JPH05116343A - カラー画像形成法 - Google Patents

カラー画像形成法

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JPH05116343A
JPH05116343A JP3279861A JP27986191A JPH05116343A JP H05116343 A JPH05116343 A JP H05116343A JP 3279861 A JP3279861 A JP 3279861A JP 27986191 A JP27986191 A JP 27986191A JP H05116343 A JPH05116343 A JP H05116343A
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JP
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recording
ink
color
recording medium
bubbles
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Pending
Application number
JP3279861A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Takizawa
▲吉▼久 滝沢
Katsuhiro Shirota
勝浩 城田
Hisao Yaegashi
尚雄 八重樫
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2002/14169Bubble vented to the ambience

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 少なくとも、シアン、マゼンタ、及びイエロ
ーの三つの常温固体の原色記録媒体3を加熱溶融し、更
に記録信号に応じた熱エネルギーを付与することにより
前記記録媒体3内に泡6を発生させ、前記泡6を吐出口
5より外気と連通させて前記記録媒体3を吐出し被記録
材上にカラー画像を記録する方法において、被記録材上
にイエロー、マゼンタ、シアンの順に原色の記録を実施
することを特徴とするカラー画像形成法。 【効果】 以上で明らかなように、C、M及びYの三原
色を用いて被記録材上にカラー画像を形成する場合には
Y→M→Cの順に記録するのが最適であり、この順序で
原色の記録を実施するとカブリによる色のくすみもな
く、鮮明なカラー画像を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温で固体の記録媒体
(インク)を用いて、インクジェット記録法により複数
の原色を組み合わせることによってカラー画像を記録す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、記録媒体の
小滴を飛翔させ、紙などの被記録材に付着させて記録を
行なうものである。インクジェット記録方法の中でも特
に、本出願人が特公昭61−59911号公報、特公昭
61−59912号公報、特公昭61−59914号公
報において開示した、常温で液体のインクを用い、熱エ
ネルギーをこのインクに作用させてインク内に泡を発生
させ、インク内に発生した泡により液滴を吐出口(オリ
フィス)から吐出させる方法によれば、記録ヘッドの高
密度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高解像度、
高品質の画像を高速で記録できる。
【0003】常温で液体のインクを用いたインクジェッ
ト記録方法によれば、上記のもの以外に例えば以下のも
のがある。
【0004】特公昭54−161935号公報では、図
11に示すように発熱体30によって液室内のインク3
1をガス化させ、該ガス32をインク滴33と共に吐出
口より吐出させる方法が開示されている。該方法によれ
ば、ガス32をノズルより噴出させることによってオリ
フィスの目詰まりを防止できるとしている。尚、35は
電極である。
【0005】また特開昭61−185455号公報で
は、図12に示すように小開口40を有する板状部材4
1と発熱体ヘッド42との微小間隔部43に満たされた
液状インク44を該発熱体ヘッドによって加熱し(図1
2(a)、(b)、発生した気泡45によって小開口4
0からインク滴46を飛翔させると共に該気泡を形成し
ていたガスをも該小開口40より噴出させて(図12
(c))記録紙上に面像を形成する記録方法に関する記
載がある。特開昭61−249768号公報では、図1
2に示すように液状インク50に熱エネルギーを作用さ
せて気泡を形成し、気泡の膨張力に基づいてインク小滴
58を形成飛翔させると同時に該気泡を形成していたガ
スをも大開口52より大気中に噴出させる記録方法につ
いて記載されている。尚、51は発熱体である。
【0006】特開昭61−197246号公報には、図
14に示すようにフィルム60に設けられた複数の孔6
1に充填されたインク62を、発熱素子63を有する記
録ヘッド64で加熱してインク62中に泡67を発生さ
せ、インク滴65を被記録材65に翔させる記録方法に
ついて記載されている。
【0007】一方、インクジェット記録方法に用いられ
るインクには、被記録材上で速やかに乾燥定着するのに
対し、ノズル内では乾燥しにくくノズル詰まりを起こし
にく、という矛盾した特性が要求される。
【0008】この要求に対し、従来の常温固体のインク
には一般に水を主成分とし、これに乾燥防止、目詰まり
防止などの目的でグリコールなどの水溶性高沸点溶剤を
含有したものが一般的で、このようなインクを用いて普
通紙に記録を行なった場合、インクが速やかに乾燥定着
せず、印字直後の文字を手で触れるとインクが手につい
たり、文字が擦れて印字品位が低下するなどの問題があ
った。
【0009】また、記録紙の種類によって、インクの浸
透性が大きく異なるため、従来の水を主成分としたイン
クを使用する場合、特定の記録紙しか使用できないとい
う問題点があった。特に近年は、オフィスで多く使用さ
れているコピー用紙、レポート用紙、ノート、便箋等の
いわゆる普通紙に対しても良好な記録を行えることが要
求されている。
【0010】この要求に対して、米国特許5,006,
170号、特開昭58−108271号公報、特開昭6
1−83268号公報、特開昭61−159470号公
報、特開昭62−48774号公報、あるいは特開昭5
5−54368号公報には、常温で固体状のホットメル
ト型インクを加熱溶融して飛翔されるインクジェット記
録方法が開示されている。
【0011】しかしながら、常温で固体のインクは、加
熱溶融したとしても、常温で液体の水系インクに比べ粘
度が高く、泡の発生及び膨張に対して大きな抵抗とな
る。このため、常温で固体のインクを用いた従来の記録
方法では、インク中に泡が発生しても、十分な吐出エネ
ルギーが得られずインクの吐出速度が遅かったり、ある
いは泡の形状が不均一になったりした。その結果、イン
クの小滴の体積が不均一になったりした。最悪の場合に
は、インクが吐出口から吐出しない場合もあった。
【0012】また、被記録材上でインクが盛り上がるの
を防止するために、特開平1−242672号公報、特
開平2−51570号公報には過冷却剤の添加された常
温固体のインクが開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、過
冷却剤の添加された常温固体の従来のインクは、インク
の盛り上がりは防止できるが完全定着するために時間が
かかり、記録像を形成した後十分に時間をおかないと、
記録像で手が汚れたり記録像が乱れたりする問題があっ
た。
【0014】また、インクジェット記録方法に使用する
常温固体の従来のインクとしては、上記のほか、特開平
1−236287号公報、特開平1−263170号公
報及び特開平1−263171号公報にそれぞれキシレ
ノール、ジアセトアミド、2、2−ジメチル−1−プロ
パノールを主要成分とするインクが開示されているが、
これら従来の固体インクでは、記録を行なわないまま加
熱溶融状態に放置したとき、インクの物性が変化した
り、ノズル詰まりが起こり易く、また、記録紙によって
は記録像がにじむことがあった。
【0015】そこで本出願人は特願平3−249217
号公報により、前記した従来知られている記録技術が有
していた問題点を改良する提案をすでに行なっている。
【0016】特願平3−249217号公報の方法によ
れば、ノズル内の泡だまりによる吐出不良や、吐出した
インク小滴の体積の不均一、またインク小滴の被記録材
上の着弾位置精度の悪さなど、従来知られている記録技
術による問題点を解決することができた。
【0017】本願は前記特願平3−249217号公報
を発展させたものであり、特願平3−249217号公
報の記録方法を用いて、シアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)の三原色を用いて減法混色によ
りカラー画像を形成する際に、これら原色を特定の順序
で記録することによってカラー画像の色のくすみや、解
像度の低下を起こすことなく、精細で鮮明なカラー画像
の得られる記録方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】C、M、及びYの三原色
を用いてカラー画像を形成する際のこれら原色の記録を
実施する順序としては、 C→M→Y C→Y→M M→C→Y M→Y→C Y→C→M Y→M→C の六種類が存在する。オフセット等の分野では、主に先
刷りインキ上への後刷りインキのインキの乗りが不十分
となる所謂トラッピング現象により、原色の記録順序が
色再現性に影響を与えることは知られているが、本発明
の記録法による記録の場合には、全てのインク(液滴)
が被記録材上に付着されるため、被記録材上へのインク
の付着量が先に記録の行なわれた原色の影響を受けるト
ラッピング現象が生じる余地はない。
【0019】しかしながら、本発明の記録法について、
本発明者等がこれら原色の記録順序に着目して検討した
ところ、以外にも得られるカラー画像の画質、例えば色
のくすみ、解像度等がこれら原色の記録順序によって大
きく左右されることを見いだした。
【0020】即ち本発明は、少なくとも、シアン、マゼ
ンタ、及びイエローの三つの常温固体の原色記録媒体を
加熱溶融し、更に記録信号に応じた熱エネルギーを付与
することにより前記記録媒体内に泡を発生させ、前記泡
を吐出口より外気と連通させて前記記録媒体を吐出し被
記録材上にカラー画像を記録する方法において、被記録
材上にイエロー、マゼンタ、シアンの順に原色の記録を
実施することを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明のカラー画像の形成方法は、後に記述す
るように、常温(5℃〜35℃)で固体のインクを加熱
溶融し、溶融した記録媒体に記録信号に応じた熱エネル
ギーを付与することにより吐出口(オリフィス)から吐
出させて記録を行なう所謂インクジェット記録方法を対
象とする。本発明の記録法における記録手段とは飛翔液
滴としてのインクであり、原色とは、これら記録手段と
してのC、M又はYの各色を呈するインク組成物を指
す。これらの記録手段に含有される色材(染料、顔料
等)が紙等の被記録材上に付着されることによって原色
の記録が実施される。
【0022】本発明のインクジェット記録方法によるカ
ラー画像の形成法において、原色の記録順序の違いによ
って、得られるカラー画像の画質に差が生ずるのは次の
理由によるものと推定される。一般に色材の明度は、
Y》M〉Cの順である。従って、Y色の色材が透明度が
十分でなかったり、蛍光性を有するものである場合に、
Y色の記録を他の原色の後に実施すると、記録に重なり
が生じた部分において、先に記録が実施されたM色、或
はC色の下地に記録部がその上部のY色の記録部を介し
て白っぽく見える現象(カブリと称する)が生じ、記録
画像の全体にくすみが生じる。同様に、C色の後にM色
の記録を実施すると、M色の色材の透明度が十分でない
場合にも記録の重なりが生じた部分に同様なカブリが見
られる。
【0023】このことから、C、M及びYの三原色を用
いて被記録材上にカラー画像を形成する場合には本発明
のように、Y→M→Cの順に記録するのが最適であり、
この順序で原色の記録を実施するとカブリによる色のく
すみもなく、鮮明なカラー画像を形成することができる
ものと推定される。
【0024】本発明にいう、原色の記録順序とは、カラ
ーオフセット印刷等の場合のように、被記録材の全体を
先ず第1の原色で記録(印刷)を実施した後に、次いで
第2の原色での記録を実施していくという方法における
原色の記録順序に限定されるものではなく、被記録材上
を複数の原色の記録ヘッドが極く短い時間の間隔のずれ
をもって操作しつつ記録を実施するような方式における
各記録画素についての原色の記録の実施順序をも含める
ものである。
【0025】カラー画像の記録方法においては、C、M
及びYの三原色を用い、これら三色を重ねてブラック
(K)を発現させる方式以外に、上記三原色に加えて、
Kを第4の原色として使用して記録を実施する方法もあ
る。この場合には、Kの記録順序としては、特に限定さ
れるものではないが、Yの記録を実施するまえに記録を
実施することが前述と同様な理由により好ましい。しか
し、K+C、K+M、及びK+YはKの色を呈するた
め、Kを記録する箇所にはKだけを記録し、他の原色は
記録しないか、あるいは他の原色の記録量を減らすこと
がある。このような場合はKをYの後に記録してもさし
つかえない。
【0026】本発明の記録方法は、フルカラー、フォー
ルスカラーを問わず実施でき、また画素マトリックスや
ディザ法等を併用したフルカラー画像の形成にも適用で
きる。
【0027】次に本発明で使用する記録方法について説
明する。
【0028】図1に示す装置は、本発明の記録方法を実
施するための装置で(後に更に詳しく説明する)、タン
ク21に収容された記録媒体は供給路22を通って記録
ヘッド23に供給される。記録ヘッド23は、図に示す
記録ヘッドが使用できる。タンク21、供給路22及び
記録ヘッド23には、加熱手段20及び24の熱により
装置内の記録媒体が液状に保たれる。加熱手段20及び
24は、記録媒体の融点よりも10℃〜50℃高い温度
に設定すると良い。記録ヘッド23には駆動回路25よ
り記録信号が送られ、記録信号に応じて記録ヘッド23
の吐出エネルギー発生手段(例えばヒーター)が駆動す
る。
【0029】ヘッド23は、図2に示すように、基板1
上に平行に並べられた壁8と、液室10を形成する壁1
4とが設けられている。更に、壁8、14の上には天板
4が配置される。図2の(a)では、記録ヘッドの内部
を見やすくするため、天板4を壁8、14から離して示
してある。天板4にはインク供給口11が形成され、イ
ンク供給口11より液室10に溶融した記録媒体が流入
する。壁8と壁8の間は、溶融した記録媒体が通るノズ
ル15となっており、各ノズル15の途中の基板1上に
は記録媒体に記録信号に応じた熱エネルギーを付与する
ためのヒーター2が設けられている。ヒーター2からの
熱エネルギーにより記録媒体に泡が発生し、記録媒体が
ノズル15の吐出口5から吐出する。
【0030】本発明の記録方法では、熱エネルギーの付
与により記録媒体に発生した泡が膨張して所定の大きさ
になったところで吐出口5を突き抜け外気と連通する。
以下、この点について説明する。
【0031】図3は記録ヘッド23に設けられた1本の
ノズル15の断面で、図3は(a)は発泡前の状態を示
す。まず加熱手段24に電流を流し、常温で固体の記録
媒体3を溶解する。記録媒体3を液化した後、ヒーター
2に瞬間的に電流を流しパルス的にヒーター2近傍の記
録媒体3を加熱すると、記録媒体3は急激な沸騰を起こ
し勢い良く泡6が発生し、膨張をはじめる(図3
(b))。泡6は膨張を続け、特にイナータンス(慣
性)の小さい吐出口5側へ成長し、更に吐出口5から突
き抜け外気と連通する(図3(c))。泡6より吐出区
口5側の記録媒体3は、この瞬間までに泡6から与えら
れた運動量のために前方へ飛び出し、やがて独立な小滴
7となって紙などの被記録材へ飛翔する(図3
(d))。記録媒体3が飛び出した後、ノズル15先端
部に生じた空隙には、後方の記録媒体3の表面張力とノ
ズル壁との濡れによって新たな記録媒体3が満たされ、
吐出前の状態に戻る。
【0032】記録ヘッド23は従来の記録ヘッドに比
べ、ヒーター2の位置を吐出口5の方向に近づけた位置
に設けてある。これは泡を外気と連通させるために最も
簡便にとれる構成である。ヒーター2の発生する熱エネ
ルギー量、インク物性、記録ヘッド23の各部の大きさ
(吐出口5とヒーター2間の距離、吐出口5や、ノズル
15の幅及び高さ)などを所望に応じて選択することに
より泡を外気と連通させることができる。
【0033】ヒーター2を吐出口5にどれくらい近づけ
たら泡が外気と連通するかについては一概には言えない
が、ヒーター2の吐出口側の端から吐出口5までの距離
(図9に示す記録ヘッドの場合は、ヒーター2の表面か
ら吐出口5までの距離)が5μm以上80μm以下、更
には10μm以上60μm以下であることが好ましい。
【0034】泡を外気と確実に連通させるために、吐出
口の高さH(図2(a)参照)をヒーターのところで測
定したノズルの幅Wと等しいか、より小さくすることが
好ましい。
【0035】また、泡を外気と連通させるためには、ヒ
ーター2の幅を、ノズルの幅の50%〜95%、更には
70%〜90%とするのが好ましい。更には加熱手段2
4によって溶融状態にあるインク粘度が100cps以
下であることが好ましい。また、泡が外気と連通しない
場合に達するであろう泡の最大体積もしくは泡の最大体
積の70%以上、より好ましくは80%以上の体積のと
きに泡が外気と連通するようにすることは好ましいもの
である。
【0036】本発明では、記録媒体中に生じた泡が外気
と連通するため、泡と吐出口5との間にある記録媒体が
実質的に全て吐出する。従って、吐出する小滴の体積は
常に一定となる。従来の噴射記録方法では、通常、記録
媒体中に生じた泡は外気と連通せず、最大に成長した後
は収縮して消滅する。従来のように、記録媒体中に生じ
た泡が外気と連通しない場合、泡と吐出口5との間にあ
る記録媒体は全てが吐出せず部分的に吐出するにすぎな
い。
【0037】また、泡が外気と連通せずに最大に達した
後、収縮する噴射記録方法では、泡が収縮しても完全に
は消滅せずにヒーター上に残る場合があった。このよう
にヒーター上に小泡が残ると、次の小滴吐出の際に、ヒ
ーター上に残った小泡のために泡の発生及び成長が正し
く行われないという問題がある。この点、泡を外気と連
通させる本発明の噴射記録方法では、泡と吐出口の間に
ある記録媒体が全て吐出するためヒーター上に小泡が残
ることがない。
【0038】本発明の記録方法では、記録ヘッド23の
ヒーター2から吐出口5までのイナータンスが小さいた
め、生起した泡の運動量が効率良く小滴7に享受され
る。このため、従来の記録方法では吐出しにくかったも
の、即ち常温で固体の記録媒体を融点以上に加熱して液
化したもののように、粘度の高いものでも安定的に吐出
することが可能である。また、本発明の記録方法では、
記録媒体内に発生した泡が記録媒体の吐出時に外気と連
通するため、記録媒体の吐出スピードが非常に速くな
る。このため、記録媒体の小滴は被記録材上の目的のポ
イントに正確に付着すると共に、固体の記録媒体でも被
記録材上でも盛り上がることがなく薄く付着する。固体
の記録媒体が、被記録材上で薄く付着するという利点
は、多色のカラー画像を形成するために記録媒体を被記
録材上で重ねて付着させる場合に特に有効である。
【0039】また本発明では、ヒーター2より生起され
た泡が吐出口5より外気と連通するときに、泡の内圧が
外気圧以下の条件で連通させるのが好ましい。
【0040】図4は、泡の内圧(グラフa)と泡の体積
(グラフb)の関係を示したグラフである。但し、図4
は泡が外気と連通しない場合のグラフである。図4にお
いて、時刻T=t0で、ヒーター2にパルス電流を流す
と記録媒体中に泡が発生して泡の内圧が急激に上昇す
る。泡は発生と同時に膨張を開始する。
【0041】泡の膨張は、ヒーター2への電流印加が終
了してもすぐには終らず、しばらくの間続く。その結果
泡の内圧は急激に低下して時刻T=t1で外気圧以下に
なる。泡はある程度膨張を続けた後、収縮し消滅する。
【0042】従って、図5に示すように、時刻T=t1
以降の時間、例えば時刻taで泡を外気と連通させれ
ば、連通する直前の泡の内圧は外気圧以下となる。
【0043】泡の内圧が外気圧以下の条件で泡を外気と
連通させて小滴を吐出させると、記録に不要なミスト状
の記録媒体が飛散するのを防ぐことができ、被記録材や
装置内を汚すことがない。
【0044】従来から、噴射記録方法では記録を行なう
小滴以外に、スプラッシュしたミスト状の記録媒体(以
下、スプラッシュあるいはミストという)がしばしば吐
出し問題となっていた。本発明によれば、泡を外気と連
通する際に泡の内圧を外気圧よりも低くすることでスプ
ラッシュやミストを防ぐことができる。
【0045】泡の内圧と外気圧との大小関係は、泡の内
圧を直接測定するのは難しいため、以下のようにして判
定するとよい。
【0046】即ち、記録媒体が発泡を開始してから泡が
外気と連通するまでの時間における泡の体積Vbを測定
し、Vbの二次微分d2Vb/dt2を求めることによっ
て泡の内圧と外気圧との大小関係を知ることができる。
2Vb/dt2>0であれば泡の内圧は外気圧よりなお
高く、d2Vb/dt2≦0であれば泡の内圧は外気圧以
下である。図6で説明すると、発泡開始T=t0よりT
=t1までは泡の内圧は外気圧よりも高くd2Vb/d
2>0となり、T=t1より泡が外気と連通するまで
の時間T=taまでは泡の内圧は外気圧以下であり、d
2Vb/dt2≦0となる。以上のようにVbの二次微分
2Vb/dt2を求めることで泡の内圧と外気圧との大
小関係を知ることができる。
【0047】また、上記のVbを測定するかわりに、泡
が発生してから記録媒体の小滴が飛翔するまでの間(図
3の(a)から(c)の間)において、吐出口5から突
出した記録媒体3a(図3(b)参照。以下、記録媒体
突出部3a)のVdを測定して、Vdの二次微分d2
d/dt2を求めることによっても泡の内圧と外気圧の
大小関係を知ることができる。即ち、d2Vd/dt2
0であれば泡の内圧は外気圧よりも高く、d2Vd/d
2≦0であれば泡の内圧は外気圧以下である。
【0048】各時刻における記録媒体突出部3aの体積
は、図7のようにストロボやLED、レーザーなどの光
源200を用いて、パルス光で記録媒体突出部3aを照
明しながら顕微鏡201で観察することによって測定す
ることができる。即ち、一定周波数で連続して小滴を吐
出している記録ヘッドに対して、その駆動パルスに同期
してかつ所定のディレイ時間をおいてパルス光を発行さ
せることにより、所定時刻における記録媒体突出部3a
の投影形状を測定できる。このときパルス光のパルス幅
は測定に十分な光量が確保できる範囲でできるだけ小さ
いほうがより正確に測定を行なうことができる。記録媒
体突出部3aの体積は、一方向からの測定からでも換算
することができるが、さらに正確に求めるために、図7
に示すように、小滴の吐出方向をxとし、x軸と直交
し、しかも互いに直交する2方向y、z方向から同時に
記録媒体突出部3aの投影形状を測定することが望まし
い。このとき顕微鏡201での測定方向yまたはzの何
れか一方は、吐出口5の並び方向に平行な方向が望まし
い。
【0049】このように測定した2方向からの画像につ
いて、図8(a)及び図8(b)に示すようにx座標値
に対する記録媒体突出部3aの幅a(x)、b(x)を
測定する。これらの値から次式に従って計算することに
よって所定時刻の記録媒体突出部3aの体積Vdを求め
ることができるのである。なお、下記の式は記録媒体突
出部3aのy−z断面を楕円で近似したもので、記録媒
体突出部3aや泡6の体積計算には十分な精度で求める
ことができる。
【0050】 Vd=(π/4)∫a(x)・b(x)dx
【0051】こうして、光源200からのパルス光の点
灯ディレイ時間を0から順に変えていくことによって、
泡が発生してから記録媒体の小滴が飛翔するまでの間に
おけるVdの変化を求めることができる。
【0052】ノズル15内の泡体積Vbの測定も図7に
示した方法を応用して行なうことができる。但し、泡の
体積Vbを測定するためには、記録ヘッドの外側から泡
が観察できるように、記録ヘッドの一部を透明な部材で
構成する必要がある。
【0053】記録媒体突出部3aや泡6の挙動を観察す
るためには、約0.1μsec程度の時間分解能が必要
なため、パルス光源200としては赤外LEDが好まし
く、また光源パルス幅は50nsecが好ましい。顕微
鏡201には赤外線カメラを接続し画像を撮影するのが
好ましい。
【0054】また、泡の吐出口5方向先端の移動速度の
一次微分値が負の条件で泡を該吐出口5より外気と連通
させることにより、更にインクミストやスプラッシュを
防止できる。
【0055】更に、図3(b)を参照して吐出エネルギ
ー発生手段であるヒーター2の突出口5側端部から気泡
の吐出口とは反対側の端部までの距離1aを、ヒーター
の吐出口5とは反対側の端部から気泡の吐出口とは反対
側の端部までの距離1bに対して泡が外気と連通する直
前において1a/1b≧1、好ましくは1a/1b≧
2、より好ましくは1a/1b≧4とすることにより、
記録媒体吐出後に吐出口近傍に生じた空隙部に新たな記
録媒体が満たされるまでの時間を短縮することができ、
より一層の高速記録が可能になる。1a/1bは例えば
ヒーター2の位置を吐出口5に近付ければ大きくなる。
【0056】図9は記録ヘッドの他の例をしめすもの
で、吐出口5がノズル15の横方向に設けられている。
図9の記録ヘッドを使用した場合も、図3の記録ヘッド
と同様に泡6は外気と連通する。即ち、図9(a)に示
す発泡前の状態から、加熱手段24により記録媒体3を
溶融した後、ヒーター2に通電するとヒーター2上に泡
6が発生する(図9(b))。その後、泡6は膨張を続
け(図9(c))、泡6と外気とが連通して小滴7が吐
出口5から飛び出す(図9(d))。
【0057】次に本発明の記録方法を実施する記録装置
について説明する。
【0058】図10は本発明の記録装置を実施する記録
装置の斜視図である。100、101、102及び10
3はタンク付き記録ヘッドであり、例えば400本/イ
ンチのピッチで48ノズルを有する。タンク付き記録ヘ
ッド100、101、102、103によって常温固体
のインクが被記録材105に向かって噴射され記録が行
なわれる。図10に示す記録装置は、カラー記録を行な
うために同じ構造の4つのタンク付き記録ヘッド10
0、101、102、103がキャリッジ104上に設
けられている。各タンク付き記録ヘッド100、10
1、102、103からは、それぞれ色の違うインク、
例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの記録媒
体が吐出する。
【0059】図10に示すタンク付き記録ヘッドは、後
に詳しく説明するように、記録媒体を収納するタンクと
記録ヘッドとが一体的に構成されている。即ち、図10
に示すタンク付き記録ヘッドは、図1に示すタンク21
と記録ヘッド23とが一体となったものである。
【0060】各タンク付き記録ヘッド100、101、
102及び103には、それぞれ温調ヒーター100
a、101a、102a、103aが取り付けられてい
て、タンク付き記録ヘッドを加熱して、タンク付き記録
ヘッド内のインクを溶融状態に保つようになっている。
即ち、温調用ヒーター100a、101a、102a、
103aは、図1の加熱手段及び24に相当する。
【0061】キャリッジ104は、ガイドレール10
6、107にスライド自在に支持されている。キャリッ
ジ104には、モータープーリ108とテンションプー
リー109とに掛けられたエンドレスベルト110が固
定されていて、走査信号でキャリッジモータ111が駆
動ことによりモータープーリー108が回転する。その
結果、エンドレスベルト110が回転し、エンドレスベ
ルト100の回転に伴ってキャリッジ104がガイドレ
ース106及び107に沿って走査する。つまり、キャ
リッジ104は走査信号に応じて走査する。
【0062】被記録材105は、紙送りローラ112及
び紙送りピンチローラ113、更にはテンションローラ
114及びテンシオンピンチローラ115にそれぞれ挟
持されて保持される。紙送りローラ112とテンシオン
ローラ114には、ギア116、117及び118を介
してモーター119の回転力が伝達され、モーター11
9の回転に応じて被記録材105が矢印Pの方向に送ら
れる。
【0063】被記録材105を介して、タンク付き記録
ヘッド100、101、102、103と対向する位置
には、プラテン120が設けられている。タンク付き記
録ヘッドの吐出口(図示せず)と被記録材105との間
隔は、例えば0.5mmに保持される。
【0064】以上のようにキャリッジ104がガイドレ
ール106、107に沿って移動し、キャリッジ104
の移動に同期して被記録材が矢印P方向に送られること
により被記録材上に準じ記録が行なわれる。
【0065】次に、常温(5℃〜35℃)で固体の記録
媒体(インク)について説明する。
【0066】本発明では、先に詳述したように、常温固
体のインクを加熱溶融し、溶融したインクに記録信号に
応じた熱エネルギーを付与することにより吐出口5から
吐出させて記録を行なう。従って、本発明の常温固体の
インクは、熱溶融性固体物質と着色材とを少なくとも含
有し、更に必要に応じて物性を調整するための添加剤或
はアルコール等の常温で液体の有機溶剤等を含有するも
のである。
【0067】本発明のインクは、その融点が36℃〜2
00℃の範囲にあるものが望ましい。36℃を下回る場
合は、室温の変化によってはインクが溶けて手などを汚
すおそれがあり、200℃を超える場合には、インクを
液化するために大きなエネルギーが必要となる。より好
ましくは、その融点が36℃〜150℃の範囲が望まし
い。
【0068】更に本発明の記録方法は、熱エネルギーの
作用によりインクを吐出させ記録を行なうので、熱エネ
ルギーを吐出エネルギーへと効率良く変換させるための
成分として、沸点(760mmHg)が150℃〜37
0℃の物質も含有させることが望ましい。
【0069】具体的には、アセトアミド、p−バニリ
ン、o−バニリン、ジベンジル、m−アセトトルイジ
ン、安息香酸フェニル、2、6−ジメチルキノリン、
2、6−ジメトキシフェノール、p−メチルベンジルア
ルコール、p−ブロモアセトン、ホモカテコール、2、
3−ジメトキシベンズアルデヒド、2、4−ジクロルア
ニリン、ジクロロキシリレン、3、4−ジクロロアニリ
ン、4−クロロ−m−クレゾール、p−ブロモフェノー
ル、シュウ酸ジメチル、1−ナフトール、ジブチルヒド
ロキシトルエン、1、3、5−トリクロロベンゼン、p
−tert−ペンチルフェノール、デュレン、ジメチル
−p−フェニレンジアミン、トラン、スチレングリコー
ル、プロピオアミド、炭酸ジフェニル、2−クロロナフ
タレン、アセナフテン、2−ブロモナフタレン、インド
ール、2−アセチルピロール、ジベンゾフラン、p−ク
ロロベンジルアルコール、2−メトキシナフタレン、チ
グリン酸、p−ジブロモベンゼン、9−ヘプタデカノ
ン、1−テトラデカナミン、1、8−オクタンジアミ
ン、グルタル酸、2、3−ジメチルナフタレン、イミダ
ゾール、2−メチル−8−ヒドロキシキノリン、2−メ
チルインドール、4−メチルビフェニル、3、6−ジメ
チル−4−オクチン−ジオール、2、5−ジメチル−3
−ヘキシン−2、5−ジオール、2、5−ジメチル−
2、5−ヘキサンジオール、エチレンカーボネート、
1、8−オクタンジオール、1、1−ジエチル尿素、p
−ヒドロキシ安息香酸ブチル、2−ヒドロキシナフトエ
酸メチル、8−キノリノール、ステアリルアミンアセテ
ート、1、3−ジフェニル−1、3−プロパンジオン、
m−ニトロ安息香酸メチル、しゅう酸ジメチル、フタラ
イド、2、2−ジエチル−1、3−プロパンジオール、
8−キノリノール、N−tert−ブチルエタノールア
ミン、グリコール酸、ジアセチルモノオキシム及びアセ
トンオキシム等の一種または二種以上を混合して用いる
ことができる。
【0070】更に下記のようなワックス類、樹脂類等を
含有してもよい。
【0071】カルナウバワックス、パラフィンワック
ス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、エステルワックス等のワックス類、ステアリン酸、
パルミチン酸等の脂肪酸類、セチルアルコール、ステア
リルアルコール等の高級アルコール類、1、8−オクタ
ンジオール、1、10−デカンジオール、1、12−ド
デカンジオール類、そのほか脂肪酸エステル類、芳香族
エステル、芳香族アルコール等の芳香族化合物、ポリア
ミド樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリウレタン樹脂
類、エポキシ樹脂類、ポリオレフェン樹脂類、ポリアク
リル樹脂類等。
【0072】上記の熱溶融性固体物質は、種類によって
吐出特性に特に優れたものや、保存性に特に優れたも
の、あるいは被記録材上でのにじみが極端に少ないもの
など色々と特徴がある。従って、使用目的に応じて上記
熱溶融性固体物質の中から適宜選択してインクに使用す
ることができる。
【0073】本発明のインクにおいて、熱溶融性固体物
質の含有量は、インクに対して50〜99重量%、サラ
ニハ60〜95重量%が好ましい。
【0074】また本発明のインクには、必要に応じて常
温で液体の有機溶剤、例えば1−ヘキサノール、1−ヘ
プタノール、1−オクタノール等のアルコール類、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、トリエチレングリコール等の多価アルコール
類、その他ケトン類、ケトアルコール類、アミド類、エ
ーテル類等のものを含有することもできる。これら有機
溶剤は、インク中に発生する泡を大きく成長させる。
【0075】必要に応じて含有する有機溶剤はインクに
対して0〜10重量%含有するのが好ましい。
【0076】本発明のインクに含有する着色剤として
は、従来公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散
染料、建染染料、硫化染料、油溶性染料等の各種染料お
よび顔料が有効である。特に好ましく使用しうる染料と
しては、次に示すカラーインデックス記載の油溶性染料
が挙げられる。
【0077】C.I.Solvent Yellow
1,2,3,4,6,7,8,10,12,13,1
4,16,18,19,21,25,25:1,28,
29,30,32,33,34,36,37,38,4
0,42,43,44,47,48,55,56,5
8,60,62,64,65等 C.I.Solvent Orange 1,2,3,
4,4:1,5,6,7,11,16,17,19,2
0,23,25,31,32,37,37:1,38,
40,40:1,45,54,56,59,60,6
2,63,67,68,71,72,73,74,75
等 C.I.Solvent Red 1,2,3,4,
7,8,13,14,17,18,19,23,24,
25,26,27,29,30,33,35,37,4
1,42,43,45,46,47,48,49,4
9:1,52,68,69,72,73,74,80,
81等 C.I.Solvent Violet 2,3,8,
9,10,11,13,14,21,21:1,24,
31,32,33,34,36,37,38,45,4
6,47 C.I.Solvent Blue 2,4,5,7,
10,11,12,22,25,26,35,36,3
7,38,43,44,45,48,49,50,5
1,63,64,66,67,68,70等 C.I.Solvent Green 1,3,4,
5,7,8,9,20,26,28,29,30,3
2,33等 C.I.Solvent Brown 1,1:1,
2,3,4,5,6,12,19,20,22,25,
28,29,31,37,38,42,43,44,4
8,49,52,53,58等 C.I.Solvent Black 3,5,6,
7,8,13,22,22:1,23,26,27,2
8,29,33,34,35,40,41,42,4
3,45,46,47,48,49,50等
【0078】更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸
化亜鉛、リトポン、酸化チタン、クロムエロー,カドミ
ウムエロー、ニッケルチタンエロー、ネープルスエロ
ー、黄色酸化鉄、ベンガラ、カドミウムレッド、硫化水
銀カドミウム、紺青、群青等の無機顔料やカーボンブラ
ック、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニ
ルメタル系顔料、バッド系顔料等の有機顔料も好ましく
用いられる。好ましく使用できる顔料のカラーインデッ
クスNo.を以下に示す。 C.I.Pigment Yellow 1,2,3,
5,12,13,14,15,17,83 C.I.Vat Yellow 1, C.I.Pigment orange 1,5,1
3,16,17,24 C.I.Vat Orange 3 C.I.Pigment Red 1,2,3,4,
5,7,9,12,22,23,37,38,48,4
9,50,51,53,57,58,60,63,8
1,83,88,112 C.I.Pigment Violet 1,3,1
9,23 C.I.Vat Violet 2 C.I.Pigment Blue 1,2,15,1
6,17 C.I.Vat Blue 4 C.I.Pigment Green 2,7,8,1
0 C.I.Pigment Black 1
【0079】これら着色剤の含有量は、インクに対して
1〜20重量%、さらには3〜15重量%が好ましい。
【0080】以上のほか、本発明のインクには、酸化防
止剤、防錆剤等の各種添加剤を含有してもよい。
【0081】本発明のインクは、上記の材料を加熱状態
で混合することにより得られる。
【0082】
【実施例】以下、実施例に従い本発明のカラー画像の形
成法につき詳細に説明する。
【0083】図2に示した記録ヘッド(ヒーターサイ
ズ:30×42μm、ヒーター位置:オリフィスから最
もオリフィス側のヒーターの端まで20μm,吐出オリ
フィスサイズ:26×38μm,ノズル数:48)及び
図1に示した記録装置(記録ヘッド装着状態は図10参
照)を使用して、ポートレート(横を向いた女性の胸像
写真)を原画として、200×300mmのフルカラー
画像の再現記録を実施した。この記録装置には、4個の
各原色用の記録ヘッドが10mm間隔で設置されてお
り、記録ヘッドとしては被記録材上を左から右へ約2
5.4mm/secの速度で走査する。従って、被記録
材上への原色の記録は、最小約0.4秒間隔で実施され
る。
【0084】記録条件としてはいずれの場合も加熱ヒー
ターの駆動電圧を16V、パルス幅2.5μsec.、
駆動周波数400Hz,画素は3×3のドット構成と
し、ドットマトリックス法とディザ法とを併用して中間
調表現を実施した。被記録材には市販コピー用紙(キヤ
ノンNP−DRY−DK紙)を使用した。また各原色の
インクとしては、下記3種類の組成の常温固体インクを
使用し、各記録ヘッドへのインクの供給順序を変え(各
原色の記録ヘッドの取り付け順序が変更された)、原色
の記録順序を表1のように3通り変化させ、各々記録を
実施した。記録時における記録ヘッドの加熱温度は温調
用ヒーター100a、101a、102a、103aに
よって100℃とした。なお、これらの例については、
一つの記録ヘッドにはインクの供給を行なわないまま記
録を実施した。
【0085】実施例1及び比較例1〜5 イエローインク C.I.Solvent Yellow 162 3重
量% エチレンカーボネート 40重量% 1,12−ドデカンジオール 57重量% マゼンタインク C.I.Solvent Red 49 4重量% エチレンカーボネート 40重量% 1,12−ドデカンジオール 56重量% シアンインク C.I.Solvent Blue 38 5重量% エチレンカーボネート 40重量% 1,12−ドデカンジオール 55重量%
【0086】得られた6種のカラー記録画像を下記項目
につき目視により評価した。
【0087】評価項目1 高濃度領域において、色調に
深みがあるかどうか。
【0088】評価項目2 ハイライト部がすっきりして
いるかどうか。
【0089】評価項目3 コントラストが高く、画像に
立体感があるかどうか。
【0090】評価方法としては、上記内容を満足してい
るものを○、やや劣っているものを△、劣っているもの
を×の三段階で行なった。
【0091】以上の評価結果を表1に示した。この結果
から明らかなように、原色の記録順序としては、Y→M
→Cの記録順序のものが、濃色部においてもカブリ等が
なく、色彩が鮮明で、コントラストの高いすっきりした
カラー画像が得られることが確認された。
【0092】実施例2、3及び比較例6〜8 シアン、マゼンタ及びイエローに加え、ブラックのイン
クを使用したことを除いては先の実施例1と同様なイン
クジェット記録装置を使用し、これら四原色の記録ヘッ
ドへのインク供給順序を変更し、原色の記録順序を表2
のように六種類の順序で実施した。記録条件は、実施例
1に準じ、ブラックインクとしては下記組成のものを使
用した。 ブラックインク C.I.Solvent Black 3 4重量% エチレンカーボネート 40重量% 1,12−ドデカンジオール 56重量%
【0093】使用した原画は実施例1と同じもので、記
録画像の評価でも実施例1と同様な評価項目で実施し
た。その結果を表2に示した。
【0094】この結果から、ブラックを第4の原色とし
て使用する場合にも、イエロ、マゼンタ、シアンの順に
原色の記録を実施するのが最も好ましいことが確認でき
た。
【0095】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録方法に使用する記録装置の一例を
示す概略図である。
【図2】図1に示す記録装置で使用する記録ヘッドの一
例を示す概略図である。
【図3】本発明の記録原理を示すために、記録媒体を供
給した記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【図4】泡が外気と連通しない場合の、泡の内圧変化と
泡の体積変化の例を示したグラフである。
【図5】泡が外気と連通する場合の、泡の内圧変化と泡
の体積変化の例を示したグラフである。
【図6】泡が外気と連通する場合の、泡の内圧変化、泡
の体積変化さらに泡の体積変化率の例を示したグラフで
ある。
【図7】吐出口から突出した記録媒体の体積を測定する
方法の一例を示す斜視図である。
【図8】図7に示した測定方法による測定結果の一例を
示す図である。
【図9】本発明の記録方法の原理を示すために、記録媒
体を供給した記録ヘッドの他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の記録方法を実施する記録装置の一例
を示す斜視図である。
【図11】従来の記録方法の一例を示す断面図である。
【図12】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【図13】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【図14】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ヒーター 3 インク 4 天板 5 オリフィス 6 泡 7 小滴 8、14 壁 10 液室 11 インク供給口 15 ノズル 20、24 加熱手段 21 タンク 22 供給路 23 記録ヘッド 25 駆動回路 26 温度制御回路 27 被記録材 100、101、102、103 タンク付き記録ヘッ
ド 104 キャリッジ 106、107 ガイドレール 120 プラテン
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 A 8305−2H 9012−2C B41J 3/04 103 S

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、シアン、マゼンタ、及びイ
    エローの三つの常温固体の原色記録媒体を加熱溶融し、
    更に記録信号に応じた熱エネルギーを付与することによ
    り前記記録媒体内に泡を発生させ、前記泡を吐出口より
    外気と連通させて前記記録媒体を吐出し被記録材上にカ
    ラー画像を記録する方法において、被記録材上にイエロ
    ー、マゼンタ、シアンの順に原色の記録を実施すること
    を特徴とするカラー画像形成法。
  2. 【請求項2】 前記泡の内圧が外気圧以下であるとき、
    前記泡が外気と連通する請求項1記載のカラー画像形成
    法。
  3. 【請求項3】 前記三つの原色に加えブラック原色を使
    用するカラー画像形成法において、ブラック原色による
    記録をイエロー原色の記録に先立ち実施する請求項1記
    載のカラー画像形成法。
  4. 【請求項4】 前記三つの原色に加えブラック原色を使
    用するカラー画像形成法において、ブラック原色による
    記録をシアン原色の記録の後に実施する請求項1記載の
    カラー画像形成法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227967A (ja) * 1994-02-18 1995-08-29 Hitachi Koki Co Ltd インク噴射記録装置
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