JPH05116300A - 記録方法 - Google Patents

記録方法

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JPH05116300A
JPH05116300A JP3279876A JP27987691A JPH05116300A JP H05116300 A JPH05116300 A JP H05116300A JP 3279876 A JP3279876 A JP 3279876A JP 27987691 A JP27987691 A JP 27987691A JP H05116300 A JPH05116300 A JP H05116300A
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recording medium
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JP3279876A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Takizawa
▲吉▼久 滝沢
Katsuhiro Shirota
勝浩 城田
Hisao Yaegashi
尚雄 八重樫
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Publication of JPH05116300A publication Critical patent/JPH05116300A/ja
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 常温固体の記録媒体3を所定温度に加熱溶融
し、記録信号に応じた熱エネルギーを付与することによ
り前記記録媒体内に気泡6を発生させ、前記気泡を外気
と連通させるとともに前記記録媒体の少なくとも一部を
吐出して記録を行い、待機時には前記記録媒体3を前記
所定温度以下に下げることを特徴とする。 【効果】 従来場合によっては安定した吐出が得られに
くかった常温固体の記録媒体を安定に吐出することが可
能となった。一般に良く使用される普通紙への多色画像
の記録が、色のにじみや濁りがなく鮮明に行える。さら
には装置の待機時には記録媒体の温度を記録時に温度よ
りも下げておくために記録装置の消費電力を低減させる
ことができるとともに、長時間加熱による記録媒体の品
質劣化を最小限に押えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温で固体の記録媒体
を、被記録材に対して飛翔させて記録を行う記録方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来常温で液体の記録媒体(インク)を
用いた記録方法としては、本出願人が特公昭61−59
911号公報、特公昭61−59912号公報、特公昭
61−59914号公報において開示した、常温で液体
のインクを用い、熱エネルギーをこのインクに作用させ
てインク内に泡を発生させ、インク内に発生した泡によ
り液滴を吐出口(オリフィス)から吐出させる方法によ
れば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化が容易に
実現でき、高解像度、高品質の画像を高速で記録でき
る。
【0003】また常温で液体のインクを用いた記録方法
には、上記のもの以外に例えば以下のものがある。
【0004】特公昭54−161935号公報では、図
14に示す様に発熱体60によって液室内のインク61
をガス化させ、該ガス62をインク滴63と共に吐出口
より吐出させる方法が開示されている。該方法によれ
ば、ガス62をノズルより噴出させせることによってオ
リフィスの目詰まりを防止できるとしている。尚、65
は電極である。
【0005】また特開昭61−185455号公報で
は、図15に示すように小開口70を有する板状部材7
1と発熱体ヘッド72との微小間隔部73に満たされた
液状インク74を該発熱体ヘッドによって加熱し(図1
5(a),(b))、発生した気泡75によって小開口
70からインク滴76を飛翔させると共に、該気泡を形
成していたガスをも該小開口70より噴出させて(図1
5(c))記録紙上に面像を形成する記録方法に関する
記載がある。特開昭61−249768号公報では、図
16に示すように液状インク80に熱エネルギーを作用
させて気泡を形成し、気泡の膨張力に基づいてインク小
滴88を形成飛翔させると同時に該気泡を形成していた
ガスをも大開口82より大気中に噴出させる記録方法に
ついて記載されている。尚、81は発熱体である。
【0006】特開昭61−197246号公報には、図
17に示すようにフィルム90に設けられた複数の孔9
1に充填されたインク92を、発熱素子93を有する記
録ヘッド94で加熱してインク92中に泡97を発生さ
せ、インク滴95を被記録材96に飛翔させる記録方法
について記載されている。
【0007】これらの記録方法に用いられるインクに
は、被記録材上で速やかに乾燥定着するのに対し、ノズ
ル内では乾燥しにくくノズル詰まりを起こしにくい、と
いう矛盾した特性が要求される。
【0008】この要求に対し、従来の常温固体のインク
には一般に水を主成分とし、これに乾燥防止、目詰まり
防止などの目的でグリコールなどの水溶性高沸点溶剤を
含有したものが一般的で、このようなインクを用いて普
通紙に記録を行った場合、インクが速やかに乾燥定着せ
ず、印字直後の文字を手で触れるとインクが手についた
り、文字が擦れて印字品位が低下するなどの問題があっ
た。
【0009】また、記録紙の種類によって、インクの浸
透性が大きく異なるため、従来の水を主成分としたイン
クを使用する場合、特定の記録紙しか使用できないとい
う問題点があった。特に近年は、オフィスで多く使用さ
れているコピー用紙、レポート用紙、ノート、便箋等の
いわゆる普通紙に対しても良好な記録を行えることが要
求されている。
【0010】この要求に対して、米国特許5,006,
170号、特開昭58−108271号公報、特開昭6
1−83268号公報、特開昭61−159470号公
報、特開昭62−48774号公報、あるいは特開昭5
5−54368号公報には、常温で固体状のホットメル
ト型インクを加熱溶融して飛翔される記録方法が開示さ
れている。
【0011】しかしながら、常温で固体のインクは、加
熱溶融したとしても、常温で液体の水系インクに比べ粘
度が高く、泡の発生及び膨張に対して大きな抵抗とな
る。このため、常温で固体のインクを用いた従来の記録
方法では、インク中に泡が発生しても、十分な吐出エネ
ルギーが得られずインクの吐出速度が遅かったり、ある
いは泡の形状が不均一になったりした。その結果、イン
クの小滴の体積が不均一になったりした。最悪の場合に
は、インクが吐出口から吐出しない場合もあった。
【0012】また、被記録材上でインクが盛り上がるの
を防止するために、特開平1−242672号公報、特
開平2−51570号公報には過冷却剤の添加された常
温固体のインクが開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、過
冷却剤の添加された常温固体の従来のインクは、インク
の盛り上がりは防止できるが完全定着するために時間が
かかり、記録像を形成した後十分に時間をおかないと、
記録像で手が汚れたり記録像が乱れたりする問題があっ
た。
【0014】また、記録方法に使用する常温固体の従来
のインクとしては、上記のほか、特開平1−23628
7号公報、特開平1−263170号公報及び特開平1
−263171号公報にそれぞれキシレノール、ジアセ
トアミド、2,2−ジメチル−1−プロパノールを主要
成分とするインクが開示されているが、これら従来の固
体インクでは、記録を行わないまま加熱溶融状態に放置
したとき、インクの物性が変化したり、ノズル詰まりが
起こりに易く、また、記録紙によっては記録像がにじむ
ことがあった。
【0015】そこで本出願人は特願平3−249217
号公報により、前記した従来知られている記録技術を改
良する提案をすでに行っている。
【0016】特願平3−249217号公報の方法によ
れば、ノズル内の泡だまりによる吐出不良や、吐出した
インク小滴の体積の不均一、またインク小滴の被記録材
上の着弾位置精度の悪さなど、従来知られている記録技
術による問題点を解決することができた。
【0017】本願は前記特願平3−249217号公報
を発展させたもので、常温固体の記録媒体をより高速
に、かつ安定的吐出し、普通紙に対して早い定着実現す
るものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】そのための手段は、常温
固体の記録媒体を所定温度に加熱溶融し、記録信号に応
じた熱エネルギーを付与することにより前記記録媒体内
に気泡を発生させ、前記気泡を外気と連通させるととも
に前記記録媒体の少なくとも一部を吐出して記録を行
い、待機時には前記記録媒体を前記所定温度以下に下げ
ることを特徴とする。
【0019】以下本発明を詳細に説明する。
【0020】図1に示す装置は、本発明の記録方法を実
施するための装置で(後に更に詳しく説明する)、タン
ク21に収容された記録媒体は、供給路22を通って記
録ヘッド23に供給される。記録ヘッド23は、図2に
示す記録ヘッドが使用できる。タンク21、供給路22
及び記録ヘッド23には加熱手段20および加熱手段2
4が具備されており、温度制御回路26からの信号によ
り記録動作時には所定温度以上に、また待機時には所定
温度以下に保持するように構成されている。
【0021】所定温度以下に保持する部分はタンク2
1、供給路22、記録ヘッド23全てでなくとも良く、
例えば供給路22および記録ヘッド23を所定温度以下
に保持しても良いし、タンク21や記録ヘッド23のみ
であっても良い。所定温度以下に保持する実際の温度は
記録媒体の融点や溶融粘度、あるいは装置の仕様等によ
って定められるものである。従って大きくは室温まで下
げても構わないが、その場合は待機時の消費電力はほと
んど消費されないが記録動作開始可能な温度まで立ち上
がる時間を要する。好ましくは記録時の温度より10な
いし50度の範囲で下げるのが良い。記録ヘッド23に
は駆動回路25より記録信号が送られ、記録信号に応じ
て記録ヘッド23の吐出エネルギー発生手段(例えばヒ
ーター)が駆動する。
【0022】ヘッド23は、図2に示すように、基板1
上に平行に並べられた壁8と、液室10を形成する壁1
4とが設けられている。更に、壁8、14の上には天板
4が配置される。図2の(a)では、記録ヘッドの内部
を見やすくするため、天板4を壁8、14から離して示
してある。天板4にはインク供給口11が形成され、イ
ンク供給口11より液室10に溶融した記録媒体が流入
する。壁8と壁8の間は、溶融した記録媒体が通るノズ
ル15となっており、各ノズル15の途中の基板1上に
は記録媒体に記録信号に応じた熱エネルギーを付与する
ためのヒーター2が設けられている。ヒーター2からの
熱エネルギーにより記録媒体に泡が発生し、記録媒体が
ノズル15の吐出口5から吐出する。
【0023】本発明の記録方法では、熱エネルギーの付
与により記録媒体に発生した泡が膨張して所定の大きさ
になったところで吐出口5を突き抜け外気と連通する。
以下、この点について説明する。
【0024】図3は記録ヘッド23に設けられた1本の
ノズル15の断面で、図3(a)は発泡前の状態を示
す。まず加熱手段24に電流を流し、常温で固体の記録
媒体3を溶解する。記録媒体3を液化した後、ヒーター
2に瞬間的に電流を流しパルス的にヒーター2近傍の記
録媒体3を加熱すると、記録媒体3は急激な沸騰を起こ
し勢い良く泡6が発生し、膨張をはじめる(図3
(b))。泡6は膨張を続け、特にイナータンス(慣
性)の小さい吐出口5側へ成長し、更に吐出口5から突
き抜け外気と連通する(図3(c))。泡6より吐出口
5側の記録媒体3は、この瞬間までに泡6から与えられ
た運動量のために前方へ飛び出し、やがて独立な小滴7
となって紙などの被記録材へ飛翔する(図3(d))。
記録媒体3が飛び出した後、ノズル15先端部に生じた
空隙には、後方の記録媒体3の表面張力とノズル壁との
濡れによって新たな記録媒体3が満たされ、吐出前の状
態に戻る。
【0025】記録ヘッド23は従来の記録ヘッドに比
べ、ヒーター2の位置を吐出口5の方向に近づけた位置
に設けてある。これは泡を外気と連通させるために最も
簡便にとれる構成である。ヒーター2の発生する熱エネ
ルギー量、インク物質、記録ヘッド23の各部の大きさ
(吐出口5とヒーター2間の距離、吐出口5や、ノズル
15の幅及び高さ)などを所望に応じて選択することに
より泡を外気と連通させることができる。
【0026】ヒーター2を吐出口5にどれくらい近づけ
たら泡が外気と連通するかについては一概には言えない
が、ヒーター2の吐出口側の端から吐出口5までの距離
(図9に示す記録ヘッドの場合は、ヒーータ2の表面か
ら吐出口5までの距離)が5μm以上80μm以下、更
には10μm以上60μm以下であることが好ましい。
【0027】泡を外気と確実に連通させるために、吐出
口の高さH(図2(a)参照)をヒーターのところで測
定したノズルの幅Wと等しいか、より小さくすることが
好ましい。
【0028】また、泡を外気と連通させるためには、ヒ
ーター2の幅を、ノズルの幅の50%〜95%、更には
70%〜90%とするのが好ましい。更には加熱手段2
4によって溶融状態にあるインク粘度が100cps以
下であることが好ましい。また、泡が外気と連通しない
場合に達するであろう泡の最大体積もしくは泡の最大体
積の70%以上、より好ましくは80%以上の体積のと
きに泡が外気と連通するようにすることは好ましいもの
である。
【0029】本発明では、記録媒体中に生じた泡が外気
と連通するため、泡と吐出口5との間にある記録媒体が
実質的に全て吐出する。従って、吐出する小滴の体積は
常に一定となる。従来の噴射記録方法では、通常、記録
媒体中に生じた泡は外気と連通せず、最大に成長した後
は収縮して消滅する。従来のように、記録媒体中に生じ
た泡が外気と連通しない場合、泡と吐出口5との間にあ
る記録媒体は全てが吐出せず部分的に吐出するにすぎな
い。
【0030】また、泡が外気と連通せずに最大に達した
後、収縮する噴射記録方法では、泡が収縮しても完全に
は消滅せずにヒーター上に残る場合があった。このよう
にヒーター上に小泡が残ると、次の小滴吐出の際に、ヒ
ーター上に残った小泡のために泡の発生及び成長が正し
く行われないという問題がある。この点、泡を外気と連
通させる本発明の噴射記録方法では、泡と吐出口の間に
ある記録媒体が全て吐出するためヒーター上に小泡が残
ることがない。
【0031】本発明の記録方法では、記録ヘッド23の
ヒーター2から吐出口5までのイナータンスが小さいた
め、生起した泡の運動量が効率よく小滴7に享受され
る。このため、従来の記録方法では吐出しにくかったも
の、即ち常温で固体の記録媒体を融点以上に加熱して液
化したもののように、粘度の高いものでも安定的に吐出
することが可能である。また、本発明の記録方法では、
記録媒体に発生した泡が記録媒体の吐出時に外気と連通
するため、記録媒体の吐出スピードが非常に速くなる。
このため、記録媒体の小滴は被記録材上の目的のポイン
トに正確に付着すると共に、固体の記録媒体でも被記録
材上でも盛り上がることなく薄く付着する。固体の記録
媒体が、被記録材上で薄く付着するという利点は、多色
のカラー画像を形成するために記録媒体を被記録材上で
重ねて付着させる場合に有効である。
【0032】また本発明では、ヒーター2より生起され
た泡が吐出口5より外気と連通するときに、泡の内圧が
外気圧以下の条件で連通させるのが好ましい。
【0033】図4は、泡の内圧(グラフa)と泡の体積
(グラフb)の関係を示したグラフである。但し、図4
は泡が外気と連通しない場合のグラフである。図4にお
いて、時刻T=t0で、ヒーター2にパルス電流を流す
と記録媒体中に泡が発生して泡の内圧が急激に上昇す
る。泡は発生と同時に膨張を開始する。
【0034】泡の膨張は、ヒーター2への電流印加が終
了してもすぐには終わらず、しばらくの間続く。その結
果泡の内圧は急激に低下して時刻T=t1で外気圧以下
になる。泡はある程度膨張を続けた後、収縮し消滅す
る。
【0035】従って、図5に示すように、時刻T=t1
以降の時間、例えば時刻taで泡を外気と連通させれ
ば、連通する直前の泡の内圧は外気圧以下となる。
【0036】泡の内圧が外気圧以下の条件で泡を外気と
連通させて小滴を吐出させると、記録に不要なミスト状
の記録媒体が飛散するのを防ぐことができ、被記録材や
装置内を汚すことがない。
【0037】従来から、噴射記録方法では記録を行う小
滴以外に、スプラッシュしたミスト状の記録媒体(以
下、スプラッシュあるいはミストという)がしばしば吐
出し問題となっていた。本発明によれば、泡を外気と連
通する際に泡の内圧を外気圧よりも低くすることでスプ
ラッシュやミストを防ぐことができる。
【0038】泡の内圧と外気圧との大小関係は、泡の内
圧を直接測定するのは難しいため、以下のようにして判
定するとよい。
【0039】即ち、記録媒体が発泡を開始してから泡が
外気と連通するまでの時間における泡の体積Vbを測定
し、Vbの二次微分d2Vb/dt2を求めることによっ
て泡の内圧と外気圧との大小関係を知ることができる。
2Vb/dt2>0であれば泡の内圧は外気圧よりも高
く、d2Vb/dt2≦0であれば泡の内圧は外気圧以下
である。図6で説明すると、発泡開始T=t0よりT=
t1までは泡の内圧は外気圧よりも高くd2Vb/dt2
>0となり、T=t1より泡が外気と連通するまでの時
間T=taまでは泡の内圧は外気圧以下であり、d2
b/dt2≦0となる。以上のようにVbの二次微分d2
Vb/dt2を求めることで泡の内圧と外気圧との大小
関係を知ることができる。
【0040】また、上記のVbを測定するかわりに、泡
が発生してから記録媒体の小滴が飛翔するまでの間(図
3の(a)から(c)の間)において、吐出口5から突
出した記録媒体3a(図3(b)参照。以下、記録媒体
吐出部3a)のVdを測定して、Vdの二次微分d2
d/dt2を求めることによっても泡の内圧と外気圧の
大小関係を知ることができる。即ち、d2Vd/dt2
0であれば泡の内圧は外気圧よりも高く、d2Vd/d
2≦0であれば泡の内圧は外気圧以下である。
【0041】各時刻における記録媒体突出部3aの体積
は、図7のようにストロボやLED、レーザーなどの光
源200を用いて、パルス光で記録媒体突出部3aを照
明しながら顕微鏡201で観察することによって測定す
ることができる。即ち、一定周波数で連続して小滴を吐
出している記録ヘッドに対して、その駆動パルスに同期
してかつ所定のディレイ時間をおいてパルス光を発行さ
せることにより、所定時刻における記録媒体突出部3a
の投影形状を測定できる。このときパルス光のパルス幅
は測定に十分な光量が確保できる範囲でできるだけ小さ
いほうがより正確に測定を行うことができる。記録媒体
突出部3aの体積は、一方向からり測定からでも換算す
ることができるが、さらに正確に求めるために、図7に
示すように、小滴の吐出方向をxとし、x軸と直交し、
しかも互いに直交する2方向y、z方向から同時に記録
媒体突出部3aの投影形状を測定することが望ましい。
このとき顕微鏡201での測定方向yまたはzの何れか
一方は、吐出口5の並び方向に平行な方向が望ましい。
【0042】このように測定した2方向からの画像につ
いて、図8(a)及び図8(b)に示すようにx座標値
に対する記録媒体突出部3aの幅a(x)、b(x)を
測定する。これらの値から次式に従って計算することに
よって所定時刻の記録媒体突出部3aの体積Vdを求め
ることができるのである。なお、下記の式は記録媒体突
出部3aのy−z断面を楕円で近似したもので、記録媒
体突出部3aや泡6の体積計算には十分な精度で求める
ことができる。
【0043】 Vd=(π/4)∫a(x)・b(x)dx
【0044】こうして、光源200からのパルス光の点
灯ディレイ時間を0から順に変えていくことによって、
泡が発生してから記録媒体の小滴が飛翔するまでの間に
おけるVdの変化を求めることができる。
【0045】ノズル15内の泡体積Vdの測定も図7に
示した方法を応用して行うことができる。但し、泡の体
積Vbを測定するためには、記録ヘッドの外側から泡が
観察できるように、記録ヘッドの一部を透明な部材で構
成する必要がある。
【0046】記録媒体突出部3aや泡6の挙動を観察す
るためには、約0.1μsec程度の時間分解能が必要
なため、パルス光源200としては赤外LEDが好まし
く、また光源のパルス幅は50nsecが好ましい。顕
微鏡201には赤外線カメラを接続し画像を投影するの
が好ましい。
【0047】また、泡の吐出口5方向先端の移動速度の
一次微分値が負の次用件で泡を該吐出口5より外気と連
通させることにより、更にインクミストやスプラッシュ
を防止できる。
【0048】更に、図3(b)を参照して吐出してエネ
ルギー発生手段であるヒーター2の吐出口5側端部から
気泡の吐出口とは反対側の端部までの距離1aを、ヒー
ターの吐出口5とは反対側の端部から気泡の吐出口とは
反対側の端部までの距離1bに対して泡が外気と連通す
る直前において1a/1b≧1、好ましくは1a/1b
≧2、より好ましくは1a/1b≧4とすることによ
り、記録媒体吐出後に吐出口近傍に生じた空隙部に新た
な記録媒体が満たされるまでの時間を短縮することがで
き、より一層の高速記録が可能になる。1a/1bは例
えばヒーター2の位置を吐出口5に近づければ大きくな
る。
【0049】図9は記録ヘッドの他の例を示すもので、
吐出口5がノズル15の横方向に設けられている。図9
の記録ヘッドを使用した場合も、図3の記録ヘッドと同
様に泡6は外気と連通する。即ち、図9(a)に示す発
泡前の状態から、加熱手段24により記録媒体3を溶融
した後、ヒーター2に通電するとヒーター2上に泡6が
発生する(図9(b))。その後、泡6は膨張を続け
(図9(c))、泡6と外気とが連通して小滴7が吐出
口5から飛び出す(図9(d))。
【0050】本発明の記録方法では待機時、即ち記録が
終了し次の記録までに時間がある場合には記録媒体の加
熱温度を所定温度以下に下げる。
【0051】具体的には例えば、装置の記録動作が終了
した段階で自動的に加熱温度を下げておき、次に記録媒
体くを開始する時に(例えば装置のプリント開始ボタン
がおされたとき)再び加熱温度を所定温度に上昇させ
る。この場合記録動作が終了してから次の記録動作が開
始されるまでの時間を計数し、あらかじめ定められた時
間を経過しても次の記録動作が開始されないときは加熱
温度を下げる様にしても良い。
【0052】あるいは装置に待機中等のボタンを設けて
おき、必要な記録動作が終了した段階で前記ボタンを押
せば記録媒体の加熱温度が自動的に下がり、再び記録を
行う際には前記ボタンを再度押せば加熱温度が所定温度
に上昇するようにしても良い。
【0053】これにより装置化時の消費電力を低く押え
ることができるとともに、長時間記録媒体を加熱するこ
とによる記録媒体の品質劣化を必要最小限に押えること
ができる。
【0054】次に、常温(5℃〜35℃)で固体の記録
媒体(インク)について説明する。
【0055】本発明の記録方法では、先に詳述したよう
に、常温固体の記録媒体を加熱溶融し、溶融した記録媒
体に記録信号に応じた熱エネルギーを付与することによ
り吐出口5から吐出させて記録を行う。従って、本発明
の記録方法に用いる常温固体の記録媒体は、熱溶融性固
体物質と着色剤とを少なくとも含有し、更に必要に応じ
て物性を調整するための添加剤或はアルコール等の常温
で液体の有機溶剤等を含有するものである。
【0056】前記記録媒体は、その融点が36℃〜20
0℃の範囲にあるものが望ましい。36℃を下回る場合
は、室温の変化によっては記録媒体が溶けて手などを汚
すおそれがあり、200℃を越える場合には、記録媒体
を液化するために大きなエネルギーが必要となる。より
好ましくは、その融点が36℃〜150℃の範囲が望ま
しい。
【0057】更に本発明の記録方法は、熱エネルギーの
作用により記録媒体を吐出させ記録を行うので、熱エネ
ルギーを吐出エネルギーへと効率良く変換させるための
成分として、沸点(760mmHg)が150℃〜37
0℃の物質も含有させることが望ましい。
【0058】常温固体の記録媒体に含有する熱エネルギ
ーを吐出エネルギーへ効率良く変換する熱溶融性固体物
質としては、例えばアセトアミド、p−バニリン、o−
バニリン、ジベンジル、m−アセトトルイジン、安息香
酸フェニル、2,6−ジメチルキノリン、2,6−ジメ
トキシフェノール、p−メチルベンジルアルコール、p
−ブロモアセトン、ホモカテコール、2,3−ジメトキ
シベンズアルデヒド、2,4−ジクロルアニリン、ジク
ロロキシリレン、3,4−ジクロロアニリン、4−クロ
ロ−m−クレゾール、p−ブロモフェノール、シュウ酸
ジメチル、1−ナフトール、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、1,3,5−トリクロロベンゼン、p−tert−
ペンチルフェノール、デュレン、ヂメチル−p−フェニ
レンジアミン、トラン、スチレングリコール、プロピオ
ンアミド、炭酸ジフェニル、2−クロロナフタレン、ア
セナフテン、2−ブロモナフタレン、インドール、2−
アセチルピロール、ジベンゾフラン、p−クロロベンジ
ルアルコール、2−メトキシナフタレン、チグリン酸、
p−ジブロモベンゼン、9−ヘプタデカノン、1−テト
ラデカナミン、1,8−オクタンジアミン、グルタル
酸、2,3−ジメチルナフタレン、イミダゾール、2−
メチル−8−ヒドロキシキノリン、2−メチルインドー
ル、4−メチルビフェニル、3,6−ジメチル−4−オ
クチン−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−
2,5−ジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサ
ンジオール、エチレンカーボネート、1,8−オクタン
ジオール、1,1−ジエチル尿素、p−ヒドロキシ安息
香酸ブチル、2−ヒドロキシナフトエ酸メチル、8−キ
ノリノール、ステアリルアミンアセテート、1,3−ジ
フェニル−1,3−プロパンジオン、m−ニトロ安息香
酸メチル、臭酸ジメチル、フタライド、2,2−ジエチ
ル−1,3−プロパンジオール、8−キノリノール、N
−tert−ブチルエタノールアミン、グリコール酸、
ジアセチルモノオキシム及びアセトンオキシム等の一種
または二種以上を混合して用いることができる。
【0059】更に下記のようなワックス類、樹脂類等を
含有してもよい。
【0060】カルナウバワックス、パラフィンワック
ス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、エステルワックス等のワックス類、ステアリン酸、
パルミチン酸等の脂肪酸類、セチルアルコール、ステア
リルアルコール等の高級アルコール類、1,8−オクタ
ンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ド
デカンジオール等のジオール類、その他脂肪酸エステル
類、芳香族エステル、芳香族アルコール等の芳香族化合
物、ポリアミド樹脂類、ポリエステル樹脂類、ボリウレ
タン樹脂類、エポキシ樹脂類、ポリオレフィン樹脂類、
ポリアクリル樹脂類等。
【0061】上記の熱溶融性固体物質は、種類によって
吐出特性に特に優れたものや、保存性に特に優れたも
の、あるいは被記録材上でのにじみが極端に少ないもの
など色々と特徴がある。従って、使用目的に応じて上記
熱溶融性固体物質の中から適宜選択して記録媒体に使用
することができる。
【0062】また記録媒体には、必要に応じて常温で液
体の有機溶剤、例えば1−ヘキサノール、1−ヘプタノ
ール、1−オクタノール等のアルコール類、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール等の多価アルコール類、そ
の他ケトン類、ケトアルコール類、アミド類、エーテル
類等のものを含有することもできる。これら有機溶剤
は、記録媒体中に発生する泡を大きく成長させる。
【0063】記録媒体に含有する着色剤としては、従来
公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、建
染染料、硫化染料、油溶性染料等の各種染料および顔料
が有効である。特に好ましく使用しうる染料としては、
次に示すカラーインデックス記載の油溶性染料が挙げら
れる。
【0064】C.I.Solvent Yellow
1,2,3,4,6,7,8,10,12,13,1
4,16,18,19,21,25:1,28,30,
32,33,34,36,37,38,40,42,4
3,44,47,48,55,56,58,60,6
2,64,65等。
【0065】C.I.Solvent Orange
1,2,3,4,4:1,5,6,7,11,16,1
7,19,20,23,25,31,32,37,3
7:1,38,40,40:1,45,54,56,5
9,60,62,63,67,68,71,72,7
3,74,75等。
【0066】C.I.Slvent Red 1,2,
3,4,7,8,13,14,17,18,19,2
3,24,25,26,27,29,30,33,3
5,37,41,42,43,45,46,47,4
8,49:1,52,68,69,72,73,74,
80,81等。
【0067】C.I.Sivent Violet
2,3,8,9,10,11,13,14,21,2
1:1,24,31,32,33,34,36,37,
38,45,46,47 C.I.Solvent B
lue 2,4,5,7,10,11,12,22,2
5,26,35,36,37,38,43,44,4
5,48,49,50,51,63,64,66,6
7,68,70等。
【0068】C.I.Solvent Green
1,3,4,5,7,8,9,20,26,28,2
9,30,32,33等。
【0069】C.I.Solvent Brown
1,1:1,2,3,4,5,6,12,19,20,
22,25,28,29,31,37,38,42,4
3,44,48,49,52,53,58等。
【0070】C.I.Solvent Black
3,5,6,7,8,13,22,22:1,23,2
6,27,28,29,33,34,35,39,4
0,41,42,43,45,46,47,48,4
9,50等。
【0071】更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸
化亜鉛、リトポン、酸化チタン、クロムエロー、カドミ
ウムエロー、ニッケルチタンエロー、ネープルスエロ
ー、黄色酸化鉄、ベンガラ、カドミウムレッド、硫化水
銀カドミウム、紺青、群青等の無機顔料やカーボンブラ
ック、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニ
ルメタル系顔料、バッド系顔料等の有機顔料も好ましく
用いられる。好ましく使用できる顔料のカラーインデッ
クスNo.を以下に示す。 C.I.Pigment Yellow 1,2,3,
5,12,13,14,15,17,83 C.I.Vat Yellow 1, C.I.Pigment Orange 1,5,1
3,16,17,24 C.I.Vat Orange 3 C.I.Pigment Red 1,2,3,4,
5,7,9,12,22,23,37,38,48,4
9,50,51,53,57,58,60,63,8
1,83,88,112 C.I.Pigment Violet 1,3,1
9,23 C.I.Vat Violet 2 C.I.Pigment Blue 1,2,15,1
6,17 C.I.Vat Blue 4 C.I.Pigment Green 2,7,8,1
0 C.I.Pigment Black 1
【0072】前記着色剤の含有量は、記録媒体に対して
1〜20重量%、更には3〜15重量%が好ましい。
【0073】以下、本発明を具体化した実施例を図面を
参照して説明する。
【0074】
【実施例】図10は、本発明の記録方法を応用した多色
記録装置の概略を示す斜視図である。30は、記録ヘッ
ドであり、16本/mmのピッチで64ノズルを有す
る。ノズル内部には吐出用ヒーターがあり画像信号に応
じてヒーターに通電し吐出が行われる。イエロー、マゼ
ンタ、シアン、ブラックの各色に対応して、30a、3
0b、30c、30d4本のヘッドが一定のピッチでキ
ャリッジ31上に設けられる。ヘッド30は固体インク
のタンク50(図11)と一体に構成されている。タン
ク50内のインクは、ヘッド温調用ヒーター31a〜3
1dによって溶かされる。キャリッジ31はガイドレー
ル33aと33bで支持され、モータープーリ34とテ
ンションプーリ35間に張られたエンドレスベルト36
の1部と係合している。キャリッジモーター37の駆動
により記録紙38の紙面に沿ってF方向キャリッジ31
を走査できる。この時、ヘッド吐出面と紙面の距離は
0.5mmに保持される。記録紙38は、紙送りローラ
ー39と紙送りピンチローラー40に挟持された後、プ
ランテン41表面に送られテンションローラー42とテ
ンションピンチローラー43に挟持され後排紙される。
【0075】図11は、図10で示した記録ヘッド及び
タンクの断面図である。ヘッド温調用ヒーター32a〜
32dによって溶かされた固体インクはインク供給管5
1を介してヘッド30の液室52に供給される。53は
インク供給口のフタであり、図示しないインク量センサ
でインク不足が検知され次第フタ53をB方向にスライ
ドして、固体インクを補給する。固体インクの形状とし
ては、円柱状、ペレット状、顆粒状、粉末状等のものが
利用できる。固体インクの補給方法としては、前記形状
のインクそのものをインク供給口より所定量補給しても
かまわないが、取扱の容易さ、及び補給時の手や装置周
辺への汚れを防止するため、図3に示したインクカート
リッジを利用してもよい。図12は、前記記録ヘッド及
びタンクの断面図にインクカートリッジ54を装置した
断面図である。インクカートリッジ54内には顆粒状の
固体インク55が充填されている。インクタンク内のイ
ンク不足が検知されると、インクカートリッジ54より
固形インク55の1部所定量が、インク供給口のフタ5
3が開閉し、インクタンク内に補給される。インクカー
トリッジは、内部の固形インクの残量が肉眼で確認でき
るため、インクカートリッジ内の固形インクがなくなっ
た場合には、新たなインクカートリッジと交換して装着
する。
【0076】また、図13は、記録ヘッド及びインクタ
ンクを一体にした交換可能なカートリッジを示したもの
である。該カートリッジは、記録ヘッド30とインクタ
ンク56と、温調ヒーター32の基本構成からなる。記
録ヘッド30とインクタンク56は、図2で示したと同
様なインク供給管で接続してなる。また、記録ヘッドの
記録信号、及び温調ヒーターへの通電加熱は、キャリッ
ジ上に設けられた記録装置の電気接続部とカートリッジ
の電気接続部57が、カートリッジ装置の際に接続され
ることにより印加可能となる。該カートリッジは、イン
クタンク内のインクがなくなった場合には、新たなカー
トリッジと交換する。従って、インク自体の補給という
複雑な作業がなく、かつ手や装置等の汚れもない。
【0077】本記録装置ではメインスイッチをオンにす
ると温調用ヒーター32の加熱が始まる。ヒーター32
の加熱は、記録ヘッド上の温調用ヒーターが具備されて
いる面とは反対側の面に設けられた温度センサーからの
情報に基づき、記録装置内の温度制御回路によって記録
ヘッド30の温度が約70度になるまで行われる。この
状態でホストコンピュータ等により記録信号が記録装置
に送られてくると、温度制御回路によって記録ヘッド3
0の温度が約100度になるまで温調ヒーター32は更
に加熱され、100度に達したところで記録可能状態と
なる。そして所望の記録が行われた後は3分間記録信号
が送られてこないときは、温度制御回路によって記録ヘ
ッド30の温度は約70度に下げられる。
【0078】次に、図2に示す記録ヘッドと同様のもの
を4本用いて、図10の装置により画像形成を行った。
【0079】この記録ヘッドは、基板1上に各液流路1
5を隔てるように配置された壁8と、該壁に接するガラ
スの透明天板4と、各液流路15に設けられたヒーター
2より構成されている。ヒーター2は図示しない電極に
よって画信号に応じて通電される。液路15、ヒーター
2、オリフィス5で構成されるノズルの寸法は高さ27
μm、幅が40μm、ヒーターのサイズは幅32μm、
長さ40μm、ヒーター2の位置はその最もオリフィス
5側の端からオリフィス5までの長さが20μmであ
り、1インチ当たり400ノズルの密度で64ノズル配
置してある。
【0080】
【表1】
【0081】上記成分をそれぞれ100℃で容器中で攪
拌し、均一に混合溶解させ、加熱したまま孔径0.45
μmのテフロン製フィルタで濾過した後、冷却し固体状
態のインクを得た。第1表で示されるインクは記録ヘッ
ド32dに、第2表で示されるインクは記録ヘッド32
aに、第3表で示されるインクは記録ヘッド32bに、
第3表で示されるインクは記録ヘッド32cに供給し
た。
【0082】記録ヘッドのヒーター2への通電条件は印
加電圧16.0V、パルス幅2.5μsec、駆動周波
数1kHzとした。
【0083】これとは別に、インクを吐出させた状況を
観察した。観察は、図14に示す装置で行った。記録ヘ
ッド130の上方には、ノズル15の内部を透明な天板
を通して観察できるように、顕微鏡16が配置されてい
る。顕微鏡16にはストロボ17が取り付けられ、スト
ロボ17が発光したときのみ記録媒体の発泡、吐出状態
が観察できるようになっている。ストロボ17はストロ
ボ駆動回路18及び遅延回路19によって、ヒーター2
が熱印加を開始してから任意に設定できる遅延時間経過
後に発光するようになっている。記録ヘッド130には
加熱手段24が設けられていて、記録ヘッド130を記
録媒体の融点よりも10℃〜20℃高い温度に加熱して
記録媒体を溶融状態に保つ。28はヘッド駆動回路、2
9は外部電源である。こうして、記録ヘッド130の液
室10内に溶融した記録媒体を満たし、ヒーター2にパ
ルス通電することにより、ヒーター2上に発生する泡を
ストロボ発光の遅延時間を変化させて観察した。尚、吐
出特性の検討で使用した記録媒体は、前記したインク組
成より着色剤を含有しないか、或は、含有しても極少量
とした。
【0084】まず、連続する16ノズルよりインクを吐
出させた状況をパルス光源と顕微鏡を用い透明天板4の
上方から観察したところ、発泡開始より約3μsec後
に気泡が外気と連通して、安定して吐出している様子が
確認された。
【0085】そこで次に図10を用いてそれぞれの記録
ヘッドに画信号を送りインクを吐出、普通紙(市販コピ
ー用紙)に付着させた。得られた多色画像は定着時間が
短く、記録後5秒後に画像を手でこすっても汚れは発生
しなかった。またこの多色画像は色のにじみや濁りのな
い色再現性の高い鮮明な画像であった。
【0086】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、従来場
合によっては安定した吐出が得られにくかった常温固体
の記録媒体を安定に吐出することが可能となった。一般
に良く使用される普通紙への多色画像の記録が、色のに
じみや濁りがなく鮮明に行える。更には装置の待機時に
は記録媒体の温度を記録時に温度よりも下げておくため
に記録装置の消費電力を低減させることができるととも
に、長時間加熱による記録媒体の品質劣化を最小限に押
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録方法に使用する記録装置の一例を
示す概略図である。
【図2】図1に示す記録装置で使用する記録ヘッドの一
例を示す概略図である。
【図3】本発明の記録方法の原理を示すために、記録媒
体を供給した記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【図4】泡が外気と連通しない場合の、泡の内圧変化と
泡の体積変化の例を示したグラフである。
【図5】泡が外気と連通する場合の、泡の内圧変化と泡
の体積変化の例を示したグラフである。
【図6】泡が外気と連通する場合の、泡の内圧変化と泡
の体積変化さらに泡の体積変化率の例を示したグラフで
ある。
【図7】吐出口から突出した記録媒体の体積を測定する
方法の一例を示す斜視図である。
【図8】図7に示した測定方法による測定結果の一例を
示す図である。
【図9】本発明の記録方法の原理を示すために、記録媒
体を供給した記録ヘッドの他の例を示す断面図である。
【図10】実施例で使用する記録装置の一例を示す斜視
図である。
【図11】実施例で使用した記録ヘッド及びタンクの断
面図である。
【図12】実施例で使用した記録ヘッド及びタンクにイ
ンクカートリッジを装着した断面図である。
【図13】記録ヘッド及びインクタンクを一体にした交
換可能なカートリッジを示したものである。
【図14】従来の記録方法を示す断面図である。
【図15】従来の記録方法を示す断面図である。
【図16】従来の記録方法を示す断面図である。
【図17】従来の記録方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ヒーター 3 インク 4 天板 5 オリフィス 6 泡 7 小滴 8 壁 10 液室 11 インク供給口 14 壁 15 ノズル 16、201 顕微鏡 17 ストロボ 18 ストロボ駆動回路 19 遅延回路 20、24 加熱手段 21 インク収納部 22 供給路 23 記録ヘッド 25 駆動回路 26 温度制御手段 27 記録紙 30 記録ヘッド 31 キャリッジ 32 温調用ヒーター 33 ガイドレール 34 モータープーリ 35 テンションプーリ 36 エンドレスベルト 37 キャリッジモーター 38 記録紙 39 紙送ローラー 40 ピンチローラー 41 プラテン 42 テンションローラー 43 ピンチローラー 51 インク供給管 52 液室 53 フタ 54 インクカートリッジ 55 固体インク 56 インクタンク 57 電気接続部 60 発熱体 61 インク 62 ガス 63 インク滴 64 電極 70 小開口 71 板状部材 72 発熱体ヘッド 73 微小間隔部 74 インク 75 気泡 76 インク滴 80 フィルム 81 孔 82 インク 83 発熱素子 84 記録ヘッド 85 インク滴 86 被記録材 200 光源 201 顕微鏡

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温固体の記録媒体を所定温度に加熱溶
    融し、記録信号に応じた熱エネルギーを付与することに
    より前記記録媒体内に気泡を発生させ、前記気泡を外気
    と連通させるとともに前記記録媒体の少なくとも一部を
    吐出して記録を行い、待機時には前記記録媒体を前記所
    定温度以下に下げることを特徴とする記録方法。
JP3279876A 1991-10-25 1991-10-25 記録方法 Pending JPH05116300A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3279876A JPH05116300A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 記録方法
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Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3279876A JPH05116300A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 記録方法

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