
Original Assignee
Mercian Corp
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Publication date
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Publication of JPH05117287A publication Critical patent/JPH05117287A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式(I)及び(II)で示されるアントラ
サイクリン誘導体及びその塩(式中、R1 及びR4 は水
素またはカルボン酸保護基を示し、R2 、R3 、R5
びR6 はそれぞれ独立に水素または水酸基の保護基を示
し、nは1ないし7の整数を示す)、及びβ−ロドマイ
シノンとイソプロペニル化合物とを反応させる工程を含
む該化合物の製造方法。 【効果】 水溶性が改善された抗腫瘍性抗生物質として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アントラサイクリン誘
導体に関し、より具体的には、水溶性が向上し医薬とし
て有用なアントラサイクリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】アントラサイクリン系抗生物質は、各種
の癌の治療に有用な抗腫瘍性抗生物質として広く臨床で
使用されており、代表的な化合物としてドキソルビシン
が知られている。しかし、ドキソルビシンの有用性は充
分ではなく、化学合成により種々のデアミノ糖を有する
アントラサイクリンが探索されてきた。例えば、7−O
−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロ
ピラノシル)−アドリアマイシン(J.アンティバイオ
チックス 39:731-733、1986)やN−トリフルオロアセ
チルアドリアマイシン 14バリレート(キャンサーリ
サーチ 35:1365-1368,1975)はマウスのインビトロ実験
においてアドリアマイシンより優れた抗腫瘍活性を示し
たが、水に対する溶解度が低く、注射剤としての開発が
困難であった。このためそ側鎖を修飾することにより水
溶性を増したアントラサイクリン誘導体の開発が進めら
れている。この様な誘導体の例として、例えば、7−O
−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロ
ピラノシル)−アドリアマイシン 14−O−ピメレー
ト(特開昭63−141992号公報)が知られてい
る。しかしデアミノ糖をβ−ロドマイシンの7位水酸基
に結合した配糖体では、従来技術による水溶化は困難で
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明者は、水溶性に優れ注射剤として臨床適
用でき、かつ体内動態が改善されたアントラサイクリン
誘導体を取得することを目的として、アントラサイクリ
ンのアグリコンであるβ−ロドマイシノンを種々化学修
飾したアントラサイクリン誘導体を製造して評価したと
ころ、β−ロドマイシノンの10位水酸基をアシル化し
たβ−ロドマイシノン誘導体が、抗腫瘍性を維持しつつ
水溶性に優れることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、β−ロドマイシノンの10位水
酸基にアシル基が導入された新規なアントラサイクリン
誘導体を提供するものである。さらに本発明は、β−ロ
ドマイシノンを原料としてイソプロペニルアセタート化
合物を反応させ、糖と反応させた後に必要により加水分
解することにより上記の化合物を製造する方法、ならび
に該方法に使用される製造中間体を提供するものであ
る。
【0004】本発明のアントラサイクリン誘導体は、下
記の式(I)または式(II)で示される化合物である。
【0005】
【化5】
【0006】
【化6】
【0007】上記式中、R1 及びR4 は水素またはカル
ボン酸保護基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水
素または水酸基の保護基を示し、R5 及びR6 はそれぞ
れ独立に水素または水酸基の保護基を示し、nはそれぞ
れ1ないし7の整数を示す。R1 またはR4 が水素を示
す場合、式(I)または式(II)の化合物の塩基付加塩
も本発明の範囲に包含される。塩基付加塩としては、例
えばナトリウム塩、カリウム塩等を例示することができ
る。
【0008】本明細書において「カルボン酸保護基」と
は、化学合成の分野において、通常カルボン酸の保護に
使用される保護基をいい、例えば、例えばベンジル、p
−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロ
ベンジル、ジフェニルメチル等のアラルキル基;例えば
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、sec −ブチル、イソブチル、tert−ブチル等のア
ルキル基などの保護基を挙げることができる。これらの
カルボン酸保護基は、当業者に周知の方法、例えば酸、
塩基を用いた加水分解反応や接触還元により容易に除去
され、カルボン酸を与えるものである。さらに他の例と
しては、トリメチルシリルエチル基、tert−ブチルジメ
チルシリル基、テキシルジメチルシリル基等を挙げるこ
とができる。これらの基はフッ素イオンの存在下で容易
に脱離してカルボン酸を生成させるものである。
【0009】また、本明細書において「水酸基保護基」
とは、化学合成の分野において、通常水酸基の保護に使
用される保護基をいい、例えば、アセチル、トリフルオ
ロアセチル、ベンゾイル等のアシル基、ベンジル、p−
メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベ
ンジル、ジフェニルメチル等のアラルキル基、トリメチ
ルシリル等のシリル基をあげることができる。これらの
水酸基保護基は、当業者に周知の方法、例えば酸、塩基
を用いた加水分解反応や接触還元により容易に除去さ
れ、水酸基を与えるものである。
【0010】本発明のアントラサイクリン誘導体の例と
しては、例えばR1 、R2 及びR3 が水素であり、nが
2である化合物や、R1 、R2 、及びR3 が水素であ
り、nが5である化合物を例示することができるが、本
発明はこれらに限定されることはない。式(I)で示さ
れる本発明のアントラサイクリン誘導体の製造方法の一
例を下記のスキームにより説明する。
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
【0014】上記反応工程において、(a)は、フェニ
ルホウ酸によるβ−ロドマイシノン(III)の7,9位水
酸基の保護を示し、(b)は、ケテンアセタール誘導体
によるβ−ロドマイシノン(III)の10位水酸基のアシ
ル化を示し、(c)は、β−ロドマイシノン(III)の
7,9位水酸基の保護基であるフェニルホウ酸の脱離を
示し、(d)は、β−ロドマイシノン(III)の7位水酸
基への糖の付加を示し、(e)はカルボン酸保護基R1
及び水酸基保護基R2 及びR3 の脱離を示す。式(II)
の化合物も反応させる糖を変えることにより同様な反応
スキームにより製造できる。
【0015】工程(b)で用いられるケテンアセタール
誘導体としては、下記一般式で示される化合物を使用す
ることができる。
【0016】
【化10】
【0017】上記式中、R7 はカルボン酸保護基を示
し、nは1ないし7の整数を示す。これらの化合物の例
としては、ベンジルイソプロペニルサクシネート;メチ
ルイソプロペニルサクシネート;メチルイソプロペニル
ピメレート等を挙げることができる。前記式の化合物は
文献未載の化合物であり、例えば下記の一般式:
【0018】
【化11】
【0019】(式中、R7 およびnは前記の定義と同じ
である)で示される化合物を、酢酸水銀(Hg(OAc)2) ま
たは酸触媒の存在下で、有機酸イソプロペニルエステル
と反応させることにより製造することができる。この反
応は、溶媒の不在下または適当な溶媒中、例えばテトラ
ヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒中
で、一般に0〜80℃、好ましくは20〜40℃の間の
温度で行うことができる。上記式の化合物に対する酢酸
水銀および酸触媒の使用割合は、厳密に制限されるもの
ではないが、酢酸水銀についてはカルボン酸に対してモ
ル比で0.1〜10%、酸触媒についてはモル比で0.01
〜10%になるように用いることが好適である。上記反
応において使用される有機酸イソプロペニルエステルと
して、特に酢酸イソプロペニルが好適である。また酸触
媒としては、三フッ化ホウ素・エーテラート(BF3 ・Et
2O) 、濃硫酸等を挙げることができる。なお上記の一般
式で示されるされる化合物は公知化合物であり、例え
ば、水素化ナトリウムの存在下、対応する有機酸無水物
とアルコールを反応させる方法(ジャーナル・オブ・ケ
ミカル・ソサイエティ(J. Chem. Soc.,1098(1955)))
、または塩酸の存在下、対応する有機酸とアルコール
を反応させる方法(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサイエティ(J. Amer. Chem. Soc.,70、304
(1948))) により製造することができる。
【0020】上記の化合物を使用することにより、室
温、中性の温和な条件下に(IV)で示されるβ−ロドマ
イシノン保護化合物の10位水酸基を選択的にアシル化
することができる。該アシル化反応は、化合物(IV)を
塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒に溶解
し、これに触媒量の濃硫酸、トリフルオロ酢酸、p−ト
ルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等の酸触媒を
加えた後、0.5〜30時間、好ましくは0.5〜5時間撹
拌すればよい。反応温度は、0〜50℃で行えばよく、
通常室温で行うことができる。
【0021】さらに7位の水酸基に常法により糖を結合
させ(工程(d))、さらに加水分解して10位修飾基
の末端のカルボキシル基を遊離させることにより(工程
(e))本発明のアントラサイクリン誘導体を製造する
ことができる。以上の製造工程において有用な製造中間
体として、以下の式で示される化合物が本発明により提
供される。
【0022】
【化12】
【0023】上記式中、R8 は水素またはカルボン酸保
護基を示し、R9 及びR10はそれぞれ独立に水素又は水
酸基保護基を示すか、両者が一緒になって>BPhを示
し、nは1ないし7の整数を示す。R8 が水素を示す場
合、例えばナトリウム塩やカリウム塩等の塩基付加塩も
本発明に包含される。上記の化合物の例としては、
8 、R9 、及びR10が水素であり、nが2又は5であ
る化合物等を挙げることができるが、本発明はこれらの
化合物に限定されない。
【0024】
【発明の効果】本発明のアントラサイクリン誘導体は、
優れた抗腫瘍活性を有し、分子内にカルボン酸基を有す
るので水溶性に優れており、特にナトリウム塩やカリウ
ム塩等のカルボン酸塩は水溶性が高いので注射用の抗腫
瘍剤として使用できるので有用である。また、本発明の
製造中間体を用いることにより、本発明のアントラサイ
クリン誘導体が極めて効率的に製造できる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されない。 参考例1 コハク酸ベンジルイソプロペニルの合成 N2 気流下、コハク酸水素ベンジル4.16g(0.02mo
l)、酢酸イソプロペニル11.0g(0.11mol)、酢酸水
銀0.19g(0.6mmole)の撹拌混合物に、室温でBF3
Et2O 0.1ml加え、2時間30℃にて撹拌した。0℃に
冷却し、トリエチルアミン0.1mlで中和し、減圧にて、
大部分の酢酸イソプロペニルを留去し、残渣をフロリシ
ル(100ml)にn−ヘキサンを用いて通過させた。n
−ヘキサンを留去して得られた残渣を減圧蒸留すると目
的物が得られた。
【0026】沸点165−168℃(2.0mmHg) 、2.2
6g(収率46%) IR(CHCl3中) cm-1 ; 1735 、1670。 1 H−NMR δ(CDCl3):1.89(s, 3H, CH3)、2.72
(s, 4H, -CH2CH2-) 、4.67及び4.69(2s,各1H, =CH2)、
5.14(s, 2H, ベンジル CH2) 、7.35(s, 5H, フェニルプ
ロトン) 。
【0027】 C14H16O4 計算値 C;67.72 , H;6.50 測定値 C;67.39 , H;6.46。 参考例2 ピメリン酸イソプロペニルメチルの合成 N2 気流下、ピメリン酸水素メチルル5.80g(0.03
3mol)、酢酸イソプロペニル18.4g(0.184mol)、
酢酸水銀316mg(1.0mmole)の撹拌混合物に、室温で
BF3 ・Et2O 0.17ml加え、2時間、30℃で撹拌し
た。0℃に冷却し、トリエチルアミン0.17mlで中和
し、減圧にて大部分の酢酸イソプロペニルを留去し、残
渣をフロリシル(100ml)にn−ヘキサンを用いて通
過させた。n−ヘキサンを留去して得られた残渣を減圧
蒸留した。
【0028】沸点121−123℃(2.5mmHg) 、4.8
6g(収率68%) IR(CHCl3中) cm-1 ; 1730 、1670。 1 H−NMR δ(CDCl3):1.3-1.5(m, 2H,γ-CH2) 、
1.6-1.8(m, 4H,β-CH2×2)、1.92(s, 3H, CH3)、2.25-
2.45(m, 4H,α-CH2×2)、3.67(s, 3H, CO2CH3) 4.67及び4.70(2s,各1H, =CH2)。
【0029】 C11H18O4 計算値 C;61.66 , H;8.47 測定値 C;61.52 , H;8.29。 上記のイソプロペニル化合物を用いて、下記のスキーム
により式(I)で示される本発明のアントラサイクリン誘
導体を製造した。
【0030】
【化13】
【0031】実施例1:式(I)の化合物の合成 (1) 工程(a) β−ロドマイシノン150mg(0.39ミリモル)のベン
ゼン(39ml)懸濁液に PhB(OH)2 60mg(0.49ミリ
モル)、トリフロロ酢酸(17.7ml)を加え、窒素気流
下室温で12時間撹拌した。次に反応液に飽和重ソウ水
(100ml)を加え、塩化メチレン(50mlで2回)で
抽出した。抽出物を飽和食塩水(30ml)で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去し、n−ヘキサン
を加え、一旦固体を濾取し、粗生成物を得た。
【0032】さらにこの固体をクロロホルム−石油エー
テルにて再結晶を行い精製し、172mg(収率95%)
を得た。 融点:274−275℃ Exact MS 計算値 C26H21O8B : 472.1328、 実測値 :
472.1308 。 (2) 工程(b) ボロネート体 25mg(0.053mmol) の塩化メチレ
ン(7ml)溶液に、コハク酸イソプロペニルメチル70
mg(0.28mmol) を加え、室温で撹拌しながら濃硫酸1
滴を加え、同温で2時間撹拌した。反応液に飽和重ソウ
水(20ml)を加え、塩化メチレンにて抽出(20ml×
2)した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去し、
残渣をn−ヘキサン(10ml)にて洗い、そうして得た
残渣を分取用TLC(塩化メチレン:エチルエーテル=
95:5)で精製し、赤色結晶27mg(収率67%)を
得た。
【0033】m.p.86−89℃(クロロホルム−n−ヘ
キサン) 〔α〕25 D +181゜(c=0.097、クロロホルム) IR(クロロホルム中) cm-1 ;1735、1600。 1 H−NMR δ(CDCl3):1.09(t, 3H, J=7.3Hz, H-14
×3)、1.68及び2.03(2sextet, 各1H, J=7.3Hz,H-13×
2)、2.17(dd, 1H, J=14.0, 2.0Hz, H-8)、2.32(d, 1H,
J=14.0Hz, H-8)、2.63-2.85(m, 4H, -CH2CH2-)、5.12(b
rs, 2H, ベンジルCH2)、5.72(s, 1H, ν1/2=7.5Hz, H-
7) 、6.35(s, 1H, H-10) 、7.25-7.40(m, 9H)、7.67(t,
1H, J=8.0Hz, H-2) 、7.77(d, 2H, J=7.3Hz) 7.81(d, 1H, J=8.0Hz, H-1) 、12.08(s, 1H, OH-4)、1
2.76(s, 1H, OH-6)、13.35(s, 1H, OH-11) 。
【0034】Exact MS 計算値 C37H31O11B : 662.195
7、 実測値 : 662.1952 。 (3) 工程(c) ボロネート体4a 68mg(0.1mmol) の塩化メチレン
(4ml)とアセトン(4ml)の混合溶液に2−メチル−
2,4−ペンタンジオール(0.33ml)、酢酸(0.15
ml)を加え、室温で4日撹拌した。反応液に飽和重ソウ
水(20ml)を加え、酢酸エチル(20ml×2)で抽出
し、飽和食塩水(20ml)でふり、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧留去した。得られた残渣をn−ヘキサン
(5ml)にて洗い、結晶化させ濾取した。得た固体を再
びクロロホルムにとかし、減圧留去し、ヘキサン(5m
l)を入れ析出晶を濾取した。38mg(65%)の5a
得た。
【0035】mp 213−215℃(CHCl3 −n−ヘキ
サン) 〔α〕25 D +28゜(c=0.036、CHCl3) IR(CHCl3中) cm-1 ;1730、1600。1 H−NMR δ(CDCl3):1.06(t, 3H, J=7.3Hz, H-14×
3)、1.55及び1.74(2sextet, 各1H, J=7.3Hz,H-13×2)、
2.00(dd, 1H, J=14.7, 4.9Hz, H-8)、2.33(d, 1H, J=1
4.7Hz, H-8)、2.55-2.78(m, 4H, -CH2CH2-)、3.37(s, 1
H, OH-9) 、3.63(d, 1H, J=5.5Hz, OH-7)、5.09(d, 2H,
J=1.8Hz,ベンジルCH2)、5.25(t, 1H, J=4.5Hz, H-7)、
6.28(d, 1H, J=1.2Hz, H-10)、7.24-7.45(m, 6H,フェニ
ルプロトン及び H-3) 、7.69(t, 1H, J=8.0Hz, H-2) 、
7.82(d, 1H, J=8.0Hz, H-1) 、12.03(s, 1H, OH-4)、1
2.84(s, 1H, OH-6)、13.31(s, 1H, OH-11) 。
【0036】FAB−MS(negative) m/z : 576(M-) 。 (4) 工程(d) 化合物5aの25mg(0.043mmol) の塩化メチレン(1
0ml)溶液に、酸化水銀(yellow) 38mg(0.17mmo
l) 、臭化水銀16mg(0.044mmol) 、モレキュラー
シーブス3A230mgを加え、窒素気流化、室温で30
分撹拌した。次にフッ化糖のブロモ体32mg(0.103
mmole)の塩化メチレン(3ml)溶液を加え、室温で48
時間撹拌した。反応液を濾過し、クロロホルム(10m
l)で洗浄した。濾液に30%ヨウ化カリウム(30m
l)を加え、よくふったあと、分離し、有機層をさらに
飽和重ソウ水溶液で洗浄(20ml)したあと、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。残渣を分取、TL
C(塩化メチレン:エチルエーテル=9:1)で精製
し、赤色結晶20mg(収率57%)を得た。
【0037】mp 118−121℃(CHCl3 −n−ヘキ
サン) 〔α〕25 D +142゜(c=0.133、CHCl3) IR(CHCl3中) cm-1 ;1735、1600。1 H−NMR δ(CDCl3):1.04(t, 3H, J=7.3Hz, H-14×
3)、1.29(d, 3H, J=6.5Hz, H-6′×3)、1.52及び1.76(2
sextet, 各1H, J=7.3Hz,H-13×2)、2.03及び2.19(2s,各
3H, OCOCH3×2)、2.04(dd, 1H, J=15.3, 4.3Hz, H-8)、
2.40(d, 1H, J=15.3Hz, H-8)、2.52-2.78(m, 4H, -CH2C
H2-)、3.03(s, 1H, OH-9) 、4.37(q, 1H, J=6.5Hz, H-
5′) 、4.59(brd, 1H, J=49.5Hz, H-2′) 、4.96(dt,
1H, J=33.0, 3.5Hz, H-3′) 、5.09(s, 2H, ベンジルC
H2)、5.19(d, 1H, J=3.1Hz,H-4′) 、5.23(d, 1H, J=3.
7Hz, H-7)、5.60(d, 1H, J=9.2Hz, H-1′) 、6.28(s, 1
H, H-10) 、7.21-7.39(m, 6H,フェニルプロトン及び H-
3) 、7.73(t, 1H, J=8.0Hz, H-2) 、7.89(d, 1H, J=8.0
Hz,H-1) 、12.07(s, 1H, OH-4)、12.85(s, 1H, OH-6)、
13.38(s, 1H, OH-11) 。
【0038】FAB−MS(negative) m/z : 808(M-) 。 (5) 工程(e) 化合物6a 6mg(0.0074mmol) のメタノール(2m
l)溶液に、0.1N−水酸化ナトリウム2ml(0.2mmol)
を10℃で加え、室温で4時間撹拌した。酢酸2滴を
加え、中和し、水(20ml)を加え、酢酸エチルで抽出
(20ml×3)し有機層を水洗(20ml)したあと、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣
を分取、TLC(CHCl3 : MeOH8:2)で精製し、赤色
結晶1.5mg(収率32%)を得た。
【0039】mp 264−267℃(CHCl3 −エーテ
ル) 〔α〕25 D +91゜(c=0.011、CHCl3: MeOH、
9:1) IR(KBr) cm-1 ;3480、1720、1595。1 H−NMR δ(DMSO-d6): 0.94(t,3H, J=7.3Hz, H-14×
3)、1.19(d, 3H, J=6.7Hz, H-6′×3)、1.48及び1.58(2
sextet, 各1H, J=7.3Hz,H-13×2)、1.91(dd, 1H, J=15.
3, 4.3Hz, H-8)、2.23(d, 1H, J=15.3Hz, H-8)、2.40-
2.58(m, 4H, -CH2CH2-)、3.45-3.60(m, 2H, H-3′及び
H-4′) 、4.22(q, 1H, J=6.7Hz, H-5′) 、4.32(brd, 1
H, J=49.4Hz, H-2′) 、4.33(s, 1H, OH-9) 5.02(d, 1H, J=4.3Hz, ν1/2=8.9Hz, H-7) 、5.32(d,
1H, J=9.8Hz, H-1′) 、6.09(s, 1H, H-10) 、7.44(d,
1H, J=8.0Hz, H-3) 、7.80-7.90(m, 2H, H-2及び H-1)
、11.97(s, 1H, OH-4)、12.80(s, 1H, OH-6)、13.33
(s, 1H, OH-11) 。 実施例2:式(I)の化合物の合成 (1) 工程(b) 実施例1(1)で得た化合物20mg(0.042mmol) の
塩化メチレン(7ml)溶液に、イソプロペニルエステル
3b 40mg(0.187mmole)を加え、室温で撹拌しなが
ら、濃硫酸1滴を加え、同温で2時間かくはんした。反
応液に飽和重曹水(20ml)を加え、塩化メチレンに
て、抽出(20ml×2)した。無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒留去し、残渣をn−ヘキサン(10ml)にて
洗浄し、残渣を分取、TLC(CH2Cl2 : Et2O 95:
5)で精製し、赤色結晶23mg(収率87%)を得た。
【0040】mp 70−74℃(CHCl3 −n−ヘキサ
ン) 〔α〕25 D +360゜(c=0.11、CHCl3)。 IR(CHCl3中) cm -1 ; 1730、1600。1 H−NMR δ(CDCl3):1.11(t, 3H, J=7.3Hz, H-14×
3)、1.32-1.45(m, 2H, CH2) 、1.55-1.75(m, 5H, H-13
及び CH2×2)、2.05(sextet, 1H, J=7.3Hz, H-13) 、2.
20(dd, 1H, J=14.0, 1.8Hz, H-8)、2.25-2.40(m, 5H, H
-8及び CH2×2)、3.64(s,3H, CH3)、5.74(brs, 1H, ν1
/2=6.0Hz, H-7)、6.36(s, 1H, H-10) 7.25-7.43(m, 4H)、7.68(t, 1H, J=8.0Hz, H-2) 、7.78
(d, 2H, J=6.7Hz)、7.84(d, 1H, J=8.0Hz, H-1) 、12.1
0(s, 1H, OH-4)、12.78(s, 1H, OH-6)、13.38(s, 1H, O
H-11) 。
【0041】Exact MS 計算値 C34H33O11B : 628.211
4、 実測値 : 628.2109 。 (2) 工程(c) ボロネート体4b 50mg(0.08mmole)の塩化メチレン
(4ml)とアセトン(3ml)の混合溶液に2−メチル−
2,4−ペンタンジオール(0.2ml)、酢酸(0.1ml)
を加え、室温で2日撹拌した。反応液に飽和重曹水(2
0ml)を加え、酢酸エチル(20ml×2)で抽出し、飽
和食塩水(20ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をn−ヘキサ
ン(5ml)で洗い、結晶化させ濾取した。得られた固体
を CHCl3にとかし、減圧留去し、再びヘキサンを入れ析
出晶を濾取した。36mg(83%)の固体5bを得た。
【0042】m.p.210−213℃(CHCl3 −n−ヘキ
サン) 〔α〕25 D +124゜(c=0.043、CHCl3) IR(CHCl3中) cm-1 ;1720、1600。1 H−NMR δ(CDCl3):1.09(t, 3H, J=7.3Hz, H-14×
3)、1.28-1.40(m, 2H, CH2) 、1.50-1.70(m, 5H, H-13
及び CH2×2)、1.74(sextet, 1H, J=7.3Hz, H-13) 、2.
00(dd, 1H,J=14.7, 4.9Hz, H-8)、2.20-2.32(m,4H, CH2
×2)、2.35(d, 1H, J=14.7Hz, H-8)、3.39(s, 1H, OH-
9) 、3.63(s, 3H, CH3)、3.66(d, 1H, J=5.5Hz,OH-7)、
5.27(t, 1H, J=4.5Hz, H-7) 、6.29(s, 1H, H-10) 、7.
28(d, 1H, J=8.0Hz, H-3) 、7.69(t, 1H, J=8.0Hz, H-
2) 、7.82(d, 1H, J=8.0Hz, H-1) 、12.05(s, 1H, OH-
4)、12.87(s,1H, OH-6)、13.34(s, 1H, OH-11) 。
【0043】Exact MS 計算値 C28H30O11 : 542.1785
、 実測値 : 542.1779 。 (3) 工程(d) 化合物5bの28mg(0.052mmole)の塩化メチレン(1
0ml)溶液にHgO(yellow) 45mg(0.21mmole)、HgBr
2 19mg(0.052mmole)、モレキュラーシーブス3A
260mgを加え、N2 気流化、室温で30分撹拌した。
次にフッ化糖のブロモ体32mg(0.103mmole)の塩化
メチレン(3ml)溶液を加え、室温で48時間撹拌し
た。反応液を濾過し、 CHCl3(10ml)で洗浄した。濾
液に30%ヨウ化カリウム水溶液(30ml)を加え、よ
く振った後に分離し、有機相をさらに飽和重曹水で洗浄
(20ml)したあと、無水硫酸カリウム乾燥後、溶媒を
減圧留去した。
【0044】残渣を分取、TLC(塩化メチレン:ジエ
チルエーテル=9:1)で精製し、赤色結晶30mg(収
率75%)を得た。 m.p.109−111℃(CHCl3 −n−ヘキサン) 〔α〕25 D +146゜(c=0.238、CHCl3) IR(CHCl3中) cm-1 ;1740、1605。
【0045】1H−NMR δ(CDCl3):1.06(t, 3H, J=7.
3Hz, H-14×3)、1.29(d, 3H, J=6.7Hz, H-6′×3)、1.
25-1.38(m, 2H, CH2) 、1.47(sextet, 1H, J=7.3Hz, H-
13) 、1.55-1.68(m, 4H, CH2×2)、1.77(sextet, 1H, J
=7.3Hz, H-13) 、2.01及び 2.19(2s, 各3H, OCOCH3×
2)、2.07(dd, 1H, J=15.0 , 4.3Hz, H-8) 、2.23-2.30
(m, 4H, CH2×2)、2.43(d, 1H, J=15.0Hz, H-8)、3.03
(s, 1H, OH-9) 3.63(s, 3H, CH3) 4.38(q, 1H, J=6.7Hz, H-5′) 4.60(brd, 1H, J=49.4Hz, H-2′) 、4.97(dt, 1H, J=3
2.5, 3.2Hz, H-3 ′) 5.18-5.28(m, 2H, H-7及び H-4′) 、5.61(d, 1H, J=9.
7Hz, H-1′) 、6.28(d, 1H, J=1.2Hz, H-10)、7.34(d,
1H, J=8.0Hz, H-3) 、7.73(t, 1H, J=8.0Hz, H-2) 、7.
90(d, 1H, J=8.0Hz,H-1) 、12.08(s, 1H, OH-4)、12.87
(s, 1H, OH-6)、13.41(s, 1H, OH-11) 。
【0046】FAB−MS(negative) m/z : 774(M-) 。 (4) 工程(e) 化合物6bの28mg(0.036mmole)のメタノール(2m
l)溶液に0.1N−NaOH1.08ml(0.11mmole)を10
℃で加え、室温で10分撹拌した。酢酸3滴で、中和
し、水(20ml)を加え、酢酸エチルで抽出(20ml×
3)し、有機層を水洗(20ml)したあと、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を分取、
TLC(CHCl3:MeOH=9:1)で精製し、赤色結晶21
mg(収率84%)を得た。
【0047】m.p.208−210℃(CHCl3 −エーテ
ル) 〔α〕25 D +102゜(c=0.10、CHCl3) IR(CHCl3中) cm-1 ;3550、1730、1605。1 H−NMR δ(CDCl3):1.06(t, 3H, J=7.3Hz, H-14×
3)、1.25-1.38(m, 2H, CH2) 、1.40(d, 3H, J=6.7Hz, H
-6′×3)、1.48(sextet, 1H, J=7.3Hz, H-13) 、1.53-
1.68(m, 4H, CH2×2)、1.77(sextet, 1H, J=7.3Hz, H-1
3) 、1.89(dd, 1H, J=11.3, 8.0Hz, OH-4′) 、2.06(d
d, 1H, J=15.3 , 4.6Hz, H-8) 、2.23-2.32(m, 4H, CH2
×2)、2.43(d, 1H, J=15.3Hz, H-8)、2.88(d, 1H, J=1
1.0Hz, OH-3′) 、3.16(s, 1H, OH-9) 、3.63(s, 3H, C
H3) 3.56-3.70(m, 2H, H-3′及び H-4′)、4.22(q, 1H, J=
6.7Hz, H-5′)4.62(brd, 1H, J=48.8Hz, H-2′) 、5.2
3(d, 1H, J=2.4Hz,ν1/2=8.0Hz, H-7) 、5.57(d, 1H, J
=9.8Hz, H-1′) 、6.27(d, 1H, J=1.2Hz, H-10 ) 、7.3
4(d, 1H, J=8.0Hz, H-3) 、7.73(t, 1H, J=8.0Hz, H-2)
、7.90(d, 1H, J=8.0Hz, H-1) 、12.08(s, 1H, 4-O
H)、12.89(s, 1H, 6-OH)、13.41(s, 1H, 11-OH) 。
【0048】FAB−MS(negative) m/z : 690(M-) 。 (5) 工程(e) 化合物7b 9mg(0.013mmole)のメタノール(2.0m
l)溶液に、0.1N−水酸化ナトリウム5.2ml(0.52m
mole)を10℃で加え、室温で1時間撹拌した。酢酸3
滴を加えて中和し、水(20ml)を加え、酢酸エチルで
抽出(20ml×3)し、有機層を水洗(20ml)したあ
と、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残渣を分取、TLC(塩化メチレン:メタノール=
9:1)で精製し、赤色結晶6.5mg(収率74%)を得
た。
【0049】mp 233−236℃(クロロホルム−エ
ーテル) 〔α〕25 D +99゜(c=0.028、CHCl3: MeOH=
9:1) IR(KBr) cm-1 ;3350(br)、1705、1600。1 H−NMR δ(DMSO-d6):0.95(t, 3H, J=7.3Hz, H-14×
3)、1.19(d, 3H, J=6.7Hz, H-6′×3)、1.18-1.29(m, 2
H, CH2) 、1.35-1.52(m, 5H, H-13 及び CH2×2)、1.57
(sextet, 1H, J=7.3Hz, H-13) 、1.90(dd, 1H, J=15.3,
4.9Hz, H-8)、2.12(t, 2H, J=7.3Hz, CH2) 、2.19-2.3
2(m, 3H, H-8及びCH2)、3.45-3.60(m, 2H, H-3′及び H
-4′) 、4.21(q, 1H, J=6.7Hz, H-5′) 4.32(brd, 1H, J=49.4Hz, H-2′) 、4.35(s, 1H, OH-
9) 、5.01(d, 1H, J=4.9Hz,ν1/2=9.5Hz, H-7) 、5.32
(d, 1H, J=9.2Hz, H-1′) 、6.10(s, 1H, H-10 )、7.44
(d, 1H, J=7.9Hz, H-3) 、7.80及び7.90(m, 2H, H-2 及
び H-1) 、11.97(s, 1H, OH-4)、12.79(s,1H, OH-6)、1
3.37(s, 1H, OH-11) 。
【0050】FAB−MS(negative) m/z : 676(M-) 。 式(II) で示される化合物を下記のスキームにより製造
した。
【0051】
【化14】
【0052】実施例3:式(II)の化合物の合成 化合物5bの42mg(0.077mmolの塩化メチレン
(20ml)溶液に、HgO(黄色)42mg(0.194m m
ol),HgBr2 34mg(0.094m mol)、モレキュラー
シーブス4A 500mgを加え、N2 気流化、室温で1
時間撹拌した。次に、クロロ糖9(J 、Daroll and
B, Lythgoe , J 、Chem、Soc 、,1949,2526.)54.6m
g(0.231m mol)の塩化メチレン(10ml) 溶液を
加え、室温で1日撹拌した。反応液をロ過し、CHCl
3 (10ml) で洗浄した。ロ液に30%KI水溶液(30m
l) を加えよく振ったあと、分離し、有機層を更に飽和N
aHco3水溶液で洗浄(20ml) した後、無水Na2SO4で乾
燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用TLC(CH2C
l2;Et2O 9:1)で精製し、化合物10の赤色結晶4
6mg(収率80%)を得た。
【0053】mp 62−65 ℃ 〔α〕25 D +1
06゜(c=0.073、CHCl3) (CHCl3-n-ヘキサン) IR(CHCl3中) Cm-1:1740,1605、 ´H−NMRδ(CDCl3):1.06 (t,3 H,J=7.3
HZ,H-14×3)、1.25-1.40(m,2H,CH2)、1.46 (sexte
t, 1H, J=7.3HZ, H-13), 、1.50-1.70(m, 4H, CH2×
2)、1.75(sextet, 1H, J=7.3HZ, H-13)、1.80-1.90(m,
1H, H-2'eq) 1.90-2.25(m, 2H, H-2'ax and H-8)、1.98 and 2.15(2
S, 3H each,OCOCH3×2)2.20-2.30(m, 4H, CH2×2)、2.4
5(d, 1H, J=15.3HZ, H-8) 、3.62(S, 3H, CH3) 、3.89
(dd, 1H, J=13.0, 3.1HZ, H-5') 4.16(dd, 1H, J=13.0,1.8HZ, H-5') 5.05-5.35(m, 3H, H-3', H-4', and H-7) 、5.55(brt,
1H, J=2.5HZ, H-1')、6.29(s, 1H, H-10 )、7.33(dd, 1
H,J=8.5, 1.2HZ, H-3) 、7.72(t, 1H, J=8.5HZ, H-2)
、7.90(dd, 1H, J=8.5HZ,H-1)、12.10(s, 1H, OH-4)
、12.88(s, 1H, OH-6) 、13.43(s, 1H, OH-11)。
【0054】化合物10の56mg(0.075 m mol) の
メタノール(4ml) 溶液に0.1N-NaOH 2. 25ml(0.225
mmol) を10℃で加え、室温で10分撹拌した。酢酸3
滴にて中和し、水(30ml) を加え、酢酸エチルで抽出
し、(20ml×3)、有機層を水洗(20ml)した後、
Na2SO4で乾燥、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用TL
C(CHCl3 :MeOH=9: 1) で精製し化合物11を赤色結
晶38mg(収率77%)として得た。
【0055】mp 196-199 ℃ (CHCl3-エーテル) 〔α〕
25 D +89.9゜(c=0.11,CHCl3) IR(CHCl3中) cm-1:1735, 1605 ´H−NMRδ(CDCl3):1.06 (t ,3H,J=7.3 H
Z,H-14×3)、1.25-1.40(m,2H,CH2)、1.46 (sexte
t, 1H, J=7.3HZ, H-13), 、1.50-1.70(m, 4H, CH2×
2)、1.87(ddd, 1H, J=13.4, 5.0, 3.0HZ, H-2'eq)、1.9
5-2.05(m, 2H, H-2'ax and H-8)、2.20-2.45(m, 4H, CH
2×2)、2.47(d, 1H, J=15.3HZ, H-8) 、3.62(S, 3H, CH
3)、3.80-4.00(m, 3H, H-3', H-4', and H-5')、4.07
(d, 1H, J=10.4HZ, H-5')、5.19(dd, 1H, J=4.0, 1.8H
Z,ν1/2=7.9HZ,H-7)5.50(1t, 1H, J=3.3HZ, H-1')、6.2
7(d, 1H, J=1.2HZ, H-10) 、7.32(dd, 1H, J=8.0 and
1.2HZ, H-3) 、7.71(t, 1H, J=8.0HZ, H-2)、7.89(dd,
1H, J=8.0 and 1.2HZ, H-1) 、12.10(s, 1H, OH-4)、1
2.87(s,1H, OH-6)、13.44(s, 1H, OH-11) 。
【0056】化合物11 8mg(12.1 m mol) のメタノ
ール(2ml)溶液に0.1N-NaOH 4.8ml(0.48 m mol) を1
0℃で加え、室温で1時間撹拌した。酢酸4滴で中和
し、水(20ml)を加え、酢酸エチルで抽出(20ml×
3)し、有機層を水洗(20ml) した後、Na2SO4で乾燥
後、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用TLC(CHCl3:
Meo H=9:1)で精製し、化合物12を赤色結晶6mg(収率
75%)として得た。
【0057】mp 178-181 ℃ (CHCl3-エーテル) 〔α〕
25 D +235 ゜( c=0.021,CHCl3:MeOH=9:1) IR KBY Cm-1: 3300(br), 1735,1600、 ´H−NMRδ(CMSO-d6): 0.95(t, 3H,J=7.3 H
Z,H-14×3)、1.20-1.30(m, 2H,CH2) 、1.35-1.60(m,
6H, H-13×2 and CH2-×2)、1.85-1.95(m, 2H, H-2'eq
and H-8) 、2.12(t, 2H,J=7.3HZ, CH2) 、2.15-2.30
(m, 3H, H-2'ax and CH2) 、2.30(d, 1H, J=15.3 HZ, H
-8) 、3.55-3.65(m, 2H, H-4' and H-5')、3.70(ddd, 1
H, J=8.6, 4.0, 2.5HZ, H-3')、3.92(dd, 1H, J=13.1,
3.4 HZ, H-5')、5.00(dd,1H, J=4.0, 1.0HZ,ν1/2=8.5H
Z, H-7) 、5.29(t, 1H, J=3.0 HZ, H-1')、6.08(d, 1H,
J=1.0HZ, H-10)、7.42(dd, 1H, J=8.0, 1.2 HZ, H-
3)、7.82(dd, 1H, J=8.0, 1.2 HZ, H-1)、7.86(t, 1H,
J=8.0 HZ, H-2)、11.94(S, 1H, OH-4) 、12.79(S, 1H,
OH-6) 、13.37(S, 1H, OH-11)、 実施例4 本発明のアントラサイクリン誘導体の抗腫瘍活性を検討
した。
【0058】20%仔牛血清を含むRPMI1640培地(ローズ
ウエルバーグ研究所)へL1210 細胞を5×104 ケ/ml接
種し、これに本発明の化合物を0.0005〜10.0μg/mlの濃
度で添加し、37℃にて炭酸ガス培養器中で48時間培養し
対照区に対する50%増殖阻害濃度を求めた。なお、本発
明の物質の添加は、M/50酢酸(pH3.0) に1 μg/ml濃度で
溶解した後、Dulbecco PBS(-)(日水製薬社製) で希釈
し、添加した。さらに上記のL1210 培養細胞を10%仔牛
血清を含むRPMI1640培地へ8×105 ケ/ml となるように
懸濁し、37℃にて炭酸ガス培養器中で1.5 時間培養を行
った後、上記で調整した本化合物の溶液を種々の濃度で
添加し、15分後さらに14C−ウリジン(0.05μCi/ml)お
よび14C−チミジン(0.05μCi/ml)を添加し、37℃にて
60分間培養した。反応液へ冷10%トリクロル酢酸溶液を
添加し、反応を中止させると同時に、酸不溶物を沈殿さ
せ、冷5%トリクロル酢酸溶液にてさらに2回洗浄した
後、ギ酸に溶解し、酸不溶物中の放射活性を測定し、無
添加対照区に対する放射能の取込み率から50%取込み阻
害濃度を求めた。表1にその結果を示す。
【0059】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本発明の化合物 IC50(μg/ml) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物(I) n=2 0.16 (R1 =R2 =R3 =H) 化合物(II) n=5 0.57 (R1 =R2 =R3 =H) 化合物(II) n=5 7.76 (R4 =R5 =R6 =H) 化合物(II) n=5 21.75 (R4 =Me、R5 =R6 =H) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例5 本発明のアントラサイクリン誘導体の水溶性を検討した
ところ、10mgの比較化合物(10位にカルボキシル基
を有しない化合物)を溶解するのに必要な水またはpH7.
4のリン酸塩緩衝液(0.05M)は100ml以上であっ
たのに対し、本発明の化合物(実施例1及び実施例2の
化合物)の10mgを溶解するのに必要な水は10mlであ
り、pH7.4のリン酸塩緩衝液(0.05M)では0.5mlで
あった。以上の結果から、本発明の化合物が水溶性に優
れた化合物であることが明らかである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(I)で示されるアントラサイ
    クリン誘導体及びその塩。 【化1】 (式中、R1 は水素またはカルボン酸保護基を示し、R
    2 及びR3 はそれぞれ独立に水素または水酸基の保護基
    を示し、nは1ないし7の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 下記の式(II)で示されるアントラサイ
    クリン誘導体及びその塩。 【化2】 (式中、R4 は水素またはカルボン酸保護基を示し、R
    5 及びR6 はそれぞれ独立に水素または水酸基の保護基
    を示し、nは1ないし7の整数を示す。)
  3. 【請求項3】 必要により7位及び/又は9位水酸基が
    保護されたβ−ロドマイシノンを、下記の式: 【化3】 (式中、R7 はカルボン酸保護基を示し、nは1ないし
    7の整数を示す。)で示される化合物と反応させ、糖を
    結合した後、必要により保護基を除去する工程を含む、
    請求項1または2記載のアントラサイクリン誘導体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 下記の式(III)で示される、請求項1又
    は2に記載のアントラサイクリン誘導体の製造中間体及
    びその塩。 【化4】 (式中、R8 は水素またはカルボン酸保護基を示し、R
    9 及びR10はそれぞれ独立に水素又は水酸基保護基を示
    すか、両者が一緒になって>BPhを示し、nは1ない
    し7の整数を示す。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105001112A (zh) * 2015-06-30 2015-10-28 浦城正大生化有限公司 水溶性金霉素琥珀酸单酯盐及其制备方法

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