JPH05212859A - 噴射記録方法 - Google Patents

噴射記録方法

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JPH05212859A
JPH05212859A JP4284572A JP28457292A JPH05212859A JP H05212859 A JPH05212859 A JP H05212859A JP 4284572 A JP4284572 A JP 4284572A JP 28457292 A JP28457292 A JP 28457292A JP H05212859 A JPH05212859 A JP H05212859A
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JP
Japan
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recording medium
recording
tank
bubbles
ink
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Application number
JP4284572A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Takizawa
▲吉▼久 滝沢
Katsuhiro Shirota
勝浩 城田
Hisao Yaegashi
尚雄 八重樫
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2002/14169Bubble vented to the ambience

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】常温固体の記録媒体3を加熱溶融する工程と、
加熱溶融した記録媒体3に記録信号に応じた熱エネルギ
ーを付与することにより記録媒体3内に泡6を発生さ
せ、泡6により記録媒体3を記録ヘッド23の吐出口5
から吐出させて記録を行う工程とを有し、記録媒体3を
第1タンク101及び第2タンク21に収納し、第2タ
ンク21を前記記録ヘッド23に連結すると共に、第2
タンク21内の記録媒体3の量に応じて第1タンク10
1から第2タンク21へ記録媒体3を供給し、かつ記録
の際泡6が外気と連通する。 【効果】ウォームアップ時間が短縮できて消費電力を少
なくすることができる。また、記録媒体の供給が非常に
容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体の小滴を被記
録材に対して飛翔させて記録を行う噴射記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】噴射記録方法は、記録媒体(インク)の
小滴を飛翔させ、紙などの被記録材に付着させて記録を
行うものである。噴射記録方法の中でも特に、本出願人
が特公昭61−59911号広報、特公昭61−599
12号広報、特公昭61−59914号広報において開
示した、熱エネルギーをインクに作用させてインク内に
泡を発生させ、インク内に発生した泡により液滴を吐出
口(オリフィス)から吐出させる方法によれば、記録ヘ
ッドの高密度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高
解像度、高品質の画像を高速で記録できる。
【0003】噴射記録方法には、上記のもの以外に例え
ば以下のものがある。
【0004】特開昭54−161935号公報では、図
17に示すように発熱体30によって液室内のインク3
1をガス化させ、該ガス32をインク滴33と共に吐出
口より吐出させる方法が開示されている。該方法によれ
ば、ガス32をノズルより噴出させることによってオリ
フィスの目詰まりを防止できるとしている。尚、35は
電極である。
【0005】また特開昭61−185455号公報で
は、図18に示すように小開口40を有する板状部材4
1と発熱体ヘッド42との微少間隙部43に満たされた
液状インク44を該発熱体ヘッドによって加熱し(図1
8(a),(b))、発生した気泡45によって小開口
40からインク滴46を飛翔させると共に、該気泡を形
成していたガスをも該小開口40より噴出させて(図1
8(c))記録紙上に画像を形成する記録方法に関する
記載がある。
【0006】特開昭61−249768号公報では、図
19に示すように液状インク50に熱エネルギーを作用
させて気泡を形成し、気泡の膨張力に基づいてインク小
滴58を形成飛翔させると同時に該気泡を形成していた
ガスをも大開口52より大気中に噴出させる記録方法に
ついて記載されている。尚、51は発熱体である。
【0007】特開昭61−197246号公報には、図
20に示すようにフィルム60に設けられた複数の孔6
1に充填されたインク62を、発熱素子63を有する記
録ヘッド64で加熱してインク62中に泡67を発生さ
せ、インク滴65を被記録体66に飛翔させる記録方法
について記載されている。
【0008】一方、本出願人は、それまでの噴射記録方
法とは違う噴射記録方法を提案した。この噴射記録方法
は、記録媒体に記録信号に応じた熱エネルギーを付与す
ることにより前記記録媒体内に泡を発生させ、この泡に
より記録媒体を吐出口から吐出させて記録を行う際に、
この泡を外気と連通させるもので(以下、連通噴射記録
方法)、この連通噴射記録方法によると、記録媒体のス
プラッシュやミストを防ぐことができ、被記録材や装置
内を汚すことがない。また、この連通噴射記録方法によ
ると、発生した泡と吐出口との間の記録媒体は全て吐出
するため、飛翔する記録媒体の量は、ノズルの形状とヒ
ーターの位置によって決まり、従って飛翔する小滴量が
常に一定な、安定した記録を行うことができる。
【0009】以上の噴射記録方法に用いられるインクに
は、被記録材上で速やかに乾燥定着するのに対し、ノズ
ル内では乾燥しにくくノズル詰まりを起こしにくい、と
いう矛盾した特性が要求される。
【0010】この要求に対し、従来の常温液体のインク
には一般に水を主成分とし、これに乾燥防止、目詰まり
防止などの目的でグリコールなどの水溶性高沸点溶剤を
含有したものが一般的で、このようなインクを用いて普
通紙に記録を行った場合、インクが速やかに乾燥定着せ
ず、印字直後の文字を手で触れるとインクが手についた
り、文字が擦れて印字品位が低下するなどの問題があっ
た。
【0011】また、記録紙の種類によって、インクの浸
透性が大きく異なるため、従来の水を主成分としたイン
クを使用する場合、特定の記録紙しか使用できないとい
う問題点があった。特に近年は、オフィスで多く使用さ
れているコピー用紙、レポート用紙、ノート、便箋等の
いわゆる普通紙に対しても良好な記録を行えることが要
求されている。
【0012】この要求に対して、米国特許5,006,
170号、特開昭58−108271号公報、特開昭6
1−83268号公報、特開昭61−159470号公
報、特開昭62−48774号公報、あるいは特開昭5
5−54368号公報には、常温で固体状のホットメル
ト型インクを加熱溶融して飛翔される噴射記録方法が開
示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、常温で固体の
インクは加熱溶融して用いるため、電力の消費量が多く
なり、また電源を入れてから固体インクが溶融して使用
可能になるまでの時間(ウォームアップ時間)が長かっ
た。
【0014】本発明は、上記の本出願人の提案した連通
噴射記録方法を改良するもので、ウォームアップ時間を
短縮でき、消費電力が少なく、しかもインク補給が簡単
な噴射記録方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の噴射記録方法
は、常温固体の記録媒体を加熱溶融する工程と、加熱溶
融した前記記録媒体に記録信号に応じた熱エネルギーを
付与することにより前記記録媒体内に泡を発生させ、前
記泡により前記記録媒体を記録ヘッドの吐出口から吐出
させて記録を行う工程とを有し、前記記録媒体を第1タ
ンク及び第2タンクに収納し、前記第2タンクを前記記
録ヘッドに連結すると共に、前記第2タンク内の前記記
録媒体の量に応じて前記第1タンクから前記第2タンク
へ前記記録媒体を供給し、かつ記録の際前記泡が外気と
連通することを特徴とするものである。
【0016】本発明は、本出願人が先に提案した連通噴
射記録方法を改良したもので、後に記述するように、常
温(5℃〜35℃)で固体の記録媒体(インク)を加熱
溶融し、溶融した記録媒体に記録信号に応じた熱エネル
ギーを付与することにより吐出口(オリフィス)から吐
出させて記録を行うものである。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本出願人が先に提案し
た連通噴射記録方法について説明する。
【0018】噴射記録方法において、溶融状態にある記
録媒体に、記録信号に応じた熱エネルギーが付与される
と、記録媒体内に泡が発生し、この泡の発生により記録
媒体を吐出口から吐出させる吐出エネルギーが生ずる。
【0019】図1に示す装置は、噴射記録方法を実施す
るための装置で、タンク21に収容された記録媒体は供
給路を通って記録ヘッド23に供給される。記録ヘッド
23は、図2に示す記録ヘッドが使用できる。タンク2
1及び記録ヘッド23には、加熱手段24の熱により装
置内の記録媒体が液状に保たれる。加熱手段24は、記
録媒体の融点よりも10℃〜50℃、更には25℃〜3
5℃高い温度に設定すると良い。記録ヘッド23には駆
動回路25より記録信号が送られ、記録信号に応じて記
録ヘッド23の吐出エネルギー発生手段(例えばヒータ
ー)が駆動し、記録媒体の小滴を吐出して紙等の被記録
材27に記録が行われる。
【0020】ヘッド23は、図2に示すように、基板1
上に平行に並べられた壁8と、液室10を形成する壁1
4とが設けられている。更に、壁8、14の上には天板
4が配置される。図2(a)では、記録ヘッドの内部を
見やすくするため、天板4を壁8、14から離して示し
てある。天板4にはインク供給口11が形成され、イン
ク供給口11より液室10に溶融した記録媒体が流入す
る。壁8と壁9の間は、溶融した記録媒体が通るノズル
15となっており、各ノズル15の途中の基板1上には
記録媒体に記録信号に応じた熱エネルギーを付与するた
めのヒーター2が設けられている。ヒーター2からの熱
エネルギーにより記録媒体に泡が発生し、記録媒体がノ
ズル15の吐出口5から吐出する。
【0021】連通噴射記録方法では、熱エネルギーの付
与により記録媒体に発生した泡が膨張して所定の大きさ
になったところで吐出口5を突き抜け外気と連通する。
以下、この点について説明する。
【0022】図3は記録ヘッド23に設けられた1本の
ノズル15の断面で、図3(a)は発泡前の状態を示
す。まず加熱手段24に電流を流し、常温で固体の記録
媒体3を溶解する。記録媒体3を液化した後、ヒーター
2に瞬間的に電流を流しパルス的にヒーター2近傍の記
録媒体3を加熱すると、記録媒体3は急激な沸騰を起こ
し勢い良く泡6が発生し、膨張をはじめる(図3
(b))。泡6は膨張を続け、特にイナータンス(慣
性)の小さい吐出口5側へ成長し、更に吐出口5から突
き抜け外気と連通する(図3(c))。泡6より吐出口
5側の記録媒体3は、この瞬間までに泡6から与えられ
た運動量のために前方へ飛び出し、やがて独立な小滴7
となって紙などの被記録材へ飛翔する(図3(d))。
記録媒体3が飛び出した後、ノズル15先端部に生じた
空隙には、後方の記録媒体3の表面張力とノズル壁との
濡れによって新たな記録媒体3が満たされ、吐出前の状
態に戻る。
【0023】記録ヘッド23は従来の記録ヘッドに比
べ、ヒーター2の位置を吐出口5の方向に近づけた位置
に設けてある。これは泡を外気と連通させるために最も
簡便にとれる構成である。ヒーター2の発生する熱エネ
ルギー量、インク物性、記録ヘッド23の各部の大きさ
(吐出口5とヒーター2間の距離、吐出口5や、ノズル
15の幅及び高さ)などを所望に応じて選択することに
より泡を外気と連通させることができる。
【0024】ヒーター2を吐出口5にどれくらい近づけ
たら泡が外気と連通するかについては一概には言えない
が、ヒーター2の吐出口5側の端から吐出口5までの距
離(図9に示す記録ヘッドの場合は、ヒーター2の表面
から吐出口5までの距離)が5μm以上80μm以下、
更には10μm以上60μm以下であることが好まし
い。
【0025】泡を外気と確実に連通させるために、吐出
口の高さH(図2(a)参照)を、ヒーターのところで
測定したノズルの幅Wと等しいか、より小さくすること
が好ましい。
【0026】また、泡を外気と連通させるためには、ヒ
ーター2の幅を、ノズルの幅の50%〜95%、更には
70%〜90%とするのが好ましい。更には加熱手段2
4によって溶融状態にあるインク粘度が100cps以
下であることが好ましい。また、泡が外気と連通しない
場合に達するであろう泡の最大体積もしくは泡の最大体
積の70%以上、より好ましくは80%以上の体積のと
きに泡が外気と連通するようにすることは好ましいもの
である。
【0027】連通噴射記録方法では、記録媒体中に生じ
た泡が外気と連通するため、泡と吐出口5との間にある
記録媒体が実質的に全て吐出する。従って、吐出する小
滴の体積は常に一定となる。従来の噴射記録方法では、
通常、記録媒体中に生じた泡は外気と連通せず、最大に
成長した後は収縮して消滅する。従来のように、記録媒
体中に生じた泡が外気と連通しない場合、泡と吐出口5
との間にある記録媒体は全てが吐出せず部分的に吐出す
るにすぎない。
【0028】また、泡が外気と連通せずに最大に達した
後、収縮する噴射記録方法では、泡が収縮しても完全に
は消滅せずにヒーター上に残る場合があった。このよう
にヒーター上に小泡が残ると、次の小滴吐出の際に、ヒ
ーター上に残った小泡のために泡の発生及び成長が正し
く行われないという問題がある。この点、泡を外気と連
通させる連通噴射記録方法では、泡と吐出口の間にある
記録媒体が全て吐出するためヒーター上に小泡が残るこ
とがない。
【0029】連通噴射記録方法では、記録ヘッド23の
ヒーター2から吐出口5までのイナータンスが小さいた
め、生起した泡の運動量が効率良く小滴7に享受され
る。このため、従来の記録方法では吐出しにくかったも
の、即ち常温で固体の記録媒体を融点以上に加熱して液
化したもののように、粘度の高いものでも安定的に吐出
することが可能である。また、連通噴射記録方法では、
記録媒体内に発生した泡が記録媒体の吐出時に外気と連
通するため、記録媒体の吐出スピードが非常に速くな
る。このため、記録媒体の小滴は被記録材上の目的のポ
イントに正確に付着すると共に、固体の記録媒体でも被
記録材上でも盛り上がることがなく薄く付着する。固体
の記録媒体が、被記録材上で薄く付着するという利点
は、多色のカラー画像を形成するために記録媒体を被記
録材上で重ねて付着させる場合に特に有効である。
【0030】連通噴射記録方法では、ヒーター2より生
起された泡が吐出口5より外気と連通するときに、泡の
内圧が外気圧以下の条件で連通させるのが好ましい。
【0031】図4は、泡の内圧(グラフa)と泡の体積
(グラフb)の関係を示したグラフである。但し、図4
は泡が外気と連通しない場合のグラフである。図4にお
いて、時刻T=t0 で、ヒーター2にパルス電流を流す
と記録媒体中に泡が発生して泡の内圧が急激に上昇す
る。泡は発生と同時に膨張を開始する。
【0032】泡の膨張は、ヒーター2への電流印加が終
了してもすぐには終らず、しばらくの間続く。その結果
泡の内圧は急激に低下して時刻T=t1 で外気圧以下に
なる。泡はある程度膨張を続けた後、収縮して消滅す
る。
【0033】従って、図5に示すように、時刻T=t1
以降の時間、例えば時刻taで泡を外気と連通させれ
ば、連通する直前の泡の内圧は外気圧以下となる。
【0034】泡の内圧が外気圧以下の条件で泡を外気と
連通させて小滴を吐出させると、記録に不要なミスト状
の記録媒体が飛散するのを防ぐことができ、被記録材や
装置内を汚すことがない。
【0035】従来から、噴射記録方法では記録を行う小
滴以外に、スプラッシュしたミスト状の記録媒体(以
下、スプラッシュあるいはミストという)がしばしば吐
出し問題となっていた。連通噴射記録方法によれば、泡
を外気と連通する際に泡の内圧を外気圧よりも低くする
ことでスプラッシュやミストを防ぐことができる。
【0036】泡の内圧と外気圧との大小関係は、泡の内
圧を直接測定するのは難しいため、以下のようにして判
定するとよい。
【0037】即ち、記録媒体が発泡を開始してから泡が
外気と連通するまでの時間における泡の体積Vbを測定
し、Vbの二次微分d2 Vb/dt2 を求めることによ
って泡の内圧と外気圧との大小関係を知ることができ
る。d2 Vb/dt2 >0であれば泡の内圧は外気圧よ
りも高く、d2 Vb/dt2 ≦0であれば泡の内圧は外
気圧以下である。図6で説明すると、発泡開始T=t0
よりT=t1 までは泡の内圧は外気圧よりも高くd2
b/dt2 >0となり、T=t1 より泡が外気と連通す
るまでの時間T=taまでは泡の内圧は外気圧以下であ
り、d2 Vb/dt2 ≦0となる。以上のようにVbの
二次微分d2 Vb/dt2 を求めることで泡の内圧と外
気圧との大小関係を知ることができる。
【0038】また、上記のVbを測定するかわりに、泡
が発生してから記録媒体の小滴が飛翔するまでの間(図
3の(a)から(c)の間)において、吐出口5から突
出した記録媒体3a(図3(b)参照。以下、記録媒体
吐出部3a)のVdを測定して、Vdの二次微分d2
d/dt2 を求めることによっても泡の内圧と外気圧の
大小関係を知ることができる。即ち、d2 Vd/dt2
>0であれば泡の内圧は外気圧よりも高く、d2 Vd/
dt2 ≦0であれば泡の内圧は外気圧以下である。
【0039】各時刻における記録媒体突出部3aの体積
は、図7のようにストロボやLED、レーザーなどの光
源200を用いて、パルス光で記録媒体突出部3aを照
明しながら顕微鏡201で観察することによって測定す
ることができる。即ち、一定周波数で連続して小滴を吐
出している記録ヘッドに対して、その駆動パルスに同期
してかつ所定のディレイ時間をおいてパルス光を発光さ
せることにより、所定時刻における記録媒体突出部3a
の投影形状を測定できる。このときパルス光のパルス幅
は測定に十分な光量が確保できる範囲でできるだけ小さ
いほうがより正確に測定を行うことができる。記録媒体
突出部3aの体積は、一方向からの測定からでも換算す
ることができるが、さらに正確に求めるために、図7に
示すように、小滴の吐出方向をxとしx軸と直交し、し
かも互いに直交する2方向y、z方向から同時に記録媒
体突出部3aの投影形状を測定することが望ましい。こ
のとき顕微鏡201での測定方向yまたはzの何れか一
方は、吐出口5の並び方向に平行な方向が望ましい。
【0040】このように測定した2方向からの画像につ
いて、図8(a)及び図8(b)に示すようにx座標値
に対する記録媒体突出部3aの幅a(x)、b(x)を
測定する。これらの値から次式に従って計算することに
よって所定時刻の記録媒体突出部3aの体積Vdを求め
ることができるのである。なお、下記の式は記録媒体突
出部3aのy−z断面を楕円で近似したもので、記録媒
体突出部3aや泡6の体積計算には十分な精度で求める
ことができる。
【0041】 Vd=(π/4)∫a(x)・b(x)dx
【0042】こうして、光源200からのパルス光の点
灯ディレイ時間を0から順に変えていくことによって、
泡が発生してから記録媒体の小滴が飛翔するまでの間に
おけるVdの変化を求めることができる。
【0043】ノズル15内の泡体積Vbの測定も図7に
示した方法を応用して行うことができる。但し、泡の体
積Vbを測定するためには、記録ヘッドの外側から泡が
観察できるように、記録ヘッドの一部を透明な部材で構
成する必要がある。
【0044】記録媒体突出部3aや泡6の挙動を観察す
るためには、約0.1μsec程度の時間分解能が必要
なため、パルス光源200としては赤外LEDが好まし
く、また光源のパルス幅は50nsecが好ましい。顕
微鏡201には赤外線カメラを接続し画像を撮影するの
が好ましい。
【0045】また、泡の吐出口5方向先端の移動速度の
一次微分値が負の条件で泡を該吐出口5より外気と連通
させることにより、更にインクミストやスプラッシュを
防止できる。
【0046】更に、図3(b)を参照して吐出エネルギ
ー発生手段であるヒーター2の吐出口5側端部から泡6
の吐出口5側端部までの距離1aを、ヒーター2の吐出
口5とは反対側の端部から気泡の吐出口とは反対側の端
部までの距離1bに対して泡が外気と連通する直前にお
いて1a/1b≧1、好ましくは1a/1b≧2、より
好ましくは1a/1b≧4とすることにより、記録媒体
吐出後に吐出口近傍に生じた空隙部に新たな記録媒体が
満たされるまでの時間を短縮することができ、より一層
の高速記録が可能になる。1a/1bは例えばヒーター
2の位置を吐出口5に近付ければ大きくなる。
【0047】図9は記録ヘッドの他の例をしめすもの
で、吐出口5がノズル15の横方向に設けられている。
図9の記録ヘッドを使用した場合も、図3の記録ヘッド
と同様に泡6は外気と連通する。即ち、図9(a)に示
す発泡前の状態から、加熱手段24により記録媒体3を
溶融した後、ヒーター2に通電するとヒーター2上に泡
6が発生する(図9(b))。その後、泡6は膨張を続
け(図9(c))、泡6と外気とが連通して小滴7が吐
出口5から飛び出す(図9(d))。
【0048】本発明は、上記の連通噴射記録方法におい
て、記録媒体を第1タンク及び第2タンクに収納し、前
記第2タンクを記録ヘッドに連結すると共に、第2タン
ク内の記録媒体の量に応じて前記第1タンクから前記第
2タンクへ記録媒体を供給するものである。
【0049】本発明の噴射記録方法は、図10に示すよ
うに、記録媒体を収納するタンクとして、少なくとも第
1タンク101と第2タンク21とを用いる。
【0050】第2タンク21は、記録ヘッド23と連結
し、記録ヘッド23に溶融した記録媒体を供給する。図
10に示す例では、第2タンク21と記録ヘッド23と
は一体的に構成され、一体的に構成された第2タンク2
1と記録ヘッド23に加熱手段24が設けられている。
加熱手段24により、第2タンク21及び記録ヘッド2
3内の記録媒体は溶融状態に保持される。
【0051】記録が行われるに従い、第2タンク21内
の記録媒体は消費されるが、第2タンク21内の記録媒
体の残量が所定量以下になると、後に詳しく説明するよ
うに、第1タンク101から第2タンク21に記録媒体
が供給される。第1タンク101は、記録ヘッド23が
移動しながら記録を行う際、邪魔にならない位置に配置
されている。第2タンク21に記録媒体を供給する場合
には、第2タンク21を載置しているキャリッジ104
が第1タンク101のところまで移動し、あるいは第1
タンク101が第2タンク21のところまで移動して供
給が行われる。図10に示す例では、第1タンク101
は被記録材27から離れた位置に固定され、キャリッジ
104が第1タンク101のところまで移動して第2タ
ンク21に記録媒体の供給が行われる。
【0052】キャリッジ104は、ガイドレール106
及び107にスライド自在に支持されている。キャリッ
ジ104には、モータープーリー108とテンションプ
ーリー109とに掛けられたエンドレスベルト110が
固定されている。モータープーリー108の回転中心に
はキャリッジモーター111が取り付けられていて、走
査信号でキャリッジモーター111が駆動することによ
りモータープーリー108が回転する。その結果、エン
ドレスベルト110の回転に伴ってキャリッジ104が
ガイドレール106及び107に沿って走査する。つま
り、キャリッジ104は走査信号に応じて走査する。
【0053】被記録材27は、紙送りローラ112及び
紙送りピンチローラ113、さらにはテンションローラ
114及びテンションピンチローラ115にそれぞれ挟
持されて保持される。紙送りローラ112とテンション
ローラ114には、ギア116、117及び118を介
してモーター119の回転に応じて被記録材27が矢印
Pの方向に送られる。
【0054】被記録材27を介して、記録ヘッド23と
対向する位置には、プラテン120が設けられている。
記録ヘッド23の吐出口と被記録材105との間隔は、
例えば、0.5mmに保たれる。
【0055】第1タンク101から第2タンク21への
記録媒体の供給は、第2タンク21が第1タンク101
のところまで移動し、図11に示すように、第1タンク
101の底部と第2タンク21の上部とが結合して行わ
れる。第1タンク101と第2タンク21とが結合する
と、それぞれの蓋101a及び21aがスライドして開
き、第1タンク101の第2室101c内の記録媒体3
が第2タンク21内に供給される。
【0056】図11では、固体状の記録媒体3として顆
粒状のものが示されているが、固体状であればスティッ
ク状、ペレット状、粉末状等どのような形状のものでも
かまわない。
【0057】第1タンク101内は、開閉扉101dで
第1室101bと第2室101cの2室に分けられてい
る。第2タンク21へは、第2室101c内の記録媒体
3が供給される。第2タンク21へ記録媒体3の供給が
行われているときは、開閉扉101dは閉じられていて
第2室101cに、第1室101b内の記録媒体3が入
らないようになっている。こうして、第2タンク21に
は常に一定量の記録媒体3が供給される。
【0058】記録媒体3の供給が終了すると、蓋101
a及び21aが閉じ、第2タンク21は第1タンク10
1から離れる。蓋101aが閉じると、開閉扉101d
が開き、次の供給のために、第1室101b内の記録媒
体3が第2室101cに補給される。
【0059】第1タンク101への記録媒体3の補給
は、第1タンク101に設けられた供給口102(図1
0)より行う。あるいは第1タンク101をカートリッ
ジにして、第1タンク101全体を取りかえるようにし
てもよい。
【0060】第1タンク101の第2室101cには、
図12に示すように、加熱手段140を設けて第2室1
01c内の記録媒体3を溶融状態に保持するようにして
もよい。
【0061】また、第1タンク101全体を加熱するよ
うな加熱手段を設けて、第1タンク101内の記録媒体
3全部を溶融状態に保持するようにしてもよい。
【0062】第2タンク21に供給された記録媒体3
は、加熱手段24により溶かされる。溶融した記録媒体
3はインク供給管22により液室10に供給されて、吐
出口5より記録信号に応じて吐出される。
【0063】第2タンク21には、図13に示すよう
に、インク量センサー141を設けて、このインク量セ
ンサー141により記録媒体3の残量を検知するように
するとよい。インク量センサー141により、第2タン
ク21内の記録媒体3が所定量以下になったことが検知
されると、第1タンク101から第2タンク21に記録
媒体3が自動的に供給されるように制御する。
【0064】インク量センサー141は、例えば図14
に示すように、発熱体141aの表面温度を温度センサ
ー141bで検知するように構成されている。発熱体1
41aは、電源86による電圧印加で発熱するが、発熱
体141aの表面温度は記録媒体中と、空気中とで異な
る。そこで、この表面温度の差を温度センサー141b
及び温度検知回路87で検知することにより、発熱体1
41aが記録媒体中にあるか、空気中にあるかがわか
る。つまり、図14に示すインク量センサーを第2タン
ク21内の所定位置に設けることにより記録媒体3が所
定量以下になったかどうかがわかる。
【0065】図14では、発熱体141aと温度センサ
ー141bとを組合せたインク量センサーを示したが、
自己発熱する温度センサーを用いてもよい。
【0066】また、インク量センサー141として、図
15に示すように、発熱抵抗体を用いたものを使用して
もよい。図15に示すインク量センサーは、発熱抵抗体
である導線91を2つの電極92間に張り、電極92を
介して導線91に電源88により電圧を印加するもので
ある。こうして導線91の抵抗値変化を電流計90で電
流値変化として検知するものである。つまり、導線91
が記録媒体中にある場合と、空気中にある場合とで導線
91の温度が異なり、その結果導線91の抵抗値が変化
することを利用するものである。導線91としては大き
な温度抵抗係数を持つもの、例えば白金、アルミニウム
あるいは銅等を使用することができる。
【0067】本発明の噴射記録方法に使用する記録媒体
は、常温(5℃〜35℃)で固体状のものである。
【0068】常温固体の記録媒体は、熱溶融性固体物質
と着色剤とを少なくとも含有し、更に必要に応じて物性
を調整するための添加剤あるいはアルコール等の常温で
液体の有機溶剤等を含有するものである。
【0069】常温固体の記録媒体は、その融点が36℃
〜200℃の範囲にあるものが望ましい。36℃を下回
る場合には、室温の変化によっては記録媒体が溶けて手
などを汚すおそれがあり、200℃を越える場合には、
記録媒体を液化するために大きなエネルギーが必要とな
る。より好ましくは、その融点が36℃〜150℃の範
囲が望ましい。
【0070】常温固体の記録媒体に含有する熱溶融性固
体物質としては、例えばアセトアミド、p−バニリン、
o−バニリン、ジベンジル、m−アセトトルイジン、安
息香酸フェニル、2,6−ジメチルキノリン、2,6−
ジメトキシフェノール、p−メチルベンジルアルコー
ル、p−ブロモアセトフェノン、ホモカテコール、2,
3−ジメトキシベンズアルデヒド、2,4−ジクロルア
ニリン、ジクロロキシリレン、3,4−ジクロロアニリ
ン、4−クロロ−m−クレゾール、p−ブロモフェノー
ル、シュウ酸ジメチル、1−ナフトール、ジブチルヒド
ロキシトルエン、1,3,5−トリクロロベンゼン、p
−tert−ペンチルフェノール、デュレン、ジメチル
pフェニレンジアミン、トラン、スチレングリコール、
プロピオンアミド、炭酸ジフェニル、2−クロロナフタ
レン、アセナフテン、2−ブロモナフタレン、インドー
ル、2−アセチルピロール、ジベンゾフラン、p−クロ
ロベンジルアルコール、2−メトキシナフタレン、チグ
リン酸、p−ジブロモベンゼン、9−ヘプタデカノン、
1−テトラデカナミン、1,8−オクタンジアミン、グ
ルタル酸、2,3−ジメチルナフタレン、イミダゾー
ル、2−メチル−8−ヒドロキシキノリン、2−メチル
インドール、4−メチルビフェニル、3,6−ジメチル
−4−オクチン−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘ
キシン−2,5−ジオール、2,5−ジメチル−2,5
−ヘキサンジオール、エチレンカーボネート、1,8−
オクタンジオール、1,1−ジエチル尿素、p−ヒドロ
キシ安息香酸ブチル、2−ヒドロキシ−ナフトエ酸メチ
ル、8−キノリノール、ステアリルアミンアセテート、
1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、m−ニ
トロ安息香酸メチル、しゅう酸ジメチル、フタライド、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、8−キ
ノリノール、N−tert−ブチルエタノールアミン、
グリコール酸、ジアセチルモノオキシムおよびアセトキ
シム等の一種又は二種以上を混合して用いることができ
る。
【0071】上記の熱溶融性固体物質は、種類によって
吐出特性に特に優れたものや、保存性に特に優れたも
の、あるいは被記録材上でのにじみが極端に少ないもの
など色々と特徴がある。従って、使用目的に応じて上記
熱溶融性固体物質の中から適宜選択して記録媒体に使用
するとよい。
【0072】熱溶融性固体物質の融点をTm、沸点(1
気圧における沸点。以下同様)Tbとしたとき、前述の
熱溶融性固体物質のうち下記の式(A)および(B)を
いずれも満たす熱溶融性固体物質を用いると、記録像の
定着性に優れると共に熱エネルギーを吐出エネルギーへ
と効率よく変換できる常温固体の記録媒体が得られる。
【0073】36℃≦Tm≦150℃…(A) 150℃≦Tb≦370℃…(B) 沸点Tbは更に200℃≦Tb≦340℃であることが
好ましい。
【0074】常温固体の記録媒体に含有する着色剤とし
ては、従来公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、分
散染料、建染染料、硫化染料、油溶性染料等の各種染料
及び顔料が有効である。特に好ましくは使用しうる染料
としては、次に示すカラーインデックス記載の油溶性染
料が挙げられる。
【0075】C.I.Solvent Yellow
1,2,3,4,6,7,8,10,12,13,1
4,16,18,19,21,25:1,28,29等 C.I.Solvent Orenge 1,2,3,
4,4:1,5,6,7,11,16,17,19,2
0,23,25,31,32,37,37:1等 C.I.Solvent Red 1,2,3,4,
7,8,13,14,17,18,19,23,24,
25,26,27,29,30,33,35等 C.I.Solvent Violet 2,3,8,
9,10,11,13,14,21,21:1,24,
31,32,33,34,36,37,38等 C.I.Solvent Blue 2,4,5,7,
10,11,12,22,25,26,35,36,3
7,38,43,44,45,48,49等 C.I.Solvent Green 1,3,4,
5,7,8,9,20,26,28,29,30,3
2,33等 C.I.Solvent Brown 1,1:1,
2,3,4,5,6,12,19,20,22,25,
28,29,31,37,38,42,43等 C.I.Solvent Black 3,5,6,
7,8,13,22,22:1,23,26,27,2
8,29,33,34,35,39,40,41等
【0076】更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸
化亜鉛、リトポン、酸化チタン、クロムエロー、カドミ
ウムエロー、ニッケルチタンエロー、ネーブルスエロ
ー、黄色酸化鉄、ベンガラ、カドミウムレッド、硫化水
銀カドミウム、紺青、群青等の無機顔料やカーボンブラ
ック、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニ
ルメタン系顔料、バッド系顔料等の有機顔料も好ましく
用いられる。
【0077】また、常温固体の記録媒体には、必要に応
じて常温で液体の有機溶剤、例えば1−ヘキサノール、
1−ヘプタノール、1−オクタノール等のアルコール
類、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
エチレングリコール等のアルキレングリコール類、その
他ケトン類、ケトアルコール類、アミド類、エーテル類
等のものを含有しても構わない。これら有機溶剤は、記
録媒体中に発生する泡を大きく成長させる。
【0078】上記有機溶剤の沸点は150℃以上のもの
が好ましい。
【0079】常温固体の記録媒体は、使用する熱溶融性
固体物質によっては、記録紙上での固化速度が速すぎて
記録像が盛り上がり擦過性が悪くなる場合がある。この
ように、記録像が盛り上がる場合は、記録媒体中に低蒸
気圧(25℃における蒸気圧が3mmHg以下)の液体
を含有させて記録媒体の固化時間を適度に遅らせるとよ
い。このような液体の蒸気圧の下限は25℃において
0.001mmHg程度である。
【0080】このような低蒸気圧の液体としては、例え
ばγブチロラクトン、2−ピロリドン、プロピレンカー
ボネート、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルプ
ロピオンアミド、N−メチルアセトアミド、2−ブトキ
シエタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセト
ンアルコール、2−エトキシエチルアセテート、ブトキ
シエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチル
エーテルアセテート等を挙げることが出来る。
【0081】以上のほか、常温固体の記録媒体には、酸
化防止剤、分散剤、防錆剤等の各種添加剤を含有しても
よい。
【0082】常温固体の記録媒体において、熱溶融性固
体物質の含有量は、記録媒体に対して50〜99重量
%、さらには60〜95重量%、着色剤の含有量は、記
録媒体に対して1〜20重量%、さらには3〜15重量
%、必要に応じて含有する有機溶剤は記録媒体に対して
0〜10重量%含有するのが好ましい。
【0083】低蒸気圧液体を必要に応じ含有する場合に
は、低蒸気圧液体の含有量は、記録媒体に対して30〜
70重量%、更には35〜60重量%が好ましい。
【0084】以下に、本発明の好ましい実施例の1つを
示す。
【0085】 C.I.Solvent black3 5.0重量部 エチレンカーボネート(融点39℃) 42.5重量部 1、12−ドデカンジオール(融点82℃) 42.5
重量部
【0086】上記成分を100℃で容器中で撹拌し、均
一に混合溶解させ、加熱したまま孔径0.45μmのテ
フロン製フィルタで濾過した後、冷却した。冷却後、粉
砕して顆粒状の固体インクを得た。こうして得た固体イ
ンクを用いて、図10に示す装置で記録を行った。この
装置には図11に示した第1タンク101が設けてあ
る。
【0087】使用した記録ヘッドのノズル15のサイズ
は、高さHが27μm、幅Wが40μmであった。ヒー
ター2のサイズは、幅が32μm、長さが40μmであ
った。ヒーター2の位置は、ヒーター2のオリフィス5
側の端からオリフィス5までの距離が20μmであっ
た。ノズル15は、1インチ当たり400本の密度で、
44本配置してある。
【0088】第1タンク101内の固体インク量は40
gであった。このうち、第2室101c内の固体インク
量は3gであった。また、第2タンク21内の固体イン
ク量は5gであった。
【0089】こうして、電源を入れたところ、2分で第
2タンク21内の固体インクが溶融し吐出可能状態とな
り、A4サイズのコピー用紙に1画素毎の市松模様とな
るように、16本のノズルを用いて記録を行った。
【0090】記録ヘッド23のヒーター2への通電条件
は印加電圧16.0V、パルス幅2.5μsec、駆動
周波数1KHzとした。また、加熱手段24による加熱
温度は100℃であった。
【0091】上記条件で記録を続けたところ、24枚目
のコピー用紙に記録し終ったところで、第2タンク21
内のインク量が半分以下となったことが検知され、第1
タンク101から第2タンク21ヘ3gの固体インクの
供給が行われた。インクの供給後、記録が再び続けられ
た。得られた画像は定着が速く、記録した後5秒後に画
像を手でこすっても画像は乱れず、また手も汚れなかっ
た。
【0092】上記の記録とは別に、図16に示す装置を
用いてインクの吐出状況を観察した。用いた固体インク
は、C.I.Solvent Black 3を含有し
ない以外は上記の記録に用いた固体インクと同様であ
る。着色剤を含有しなかったのは、泡を観察し易くする
ためである。
【0093】図16の装置で用いた記録ヘッド23は、
上記の記録で用いたものと同様であるが、記録ヘッド2
3の内部が観察できるように天板4(図2(a))を透
明なものにしてある。記録ヘッド23の上方には、ノズ
ル15の内部を透明な天板を通して観察できるように、
顕微鏡16が配置されている。顕微鏡16にはストロボ
17が取り付けられ、ストロボ17が発光したときのみ
インクの発泡、吐出状態が観察できるように成ってい
る。ストロボ17はストロボ駆動回路18及び遅延回路
19によって、ヒーター2が熱印加を開始してから任意
に設定できる遅延時間経過後に発光するようになってい
る。記録ヘッド23には加熱手段24が設けられてい
て、記録ヘッド23を100℃に加熱してインクを溶融
状態に保つ。28はヘッド駆動回路、29は外部電源で
ある。こうして、記録ヘッド23の液室10内に溶融し
たインクを満たし、ヒーター2にパルス通電することに
より、ヒーター2上に発生する泡をストロボ発光の遅延
時間を変化させて観察した。
【0094】その結果、発泡開始より約3μsec後に
気泡が外気と連通して、安定して吐出している様子が確
認された。
【0095】以上のように、本発明によれば、ウォーム
アップ時間が短縮できて消費電力を少なくすることがで
き、また記録媒体の供給が非常に容易となる。更に、本
発明によると、定着の速い高品位の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴射記録方法に使用する記録装置の一例を示す
概略図である。
【図2】図1に示す記録装置で使用する記録ヘッドの一
例を示す概略図である。
【図3】本発明の記録方法の原理を示すために、記録媒
体を供給した記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【図4】泡が外気と連通しない場合の、泡の内圧変化と
泡の体積変化の例を示したグラフである。
【図5】泡が外気と連通する場合の、泡の内圧変化と泡
の体積変化の例を示したグラフである。
【図6】泡が外気と連通する場合の、泡の内圧変化、泡
の体積変化、更に泡の体積変化率の例を示したグラフで
ある。
【図7】吐出口から突出した記録媒体の体積を測定する
方法の一例を示す斜視図である。
【図8】図7に示した測定方法による測定結果の一例を
示す図である。
【図9】本発明の記録方法の原理を示すために、記録媒
体を供給した記録ヘッドの他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の記録方法に実施するための装置の一
例を示す斜視図である。
【図11】第1タンク、第2タンク及び記録ヘッドの一
例を示す断面図である。
【図12】第1タンク、第2タンク及び記録ヘッドの他
の例を示す断面図である。
【図13】インク量センサーを設けた第2タンクの一例
を示す断面図である。
【図14】インク量センサーの一例を示す斜視図であ
る。
【図15】インク量センサーの他の例を示す正面図であ
る。
【図16】記録媒体の発泡状態、吐出状態を観察できる
ようにした記録装置の一例を示す概略図である。
【図17】従来の記録方法の一例を示す断面図である。
【図18】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【図19】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【図20】従来の記録方法の他例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ヒーター 3 インク 4 天板 5 オリフィス 6 泡 7 小滴 8 壁 10 液室 11 インク供給口 14 壁 15 ノズル 16、201 顕微鏡 17 ストロボ 18 ストロボ駆動回路 19 遅延回路 21 第2タンク 23 記録ヘッド 24 加熱手段 25 駆動回路 26 温度制御手段 87 温度検知回路 91 導線 92 電極 101 第1タンク 141 インク量センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 A 8305−2H 9012−2C B41J 3/04 103 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温固体の記録媒体を加熱溶融する工程
    と、加熱溶融した前記記録媒体に記録信号に応じた熱エ
    ネルギーを付与することにより前記記録媒体内に泡を発
    生させ、前記泡により前記記録媒体を記録ヘッドの吐出
    口から吐出させて記録を行う工程とを有し、前記記録媒
    体を第1タンク及び第2タンクに収納し、前記第2タン
    クを前記記録ヘッドに連結すると共に、前記第2タンク
    内の前記記録媒体の量に応じて前記第1タンクから前記
    第2タンクへ前記記録媒体を供給し、かつ記録の際前記
    泡が外気と連通することを特徴とする噴射記録方法。
  2. 【請求項2】 前記泡の内圧が外気圧以下であるとき、
    前記泡が外気と連通する請求項1記載の噴射記録方法。
  3. 【請求項3】 前記第1タンク内の記録媒体を固体状態
    に保持し、固体状態の前記記録媒体を前記第2タンクに
    供給する請求項1記載の噴射記録方法。
  4. 【請求項4】 前記第1タンク内の記録媒体の全部又は
    一部を溶融し、溶融状態の前記記録媒体を前記第2タン
    クに供給する請求項1記載の噴射記録方法。
  5. 【請求項5】 前記第2タンク内の記録媒体の量をイン
    ク量センサーにより検知する請求項1記載の噴射記録方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第1タンクがカートリッジとなって
    いる請求項1記載の噴射記録方法。
JP4284572A 1991-10-25 1992-10-22 噴射記録方法 Pending JPH05212859A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007190915A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Oce Technologies Bv インクペレット用カートリッジを備えたインクジェットプリンタ
JP2020128045A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 コニカミノルタ株式会社 加熱装置、インクジェット記録装置及び加熱制御方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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