JPH0515224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はリクライニング機構を備えた自動車用
シートのようなシートクツシヨンの後端にシート
バツクを傾角調節自在に連結した車輛用座席に関
するものである。

（従来の技術） 従来のこの種車輛用座席は、シートクツシヨン
フレームにクツシヨン材を支持させたシートクツ
シヨンをシートクツシヨンカバーにより被覆した
うえその一側にリクライニング調節金具を取付け
てこれにシートバツクフレームの一方の連結脚部
を取付けるとともに、シートクツシヨンの他側か
ら張り出したシートクツシヨンフレームのフレー
ムサイドにシートバツクフレームの他方の連結脚
部を枢着させたものを普通とする。（例えば、実
開昭57−40350号公報） （考案が解決しようとする課題） ところが、このような従来の車輛用座席は、リ
クライニング調節金具側をガーニツシユで覆つた
としても、シートクツシヨンフレームの一方のフ
レームサイドとシートバツクフレームの一方の連
結脚部との枢着部分が露呈されているので体裁が
悪く、意匠的に不満なものであつた。そこで、シ
ートクツシヨンカバーの側方部にスリツトを設け
てこれにシートバツクフレームの一方の連結脚部
を挿入することにより連結脚部との枢着部分を隠
蔽することも考えられるところであるが、連結脚
部がシートバツクを傾角調節する都度スリツト縁
に添つて摺動するので、スリツトより破損したり
シートクツシヨンカバーの側面を連結脚部が傷付
けたり連結脚部やそのヒンジピンがシートクツシ
ヨンカバーの側面を膨出させて体裁を損ねたりす
る問題があり、未だ実用化されていない。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記のような問題点を解決した車輛用
座席に関するもので、シートクツシヨンフレーム
とシートバツクフレームとを該シートバツクフレ
ームの一方の脚部がリクライニング調節金具によ
り連結され他方の連結脚部がシートクツシヨンフ
レームのフレームサイドに枢着されてシートバツ
クを傾角調節自在とした車輌用座席において、シ
ートクツシヨンカバーの側方部内面に芯材を添着
してこの部分にスリツトを形成するとともに該芯
材の下方部表面を前記フレームサイドの外面に添
わせ、一方、前記シートバツクフレームの連結脚
部を前記スリツトを通じシートクツシヨンカバー
内に遊挿して前記フレームサイドの内面に突設し
たヒンジピンに枢着してあることを特徴とするも
のである。

（作用） このような車輛用座席は、従来のこの種車輛用
座席と同様車体内に装着し、必要時にリクライニ
ング調節金具の操作でシートバツクの傾角を調節
して使用すればよい。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明する。

１はシートクツシヨンであつて、該シートクツ
シヨン１は、一側に周知のリクライニング調節金
具を取付けるとともに他側にヒンジピン２が内面
に突設されたフレームサイド３ａの立設されてい
るシートクツシヨンフレーム３と、その上面に載
装支持させたクツシヨン材４と、該クツシヨン材
４をシートクツシヨンフレーム３のフレームサイ
ド３ａとともに覆つているシートクツシヨンカバ
ー５とにより構成されている。６はシートクツシ
ヨンフレーム３の後端にリクライニング調節金具
をもつて傾角調節自在に連結されているシートバ
ツクのシートバツクフレームであつて、該シート
バツクフレーム６の両脚部のうち前記リクライニ
ング調節金具の取付側とは反対側の連結脚部７
は、シートクツシヨンカバー５の側方部に形成し
たスリツト８を通じ該シートクツシヨンカバー５
内に遊挿されて前記シートクツシヨンフレーム３
のフレームサイド３ａの内面に突設されているヒ
ンジピン２に枢着させてある。即ち、第１図、第
２図に示す第１の実施例では、連結脚部７を上脚
部７ａと内向き屈曲部７ｂと下脚部７ｃとが一連
に形成されたものとして該内向き屈曲部７ｂをシ
ートクツシヨンカバー５のサイド面に形成した弧
状のスリツト８に遊挿させたものとし、また、第
３図に示す第２の実施例では垂直の連結脚部７を
シートクツシヨンカバー５の天板面とサイド面と
の境界部に形成した前後方向のスリツト８に遊挿
させたものとしている。また、両実施例とも前記
スリツト８はシートクツシヨンカバー５の側方部
内面に芯材９を添着したうえこの部分に形成され
たものとし、シートクツシヨンカバー５を被覆し
たとき該芯材９の下方部表面が前記フレームサイ
ド３ａの外面に添つて皺寄ることがないうえにス
リツト８が芯材９により保形されたものとしてあ
る。なお、第３図に示す第２の実施例において、
１０は上端がシートクツシヨンカバー５のスリツ
ト８の近辺に縫着されて下端をフレームワイヤを
介してホグ止めワイヤに連結したぼろかくし用の
内カバーである。

このように構成されたものは、従来のこの種自
動車用シートと同様車体内に装着しておき、必要
時に図示しない操作レバーの操作でリクライニン
グ調節金具を作動させてシートバツクの傾角調節
を行い、最適の傾角で着座するものであるが、リ
クライニング調節金具が取付けられている側とは
反対側の連結脚部７がシートクツシヨンカバー５
のサイド面など側方部に形成したスリツト８を通
じシートクツシヨンカバー５内に遊挿させてシー
トクツシヨンフレーム３のフレームサイド内面に
突設してあるヒンジピン２に枢着してあるから、
シートクツシヨンフレーム３のフレームサイド３
ａとシートバツクフレーム６の他方の連結脚部７
との枢着部分が外部に露呈されることがなく、し
かも、連結脚部７を遊挿させているシートクツシ
ヨンカバー５のスリツト８は合成樹脂などの芯材
９により保形されたものとしてあるので体裁が極
めてよいうえ、連結脚部７がシートバツクを傾角
調節する都度スリツト縁に添つて摺動しても摩擦
によりスリツト縁からシートクツシヨンカバー５
が破損したり、シートクツシヨンカバー５の側面
が連結脚部７により傷付けられたりすることがな
く長期耐用でき、さらに、フレームサイド３ａの
内面に突設したヒンジピン２や連結脚部７はシー
トクツシヨンカバー５の側面を膨出させることが
ない。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、シート
クツシヨンフレームのフレームサイド内面にヒン
ジピンを突設してシートクツシヨンカバーの側方
部に形成したスリツトを通じ該シートクツシヨン
カバー内に遊挿したシートバツクフレームの連結
脚部を前記したフレームサイド内面のヒンジピン
に枢着させたので、リクライニング操作に影響を
あたえることなくシートクツシヨンフレームのフ
レームサイドとシートバツクフレームの他方の連
結脚部との枢着部分をシートクツシヨンカバーで
的確に隠蔽できて体裁がよく、また、傾角調節時
に他方の連結脚部によりスリツト縁からシートク
ツシヨンカバーが破損されたりシートクツシヨン
カバーの側面が傷付けられたりすることがなく長
期耐用でき、さらに、フレームサイドの内面に突
設したヒンジピンや連結脚部はシートクツシヨン
カバーの側面を膨出させることがないので、体裁
のよい仕上がりとなるなど多くの利点がある。

従つて、本考案は従来のこの種車輛用座席の問
題点を解決したもので、構造が簡単で安価に提供
できる利点と相俟ち実用的価値極めて大なるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す一部切欠
正面図、第２図は同じく一部切欠側面図、第３図
は本考案の第２の実施例を示す一部切欠正面図で
ある。 １……シートクツシヨン、２……ヒンジピン、
３……シートクツシヨンフレーム、３ａ……フレ
ームサイド、５……シートクツシヨンカバー、６
……シートバツクフレーム、７……連結脚部、８
……スリツト、９……芯材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンフレーム３とシートバツクフ
   レーム６とを該シートバツクフレーム６の一方の
   脚部がリクライニング調節金具により連結され他
   方の連結脚部７がシートクツシヨンフレーム３の
   フレームサイド３ａに枢着されてシートバツクを
   傾角調節自在とした車輌用座席において、シート
   クツシヨンカバー５の側方部内面に芯材９を添着
   してこの部分にスリツト８を形成するとともに該
   芯材９の下方部表面を前記フレームサイド３ａの
   外面に添わせ、一方、前記シートバツクフレーム
   ６の連結脚部７を前記スリツト８を通じシートク
   ツシヨンカバー５内に遊挿して前記フレームサイ
   ド３ａの内面に突設したヒンジピン２に枢着して
   あることを特徴とする車輛用座席。