JPH0511721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシートバツクの傾角調整やシートクツ
シヨンの前後位置調整などの着座位置調節用の電
動式駆動機構を備えた車輌用シートに関するもの
である。

（従来の技術） 着座位置調節用の電動式駆動機構を備えた車輌
用シートとしては、実開昭60−76533号公報に見
られるように、シート本体をシート表皮により被
套したうえその側面に操作スイツチ類を固定する
とともにシートの側面は大型のサイドシールドを
設けたものを普通とするが、このようなものでは
サイドシールドが大型となつてコスト高となるう
えに操作スイツチ類が膨出されて体裁も悪いもの
である。また、操作スイツチ類が表面より膨出す
ることがないように内部に埋め込んだものも実開
昭61−45898号公報などに見られるが、このよう
なものでは組付作業に手数を要するうえに操作ス
イツチ類がシートクツシヨン側部に設置されてい
る場合には、乗降時などにおいて操作部周辺のク
ツシヨン材が外圧により撓んでスイツチ本体や操
作部が外圧の影響を受け誤動作したり故障の原因
となるなどの問題があつた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案が解決しようとするところは前記のよう
な問題を解決し、サイドシールドが小型でよいう
え乗降時などにおいて操作部周辺のクツシヨン材
が外圧により撓んでもスイツチ本体や操作部が外
圧の影響を受けることがなくて誤動作や故障の生
じ難い電動式駆動機構を備えた車輌用シートを提
供することにある。

（課題を解決するための手段） 前記のような課題を解決した本考案に係る車輌
用シートは、着座位置調節用の電動式駆動機構を
備えたシート本体をシート表皮により被套すると
ともにその側面にサイドシールドを設けた車輌用
シートにおいて、前記シート本体のクツシヨン材
の一側部にスイツチ取付用の凹欠部を形成して該
凹欠部内のシートフレームにスイツチ取付ベース
を取付けてその上端部の外方側で且つクツシヨン
材の下面側にはクツシヨン支持部を設け、さら
に、前記凹欠部内において前記スイツチ取付ベー
スの外面には前記クツシヨン支持部の下方に位置
するように電動式駆動機構のスイツチ本体を固定
して該スイツチ本体の操作部のみをシート表皮の
側面の前記サイドシールドに覆われることのない
部分に位置させたことを特徴とするものである。

（作用） このような車輌用シートは、従来のこの種車輌
用シートと同様シートフレームをもつて車体内に
取付けておき、シート表皮の側面のうちサイドシ
ールドに覆われることのない部分に位置された操
作部を操作して電動式駆動機構を駆動させ、シー
トバツクの傾角調整やシートクツシヨンの前後位
置調整を行えばよいものであるが、スイツチはサ
イドシールド上ではなく、シート表皮が設けられ
た部分に設けられるためサイドシールドを小型化
することができ、また、乗員の乗降時にシートク
ツシヨンが変形してもクツシヨン支持部でシート
が支持されてスイツチ本体にはシートクツシヨン
変形の影響が及ばないためスイツチの誤動作や故
障を防止できる。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明する。

１はＳばねが張設されたシートフレーム２にク
ツシヨン材３を載装支持させた周知のシートクツ
シヨン用のシート本体であつて、該シート本体１
は図示されない車体内のレール上に設置されて付
設の電動式駆動機構により前後位置調整できるよ
うになつており、また、同様の電動式駆動機構に
より図示されないシートバツクの傾角調整も行え
るようなつている。なお、クツシヨン材３はその
一側部にスイツチ収納用の凹欠部３ａが形成され
たものとして成形されている。４は電動式駆動機
構のスイツチ本体であつて、該スイツチ本体４は
シートフレーム２の一側に取付けられたブラケツ
ト５を介して前記凹欠部３ａに向けて取付けられ
ている上端が外向きのクツシヨン支持部５ｂに形
成されたスイツチ取付ベース５ａの外面に固定さ
れていて該クツシヨン支持部５ｂにより第２図、
第３図に見られるように上部が保護されるととも
に、その表面はクツシヨン材３の側面より殆んど
突出されることがないように位置させてある。６
はシート本体１に被套されるシート表皮であつ
て、その側面の前記したスイツチ本体４と対応す
る箇所には第１図、第２図に示す第１の実施例で
は開口７が開設されていてこの開口７を閉塞する
ように前記スイツチ本体４の操作部４ａを遊挿で
きる形状の操作部挿通用の小孔９が配設された合
成樹脂製の補強プレート８をシート表皮６の裏側
に添わせて縫着または溶着等の手段でシート表皮
６に添着一体化するとともに、シート表皮６の表
側から前記小孔９に対応する孔１０を有するオー
ナメント部材１１を前記開口７の口縁が隠される
ように被着して操作部４ａとしてスイツチ本体４
側に設けたレバーの先端にノブを嵌着したものと
しているが、第３図に示す第２の実施例のよう
に、シート表皮６の側面にスイツチ本体４の操作
部４ａとしてのノブ付レバーを遊挿できる操作部
挿通用の小孔９を直接配設して補強プレートを使
用することをなくし、ノブ付レバーをシート表皮
６の被套後にこれに添着したオーナメント部材１
１の孔１０と前記小孔９を通じてスイツチ本体４
に挿着するようにしてもよい。１２はシート表皮
６が被套されているシート本体１の側面に設けら
れるサイドシールドであつて、該サイドシールド
１２の後部はリクライニング金具取付部を大きく
覆うための膨出部１２ａに形成されているが、サ
イドシールド１２の他の部分はシート本体１の側
部下縁のみを覆うようにしてシート表皮６の側面
の多くは露呈されるようになつている。

このように構成されたものは、従来のこの種車
輌用シートと同様シートフレームをもつて車体内
のレール上に前後位置調整金具を介して取付けて
おき、乗員が着座位置の調節を行いたい場合には
着座姿勢のままシート表皮６の側面のサイドシー
ルド１２に覆われることのない部分に位置してい
る操作部４ａを操作すれば、任意の着座姿勢を容
易に得ることができるものであるが、本考案では
スイツチ本体４をシート表皮６内においてクツシ
ヨン材３を支持しているシートフレーム２の側面
にブラケツト５およびこれに取付けられたスイツ
チ取付ベース５ａを介し固定してあつてスイツチ
本体４はクツシヨン材３の一側部に形成されたス
イツチ収納用の凹欠部３ａ内にあり、スイツチ本
体４がクツシヨン材３の表面より膨出することの
ない状態でシート表皮６内に安定保持されること
となるので、表面に露呈された操作部４ａのスイ
ツチ操作が円滑化され、また、サイドシールド１
２を著しく小型化できてコストを低下できるばか
りでなく体裁がよくなるうえに組立作業も簡略化
される。しかも、スイツチ取付ベース５ａの上端
は外向きのクツシヨン支持部５ｂに形成されてい
てこのクツシヨン支持部５ｂがスイツチ本体４を
上部より保護しているので乗降時などにおいてク
ツシヨン材３が外圧により撓んでもスイツチ本体
４や操作部４ａが影響を受けることがなく、スイ
ツチが誤動作したり故障が生じることがないもの
となる。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、着座位
置の調節を適確容易に行えることは勿論のこと、
サイドシールドを小型で体裁のよいものにするこ
とができるのでコストを低下できるうえに車内装
飾上の効果に優れており、さらに、乗降時などに
おいてクツシヨン材が外圧により撓んでもスイツ
チ本体や操作部が影響を受けることがなくて誤動
作や故障の生じることがない等多くの利点があ
り、従来のこの種車輌用シートの問題点を解決し
たものとして実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す一部切欠
斜視図、第２図は同じく要部の一部切欠正面図、
第３図は本考案の第２の実施例を示す要部の一部
切欠正面図である。 １……シート本体、２……シートフレーム、３
……クツシヨン材、３ａ……凹欠部、４……スイ
ツチ本体、４ａ……操作部、５ａ……スイツチ取
付ベース、５ｂ……クツシヨン支持部、６……シ
ート表皮。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 着座位置調節用の電動式駆動機構を備えたシー
   ト本体をシート表皮により被套するとともにその
   側面にサイドシールドを設けた車輌用シートにお
   いて、前記シート本体１のクツシヨン材３の一側
   部にスイツチ取付用の凹欠部３ａを形成して該凹
   欠部３ａ内のシートフレーム２にスイツチ取付ベ
   ース５ａを取付けてその上端部の外方側で且つク
   ツシヨン材３の下面側にはクツシヨン支持部５ｂ
   を設け、さらに、前記凹欠部３ａ内において前記
   スイツチ取付ベース５ａの外面には前記クツシヨ
   ン支持部５ｂの下方に位置するように電動式駆動
   機構のスイツチ本体４を固定して該スイツチ本体
   ４の操作部４ａのみをシート表皮６の側面の前記
   サイドシールド１２に覆われることのない部分に
   位置させたことを特徴とする車輌用シート。