JP3246949B2 - 噴射記録方法 - Google Patents

噴射記録方法

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JP3246949B2
JP3246949B2 JP20139992A JP20139992A JP3246949B2 JP 3246949 B2 JP3246949 B2 JP 3246949B2 JP 20139992 A JP20139992 A JP 20139992A JP 20139992 A JP20139992 A JP 20139992A JP 3246949 B2 JP3246949 B2 JP 3246949B2
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雅典 竹之内
朗 浅井
▲吉▼久 滝沢
尚雄 八重樫
勝浩 城田
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昌士 宮川
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2002/14169Bubble vented to the ambience

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体の小滴を被記
録材に対して飛翔させて記録を行う噴射記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】噴射記録方法は、記録媒体(インク)の
小滴を飛翔させ、紙などの被記録材に付着させて記録を
行うものである。噴射記録方法の中でも特に、本出願人
が、特公昭61−59911号、特公昭61−5991
2号、特公昭61−59914号において開示した、熱
エネルギーをインクに作用させてインク内に泡を発生さ
せ、インク内に発生した泡により液滴を吐出口(オリフ
ィス)から吐出させる方法によれば、記録ヘッドの高密
度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高解像度、高
品質の画像を高速で記録できる。
【0003】噴射記録方法には、上記のもの以外に例え
ば以下のものがある。
【0004】特開昭54−161935号公報では、図
16に示すように、発熱体30によって液室内のインク
31をガス化させ、該ガス32をインク滴33と共に吐
出口より吐出させる方法が開示されている。該方法によ
れば、ガス32をノズルより噴出させることによって、
オリフィスの目詰まりを防止できるとしている。尚、3
5は電極である。
【0005】また、特開昭61−185455号公報で
は、図17に示すように小開口40を有する板状部材4
1と発熱体ヘッド42との微少間隙部43に満たされた
液状インク44を該発熱体ヘッドによって加熱し(図1
7(a),(b))、発生した気泡45によって小開口
40からインク滴46を飛翔させると共に、該気泡を形
成していたガスをも該小開口40より噴出させて(図1
7(c))、記録紙上に画像を形成する記録方法に関す
る記載がある。
【0006】特開昭61−249768号公報では、図
18に示すように液状インク50に熱エネルギーを作用
させて気泡を形成し、気泡の膨張力に基づいてインク小
滴58を形成飛翔させると同時に該気泡を形成していた
ガスをも大開口52より大気中に噴出させる記録方法に
ついて記載されている。尚、51は発熱体である。
【0007】特開昭61−197246号公報には、図
19に示すようにフィルム60に設けられた複数の孔6
1に充填されたインク62を、発熱素子63を有する記
録ヘッド64で加熱してインク62中に泡67を発生さ
せ、インク滴65を被記録媒体66に飛翔させる記録方
法について記録されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、それまで
の噴射記録方法とは違う噴射記録方法を先に提案した。
この噴射記録方法は、記録媒体に記録信号に応じた熱エ
ネルギーを付与することにより前記記録媒体内に泡を発
生させ、この泡により記録媒体を吐出口から吐出させて
記録を行う際に、この泡を外気を連通させるもので(以
下、連通噴射記録方法)、この連通噴射記録方法による
と、記録媒体のスプラッシュやミストを防ぐことがで
き、被記録材や装置内を汚すことがない。また、この連
通噴射記録方法によると、発生した泡と吐出口との間の
記録媒体は全て吐出するため、飛翔する記録媒体の量
は、ノズルの形状とヒーターの位置によって決まり、従
って、飛翔する小滴量が常に一定な、安定した記録を行
うことができる。
【0009】本発明は、本出願人の提案した連通噴射記
録方法の性能を更に向上させようとするものである。
【0010】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、連通噴射記録方法の上述した利点を更に確実なもの
とすると共に、吐出量の一定した高速安定記録を可能と
する噴射記録方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の噴射記録方法
は、記録媒体を加熱して前記記録媒体内に泡を発生させ
る工程と、前記泡により前記記録媒体を吐出口から吐出
させる工程とを有し、前記泡を発生させる前記加熱の前
に、予備加熱を行うと共に、発生した前記泡が、該泡の
内圧が外気圧以下であるときに外気と連通することを特
徴とする噴射記録方法である。
【0012】本発明は、本出願人が先に提案した連通噴
射記録方法を改良したもので、記録媒体を加熱して記録
媒体内の泡を発生させる前に記録媒体を予備加熱するも
のである。
【0013】以下、図面を参照して本出願人が先に提案
した連通噴射記録方法について説明する。
【0014】噴射記録方法において、記録媒体に熱エネ
ルギーが付与されると、記録媒体内に泡が発生し、この
泡発生により記録媒体を吐出口から吐出させる吐出エネ
ルギーが生ずる。
【0015】図1に示す装置は、本発明の記録方法を実
施するための装置で、タンク21に収容された記録媒体
は供給路22を通って記録ヘッド23に供給される。記
録ヘッド23には、図2に示す記録ヘッドが使用でき
る。記録ヘッド23には、駆動回路25より記録信号が
送られ、記録信号に応じて記録ヘッド23の吐出エネル
ギー発生手段(例えばヒーター)が駆動し、記録媒体の
小滴を吐出して紙等の被記録材27に記録が行われる。
【0016】ヘッド23は、図2に示すように、基板1
上に平行に並べられた壁8と、液室10を形成する壁1
4とが設けられている。更に、壁8、14の上に天板4
が配置される。図2の(a)では、記録ヘッドの内部を
見やすくするため天板4を壁8、14から離して示して
ある。天板4にはインク供給口11が形成され、インク
供給口11より液室10に溶融した記録媒体が流入す
る。壁8と壁8の間は、溶融した記録媒体が通るノズル
15となっており、各ノズル15の途中の基板1上には
記録媒体に記録信号に応じた熱エネルギーを付与するた
めのヒーター2が設けられている。ヒーター2からの熱
エネルギーにより記録媒体に泡が発生し、記録媒体がノ
ズル15の吐出口5から吐出する。
【0017】記録ヘッド23は、図3に示すように、通
常キャリッジ102に設置されて被記録材27に記録を
行う。キャリッジ102は、一対の平行なガイドレール
103に沿って移動する。この移動に伴って所定のタイ
ミングで記録ヘッド23から記録媒体の小滴が吐出し、
記録が行われる。被記録材27は、搬送ローラ104お
よび105により矢印A方向に移動して順次記録が行わ
れる。
【0018】連通噴射記録方法では、熱エネルギーの付
与により記録媒体に発生した泡が膨張して所定の大きさ
になったところで吐出口5を突き抜け外気と連通する。
以下、この点について説明する。
【0019】図4は、記録ヘッド23に設けられた1本
のノズル15の断面で、図4(a)は発泡前の状態を示
す。ヒーター2に瞬間的に電流を流し、パルス的にヒー
ター2近傍の記録媒体3を加熱すると、記録媒体3は急
速な沸騰を起こし勢いよく泡6が発生し、膨張を始める
(図4(b))。泡6は膨張を続け、特にイナータンス
(慣性)の小さい吐出口5側へ成長し、更に、吐出口5
から突き抜け外気と連通する(図4(c))。泡6より
吐出口5側の記録媒体は3、この瞬間までに泡6から与
えられた運動量のために前方へ飛び出し、やがて独立な
小滴7となって紙などの被記録材へ飛翔する(図4
(d))。記録媒体3が飛び出した後、ノズル15先端
部に生じた空隙には、後方の記録媒体3の表面張力とノ
ズル壁との漏れによって新たな記録媒体3が満たされ、
吐出前の状態に戻る。
【0020】記録ヘッド23は、従来の記録ヘッドに比
べ、ヒーター2の位置を吐出口5の方向に近づけた位置
に設けてある。これは泡を外気と連通させるために最も
簡便にとれる構成である。ヒーター2の発生する熱エネ
ルギー量、インク物性、記録ヘッド23の各部の大きさ
(吐出口5とヒーター2間の距離、吐出口5やノズル1
5の幅及び高さ)などを所望に応じて選択することによ
り泡を外気と連通させることができる。
【0021】ヒーター2を吐出口5にどのくらい近づけ
たら泡が外気と連通するかどうかについては一概には言
えないが、ヒーター2の吐出口側の端から吐出口5まで
の距離(図8に示す記録ヘッドの場合は、ヒーター2の
表面から吐出口5までの距離)が、5μm以上80μm
以下、更には、10μm以上60μm以下であることが
好ましい。
【0022】泡を外気と確実に連通させるために、吐出
口の高さH(図2(a)参照)をヒーターのところで測
定したノズルの幅Wと等しいか、より小さくすることが
好ましい。
【0023】また、泡を外気と連通させるためには、ヒ
ーター2の幅を、ノズルの幅の50%〜95%、更に
は、70%〜90%とするのが好ましい。更には、加熱
手段24によって溶融状態にあるインク粘度が100c
ps以下であることが好ましい。また、泡が外気と連通
しない場合に達するであろう泡の最大体積、もしくは、
泡の最大体積の70%以上、より好ましくは80%以上
の体積のときに泡が大気と連通するようにすることは好
ましいものである。
【0024】連通噴射記録方法では、記録媒体中に生じ
た泡が外気と連通するため、泡と吐出口5との間にある
記録媒体が実質的に全て吐出する。従って、吐出する小
滴の体積は常に一定となる。従来の噴射記録方法では、
通常、記録媒体中に生じた泡は外気と連通せず、最大に
成長した後は収縮して消滅する。従来のように、記録媒
体中に生じた泡が外気と連通しない場合、泡と吐出口5
との間にある記録媒体は全てが吐出せず、部分的に吐出
するにすぎない。
【0025】また、泡が外気と連通せずに最大に成長し
た後、収縮する噴射記録方法では、泡が収縮しても完全
に消滅せずにヒーター上に残る場合があった。このよう
にヒーター上に小泡が残ると、次の小滴吐出の際に、ヒ
ーター上に残った小泡のために泡の発生及び成長が正し
く行われないという問題がある。この点、泡を外気と連
通させる連通噴射記録方法では、泡と吐出口との間にあ
る記録媒体が全て吐出するためヒーター上に小泡が残る
ことがない。
【0026】連通噴射記録方法では、記録ヘッド23の
ヒーター2から吐出口5までのイナータンスが小さいた
め生起した泡の運動量が効率よく小滴7に享受される。
このため、従来の記録方法では吐出しにくかったもの、
即ち、常温で固体の記録媒体を融点以上に加熱して液化
したもののように、粘度の高いものでも安定的に吐出す
ることが可能である。また、連通噴射記録方法では、記
録媒体内に発生した泡が記録媒体の吐出時に外気と連通
するため、記録媒体の吐出スピードが非常に速くなる。
このため、記録媒体の小滴は被記録材上の目的のポイン
トに正確に付着すると共に、固体の記録媒体でも被記録
材上で盛り上がることがなく、薄く付着する。固体の記
録媒体が、被記録材上で薄く付着するという利点は、多
色のカラー画像を形成するために記録媒体を被記録材上
で重ねて付着させる場合に特に有効である。
【0027】連通噴射記録方法では、ヒーター2により
生起された泡が吐出口5より外気と連通するときに、泡
の内圧が外気圧以下の条件で連通させるのが好ましい。
【0028】図5は、泡の内圧(グラフa)と泡の体積
(グラフb)の関係を示したグラフである。但し、図5
は泡が外気と連通しない場合のグラフである。図5にお
いて、時刻T=t0 で、ヒーター2にパルス電流を流す
と記録媒体中に泡が発生して泡の内圧が急激に上昇す
る。泡は発生と同時に膨張を開始する。
【0029】泡の膨張は、ヒーター2への電流印加が終
了してもすぐには終わらず、暫くの間続く。その結果、
泡の内圧は急激に低下して時刻T=t1 で外気圧以下に
なる。泡はある程度膨張を続けた後、収縮し消滅する。
【0030】従って、図6に示すように、時刻T=t1
以降の時間、例えば時刻ta で泡を外気と連通させれ
ば、連通する直前の泡の内圧は外気圧以下となる。
【0031】泡の内圧が外気圧以下の条件で泡を外気と
連通させて小滴を吐出させると、記録に不要なミスト状
の記録媒体が飛散するのを防ぐことができ、被記録材や
装置内を汚すことがない。
【0032】従来から、噴射記録方法では、記録を行う
小滴以外に、スプラッシュしたミスト状の記録媒体(以
下、スプラッシュあるいはミストという)が、しばしば
吐出し、問題となっていた。連通噴射記録方法によれ
ば、泡を外気と連通する際に、泡を外気と連通する際に
泡の内圧を外気圧よりも低くすることでスプラッシュや
ミストを防ぐことができる。
【0033】泡の内圧と外気圧との大小関係は、泡の内
圧を直接測定するのは難しいため、以下のようにして判
定するとよい。
【0034】即ち、記録媒体が発泡を開始してから泡が
外気と連通するまでの時間における泡の体積Vb を測定
し、Vb の二次微分d2b /dt2 を求めることによ
って泡の内圧と外気圧との大小関係を知ることができ
る。d2b /dt2 >0であれば泡の内圧は外気圧よ
りも高く、d2b /dt2 ≦0であれば泡の内圧は外
気圧以下である。図7で説明すると、発泡開始T=t0
よりT=t1 までは泡の内圧は外気圧よりも高くd2
b /dt2 >0となり、T=t1 より泡が外気と連通す
るまでの時間T=ta までは泡の内圧は外気圧以下であ
り、d2b /dt2 ≦0となる。以上のようにVb
二次微分d2b /dt2 を求めることで泡の内圧と外
気圧との大小関係を知ることができる。
【0035】また、上記のVb を測定するかわりに、泡
が発生してから記録媒体の小滴が飛翔するまでの間(図
4の(a)から(c)の間)において、吐出口5から突
出した記録媒体3a(図4(b)参照。以下、記録媒体
吐出部3a)のVd を測定して、Vd の二次微分d2
d /dt2 を求めることによっても泡の内圧と外気圧の
大小関係を知ることができる。即ち、d2d /dt2
>0であれば泡の内圧は外気圧よりも高く、d2d
dt2 ≦0であれば泡の内圧は外気圧以下である。
【0036】更に、図4(b)を参照して吐出エネルギ
ー発生手段であるヒーター2の吐出口5側端部から泡6
の吐出口5側端部までの距離1a を、ヒーター2の吐出
口5とは反対側の端部から気泡の吐出口とは反対側の端
部までの距離1b に対して泡が外気と連通する直前にお
いて1a /1b ≧1、好ましくは1a /1b ≧2、より
好ましくは1a /1b ≧4とすることにより、記録媒体
吐出後に吐出口近傍に生じた空隙部に新たな記録媒体が
満たされるまでの時間を短縮することができ、より一層
の高速記録が可能になる。1a /1b は例えばヒーター
2の位置を吐出口5に近づければ大きくなる。
【0037】図8は、記録ヘッドの他の例を示すもの
で、吐出口5がノズル15の横方向に設けられている。
図8の記録ヘッドを使用した場合も、図4の記録ヘッド
と同様に泡6は外気と連通する。即ち、図8(a)に示
す発泡前の状態から、加熱手段24により記録媒体3を
溶融した後、ヒーター2に通電すると、ヒーター2上に
泡6が発生する(図8(b))。その後、泡6は膨張を
続け(図8(c))、泡6と外気とが連通して小滴7が
吐出口5から飛び出す(図8(d))。
【0038】本発明は、上記の連通噴射記録方法におい
て、記録媒体内に泡を発生させる加熱(以下、発泡加
熱)の前に、泡を発生させない程度に予め記録媒体を加
熱(以下、予備加熱)しておくものである。
【0039】予備加熱も発泡加熱も、ノズル15内に設
けられたヒーター2により行われる。つまり、ヒーター
2にパルス状の電圧を印加することにより、予備加熱及
び発泡加熱が行われる。
【0040】予備加熱は、例えば、図9に示すような1
つ以上のパルス(以下、予備加熱パルス)によって行わ
れる。図9(a)に示す予備加熱パルスは、パルス幅の
比較的長い1つのパルスである。図9(b)に示す予備
加熱パルスは、電圧の違う2つのパルスである。本発明
においては、電圧の違うパルスは別のパルスと考える。
従って、図9(b)のような階段状のパルスは2つのパ
ルスが間隔なく連なっているものである。図9(c)に
示す予備加熱パルスは、パルス幅の比較的短い複数のパ
ルスで構成されたものである。図9(d)は電圧の違う
複数のパルスで構成された予備加熱パルスである。
【0041】発泡加熱は、1つのパルスによって行われ
る(発泡加熱を行うパルスを、以下発泡加熱パルスとい
う)。発泡加熱パルスは複数のパルスでもかまわない
が、泡が発生した以降に発泡加熱パルスを印加しても、
そのような発泡加熱パルスは何の意味もない。従って、
発泡加熱パルスは1つでも十分である。
【0042】このように、本発明において予備加熱及び
発泡加熱は、一連の複数のパルスによって行われるが、
このような一連の複数のパルスの最後の1つが発泡加熱
パルスであり、発泡加熱以前のパルスが予備加熱パルス
である。
【0043】記録媒体中に泡が発生するかしないかは、
パルスにより付与される付与エネルギーによる。
【0044】1つの予備加熱パルスは、パルス幅0.2
〜1.5μsec.、更には1μsec.以下、特に
0.3〜0.8μsec.が好ましく、電圧は4〜35
Vが好ましい。予備加熱パルスと予備加熱パルスの間隔
は、0.8〜7.0μsec.、更には1.0〜5.0
μsec.が好ましい。
【0045】1つの発泡加熱パルスは、パルス幅0.8
〜5.0μsec.、更には1.0〜4.0μsec.
が好ましい。電圧は10〜35Vが好ましい。
【0046】予備加熱パルスの個数は、記録媒体として
常温で液状のものを使用する場合には、2〜30個、更
には3〜20個、特に3〜5個が好ましい。また、記録
媒体として常温で固体のものを使用する場合には、10
〜60個、更には20〜50個が好ましい。
【0047】本発明の噴射記録方法に使用する記録媒体
としては、常温(5℃〜35℃)で液状のもの、常温で
固体状のもののいずれでも良い。
【0048】常温で液状の記録媒体は、例えば、水、有
機溶剤及び着色剤を含有し、更に必要に応じて添加剤を
含有する。
【0049】常温液状の記録媒体に使用する有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアル
コール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等の
ケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
オキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチ
レングリコール、プロピレングリコール、トリメチレン
グリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基
が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;
チオジグリコール;グリセリン;エチレングチコールモ
ノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレング
リコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価ア
ルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリ
コールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレ
ングリコールジメチル(又はエチル)エーテルの多価ア
ルコールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等が挙げられる。
【0050】常温液状の記録媒体に使用する着色剤とし
ては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性
染料、反応染料、分散染料、建染染料、可溶性建築染
料、反応分散染料、油性染料、各種顔料が挙げられる。
【0051】常温で液状の記録媒体において、水の含有
量は記録媒体に対して50〜99重量%、更には60〜
98重量%、有機溶剤の含有量は記録媒体に対して1〜
50重量%、更には2〜30重量%、着色剤の含有量は
記録媒体に対して0.2〜20重量%、更には0.5〜
10重量%が好ましい。
【0052】上記の成分以外に、常温で液状の記録媒体
には、各種の分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張
力調整剤、蛍光増白剤等を必要に応じて添加することが
できる。
【0053】記録媒体として常温固体の記録媒体を使用
する場合、記録媒体を加熱溶融し、溶融状態を保持しつ
つ、予備加熱及び発泡加熱を行う。
【0054】常温固体の記録媒体を溶融状態に保つため
に、記録装置には、図10に示すようにタンク21、供
給路22及び記録ヘッド23に加熱手段20及び24を
設けるとよい。加熱手段20及び24は、温度制御手段
26により所定温度に設定される。
【0055】常温固体の記録媒体は、熱溶融性固体物質
と着色剤とを少なくとも含有し、更に、必要に応じて物
性を調整するための添加剤、あるいは、アルコール等の
常温で液体の有機溶剤等を含有するものである。
【0056】常温固体の記録媒体は、その融点が36℃
〜200℃の範囲にあるものが望ましい。36℃を下回
る場合には、室温の変化によっては記録媒体が溶けて手
などを汚すおそれがあり、200℃を越える場合には、
記録媒体を液化するために大きなエネルギーが必要とな
る。より好ましくは、その融点が36℃〜150℃の範
囲が望ましい。
【0057】常温固体の記録媒体に含有する熱溶融性固
体物質としては、例えば、アセトアミド、p−バニリ
ン、o−バニリン、ジベンジル、m−アセトトルイジ
ン、安息香酸フェニル、2,6−ジメチルキノリン、
2,6−ジメトキシフェノール、p−メチルベンジルア
ルコール、p−ブロモアセトフェノン、ホモカテコー
ル、2,3−ジメトキシベンズアルデヒド、2,4−ジ
クロルアニリン、ジクロロキシリレン、3,4−ジクロ
ロアニリン、4−クロロ−m−クレゾール、p−ブロモ
フェノール、シュウ酸ジメチル、1−ナフトール、ジブ
チルヒドロキシトルエン、1,3,5−トリクロロベン
ゼン、p−tert−ペンチルフェノール、デュレン、
ジメチルpフェニレンジアミン、トラン、スチレングリ
コール、プロピオンアミド、炭酸ジフェニル、2−クロ
ロナフタレン、アセナフテン、2−ブロモナフタレン、
インドール、2−アセチルピロール、ジベンゾフラン、
p−クロロベンジルアルコール、2−メトキシナフタレ
ン、チグリン酸、p−ジブロモベンゼン、9−ヘプタデ
カノン、1−テトラデカナミン、1,8−オクタンジア
ミン、グルタル酸、2,3−ジメチルナフタレン、イミ
ダゾール、2−メチル−8−ヒドロキシキノリン、2−
メチルインドール、4−メチルビフェニル、3,6−ジ
メチル−4−オクチン−ジオール、2,5−ジメチル−
3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,5−ジメチル−
2,5−ヘキサンジオール、エテレンカーボネート、
1,8−オクタンジオール、1,1−ジエチル尿素、p
−ヒドロキシ安息香酸ブチル、2−ヒドロキシ−ナフト
エ酸メチル、8−キノリノール、ステアリルアミンアセ
テート、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオ
ン、m−ニトロ安息香酸メチル、しゅう酸ジメチル、フ
タライド、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、8−キノリノール、N−tert−ブチルエタノー
ルアミン、グリコール酸、ジアセチルモノオキシムおよ
びアセトキシム等の一種又は二種以上を混合して用いる
ことができる。
【0058】上記の熱溶融性固体物質は、種類によって
吐出特性に特に優れたものや、保存性に特に優れたも
の、あるいは、被記録材上でのにじみが極端に少ないも
のなど色々と特徴がある。従って、使用目的に応じて上
記熱溶融性固体物質の中から適宜選択して記録媒体に使
用するとよい。
【0059】熱溶融性固体物質の融点をTm、沸点(1
気圧における沸点。以下同様)Tbとしたとき、前述の
熱溶融性固体物質のうち下記の式(A)および(B)を
いずれも満たす熱溶融性固体物質を用いると、記録像の
定着性に優れると共に、熱エネルギーを吐出エネルギー
へと効率よく変換できる常温固体の記録媒体が得られ
る。
【0060】36℃≦Tm≦150℃…(A) 150℃≦Tb≦370℃…(B) 沸点Tbは更に200℃≦Tb≦340℃であることが
好ましい。
【0061】常温固体の記録媒体に含有する着色剤とし
ては、従来公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、分
散染料、建染染料、硫化染料、油溶性染料等の各種染料
及び顔料が有効である。特に好ましく使用しうる染料と
しては、次に示すカラーインデックス記載の油溶性染料
が挙げられる。
【0062】C.I.Solvent Yellow
1,2,3,4,6,7,8,10,12,13,1
4,16,18,19,21,25,25:1,28,
29等 C.I.Solvent Orange 1,2,3,
4,4:1,5,6,7,11,16,17,19,2
0,23,25,31,32,37,37:1等 C.I.Solvent Red 1,2,3,4,
7,8,13,14,17,18,19,23,24,
25,26,27,29,30,33,35等 C.I.Solvent Violet 2,3,8,
9,10,11,13,14,21,21:1,24,
31,32,33,34,36,37,38等 C.I.Solvent Blue 2,4,5,7,
10,11,12,22,25,26,35,36,3
7,38,43,44,45,48,49等 C.I.Solvent Green 1,3,4,
5,7,8,9,20,26,28,29,30,3
2,33等 C.I.Solvent Brown 1,1:1,
2,3,4,5,6,12,19,20,22,25,
28,29,31,37,38,42,43等 C.I.Solvent Black 3,5,6,
7,8,13,22,22:1,23,26,27,2
8,29,33,34,35,39,40,41等
【0063】更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸
化亜鉛、リトポン、酸化チタン、クロムエロー、カドミ
ウムエロー、ニッケルチタンエロー、ネーブルスエロ
ー、黄色酸化鉄、ベンガラ、カドミウムレッド、硫化水
銀カドミウム、紺青、群青等の無機顔料やカーボンブラ
ック、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニ
ルメタン系顔料、バッド系顔料等の有機顔料も好ましく
用いられる。
【0064】また、常温固体の記録媒体には、必要に応
じて常温で液体の有機溶剤、例えば、1−ヘキサノー
ル、1−ヘプタノール、1−オクタノール等のアルコー
ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ト
リエチレングリコール等のアルキレングリコール類、そ
の他ケトン類、ケトアルコール類、アミド類、エーテル
類等のものを含有しても構わない。これら有機溶剤は、
記録媒体中に発生する泡を大きく成長させる。
【0065】上記有機溶剤の沸点は、150℃以上のも
のが好ましい。
【0066】以上のほか、常温固体の記録媒体には、酸
化防止剤、分散剤、防錆剤等の各種添加剤を含有しても
よい。
【0067】常温固体の記録媒体において、熱溶融性固
体物質の含有量は、記録媒体に対して50〜99重量
%、さらには60〜95重量%、着色剤の含有量は、記
録媒体に対して1〜20重量%、さらには3〜15重量
%、必要に応じて含有する有機溶剤は、記録媒体に対し
て0〜10重量%含有するのが好ましい。
【0068】以上説明したように、本発明の噴射記録方
法によると、まず、予備加熱パルスの印加によってヒー
ター2の周囲の記録媒体が加熱され、記録媒体の温度が
上昇する。次に、ヒーター2への発泡パルスの印加によ
って気泡6が成長する際、気泡6の周囲の記録媒体の温
度が上述のように高いことにより、その粘性が比較的小
さい状態にある。従って、発泡パルスの印加によって発
生する気泡6は、その成長方向に対するインクの抵抗が
小さくなり、成長速度が大きく、また、比較的大きな気
泡となることができる。
【0069】この結果、吐出口より吐出する記録媒体小
滴の吐出速度が向上する。また、泡6が大きく成長して
泡6が外気と連通しやすくなるため、ヒーター2の吐出
口側端部と吐出口との間(以下、OH間)の記録媒体が
ほぼ全て吐出する。従って、本発明によれば、記録媒体
小滴の吐出速度が向上すると共に、吐出量が一定する。
【0070】更に、本発明の噴射記録方法によれば、記
録媒体を吐出させるための熱エネルギーを減少させるこ
とができる。このことを図11の例を用いて以下に説明
する。
【0071】即ち、図11(a)〜(c)にそれぞれ示
すように、同一の体積のインク滴を吐出するのに、図1
1(a)に示す例の場合、従来の単一パルスでは、パル
ス幅が3.0μsecであるのに対し、本発明の場合、
その総パルス印加時間は2.4μsec(0.3×3+
1.5)となる(電圧は双方とも等しい)。
【0072】図11(b)に示す本発明の場合、図11
(a)に比べて予備加熱のパルス幅を増加し、その分、
パルスとパルスの間隔を長くすると共に、パルス数を減
じて、発泡加熱のパルス幅を長くしたパルスシリーズを
示している。この場合も従来の単一パルスでは、パルス
幅が3μsecであるのに対して、本発明では(1.7
+0.5×2)=2.7μsecとなっている。
【0073】図11(c)でも、従来の単一パルスでは
パルス幅が7μsecであるのに対して、本発明では
(4.0+0.4×5)=6.0μsecと短くなって
いる。
【0074】以上の説明では、予備加熱パルス及び発泡
加熱パルスをヒーター2により印加する態様としたが、
ヒーター2の代わりにレーザー光を用いてもよい。
【0075】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0076】実施例1 図2の記録ヘッドを設けた図1の記録装置により記録を
行った。
【0077】記録ヘッドのノズル15の寸法は、高さが
22μm、幅が30μm、ヒーター2の寸法は、幅22
μm、長さ18μm、ヒーター2の位置は、OH間の距
離が30μmであった。ノズルの本数は、1インチ当た
り400本の密度で、48本であった。
【0078】記録媒体は、下記成分を均一に混合溶解し
た後、孔径0.45μmのポリフッ化エチレン系繊維製
フィルタで濾過して得た。こうして得た記録媒体の粘度
は、20℃で2.0cpsであった。
【0079】C.Iフードブラック2 3.0重量% ジエチレングリコール 15.0重量% N−メチル−2−ピロリドン 5.0重量% イオン交換水 77.0重量%
【0080】ヒーター2に印加した予備加熱パルス及び
発泡加熱パルスを、図12に示した。予備加熱パルス
は、パルス幅0.6μsec.のパルスを3.2μse
c.の間隔で5個連ねたものとした。発泡加熱パルス
は、パルス幅4.0μsec.の単一パルスとした。最
後の予備加熱パルスと、発泡加熱パルスとの間隔は3.
2μsec.とした。パルス電圧は予備加熱パルス、発
泡加熱パルス共に8.5Vとした。以上の予備加熱パル
ス及び発泡加熱パルスを、250μsec.の繰り返し
周期(駆動周波数4kHz)で駆動した。
【0081】以上の条件で、1画素ごとの市松模様にな
るように画信号を48個のヒーター2に与えて記録媒体
を吐出し、普通紙(市販のコピー紙)に記録を行った。
その結果、記録紙上には濃度ムラのない所望の市松模様
のパターンが作画された。この画像を拡大して観察した
ところ余分な記録媒体の飛散や、地汚れのない鮮明な画
像であった。
【0082】また、発泡及び記録媒体の吐出を、ガラス
製の透明天板4の上方から、パルス光源及び顕微鏡を用
いて観察した。その結果、発泡開始から3μsec.後
に泡が外気と連通していた。また、記録媒体の吐出速度
は18m/sec.であった。
【0083】実施例2 実施例1の記録装置及び記録媒体を用い、図13に示す
予備加熱パルス及び発泡加熱パルスにより記録を行っ
た。
【0084】図13に示すように、予備加熱パルスはパ
ルス幅10μsec.、パルス電圧4.0Vの単一パル
スとした。発泡加熱パルスは、パルス幅2.0μse
c.、パルス電圧15.0Vの単一パルスとした。予備
加熱パルスと発泡加熱パルスとの間隔はゼロとした。以
上の予備加熱パルス及び発泡加熱パルスを、250μs
ec.の繰り返し周期(駆動周波数4kHz)で駆動し
た。
【0085】以上の条件で、実施例1と同様のパターン
を形成したところ、同様の鮮明な画像を得ることができ
た。
【0086】また、実施例1と同様に発泡及び吐出を観
察したところ、発泡開始から3μsec.後に泡が外気
と連通していた。また、記録媒体の吐出速度は13m/
sec.であった。
【0087】比較例1 図12に示すパルスのうち、発泡加熱パルスのみをヒー
ター2に印加して、その他は実施例1と同様にして記録
を行った。その結果、すぐに記録媒体が吐出しなくなっ
た。
【0088】実施例3 常温固体の記録媒体を用いて、図2の記録ヘッドを設け
た図10の記録装置により記録を行った。
【0089】記録ヘッドのノズル15の寸法は、高さが
23μm、幅が35μm、ヒーター2の寸法は、幅28
μm、長さ30μm、ヒーター2の位置は、OH間の距
離が30μmであった。ノズルの本数は、1インチ当た
り400本の密度で、44本であった。
【0090】常温固体の記録媒体は、下記成分を均一に
混合溶解した後、加熱状態で孔径0.45μmのポリフ
ッ化エチレン系繊維製フィルタで濾過した後、冷却して
得た。
【0091】 C.I.Solvent Black3 5.0重量% アセトアミド mp=82℃ 75.0重量% パラフィンワックス mp=69℃ 20.0重量% (HNP−11日本精ろう(株)製)
【0092】上記のインクを加熱手段22及び24によ
り95℃に加熱して溶融し、図14に示す予備加熱パル
ス及び発泡加熱パルスをヒーター2に印加した。予備加
熱パルスは、パルス幅0.5μsec.のパルスを1.
4μsec.の間隔で40個連ねたものとした。発泡加
熱パルスは、パルス幅2.5μsec.の単一パルスと
した。最後の予備加熱パルスと、発泡加熱パルスとの間
隔は1.4μsec.とした。パルス電圧は予備加熱パ
ルス、発泡加熱パルス共に15.0Vとした。以上の予
備加熱パルス及び発泡加熱パルスを、1000μse
c.の繰り返し周期(駆動周波数1kHz)で駆動し
た。
【0093】以上の条件で、1画素ごとの市松模様にな
るように画信号を16個のヒーター2に与えて記録媒体
を吐出し、普通紙(市販のコピー紙)に記録を行った。
その結果、記録紙上には濃度ムラのない所望の市松模様
のパターンが作画された。この画像を拡大して観察した
ところ余分な記録媒体の飛散や地汚れのない鮮明な画像
であった。また、この画像の定着時間は短く、記録後5
秒後に画像を手でこすっても汚れは発生しなかった。
【0094】また、発泡及び記録媒体の吐出を、ガラス
製の透明天板4の上方から、パルス光源及び顕微鏡を用
いて観察した。その結果、発泡開始から3μsec.後
に泡が外気と連通していた。また、記録媒体の吐出速度
は12m/sec.であった。
【0095】実施例4 常温固体の記録媒体を用いて、実施例3と同じ記録装置
により記録を行った。
【0096】常温固体の記録媒体は、下記成分を均一に
混合溶解した後、加熱状態で孔径0.45μmのポリフ
ッ化エチレン系繊維製フィルタで濾過した後冷却して得
た。
【0097】 C.I.Solvent Black3 3.0重量% ε−カプロラクタム mp=69℃ 83.0重量% マイクロクリスタリンワックス mp=84℃ 14.
0重量% (Hi−Mic1080、日本精ろう(株)製)
【0098】上記のインクを加熱手段22及び24によ
り100℃に加熱して溶融し、図15に示す予備加熱パ
ルス及び発泡加熱パルスをヒーター2に印加した。
【0099】図15に示すように、予備加熱パルスはパ
ルス幅12.5μsec.、パルス電圧8.0Vの単一
パルスとした。発泡加熱パルスは、パルス幅2.5μs
ec.、パルス電圧15.0Vの単一パルスとした。予
備加熱パルスと発泡加熱パルスとの間隔はゼロとした。
以上の予備加熱パルス及び発泡加熱パルスを、1000
μsec.の繰り返し周期(駆動周波数1kHz)で駆
動した。
【0100】以上の条件で、実施例3と同様のパターン
を形成したところ、同様の鮮明な画像を得ることができ
た。記録終了後5秒後に、画像を手でこすっても汚れは
発生しなかった。
【0101】また、実施例1と同様に発泡及び吐出を観
察したところ、発泡開始から3μsec.後に泡が外気
と連通していた。また、記録媒体の吐出速度は11m/
sec.であった。
【0102】比較例2 図14に示すパルスのうち、発泡加熱パルスのみをヒー
ター2に印加して、その他は実施例3と同様にして記録
を行った。その結果、記録媒体の記録紙上での着弾位置
に、多少バラツキが出た。実施例1と同様に発泡及び吐
出を観察したところ、記録媒体の吐出速度は1m/se
c.と遅かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録方法に使用する記録装置の一例を
示す概略図である。
【図2】図1に示す記録装置で使用する記録ヘッドの一
例を示す概略図である。
【図3】本発明の記録方法に使用する記録装置の一例を
示す概略図である。
【図4】本発明の記録方法の原理を示すために、記録媒
体を供給した記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【図5】泡が外気と連通しない場合の、泡の内圧変化と
泡の体積変化の例を示したグラフである。
【図6】泡が外気と連通する場合の、泡の内圧変化と泡
の体積変化の例を示したグラフである。
【図7】泡が外気と連通する場合の、泡の内圧変化、泡
の体積変化、更に泡の体積変化率の例を示したグラフで
ある。
【図8】本発明の記録方法の原理を示すために、記録媒
体を供給した記録ヘッドの他の例を示す断面図である。
【図9】本発明の記録方法で印加する予備加熱パルスの
例を示す図である。
【図10】本発明の記録方法に使用する記録装置の他の
例を示す概略図である。
【図11】本発明の記録方法で印加する予備加熱パルス
及び発泡加熱パルスと、従来の記録方法で印加するパル
スとの比較を示す図である。
【図12】実施例1で印加する予備加熱パルス及び発泡
加熱パルスを示す図である。
【図13】実施例2で印加する予備加熱パルス及び発泡
加熱パルスを示す図である。
【図14】実施例3で印加する予備加熱パルス及び発泡
加熱パルスを示す図である。
【図15】実施例4で印加する予備加熱パルス及び発泡
加熱パルスを示す図である。
【図16】従来の記録方法の一例を示す断面図である。
【図17】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【図18】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【図19】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ヒーター 3 記録媒体 4 天板 5 オリフィス 6 泡 7 小滴 8 壁 10 液室 11 インク供給口 14 壁 15 ノズル 20、24 加熱手段 21 タンク 22 供給路 23 記録ヘッド 25 駆動回路 26 温度制御手段27 記録紙 102 キャリッジ 103 ガイドレール 104、105 搬送ローラ
フロントページの続き (72)発明者 浅井 朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 滝沢 ▲吉▼久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 八重樫 尚雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 城田 勝浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大熊 典夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮川 昌士 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−249768(JP,A) 特開 平3−15556(JP,A) 特開 昭61−185455(JP,A) 特開 昭62−33648(JP,A) 特開 昭61−249763(JP,A) 特開 平2−74351(JP,A) 特開 平3−43254(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体を加熱して前記記録媒体内に泡
    を発生させる工程と、前記泡により前記記録媒体を吐出
    口から吐出させる工程とを有し、前記泡を発生させる前
    記加熱の前に、予備加熱を行うと共に、発生した前記泡
    が、該泡の内圧が外気圧以下であるときに外気と連通す
    ことを特徴とする噴射記録方法。
  2. 【請求項2】 前記予備加熱を、単一のパルスにより行
    う請求項1記載の噴射記録方法。
  3. 【請求項3】 前記予備加熱を、複数のパルスにより行
    う請求項1記載の噴射記録方法。
  4. 【請求項4】 前記予備加熱を、単一の予備加熱パルス
    により行ない、その後前記予備加熱パルスよりも電圧の
    高い発泡加熱パルスにより前記泡を発生させる請求項1
    記載の噴射記録方法。
  5. 【請求項5】 前記記録媒体として、常温で液体の記録
    媒体を用い、前記予備加熱を2〜30個のパルスで行う
    請求項1記載の噴射記録方法。
  6. 【請求項6】 前記記録媒体として、常温で固体の記録
    媒体を用い、前記予備加熱を10〜60個のパルスで行
    う請求項1記載の噴射記録方法。
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