JPH05116116A - プレキヤストコンクリ−ト板タイル先付け製造方法 - Google Patents

プレキヤストコンクリ−ト板タイル先付け製造方法

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JPH05116116A
JPH05116116A JP10329091A JP10329091A JPH05116116A JP H05116116 A JPH05116116 A JP H05116116A JP 10329091 A JP10329091 A JP 10329091A JP 10329091 A JP10329091 A JP 10329091A JP H05116116 A JPH05116116 A JP H05116116A
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JP
Japan
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tile
concrete
water
repellent
treatment agent
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Application number
JP10329091A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamagishi
浩 山岸
Takashi Mizobuchi
孝志 溝渕
Shinobu Osaki
忍 大崎
Hideo Igami
英雄 居上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KUREE BAAN CERAMICS KK
OOKURA SHOJI KK
Taisei Corp
Original Assignee
KUREE BAAN CERAMICS KK
OOKURA SHOJI KK
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のPC板タイル先付け製造方法では、タ
イルの接着界面にそのままPCコンクリ−トを打設して
いたので、吸水性のあるタイルでは該接着界面の吸水性
により、コンクリ−トのドライアウトが起り、また吸水
性のないタイルでは、該接着界面に多くの気泡を生じ、
接着強度を弱める結果、建造物の壁面からのタイルの剥
落事故が度々あり、人身殺傷などの被害があった。本発
明は、従来技術のこの欠点を除去することを目的とす
る。 【構成】 タイルの接着界面にNa又はKで乳化された
エマルジョン、特にシリコ−ン樹脂混入のものを塗布し
乾燥してはっ水面とすることにより、ドライアウトを防
止し、特にエトリンガイトを生成させて気泡をなくする
製法により、接着強度を、従来技術よりも顕著に増大せ
しめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイル先付けPC板の
製造工程において、表面仕上げ材料となる陶磁器質タイ
ルを、PC板形成用の生コンクリ−ト打設と同時に一体
成形先付けする場合、従来よりも、特に接着力を大にし
たタイル先付けPC板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】プレキャストコンクリ−ト板にタイルを先
付けして建築用カ−テンウォ−ルに使用される部材商品
は既に約20年も以前から製造され広く使用されている
ものである。此等工法の概要は、次の通りである。 1) 従来はタイルの接着界面を上にしてそのままPC
コンクリ−トを打つが −1− タイル施工方法が工場生産過程に於いて管理され品質の
安定と省力化,合理化が確立された。 2) タイル表面とコンクリ−トとの接着が打設される
コンクリ−トの自重によって加圧された状態でセメント
の硬化が行われる為、密着状態が比較的良い。 3) コンクリ−トが配合されてから打設される迄の時
間(オ−プンタイム)が短時間でセメントの水和反応の
初期段階から接着作用が始まる為、タイルとの接着強度
は、建築現場でタイルを張る工法よりは高い値を示し、
タイル剥落事故も少くなってきた。
【0003】
【本発明の目的:解決すべき課題】然しながら、一般に
実用化されているタイルに此等の工法を適用し、実験し
てみると、従来技術には未だ種々の欠点がある。 1) 接着界面に吸水性をもったものはコンクリ−ト打
設時にタイルに多量の水を吸水されてコンクリ−トの水
和反応に必要な水分が不足勝ちとなり、いわゆる「ドラ
イアウト」を起こして、初期の接着強度を著しく低下さ
せる事が実験により確認されたが、例えば、図2は吸水
性のないタイルによる従来技術の第1の例を示し、タイ
ル1の接着界面3に、細かい気泡4が接着界面に生じる
ので接着強度が低下することを表わす。また図3は従来
技術の第2の例を示すがタイル1の接着界面3には多量
の水膜が存在し、この場合は接着界面3に沿って空洞5
が生じ接着強度が著しく低下することを表わしている。 2) ドライアウト防止の為、あらかじめ、コンクリ−
ト打設前にタイル面に散水吸収させて打設した実験で
は、充分な接着強度が得られたが、散水の不均一な部分
による強度のバラツキが大きく、表面吸水性の管理が極
めて困難であった。 3) 赤レンガ等、吸水性の高い材料の先付けに於いて
は、予めレンガを水で −2− しめしておく方法や、含水率の多いコンクリートを打設
するなどの工法があるが、流動性を低下させたりコンク
リートの硬化収縮を大きくさせて全体としての品質の低
下がまぬがれない。 4) タイルの現場張りの場合よりも、少なくなったと
はいえ、まだまだ剥落事故が或程度あるのは、上記の原
因によるのである。
【0004】そこで、本発明は上記従来技術の欠点を殆
んど除去し問題を完全に近く解決することを課題とし、
接着面に吸水性のある陶磁器タイルを用いる場合におい
ても、均一な、然も高い接着強度を持ったコンクリート
カーテンウォールを製造する為に、セメントの水和反応
から凝結硬化における反応過程の理論を基本に、タイル
との接着界面に於ける強固な一体化による処理方法を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【発明の構成:課題解決の手段】本発明では先ず低スラ
ンプのコンクリートを打設した場合に於いても「ドライ
アウト」を起さない様タイル面の吸水性を無くし、然も
打設するコンクリートとタイル面との流動性を良くして
「拡散し易い」「均一な打設」が出来る様にタイル面に
薄いはっ水層を形成させるように構成した。具体的に
は、陶磁器,タイルの接着界面に例えばナトリウムおよ
び又はカリウムイオンによって乳化して、はっ水性のエ
マルジョンとした表面処理剤を塗布し、乾燥させること
によりはっ水状態とした後PC板形成用のコンクリート
を打設し加温養生硬化させることを手段としている。こ
の構成についてやや詳細に説明すると、先ず本発明に仕
様されるタイル表面処理剤は、必ずしもシリコン樹脂に
限らずNaまたはKで乳化されたエマルジョンであり乾
燥状態でははっ水性であるが加温されたCa(OH)2
によって加水分解して親水性となり同時にNa又はKイ
オンを持つものは広く使用可能である。また、シリコン
樹脂を用いるときの原液は、シリコ−ンの濃度が0.7
[%]ないし20[%]のもので、実際使用に当って
は、0.1[%]な −3− いし2[%]の濃度に薄める。エマルジョン中のアルカ
リは微量でよい。PC用コンクリ−トを打設した後の養
生温度は、40[°]ないし80[°]程度とする。ま
た前記アルカリ性エマルジョンとした表面処理剤は、シ
リコ−ン樹脂を含むものに限らずチタン化合物樹脂又は
フッ素樹脂又はジルコン化合物樹脂などを含むものを、
夫々使用するものである。
【0006】
【作用】本発明においては、コンクリ−トが打設された
セメントの水和反応の初期にセメントから抽出されるC
a(OH)2 によって、はっ水層が加水分解されて、親
水性の層に変換が行われコンクリ−トとの濡れの良い組
成物となり、特に加温養生開始と共に此等の反応は急速
に進行する。 ナトリウム又はカリウムイオンを含む水
溶性のシリコ−ン樹脂等は、 セメントの水和反応初期
のCa(OH)2により分解され、加温されると、微量
のナトリウム又は、カリウムが放出されるが、セメント
の水和反応は引続いて、石膏(CaSO4 )とアルミン
酸カルシウム(C3 A)の水和反応によりエトリンガイ
ト(C4 AS3 H32)の生成が起こり固相体積は約2.
3倍にも容積膨張を起こす。この際NaないしK等のア
ルカリイオンは、 エトリンガイトの生成領域を大き
く広げることになる。ここに上記のC3 Aは3CaO・
Al2 O3 の略記号、C4 AS3 H32は、4CaO・A
l2 O3 ・3SiO2 ・32H2 Oの略記号である。更
に換言すれば本発明は加温養生によりセメントの水和初
期から分解してゲル状ないしは糊状のエトリンガイトの
生成を促進して、タイルとの接着面に膨張による圧力を
加えて界面における緊密な密着を行なうことによりコン
クリ−ト打設から加温養生というプレキャストコンクリ
−ト板の製造工程に於いて効果が発揮されるもので、セ
メントの水和反応機構の初期過程に於いて加水分解を利
用した効果的な作用を有するものである。
【0007】−4−
【実施例1】 1) 本実施例に用いた陶磁器タイルは大版薄形のもの
で要件は下記の通りであった。 サイズ: 900[mm]×900[mm]×6[mm] 主要物性: i)吸水率 10.5[%]、 ii)曲げ強度 405[kg/cm2] 2) タイルのコンクリ−トとの接着界面は、本来陶磁
器の素焼面であり、多孔吸水性の粗面であるから、PC
コンクリ−ト打設前に次の処理を行なった。表面処理剤
としてNaメチルシリコネ−トのシリコ−ン分2[%]
の水溶液をタイルの接着界面に塗布して充分吸水させた
後(タイル1枚当りの吸水量は約65Gであった)乾燥
させたものを予め用意した。此等乾燥物の表面は、はっ
水性を有した粗面状態である。 3) 金型定盤へのタイル敷並べとコンクリ−ト打設タ
イルは、金型定盤に目地を取って敷並べ固定させた後、
配筋し、以下の仕様によるコンクリ−トを打設した。 (コンクリ−ト仕様) FC/300[kg]/[cm2 ] : 軽量コンクリ−ト
1種 スランプ 10 次に、バイブレ−タにより充分充填した後、60[℃]
で加温養生を行ない、其の後脱型し、自然養生を行なっ
た。 4) タイル供試体の接着強度(引っ張り強度)の試験
結果を従来技術と比較したものは、次記表1の通りであ
った。また、図1は本発明の場合における、PCコンク
リ−ト2の硬化後の接着界面の状況の説明図であり、わ
かり易くするため、タイル1を上側にして図示したが、
界面が粗面であってドライアウトがないため、接着状況
が非常に良いことが示されている。
【0008】−5−
【表1の1】
【0009】
【表1の2】
【0010】上記の如く、実施例1における本発明品
は、従来品に比し、2週強度で約70
【%】、17週強度で約30
【%】以上の顕著な向上を示している。
【0011】
【実施例2】 1) この実施例に用いた陶磁器タイルの要件は、前記
実施例1の場合と同様であった。 2) 供試タイルの接着界面の処理方法は、実施例1の
場合における表面処理剤NaメチルシリコネートをKメ
チルシリコネートに置換しした以外は同じであった。 3) PCヒンクリートの仕様並に打設方法は実施例1
と同様であった。 4) タイル供試体1とPCコンクリ−ト2の接着状況
は実施例1と同様で図1に示す通りであった。
【0012】
【表2の1】
【0013】
【表2の2】
【0014】上記の如く、実施例2における本発明品
は、従来品に比し、2週強度で約80[%]17週強度
で約30[%]以上の顕著な向上になった。
【0015】
【本発明の効果】
1) 本発明は、タイルの接着界面にはっ水処理をした
ことにより、接着界面におけるコンクリ−ト中のセメン
トペ−ストのドライアウトを防止したの −6− で、水和過程中の水分が確保されることによって、先ず
接着強度が従来以上に発現される。 2) 次に表面処理剤としてシリコ−ン液を用いるとき
は、セメント水和過程で溶出するCa(OH)2 と結合
してエトリンガイト(C4 AS3H32)が生成し、その
膨張特性により強く密着されて、タイルの接着界面の細
孔に入り込み、他のセメント水和鉱物と共に、該細孔中
で固化し、従来よりも強い接着強度を発生する。かつま
た従来製造方法では、接着界面に多く存在して接着強度
を弱めていた気泡の部分を前記エトリンガイトが、その
膨張特性により埋めることによって、接着部が無数の小
さなアンカ−状で結合された状態の硬化コンクリ−トと
なるから、従来よりも著じるしく大なる接着強度を発生
する。 3) 本発明に使用されるタイル表面処理剤は、必ずし
もシリコ−ン樹脂に限らずNa又はKで乳化されたエマ
ルジョンであり乾燥状態でははっ水性であるが、加温さ
れたCa(OH)2 によって加水分解して親水性とな
り、同時にNa又は、Kイオンを持つものは広く対応出
来るものであるから、シリコ−ン樹脂と同様に、接着強
度増大の顕著な効果が得られる。 4) 以上述べた、構成,作用,直接的、かつ均質化の
効果により、更に建造物についての実際上の効果とし
て、本発明のタイル先付PC板を壁面として用いるとき
は従来度々大きな被害が報道されていた、タイルの剥落
による人身殺傷事故は皆無となるという絶大な効果をも
期待し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の場合における、PCコンクリ−ト硬化
後の接着界面の状況の説明図。
【図2】従来技術の第1の例を示す説明図。
【図3】従来技術の第2の例を示す説明図。−7−
【符号の説明】
1 タイル 2 コンクリ−ト 3 接着界面 4 気泡 5 空洞 −8−
【表1の1】
【表1の2】 −9−
【表2の1】
【表2の2】 −10−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝渕 孝志 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号大成建 設株式会社内 (72)発明者 大崎 忍 東京都中央区銀座2−3−6大倉商事株式 会社内 (72)発明者 居上 英雄 栃木県河内郡河内町下岡本3728−8株式会 社クレ−・バ−ン・セラミツクス内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレキャストコンクリ−ト板(以下PC
    板と略称する)に陶磁器タイルを先付け一体成形する製
    造方法において、 前記タイルの接着界面にナトリウ
    ム及び又はカリウムで乳化されたエマルジョンであって
    乾燥状態で、はっ水性のある表面処理剤を塗布し、乾燥
    させることにより、はっ水状態とした後、PC板形成用
    のコンクリ−トを打設し加温養生硬化させることを特徴
    とする、プレキャストコンクリ−ト板タイル先付け製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ナトリウム及び又は、カリウムで乳
    化されたエマルジョンであって乾燥状態で、はっ水性の
    ある表面処理剤がシリコ−ン樹脂を含むものである、請
    求項1に記載の、プレキャストコンクリ−ト板タイル先
    付け製造方法。
JP10329091A 1991-03-13 1991-03-13 プレキヤストコンクリ−ト板タイル先付け製造方法 Pending JPH05116116A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017206920A (ja) * 2016-05-20 2017-11-24 大成建設株式会社 コンクリート打継方法
US10829505B2 (en) 2016-04-20 2020-11-10 Dow Silicones Corporation Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same

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