JP2003192962A - インクジェット用蛍光インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用蛍光インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置

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JP2003192962A
JP2003192962A JP2001397242A JP2001397242A JP2003192962A JP 2003192962 A JP2003192962 A JP 2003192962A JP 2001397242 A JP2001397242 A JP 2001397242A JP 2001397242 A JP2001397242 A JP 2001397242A JP 2003192962 A JP2003192962 A JP 2003192962A
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JP
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ink
dye
region
recording
fluorescent
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JP2001397242A
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Inventor
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
Masako Udagawa
正子 宇田川
Atsushi Aoki
淳 青木
Shoji Koike
祥司 小池
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い蛍光強度を維持できる蛍光インクを提供
することである。またこのインクを用いたインクジェッ
ト記録方法、インクユニット、インクカートリッジおよ
びインクジェット記録装置を提供。 【解決手段】 第1の染料と第2の染料とこれらを溶解
するための水溶性液媒体とを含有するインクジェット用
蛍光インクにおいて、該第1の染料は、可視領域に吸収
波長領域と蛍光の最大発光波長、且つ紫外領域に吸収波
長領域を有する染料であり、該第2の染料は、1)紫外
領域に該第1の染料の紫外領域の吸収波長領域の少なく
とも一部と共通する吸収波長領域を有し、且つ、2)可
視領域に吸収波長領域と蛍光の発光波長領域を有し、該
発光波長領域内に該第1の染料の蛍光の最大発光波長を
有する染料であるインクジェット用蛍光インクを用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクを記録信号に
応じてオリフィスから吐出させて被記録材に記録を行
う、インクジェット記録に好適に使用できる蛍光イン
ク、それを用いたインクジェット記録方法、記録ユニッ
ト、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、例えば、静
電吸引方法、ピエゾ素子による機械的振動又は変位を利
用する方法、インクを加熱することにより気泡を発生さ
せ、このときに発生する圧力を利用する方法等、様々の
インク吐出方法がある。
【0003】これらの技術を利用し、様々な用途で使用
可能なインクが求められており、例えば、インクに蛍光
性を持たすことで、文字、数字、記号、バーコード等の
情報を記録媒体に記録し、適当な紫外光を照射すること
により蛍光を発光させて可視情報以外の情報を付与する
蛍光インクの技術展開が提案されている。
【0004】蛍光インクに用いられる蛍光性を示す染料
としては、ベーシックレッド1、ベーシックレッド2、
ベーシックレッド9、ベーシックレッド12、ベーシッ
クレッド13、ベーシックレッド14、ベーシックレッ
ド17、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオ
レット3、ベーシックバイオレット7、ベーシックバイ
オレッド10、ベーシックバイオレッド11:1、ベー
シックバイオレット14、アシッドレッド51、アシッ
ドレッド52、アシッドレッド92、アシッドレッド9
4、ダイレクトイエロー11、ダイレクトイエロー2
4、ダイレクトイエロー26、ダイレクトイエロー8
7、ダイレクトイエロー100、ダイレクトイエロー1
32、ダイレクトイエロー147、ダイレクトオレンジ
26、ダイレクトオレンジ29、ダイレクトオレンジ2
9:1、ダイレクトオレンジ46、ダイレクトレッド
1、ダイレクトレッド13、ダイレクトレッド17、ダ
イレクトレッド239、ダイレクトレッド240、ダイ
レクトレッド242、ダイレクトレッド254、等が挙
げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、蛍光インクとし
て、蛍光性だけでなく可視領域に吸収を持つインク、つ
まり、人が目視で認識し得るインクが求められている。
このようなインクは、目視でも蛍光の読取装置でも記録
情報の確認ができるため、情報の量や種類、読取る側の
都合により読取り手段を臨機応変に対応させることがで
き、インクの汎用性が広がると考えられる。
【0006】しかしながら、一般に、インク中の蛍光染
料の含有量が一定以上になると、活性化された原子の相
互作用により吸収されたエネルギーが非フク射過程へ遷
移してしまい蛍光の発光強度(以後蛍光強度という)が
かえって減少する、いわゆる濃度消光という現象が生じ
ることが知られている。その結果、蛍光染料を用いたイ
ンクは、画像濃度を高めるためにインク中の染料濃度を
高くすると、蛍光強度は急激に減少してしまい、高濃
度、高蛍光強度の2つの特性を満足させる蛍光インクを
提供することは非常に困難なことであった。
【0007】また、従来、所望の色を得るために、蛍光
性を示す第1の染料に第2の染料を調色させたインク
は、第2の染料が、第1の染料の蛍光性を阻害する場合
が非常に多く、高濃度で且つ、高い蛍光強度を十分に満
足するものはなかった。そこで、本発明者らは高濃度で
且つ、高い蛍光強度を維持できる蛍光インクを得る為に
様々な検討を重ねた結果、高濃度を達成するために第1
の染料の添加量をある程度増やしても、第1の染料の吸
収波長および発光波長に対しある特定の関係を満たす吸
収波長および発光波長を有する第2の染料を添加するこ
とで蛍光強度も向上し、上記課題を解決した優れた蛍光
インクが得られることを見出し、本発明に至った。
【0008】つまり、本発明の目的は、高い蛍光強度を
維持できる蛍光インクを提供することである。またこの
インクを用いたインクジェット記録方法、インクユニッ
ト、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。本発明の実施態様にかかるイン
クは、第1の染料と第2の染料とこれらを溶解するため
の水溶性液媒体とを含有するインクジェット用蛍光イン
クにおいて、該第1の染料は、可視領域に吸収波長領域
と蛍光の最大発光波長を有し、且つ紫外領域に吸収波長
領域を有する染料であり、該第2の染料は、1)紫外領
域に該第1の染料の紫外領域の吸収波長領域の少なくと
も一部と共通する吸収波長領域を有し、且つ2)可視領
域に吸収波長領域と蛍光の発光波長領域を有し、該発光
波長領域内に該第1の染料の蛍光の最大発光波長を有す
る、染料であることを特徴とするものである。
【0010】本発明の実施態様にかかるインクジェット
記録方法は、インクを記録信号に応じてオリフィスより
吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方
法であって、該インクとして上記のインクを使用するこ
とを特徴とするものである。
【0011】本発明の実施態様にかかる記録ユニット
は、インクを収容したインク吸収部、該インクを吐出さ
せるためのヘッド部を備えた記録ユニットにおいて、該
インクが上記インクであることを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明の実施態様にかかるインクカートリ
ッジは、インクを収容したインク収容部を備えたインク
カートリッジにおいて、該インクが上記インクであるこ
とを特徴とするものである。
【0013】本発明の実施態様にかかるインクジェット
記録装置は、インクを収容したインク収容部、該インク
を吐出させるためのヘッド部を有する記録ユニットを備
えたインクジェット記録装置において、該記録ユニット
が上記記録ユニットであることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明の実施態様にかかる他のインクジェ
ット記録装置は、インクを収容したインク収容部を備え
たインクカートリッジと該インクを吐出させるためのヘ
ッド部とを有するインクジェット記録装置において、該
インクカートリッジが上記インクカートリッジであるこ
とを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明で使用する第1の染料は蛍光染料で
あり、先に述べたように、インク中の染料濃度をある一
定以上にすると、目視での濃度は高くなるものの、濃度
消光により蛍光強度は低下してしまう。そこで、高濃
度、高蛍光性を両立するために、第2の染料を添加す
る。第2の染料としては、少なくとも下記の2つの条件
を満たす染料であることが好ましい。 1)紫外領域に該第1の染料の紫外領域の吸収波長領域
の少なくとも一部と共通する吸収波長領域を有し、且つ 2)可視領域に吸収波長領域と蛍光の発光波長領域を有
し、該発光波長領域内に該第1の染料の蛍光の最大発光
波長を有する。
【0017】上記1)の条件は、蛍光を発生させるため
に紫外領域の一定の波長を与えた時、第1の染料と第2
の染料の蛍光の発光を同時に生じさせる上で好ましいも
のである。
【0018】上記2)の条件は、上記1)の条件により
第1の染料および第2の染料が共に励起し、蛍光を発生
した時に、より強い蛍光性を生じさせる上で好ましいも
のである。
【0019】一方、少なくとも上記2)を満たしている
場合は、第1の染料の濃度消光が起きる濃度以上にイン
ク中の第1の染料濃度を上げても、第2の染料の蛍光強
度が第1の染料の蛍光強度に加算されるため、第1の染
料自体の蛍光強度は低下するが、インク全体の蛍光強度
は向上し、高濃度、高蛍光性のインクジェット記録物を
得るという本発明の目的を達成することが可能となる。
【0020】上記した第1の染料と第2の染料を用いる
ことで、画像濃度を向上させるために第1の染料がある
程度含有され、それにより濃度消光が生じていても、第
2の染料による蛍光強度の加算によって高蛍光強度を示
すインクジェット記録物を得ることができる。
【0021】さらに、第1の染料が、該染料の可視領域
における最大吸収波長と蛍光の最大発光波長が近在する
染料である場合、濃度消光はより顕著におこることがわ
かった。この原因は明らかではないが、発光波長領域の
近い領域で光の吸収が生じることで、光の吸収力が発光
力に影響を与えているためと考えられる。そして、本発
明はこのような第1の染料を用いた場合においても優れ
た効果がある。このような第1の染料として、可視領域
における最大吸収波長と蛍光の最大発光波長が50nm
未満に存在し且つ紫外領域に吸収波長領域を有する染料
を用いた場合、第2の染料としては、上記2つの条件に
加え、該第2の染料の可視領域における最大吸収波長
が、該第1の染料の可視領域の最大吸収波長と100n
m以上離れている染料を用いることで、高濃度で、且つ
高蛍光度を維持できるインクが得られる。
【0022】この理由は明らかではないが、一般に染料
における光の吸収は最大吸収波長から100nm以上離
れると吸光度はほとんどないため、第2の染料の最大吸
収波長と第1の染料の最大吸収波長が100nm以上離
れていると、第2の染料の光の吸収による第1の染料の
吸収および該吸収と近在する発光に与える影響がほとん
どなく第2の染料によって得られる蛍光強度の増加分が
有効に反映されるからであると考えられる。
【0023】第2の染料の光の吸収により、第1の染料
の蛍光強度低下を誘発させないために、本発明で使用す
る第1の染料の可視領域での蛍光の最大発光波長と第2
の染料の可視領域での最大吸収波長が、50nm以上離
れていることがより好ましい。
【0024】また、第2の染料自身の光の吸収による発
光への影響を抑制するために、本発明で使用する第2の
染料の可視領域での蛍光の発光波長領域と吸収波長領域
が共通領域を有さないことが好ましい。
【0025】本発明で使用する第1の染料は一般的な蛍
光染料であれば、特に限定されるものではなく、可視領
域に吸収波長領域と蛍光の最大発光波長、且つ紫外領域
に吸収波長領域を有するものが好ましい。また、赤系の
蛍光染料は、可視領域の最大吸収波長と蛍光の最大発光
波長が50nm以内に存在するもの(例えば、ベーシッ
クバイオレッド10や11:1、アシッドレッド52
等)、つまり、上記した様に、濃度消光が顕著に認めら
れるものが多いが、本発明によればこのような染料であ
っても用いることが出来る。より具体的に述べれば、例
えば、カラーインデックスナンバー・アシッドレッド5
2はその優れた溶解性と高い蛍光強度から、インクジェ
ット用蛍光インクの色材として好ましいものの、濃度消
光が大きい為、インク中の染料濃度には自ら上限があ
る、というのが当業者の認識であった。しかし、本発明
の技術を用いることで濃度消光が生じる程度までインク
中に加えても記録物の蛍光強度を十分に維持できること
が出来るようになった。尚、アシッドレッド52の発光
スペクトルおよび吸光スペクトルを図10に示す。図1
0(a)図10(b)図10(c)はそれぞれ可視吸収
スペクトル、可視発光スペクトル、紫外の吸収スペクト
ルである。
【0026】本発明で使用する第2の染料は、第1の染
料との組合せにより上記した2つの条件を満たすもので
あれば、特に限定されるものではないが、可視領域にお
いて最も短波長側に吸収波長を持つことで、可視領域に
存在する発光波長に最も影響を与えにくい、つまり第1
の染料の蛍光強度に影響を与えずらいと考えられるイエ
ロー色の染料を使用することが好ましい。より好ましく
は、このイエロー色の染料が直接染料の場合である。そ
の理由としては、染料の中でも、直接性の強い染料を選
択した理由は、直接染料は塩基性染料より、安全性に優
れ、また、酸性染料より、蛍光強度はやや劣るものの、
耐水性が優れているため、印字物が水等に濡れてしまっ
ても、蛍光性を認識することができるためである。更
に、好ましくは、第2の染料としてカラーインデックス
ナンバー・ダイレクトイエロー87を使用するのが好ま
しい。その理由としては、ダイレクトイエロー87は、
可視領域での発光領域が450nm〜600nm付近と
非常に広く、且つ、吸収波長は380nm付近を最大値
に持つため、幅広い領域で蛍光性を観測できると同時
に、450nm以上の波長に対する発光に対してほとん
ど影響を与えないためである。ダイレクトイエロー87
の発光スペクトルおよび吸光スペクトルを図11に示
す。図11(a)図11(b)図11(c))はそれぞ
れ可視吸収スペクトル、可視発光スペクトル、紫外の吸
収スペクトルである。
【0027】従って、例えばアシッドレッド52とダイ
レクトイエロー87とを組み合わせることで、高画像濃
度であると共に、アシッドレッド52単独では達成でき
ない様な強度の蛍光を発する記録物を得ることが出来る
ようになる。
【0028】本発明のインクにおける染料の使用量につ
いては特に限定するものではないが、蛍光インクの特徴
を生かすために、インク全質量の0.1〜5質量%、好
ましくは0.2〜3質量%、より好ましくは0.3〜2
質量%の範囲とすることが望ましい。
【0029】また上記染料とともに本発明のインクを構
成する水溶性液媒体としては、水を主成分とすることが
好ましく、また、普通紙を用いた場合のカール防止や印
字品位の向上、あるいは吐出安定性を考慮して、インク
中の水の含有量はインク全質量に対して、50〜95質
量%、好ましくは55〜95質量%、より好ましくは6
0〜95質量%の範囲とすることが望ましい。本発明で
使用する水としては,イオン交換水が好ましく用いられ
る。
【0030】また、本発明のインクに用いられる水溶性
液媒体としては、水を単独で用いてもよいが、水に水溶
性有機溶剤を併用させることによって、本発明の効果を
より顕著にすることもできる。
【0031】本発明で用いられる水溶性有機溶剤として
は、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルア
ルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等
のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
オキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチ
レングリコール、プロピレングリコール、トリメチレン
グリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、
へキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭
素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,
2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類;チオジ
グリコール;ビスヒドロキシエチルスルホン;エチレン
グリコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル、ブ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル
(又はエチル、ブチル)エーテル等の低級アルキルグリ
コールエーテル類;トリエチレングリコールジメチル
(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジ
メチル(又はエチル)エーテル等の低級ジアルキルグリ
コールエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミ
ン類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−
ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独
でも或いは混合物としても使用することができる。これ
らの水溶性有機溶剤のインク中の含有量は、一般的には
インクの全質量に対して1〜49質量%、好ましくは2
〜40質量%の範囲であることが望ましい。
【0032】中でも、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6
−ヘキサントリオール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、ビスヒドロキシエチルスルホン等の水溶
性有機溶剤が特に好適である。
【0033】この他、本発明のインク中には上記成分の
他、必要に応じて、尿素、チオ尿素又は尿素誘導体や界
面活性剤、インクに所望の性能を与えるための、pH調
整剤、粘度調整剤、防腐剤、酸化防止剤、蒸発促進剤、
防錆剤、防カビ剤及びキレート化剤等の添加剤を配合し
てもよい。
【0034】次に、上記した本発明の蛍光インクを用い
て記録を行うのに好適な、本発明のインクジェット記録
装置の一例を以下に説明する。
【0035】本発明のインクを用いて記録を行うのに好
適な方法及び装置としては、例えば記録ヘッドの室内の
インクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱
エネルギーにより液滴を発生させる方法及び装置が挙げ
られる。
【0036】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。
【0037】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミックス又はプラスチック板等と、感熱記
録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示され
ているが、これに限定されるものではない)とを接着し
て得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成さ
れる保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層
19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなってい
る。
【0038】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0039】ここで、電極17−1、17−2に電気信
号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急
激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22よりインク滴24となり、被記
録材25に向かって飛翔する。
【0040】図3には図1に示すヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝
26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同
様な発熱ヘッド28とを密着して製作されている。
【0041】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面で
ある。
【0042】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。
【0043】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐
出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更
に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体であ
り、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ
62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、
ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に
水分、塵埃等の除去が行われる。65は吐出エネルギー
発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被
記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66
は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行
う為のキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸6
7と慴動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ
68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)し
ている。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿
った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域
及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0044】51は被記録材を挿入する為の給紙部、5
2は不図示のモータにより駆動される紙送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれ
て排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
【0045】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0046】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0047】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0048】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとって好まし
い。本発明で使用されるインクジェット記録装置として
は、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体と
なったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体にな
ったものにも好適に用いられる。
【0049】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又
はポリビニルアセテートを用いることが本発明にとって
好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させる
為の大気連通口である。この記録ユニット70は、図4
で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キ
ャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0050】次に、本発明に好適に使用できる記録装置
及び記録ヘッドの他の具体例を説明する。図7は、本発
明に係る吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体
吐出ヘッド及びこのヘッドを用いる液体吐出装置として
のインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視
図である。
【0051】図7においては、インクジェットプリンタ
は、ケーシング1008内に長手方向に沿って設けられ
る被記録材としての用紙1028を図中に示す矢印Pで
示す方向に間欠的に搬送する搬送装置1030と、搬送
装置1030による用紙1028の搬送方向Pに略直交
する矢印S方向に、ガイド軸1014に沿って略平行に
往復運動せしめられる記録部1010と、記録部101
0を往復運動させる駆動手段としての移動駆動部100
6とを含んで構成されている。
【0052】上記搬送装置1030は、互いに略平行に
対向配置されている一対のローラユニット1022a及
び1022bと、一対のローラユニット1024a及び
1024bと、これらの各ローラユニットを駆動させる
ための駆動部1020とを備えている。かかる構成によ
り、搬送装置1030の駆動部1020が作動状態とさ
れると、用紙1028が、それぞれのローラユニット1
022a及び1022bと、ローラユニット1024a
及び1024bにより狭持されて、図7に示す矢印P方
向に間欠送りで搬送されることとなる。
【0053】移動駆動部1006は、所定の間隔を持っ
て対向配置される回転軸に配されるプーリ1026a、
及び、プーリ1026bに巻きかけられるベルト101
6、ローラユニット1022a、及び、ローラユニット
1022bに略平行に配置され記録部1010のキャリ
ッジ部材1010aに連結されるベルト1016を順方
向及び逆方向に駆動させるモータ1018とを含んで構
成されている。
【0054】ヒータ1018が作動状態とされてベルト
1016が図7の矢印R方向に回転したとき、記録部1
010のキャリッジ部材1010aは図13の矢印S方
向に所定の移動量だけ移動される。又、モータ1018
が作動状態とされてベルト1016が図中に示した矢印
R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキ
ャリッジ部材1010aは図13の矢印S方向とは反対
の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。更
に、移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材
1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1
010の吐出回復処理を行うための回復ユニット102
6が記録部1010のインク吐出口配列に対向して設け
られている。
【0055】記録部1010は、インクジェットカート
リッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合があ
る)1012Y、1012M、1012C及び1012
Bが各色、例えばイエロー、マゼンタ、シアン及びブラ
ック毎にそれぞれ、キャリッジ部材1010aに対して
着脱自在に備えられる。
【0056】図8は上述のインクジェット記録装置に搭
載可能なインクジェットカートリッジの一例を示す。本
例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプの
ものであり、インクジェット記録ヘッド100と、イン
ク等の液体を収容する液体タンク1001とで主要部が
構成されている。
【0057】インクジェット記録ヘッド100は液体を
吐出するための多数の吐出口832が形成されており、
インク等の液体は、液体タンク1001から図示しない
液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液室
(図9参照)へと導かれるようになっている。図8に示
したカートリッジ1012は、インクジェット記録ヘッ
ド100と液体タンク1001とを一体的に形成し、必
要に応じて液体タンク1001内に液体を補給できるよ
うにしたものであるが、この液体吐出ヘッド100に対
し、液体タンク1001を交換可能に連結した構造を採
用するようにしてもよい。
【0058】このような構成のインクジェットプリンタ
に搭載され得る上述の液体吐出ヘッドの具体例を以下に
更に詳しく説明する。
【0059】図9は、本発明で使用するインクジェット
記録装置に好適な液体吐出ヘッドの要部を模式的に示す
概略斜視図である。尚、電気熱変換素子を駆動するため
の電気的な配線等は省略している。
【0060】本例の液体吐出ヘッドにおいては、例えば
図9に示されるような、ガラス、セラミックス、プラス
チック或いは金属等からなる基板934が用いられる。
このような基板の材質は、本発明の本質ではなく、流路
構成部材の一部として機能し、インク吐出エネルギー発
生素子、及び後述する液流路、吐出口を形成する材料層
の支持体として、機能し得るものであれば特に限定され
るものではない。そこで、本例では、Si基板(ウエ
ハ)を用いた場合で説明する。このような基板934上
にインク吐出口を形成するが、その方法としては、レー
ザー光による形成方法の他、例えば後述するオリフィス
プレート(吐出口プレート)935を感光性樹脂とし
て、MPA(MirrorProjectionAli
ner)等の露光装置により吐出口を形成する方法も挙
げられる。
【0061】図9において934は電気熱変換素子(以
下、ヒータと記述する場合がある)931及び共通液室
部としての長溝状の貫通口からなるインク供給口933
を備える基板であり、インク供給口933の長手方向の
両側には、熱エネルギー発生手段であるヒータ931が
それぞれ1列ずつ千鳥状に、電気熱変換素子の間隔が、
例えば、300dpiで配列されている。又、この基板
934上には、インク流路を形成するためのインク流路
壁936が設けられている。このインク流路壁936に
は、更に吐出口832を備える吐出口プレート935が
設けられている。
【0062】ここで、図9においてはインク流路壁93
6と吐出口プレート935とは、別部材として示されて
いるが、このインク流路壁936を例えばスピンコート
等の手法によって基板934上に形成することによりイ
ンク流路壁936と吐出口プレート935とを同一部材
として同時に形成することも可能である。ここでは、更
に、吐出口面(上面)935a側は撥水処理が施されて
いる。
【0063】例示した装置では、図7の矢印S方向に走
査しながら記録を行うシリアルタイプのヘッドを用い、
例えば、1,200dpiで記録を行う。駆動周波数は
10kHzであり、一つの吐出口では最短時間間隔10
0μs毎に吐出を行うことになる。
【0064】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明する。尚、以下の記載で%とあるもの
は、特に断りのない限り質量基準である。
【0065】また、夫々のインクについて下記の成分を
混合溶解した後、更にポアサイズが0.2μmのメンブ
レンフィルターにて加圧ろ過し、本発明の実施例および
実施例のインクを調整した。
【0066】評価結果は表1に示す。
【0067】実施例1 ・アシッドレッド52 (第1の染料) 0.4% ・ダイレクトイエロー87 (第2の染料) 0.5% ・2−ピロリドン 10.0% ・ジエチレングリコール 7.5% ・アセチレノールEH 1.0% ・純水 80.6%
【0068】実施例2 ・アシッドレッド52 (第1の染料) 0.4% ・ダイレクトイエロー87 (第2の染料) 1.0% ・トリエチレングリコール 7.0% ・ジエチレングリコール 5.0% ・トリメチロールプロパン 7.0% ・アセチレノールEH 1.0% ・純水 78.6%
【0069】実施例3 ・アシッドレッド52 (第1の染料) 0.6% ・ダイレクトイエロー87(第2の染料) 1.0% ・ジエチレングリコール 7.5% ・トリチレングリコール 5.0% ・イソプロピルアルコール 3.0% ・純水 82.9%
【0070】実施例4 ・アシッドレッド52 (第1の染料) 0.6% ・ダイレクトイエロー87(第2の染料) 1.5% ・ジエチレングリコール 7.5% ・トリチレングリコール 5.0% ・イソプロピルアルコール 3.0% ・純水 82.4%
【0071】実施例5 ・ベーシックバイオレット11:1 (第1の染料) 0.3% ・ベーシックイエロー11(第2の染料) 0.5% ・チオジグリコール 10.0% ・グリセリン 7.5% ・トリエチレングリコール 3.0% ・エチルアルコール 5.0% ・純水 73.7%
【0072】実施例6 ・ベーシックバイオレット11:1 (第1の染料) 0.5% ・ベーシックイエロー11(第2の染料) 1.0% ・エチレングリコール 8.0% ・グリセリン 6.0% ・トリエチレングリコール 3.0% ・エチルアルコール 5.0% ・純水 76.5%
【0073】比較例1 ・アシッドレッド52 (第1の染料) 0.4% ・2−ピロリドン 10.0% ・ジエチレングリコール 7.5% ・アセチレノールEH 1.0% ・純水 81.1%
【0074】比較例2 ・アシッドレッド52 (第1の染料) 0.4% ・ダイレクトイエロー132(第2の染料) 0.5% ・2−ピロリドン 10.0% ・ジエチレングリコール 7.5% ・アセチレノールEH 1.0% ・純水 80.6%
【0075】比較例3 ・アシッドレッド52 (第1の染料) 0.4% ・アシッドイエロー73(第2の染料) 0.5% ・2−ピロリドン 10.0% ・ジエチレングリコール 7.5% ・アセチレノールEH 1.0% ・純水 80.6%
【0076】比較例4 ・ベーシックバイオレット11:1(第1の染料) 0.3% ・ベーシックイエロー14(第2の染料) 0.5% ・チオジグリコール 10.0% ・グリセリン 7.5% ・トリエチレングリコール 3.0% ・エチルアルコール 5.0% ・純水 73.7%
【0077】[評価]次に、上記の実施例1〜6及び比
較例1〜4のインクを用いて、下記評価を行った。尚、
評価の基準インクとしては、染料として上記各インクの
第1の染料のみを含有するインクであって、下記の評価
で最大の蛍光強度を示すインクを用いた。つまり、これ
らの基準インクは、濃度消光が起こらない染料の添加量
範囲の内、染料添加量が最大のものであり、同時に該範
囲の内最大のO.D値を示すインクである(濃度消光の
起こらない最大O.D値を示すインク)。
【0078】 基準インク1 ・アシッドレッド52 0.3% ・2−ピロリドン 10.0% ・ジエチレングリコール 7.5% ・アセチレノールEH 1.0% ・純水 81.2% 基準インク2 ・ベーシックバイオレット11:1 0.3% ・チオジグリコール 10.0% ・グリセリン 7.5% ・トリエチレングリコール 3.0% ・エチルアルコール 5.0% ・純水 74.2%
【0079】評価1:反射濃度(O.D.) 記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与すること
によりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘ
ッドを有するインクジェット記録装置BJS−600
(キヤノン製)のBKポジションを用いて、普通紙(市
販の酸性紙)にベタ画像を印字させ、12時間後の反射
濃度を反射濃度計(商品名:マクべスRD915、マク
べス社製)を用いて、測定した。尚、評価基準は基準イ
ンクの測定結果を100とした時 ◎:O.D.値が1.3倍より大きい。 ○:O.D.値が1.0倍より大きく、1.3倍以下で
ある。 △:O.D.値が1.0倍以下である。
【0080】評価2.:蛍光強度 記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与すること
によりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘ
ッドを有するインクジェット記録装置BJS−600
(キヤノン製)を用いて、普通紙(市販の酸性紙)に5
0%の格子縞パターンを印字し、日本分光(株)社製蛍
光光度計(FP−750)を用いて下記の条件のもと蛍
光強度を測定した。その結果を下記の基準に従って評価
し、表1に示す。
【0081】測定条件)第1染料の最大蛍光波長での蛍
光強度を測定する。 評価基準)基準インクの測定結果を100とした時、 ◎:蛍光強度値が1.3倍より大きい。 ○:蛍光強度値が1.0倍より大きく、で1.3倍以下
である。 △:蛍光強度値が0.5倍より大きくで1.0倍以下で
ある。 ×:蛍光強度値が0.5倍以下である。
【0082】評価3:耐水性 記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与すること
によりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘ
ッドを有するインクジェット記録装置BJS−600
(キヤノン製)を用いて、普通紙(市販の酸性紙)に英
数文字を印字し、印字物を1時間以上放置後、文字部に
水を滴下し、乾燥した後の印字状態を目視にて観察し評
価した。その結果を表1に示す。 ◎:印字内容がはっきり判別できる。 ○:印字物が多少薄いが、判別するのに問題のないレベ
ルである。 ×:印字物は全く残らず、内容を判別できない。
【0083】
【表1】表1
【0084】ここで、「第2の染料の条件」欄の、条件
1、条件2は以下の通りである。 条件1・・・紫外領域に該第1の染料の紫外領域の吸収
波長領域の少なくとも一部と共通する吸収波長領域を有
する 条件2・・・可視領域に吸収波長領域と蛍光の発光波長
領域を有し、該発光波長領域内に該第1の染料の蛍光の
最大発光波長がある
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高濃度、高蛍光強度を示すインクジェット用蛍光性イン
クを得られる。またこのインクを搭載したインクユニッ
ト、インクカートリッジの提供及び、これを用いたイン
クジェット記録方法及びインクジェット記録装置により
耐水性があり蛍光性のある画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視
図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】液体吐出ヘッドを搭載可能なインクジェットプ
リンタの一例の要部を示す概略斜視図である。
【図8】液体吐出ヘッドを備えたインクジェットカート
リッジの一例を示す概略斜視図である。
【図9】液体吐出ヘッドの一例の要部を模式的に示す概
略斜視図である。
【図10】アシッドレッド52の可視吸収スペクトル
(a)、可視発光スペクトル(b)、紫外の吸収スペク
トル(c)である。
【図11】ダイレクトイエロー87の可視吸収スペクト
ル(a)、可視発光スペクトル(b)、紫外の吸収スペ
クトル(c)である。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1、17−2 アルミニウム電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 記録液滴 25 被記録材 26 マルチ溝 27 ガラス板等 28 発熱ヘッド 40 インク袋 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 給紙部 52 紙送りローラ 53 排紙ローラ 61 ワイピング部材(ブレード) 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モータ 69 ベルト 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通口 832 吐出口 931 電気熱変換素子(ヒータ、インク吐出エネルギ
ー発生素子) 933 インク供給口(開口部) 934 基板 935 オリフィスプレート(吐出口プレート) 935a 吐出口面 936 インク流路壁 940 吐出口部 1006 移動駆動部 1008 ケーシング 1010 記録部 1010a キャリッジ部材 1012 カートリッジ 1012Y、M、C、B インクジェットカートリッジ 1014 ガイド軸 1016 ベルト 1018 モータ 1020 駆動部 1022a、1022b ローラユニット 1024a、1024b ローラユニット 1026 回復ユニット 1026a、1026b プーリ 1028 用紙 1030 搬送装置 P 用紙の搬送方向 S 用紙の搬送方向と略直交する方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 小池 祥司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FA03 FA10 FC02 KC10 KC12 2H086 BA01 BA02 BA03 BA53 BA56 BA57 BA60 BA62 4J039 BE02 BE12 EA15 EA17 EA28 GA24

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の染料と第2の染料とこれらを溶解
    するための水溶性液媒体とを含有するインクジェット用
    蛍光インクにおいて、 該第1の染料は、可視領域に吸収波長領域と蛍光の最大
    発光波長を有し、且つ紫外領域に吸収波長領域を有する
    染料であり、 該第2の染料は、 1)紫外領域に該第1の染料の紫外領域の吸収波長領域
    の少なくとも一部と共通する吸収波長領域を有し、且つ 2)可視領域に吸収波長領域と蛍光の発光波長領域を有
    し、該発光波長領域内に該第1の染料の蛍光の最大発光
    波長を有する染料であることを特徴とするインクジェッ
    ト用蛍光インク。
  2. 【請求項2】 該第1の染料の可視領域における最大吸
    収波長と蛍光の最大発光波長が50nm未満に存在し、
    且つ、該第2の染料の可視領域における最大吸収波長
    が、該第1の染料の可視領域の最大吸収波長と100n
    m以上離れている、請求項1に記載のインクジェット用
    蛍光インク。
  3. 【請求項3】 可視領域において第1の染料の最大発光
    波長と第2の染料の最大吸収波長が50nm以上離れて
    いる請求項1または2に記載の蛍光インク。
  4. 【請求項4】 可視領域における第2の染料の吸収波長
    領域と蛍光の発光波長領域とが共通領域を有さない請求
    項1または2に記載の蛍光インク。
  5. 【請求項5】 第1の染料がレッド染料である請求項1
    〜4のいずれかに記載の蛍光インク。
  6. 【請求項6】 第1の染料がカラーインデックスナンバ
    ー・アシッドレッド52である請求項1〜5のいずれか
    に記載の蛍光インク。
  7. 【請求項7】 第2の染料がイエロー染料である請求項
    1〜6のいずれかに記載の蛍光インク。
  8. 【請求項8】 第2の染料が直接染料である請求項1〜
    7のいずれかに記載の蛍光インク。
  9. 【請求項9】 第2の染料がカラーインデックスナンバ
    ー・ダイレクトイエロー87である請求項1〜8のいず
    れかに記載の蛍光インク。
  10. 【請求項10】 染料の合計含有量がインク全重量に対
    して0.1〜5重量%である請求項1〜9のいずれかに
    記載の蛍光インク。
  11. 【請求項11】 水溶性液媒体が、水を含んでいる請求
    項1〜10のいずれかに記載の蛍光インク。
  12. 【請求項12】 水の含有量がインク全重量の50〜9
    5重量%の範囲にある請求項11に記載の蛍光インク。
  13. 【請求項13】 水溶性液媒体が、水溶性有機溶剤を含
    んでいる請求項11に記載の蛍光インク。
  14. 【請求項14】 インクを記録信号に応じてオリフィス
    より吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記
    録方法であって、該インクとして請求項1〜13のいず
    れかに記載のインクを使用することを特徴とするインク
    ジェット記録方法。
  15. 【請求項15】 インクに熱エネルギーを作用させてオ
    リフィスよりインクを吐出させる請求項14に記載の記
    録方法。
  16. 【請求項16】 インクを収容したインク吸収部、該イ
    ンクを吐出させるためのヘッド部を備えた記録ユニット
    において、該インクが請求項1〜13のいずれかに記載
    のインクであることを特徴とする記録ユニット。
  17. 【請求項17】 ヘッド部がインクに熱エネルギーを作
    用させてインクを吐出させるヘッドである請求項14に
    記載の記録ユニット。
  18. 【請求項18】 インク収容部にポリウレタン、セルロ
    ース又はポリビニルアセテートからなるインク吸収体が
    収納されている請求項16に記載の記録ユニット。
  19. 【請求項19】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジにおいて、該インクが請求項1〜
    13のいずれかに記載のインクであることを特徴とする
    インクカートリッジ。
  20. 【請求項20】 インク収容部がポリオレフィンで形成
    された接液面を有する請求項19に記載のインクカート
    リッジ。
  21. 【請求項21】 インクを収容したインク収容部、該イ
    ンクを吐出させるためのヘッド部を有する記録ユニット
    を備えたインクジェット記録装置において、該記録ユニ
    ットが請求項16〜18のいずれかに記載の記録ユニッ
    トであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  22. 【請求項22】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジと該インクを吐出させるためのヘ
    ッド部とを有するインクジェット記録装置において、該
    インクカートリッジが請求項19または20に記載のイ
    ンクカートリッジであることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
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