JPH05116025A - バリ取り装置 - Google Patents

バリ取り装置

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JPH05116025A
JPH05116025A JP11533891A JP11533891A JPH05116025A JP H05116025 A JPH05116025 A JP H05116025A JP 11533891 A JP11533891 A JP 11533891A JP 11533891 A JP11533891 A JP 11533891A JP H05116025 A JPH05116025 A JP H05116025A
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hole
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Kiyokatsu Segami
清勝 瀬上
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被切削物に貫通穴を設けたときに、この貫通
穴の裏面側に生じるバリ取りを行うものである。そして
一種類のバリ取り工具で多種類の貫通穴のバリ取りを可
能とする。 【構成】 進退動可能な基台11上に、ユニバーサルジ
ョイント15を介して駆動モーター14と接続する主軸
16を形成する。この主軸16の先端にバリ取り工具1
8を連結する。また主軸16の外周には、主軸16を軸
線と交差する方向に押圧する押圧手段23を一定間隔で
複数個設け、この押圧手段23の押圧により、バリ取り
工具18を傾斜状態で駆動モーター14の軸心を中心と
して略円錐状に回転移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバリ取り装置に係るもの
であって、被加工物に貫通穴を設けたときに裏面側に生
じるバリ、特に非平面的(3次元的)周縁に生じたバリを
取るのに有効なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被加工物に貫通穴を開口する
と、この貫通穴の裏面側にバリが生じる。このバリは、
貫通穴の裏面側が外部に露出していれば、貫通穴の裏面
側に、ドリル、リーマ、ヤスリ等のバリ取り工具を臨ま
せて容易に取り去る事が可能である。しかしながら、被
加工物の形状が複雑で、貫通穴の裏面側が外部に露出せ
ず、研磨工具を臨ませる事ができない状態であると、通
常のヤスリ等を用いたバリ取り作業が困難となる。
【0003】そのため、貫通穴の裏面側に生じたバリ
を、電動工具を用いた手作業で表面側から取る事が行わ
れている。この方法は、卓上ボール盤にチャッキングし
たバリ取り工具を回転駆動させ、このバリ取り工具に、
手で保持した被加工物の貫通穴を挿入し、必要に応じ被
加工物を僅かに傾けて切削しながら略一回転させ、貫通
穴の裏面側のバリを取り除くものである。しかしなが
ら、この方法は、被加工物を一回づつ手で保持して行う
ものであるから、多くの手間が掛かるとともにバリ取り
工具と接触した被加工物が振動し易く、バリ取り精度が
悪くなっていた。また被加工物を直接手で保持するた
め、怪我等を生じ易く、危険なものであった。
【0004】また、従来、裏面側のバリを取る方法とし
て、実開昭60−146618号公報記載の考案が存在
する。この考案は、弓形またはL字型に曲げた切削工具
を被加工物の貫通孔に挿入し、該工具を移動して、貫通
孔の裏面側に生じたバリを取るものである。しかしなが
ら、この方法は予め曲がった切削工具を貫通孔に挿入す
る必要があるため、小さな貫通孔には切削工具を挿入で
きず、バリ取りを困難としていた。またこの考案は、切
削工具を電動で回動するのではなく、手で保持して移動
を行うものであるから、切削工具を貫通孔の全周長にわ
たって強く押圧しながら少なくとも一回転する必要があ
り、作業を長時間行う事が困難となり、工作精度も不均
一なものであった。
【0005】また、電動化により裏面側のバリを取る方
法も存在する。この提案は、実開昭63−10023号
公報記載の考案の如くバリ取り工具として、細いワイヤ
ーを束ねたものや、偏心した突起を設けたものを使用し
ている。しかしながら、細いワイヤーのバリ取り工具
は、バリ取り精度が悪く、不良品が発生し易いものであ
った。また偏心した突起を設けたバリ取り工具は、被加
工物の貫通穴に正確に挿入しないと、偏心突起とバリと
が接触せず、バリ取りができない。またこの考案は、貫
通穴の穴径に合致したスリーブを使用するため、穴径の
異なる貫通穴のバリ取りを行うには、複数種のスリーブ
を必要とする。またワイヤーや偏心した突起は、回転に
よってその移動範囲の直径が大きくなるため、被加工物
の加工毎に工具の回転を停止しないと、貫通穴に工具を
挿入或は抜き取りできないものとなり、加工に手間が掛
かりコスト高となるものであった。
【0006】また、バリの発生する開口周縁が円形でな
く、例えば管体の側面に開口を設けた場合には、図4に
示すように被加工物(1)内面の開口縁(2)が、非平面で
馬のクラ型の三次元的な周縁を形成する。このクラ型の
周縁にバリが生じると、この周縁は円形を形成していな
いため、自動化したバリ取りができず、人手による効率
の悪いバリ取り作業を行うため、手間が掛かるものであ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のごとき
課題を解決しようとするものであって、被加工物の貫通
穴に生じたバリ取り作業を、自動化した安全な装置によ
り、高精度のバリ取りを可能にするとともにこのバリ取
りを、廉価で効率的に行おうとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき課
題を解決するため、被加工物に対して進退動可能な基台
上に、駆動モーターとユニバーサルジョイントを介して
接続する主軸を形成し、この主軸の先端にバリ取り工具
を連結して回転駆動可能とするとともにこの主軸の外周
に、主軸を軸心と交差する方向に押圧可能な押圧手段を
周方向に一定間隔で複数個設け、この押圧手段により、
ユニバーサルジョイントを基点として、バリ取り工具を
駆動モーターの軸心に対し傾斜可能とし、周方向の押圧
手段で順次主軸を押圧することにより、バリ取り工具を
傾斜状態で駆動モーターの軸心を中心として回転移動可
能として成るものである。
【0009】また、押圧手段は、ソレノイドコイルと磁
性体との組み合わせにより形成しても良い。
【0010】また、押圧手段は、ソレノイドコイルと磁
性体とスプリングとの組み合わせにより形成しても良
い。
【0011】また、押圧手段は、シリンダーとスプリン
グとの組み合わせにより形成しても良い。
【0012】また、押圧手段は、十字方向に4つ設けて
も良い。
【0013】また、バリ取り工具は、切削工具により形
成しても良い。
【0014】また、バリ取り工具は、研削工具により形
成しても良い。
【0015】また、バリ取り工具は、研磨工具により形
成しても良い。
【0016】
【作用】本発明は上述の如く構成したものであるから、
被加工物の貫通穴の裏面側に生じたバリを除去するに
は、まず基台上の駆動モーターを起動し、ユニバーサー
ルジョイントを介して主軸を回転駆動する。そしてこの
主軸の回転により、主軸の先端に連結したバリ取り工具
が回転駆動される。このバリ取り工具は、切削工具や研
削工具または研磨工具により形成する事が可能である。
またバリ取り工具の先端方向には、チャック等の固定手
段に固定した被加工物の貫通穴を臨ませて位置してい
る。
【0017】次に、基台を被加工物の方向に移動し、被
加工物の貫通穴にバリ取り工具を挿入する。この挿入
は、バリ取り工具の先端が、貫通穴の裏面側に突出する
まで行う。またこの時点では、主軸およびバリ取り工具
は、駆動モーターと同一軸心上で回転している。このた
め、バリ取り工具の挿入時に、従来方法の如く、主軸の
回転を停止させたり、被加工物を工具で突いたり、接触
して振動させる事などがなく、スムーズな挿入が可能と
なる。
【0018】また、バリ取り工具の挿入後、押圧手段を
作動して、主軸を軸心と交差する方向に押圧する。この
主軸への押圧方法は、ユニバーサルジョイントより先端
側で周方向に一定間隔で複数個設けた押圧手段を、一定
方向に順次作動する。この押圧手段の押圧力を受けた主
軸は、屈曲可能なユニバーサールジョイントを介して駆
動モーターと接続しているため、ユニバーサルジョイン
トを基点としてバリ取り工具を駆動モーターの軸心に対
し傾斜する事となる。
【0019】そして、バリ取り工具は、複数個設けた押
圧手段が一定方向に順次生じさせる押圧力により、傾斜
状態で駆動モーターの軸心を中心として回転移動する。
このバリ取り工具の回転移動は、被加工物の貫通穴の中
で行われるため、被加工物の貫通穴が円形であれば、バ
リ取り工具は円錐状に広がった先端部側のみを貫通穴の
裏面側に接触し、貫通穴の裏面側に生じたバリを取り去
る事が可能となる。
【0020】次に、バリ取りを終了した被加工物の貫通
穴からバリ取り工具を引き出すには、まず押圧手段の主
軸への押圧を解除する。この主軸への押圧を解除する
と、傾斜状態で駆動モーターの軸心を中心として回転移
動していたバリ取り工具は、駆動モーターの軸心と同一
軸心で回転を行う。そして基台を、上記とは逆に被加工
物から遠ざかる方向に移動すれば、バリ取り工具を被加
工物の貫通穴から引き出す事ができる。またこのバリ取
り工具の引き出しを行う場合、主軸の回動を停止しても
良いが、主軸を回動したままの状態で行えば、駆動モー
ターの再起動、停止時間等の待ち時間が不要となり、バ
リ取り作業が迅速化し、作業性を向上できる。
【0021】このように、被加工物の貫通穴の裏面側に
生じたバリを取り去る場合に、バリ取り作業の自動化を
行っている。このため、作業者が被加工物を手で保持し
ながらバリを取る必要がなく、手作業を不要とするもの
であるから、高精度で安全なバリ取り作業が可能にな
る。
【0022】また、バリ取り工具は、傾斜状態で駆動モ
ーターの軸心を中心として回転移動を行うため、被加工
物の貫通穴の穴径よりも細い直径のバリ取り工具を用い
るものとなり、バリ取り工具の直径よりも大きな貫通穴
を有する被加工物であれば、バリ取り工具を貫通穴の穴
径毎に替える必要がなく、そのまま使用できるため、廉
価で効率的なバリ取り作業が可能になる。
【0023】また、バリ取り工具は、直径が小さいほど
傾斜角度が大きく取れるから、バリ取り効果を高める事
ができる。勿論、この場合、バリ取り工具の強度を保て
る範囲の直径である事は前提となる。
【0024】また、バリ取り工具の貫通穴への挿入時、
引き出し時に、バリ取り工具は傾斜状態で駆動モーター
の軸心を中心として回転移動する事なく、駆動モーター
と同一軸心で回転するため、被加工物にバリ取り工具が
無理に突き当たったり、接触して振動するような事がな
く、工具の破損や被加工物への傷等を防止し、バリ取り
精度を向上する事などが可能となる。
【0025】また、被加工物の貫通穴が円形以外の場合
には、複数の押圧手段の押圧移動量や押圧時期を調節し
て、バリ取り工具の回転移動形状を任意の形状に形成す
れば、バリ取り工具の先端は貫通穴の周縁に倣って回転
移動可能となり、馬のクラ型等の複雑な3次元形状をな
す開口縁のバリも確実に除去できる。
【0026】また、押圧手段を、ソレノイドコイルと磁
性体との組み合わせにより形成すれば、励磁電流の正確
な制御により、主軸を小さなストロークで押圧する事が
可能となり、主軸の押圧量、押圧時期等の高精度な押圧
操作が可能になる。そのため、バリ取り工具の移動範囲
を、円形以外の楕円としたり、四角形としたり、馬のク
ラ型とする等の任意の形状とする事ができ、各種形状の
貫通穴のバリ取りを可能とする。
【0027】また、押圧手段を、ソレノイドコイルと磁
性体とスプリングとの組み合わせにより形成すれば、励
磁電流の正確な制御と、スプリングの復元力により、さ
らに高度の押圧操作が可能となる。またバリ取り工具
は、全てのソレノイドコイルの励磁電流を停止すると、
複数のスプリングの復元力によって、確実に駆動モータ
ーと同一軸心となる。このためバリ取り工具は、貫通穴
への挿入や引き出しを行う場合に、貫通穴と接触する事
がなく、貫通穴への傷等の発生を防止する事が可能とな
る。このように構成し、ソレノイドコイルの励磁電流を
下げる事により、上述の如く貫通穴の形状が平面上の円
形でない場合にも、バリ取り工具の回転範囲を最大寸法
に合わせれば、穴径の径小の寸法部に於ては、押圧手段
の押圧部は、励磁前の位置方向に押し戻されて、径小部
を強く切削したりする事がなく、貫通穴の形状に沿った
バリ取り工具の移動を可能とする。したがって、バリ取
り工具は、種々の形状の貫通穴のバリを取る事が可能と
なる。
【0028】また、押圧手段を、シリンダーとスプリン
グとの組み合わせにより形成すれば、油や加圧空気の圧
力や流量を制御して、主軸を大きな力やストローク量で
押圧する事が可能となり、確実な押圧操作が可能とな
る。このように構成し、油や加圧空気の圧力流量を小さ
く制御する事により、上述の如く貫通穴の形状が円形で
ない場合にも、バリ取り工具の回転範囲を最大寸法に合
わせれば、バリ取り工具で穴径の径小部を強く切削する
事がなく、種々の形状の貫通穴のバリ取りが可能とな
る。
【0029】また、押圧手段を、十字方向に4つ設けれ
ば、押圧手段を少ない数でバランス良く配置できるた
め、廉価なコストによる製作が可能になるとともにバリ
取り工具の安定した回転移動により、高精度のバリ取り
加工が可能となるものである。
【0030】
【実施例】以下本発明の実施例を説明すれば、(11)は
基台で、図1に示す如くエアシリンダー等の進退手段
(12)により軌道(13)上に進退動可能に設置してい
る。この基台(11)は、減速機付モーター等の駆動モー
ター(14)を上面に形成し、この駆動モーター(14)に
ユニバーサルジョイント(15)を介して主軸(16)を接
続することにより、主軸(16)をユニバーサルジョイン
ト(15)から屈曲可能な状態で回転駆動している。
【0031】また、主軸(16)は、先端にホルダー(1
7)を接続し、このホルダー(17)にバリ取り工具(1
8)を接続する。また主軸(16)は、外周に主軸筒(2
0)を形成し、この主軸筒(20)内で回動可能としてい
る。またさらに主軸筒(20)の外周には、外周間隔(2
1)を介して環状の外周枠(22)を形成している。この
外周枠(22)は、図2に示す如く基台(11)に接続固定
し、十字方向に4つの押圧手段(23)を周方向に一定間
隔で保持している。
【0032】この押圧手段(23)は、外周枠(22)の外
面に設けたケーシング(24)に、主軸(16)方向への摺
動が可能な押圧杆(25)を形成し、この押圧杆(25)の
先端を、外周枠(22)の摺動孔(26)を介して外周間隔
(21)に突出する。この押圧杆(25)は、ケーシング
(24)に介装したスプリング(27)の復元押圧力によ
り、常時は主軸筒(20)を介して主軸(16)を付勢して
いる。また、この4個所の押圧杆(25)の付勢力は均等
であるため、主軸(16)を軸心方向に安定する事が可能
となる。
【0033】また、押圧手段(23)は、押圧杆(25)の
基端部に磁性体(28)を形成し、この磁性体(28)を励
磁により主軸(16)方向に誘導するソレノイドコイル
(30)を外周に形成する。このように形成すると、押圧
杆(25)の高精度の押圧操作が可能となる。また押圧杆
(25)の作動は、隣接する2個所の押圧手段(23)のソ
レノイドコイル(30)を一定回転方向に略同時に励磁
し、2個所の励磁電流を制御バランスする事により、バ
リ取り工具(18)を傾斜状態で駆動モーター(14)の軸
心を中心として略円錐状に回転移動可能とする。
【0034】また、ホルダー(17)に固定したバリ取り
工具(18)に臨ませて、被加工物(31)を保持するチャ
ック(32)を形成している。
【0035】上述の如く構成したものに於て、被加工物
(31)の貫通穴(33)の裏面側に生じたバリを除去する
には、まず基台(11)上の駆動モーター(14)を起動
し、ユニバーサールジョイント(15)を介して主軸(1
6)を回転駆動する。そしてこの主軸(16)の回転駆動
と同時に、主軸(16)の先端に連結したバリ取り工具
(18)が駆動される。またバリ取り工具(18)には、切
削工具や研削工具または研磨工具を用いる事が可能であ
る。またこのバリ取り工具(18)の先端に臨ませて、チ
ャック(32)に固定した被加工物(31)の貫通穴(33)
が位置する。
【0036】次に、エアシリンダー等の進退手段(12)
を作動して基台(11)を被加工物(31)の方向に移動
し、被加工物(31)の貫通穴(33)にバリ取り工具(1
8)を挿入する。この挿入は、バリ取り工具(18)の先
端が、貫通穴(33)の裏面側に突出するまで行う。また
この時点では、主軸(16)は、4つの押圧手段(23)の
押圧杆(25)によって、均等な力で軸心方向に付勢され
ているので、主軸(16)およびバリ取り工具(18)は、
駆動モーター(14)と同一軸心上で回転している。この
ため、バリ取り工具(18)の挿入時に、従来方法の如
く、被加工物(31)をバリ取り工具(18)で無理に突い
たり、接触して振動等させる事がなく、スムーズな挿入
が可能となる。
【0037】また、バリ取り工具(18)の挿入後、押圧
手段(23)のソレノイドコイル(30)を励磁して、押圧
杆(25)の磁性体(28)を主軸(16)方向に誘導し、主
軸筒(20)を介して押圧杆(25)で主軸(16)を軸心と
交差する方向に押圧する。この押圧杆(25)の主軸(1
6)への押圧は、次のように行われる。
【0038】例えば、貫通穴(33)が円形の場合には、
まず第1の押圧手段(23)のソレノイドコイル(30)を
励磁し、押圧杆(25)の押圧方向に主軸(16)を押圧す
る。次にこの第1の押圧手段(23)に隣接する第2の押
圧手段(23)のソレノイドコイル(30)を弱く励磁し、
序々に励磁電流を上昇させて、第2の押圧杆(25)の押
圧方向に主軸(16)を押圧する。またこの押圧と同時
に、第1のソレノイドコイル(30)への励磁電流を序々
に下げ、励磁力を低下させて、第1の押圧杆(25)によ
る押圧を徐々に解除する。このように隣接する押圧手段
(23)のソレノイドコイル(30)を、励磁電流を制御し
て一定回転方向に順次作動し、複数の押圧杆(25)によ
る主軸(16)への連続的な押圧を行う。またこの場合
の、各押圧手段(23)の押圧杆(25)による主軸(16)
の押圧力、押圧繰出量等は同一とする。
【0039】また、押圧手段(23)の押圧杆(25)の押
圧力を受けた主軸(16)は、屈曲可能なユニバーサール
ジョイント(15)を介して駆動モーター(14)と接続し
ている。このため、ユニバーサルジョイント(15)を基
点として、バリ取り工具(18)を駆動モーター(14)の
軸心に対して傾斜させる。そして押圧杆(25)が一定方
向に順次生じさせる押圧力により、バリ取り工具(18)
は傾斜状態で駆動モーター(14)の軸心を中心として回
転移動する。このバリ取り工具(18)の移動回転は、被
加工物(31)の貫通穴(33)の中で行うため、被加工物
(31)の貫通穴(33)が円形であれば、バリ取り工具
(18)は円錐状に広がった先端方向のみを貫通穴(33)
の裏面側に接触し、貫通穴(33)の裏面側に生じたバリ
を取り去る事が可能となる。
【0040】また、被加工物(31)の貫通穴(33)が円
形以外の場合や3次元周縁の場合に、複数のソレノイド
コイル(30)の励磁電流を強くしたり弱めたり、また励
磁電流の発生時期を制御して、押圧手段(23)の押圧杆
(25)の押圧移動量や押圧時期を調節し、バリ取り工具
(18)の回転形状を任意に形成する事も可能であり、バ
リ取り工具(18)の先端を貫通穴(33)の3次元周縁に
倣って回転移動させる事もできる。
【0041】また、押圧手段(23)は、ソレノイドコイ
ル(30)と磁性体(28)とスプリング(27)との組み合
わせにより形成しているので、励磁電流の正確な制御
と、スプリング(27)の復元力により、高度の押圧操作
が可能となる。またこのように構成し、ソレノイドコイ
ル(30)の励磁電流を下げる事により、上述の如く貫通
穴(33)の形状が円形でない場合にも、バリ取り工具
(18)の回転範囲を最大寸法に合わせれば、穴径の径小
の寸法部に於ては、押圧手段(23)の押圧杆(25)は、
励磁前の位置方向に押し戻されて、径小部を強く切削し
たりする事がなく、貫通穴(33)の形状に沿ったバリ取
り工具(18)の移動を可能とする。
【0042】また、押圧杆(25)による主軸(16)への
押圧は、主軸筒(20)を介して行う。また主軸(16)は
主軸筒(20)に対してボールベアリング等を介して回動
可能としているので、押圧杆(25)の押圧中にも、主軸
筒(20)は主軸(16)と共回りする事がなく、押圧杆
(25)の押圧によって主軸(16)の回転に負担を掛ける
事がない。
【0043】次に、バリ取りを終了した被加工物(31)
の貫通穴(33)からバリ取り工具(18)を引き出すに
は、まず、全てのソレノイドコイル(30)への励磁電流
を停止して、押圧手段(23)の押圧杆(25)による主軸
(16)への押圧を解除する。この主軸(16)への押圧を
解除すると、傾斜状態で駆動モーター(14)の軸心を中
心として回転移動していたバリ取り工具(18)は、複数
のスプリング(27)の復元力によって、確実に駆動モー
ター(14)と同一軸心の回転駆動となる。このためバリ
取り工具(18)は、貫通穴(33)からの引き出しを行う
場合に、貫通穴(33)と接触する事がなく、貫通穴(3
3)への傷等の発生を防止する事が可能となる。
【0044】そして、進退手段(12)を上記とは逆方向
に作動して、基台(11)を被加工物(31)から遠ざかる
方向に移動すれば、バリ取り工具(18)を被加工物(3
1)の貫通穴(33)から引き出す事ができる。またこの
バリ取り工具(18)の引き出しを行う場合に、主軸(1
6)の回動を停止しても良いが、主軸(16)を回動した
ままの状態で行えば、駆動モーター(14)の再起動、停
止時間等の待ち時間が不要となり、バリ取り作業が迅速
化し、作業性を向上できる。
【0045】また、上記実施例では、押圧杆(25)をソ
レノイドコイル(30)で主軸(16)方向に押圧する事に
より、主軸(16)の押圧を行ったが、異なる実施例で
は、押圧杆(25)をソレノイドコイル(30)で主軸(1
6)の非押圧方向に作動する事により、他の押圧手段(2
3)の押圧杆(25)をスプリング(27)で主軸(16)に
押圧するものとしても良い。
【0046】また、上記実施例では、押圧杆(25)は、
停止状態に於て主軸筒(20)に接触している。しかしな
がら、他の実施例では、停止状態の押圧杆(25)は、主
軸筒(20)から一定の僅かな間隔を隔て位置するもので
あっても良い。
【0047】また、上記実施例では、押圧手段(23)
は、ソレノイドコイル(30)および磁性体(28)を用い
たが、異なる実施例に於ては、図3に示す如くエアシリ
ンダー、油圧シリンダー等のシリンダー(34)により形
成する。またこの場合、押圧手段(23)は、シリンダー
(34)の周方向の形成間隔にスプリング(35)の付勢力
で主軸(16)の安定化を行うガイド杆(36)を複数形成
するものである。またこのガイド杆(36)およびスプリ
ング(35)を、図1、図2に示す実施例に設けることも
可能なものである。
【0048】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成したものである
から、被加工物の貫通穴に生じたバリ取り作業を行う場
合に、自動化を行っているから、高精度で安全なバリ取
り作業が可能となる。
【0049】また、バリ取り工具は、傾斜状態で駆動モ
ーターの軸心を中心として略円錐状に回転移動を行うた
め、被加工物の貫通穴の穴径よりも細い直径のバリ取り
工具を用いるものとなり、バリ取り工具の直径よりも大
きな貫通穴を有する被加工物であれば、バリ取り工具を
貫通穴の穴径毎に替える必要がなく、そのまま使用でき
るため、廉価で効率的なバリ取り作業が可能になる。ま
た、バリ取り工具は、直径が小さいほど傾斜角度が大き
く取れから、バリ取り効果を高める事ができる。勿論、
この場合、バリ取り工具の強度を保てる範囲の直径であ
る事は前提となる。
【0050】また、バリ取り工具の貫通穴への挿入時、
引き出し時に、バリ取り工具は傾斜状態で駆動モーター
の軸心を中心として回転移動する事がなく、駆動モータ
ーと同一軸心で回転駆動しているため、被加工物にバリ
取り工具が無理に突き当たったり、接触して振動するよ
うな事がなく、工具の破損や被加工物への傷等を防止
し、バリ取り精度を向上する事などが可能となる。
【0051】また、被加工物の貫通穴の周縁や3次元周
縁を有する場合には、複数の押圧手段の押圧移動量や押
圧時期を調節して、バリ取り工具の回転移動形状を任意
の形状に形成すれば、バリ取り工具の先端は貫通穴の周
縁に倣って回転移動可能となり、馬のクラ型等をなす開
口縁のバリも確実に除去できる。
【0052】また、押圧手段は、スプリングを組み合わ
せて形成すれば、励磁電流の正確な制御と、スプリング
の復元力により、さらに高度の押圧操作が可能となる。
このように構成し、ソレノイドコイルの励磁電流を下げ
る事により、貫通穴の形状が円形でない場合にも、バリ
取り工具の回転範囲を最大寸法に合わせれば、穴径の径
小の寸法部に於ては、押圧手段の押圧部は、励磁前の位
置方向に押し戻されて、径小部を強く切削したりする事
がなく、貫通穴の形状に沿ったバリ取り工具の移動を可
能とする。したがって、バリ取り工具は、種々の形状の
貫通穴のバリを取る事が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を切欠いた状態を示す側面図
【図2】一部を切欠いた状態を示す正面図
【図3】異なる実施例の正面図
【図4】被加工物の一例の部分透視状態を示す斜視図
【符号の説明】
11 基台 14 駆動モーター 15 ユニバーサルジョイント 16 主軸 18 バリ取り工具 23 押圧手段 27 スプリング 28 磁性体 30 ソレノイドコイル 31 被加工物 34 シリンダー 35 スプリング

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に対して進退動可能な基台上
    に、駆動モーターとユニバーサルジョイントを介して接
    続する主軸を形成し、この主軸の先端にバリ取り工具を
    連結して回転駆動可能とするとともにこの主軸の外周
    に、主軸を軸心と交差する方向に押圧可能な押圧手段を
    周方向に一定間隔で複数個設け、この押圧手段により、
    ユニバーサルジョイントを基点として、バリ取り工具を
    駆動モーターの軸心に対し傾斜可能とし、周方向の押圧
    手段で順次主軸を押圧することにより、バリ取り工具を
    傾斜状態で駆動モーターの軸心を中心として回転移動可
    能とした事を特徴とするバリ取り装置。
  2. 【請求項2】 押圧手段は、ソレノイドコイルと磁性体
    との組み合わせにより形成した事を特徴とする請求項1
    記載のバリ取り装置。
  3. 【請求項3】 押圧手段は、ソレノイドコイルと磁性体
    とスプリングとの組み合わせにより形成した事を特徴と
    する請求項1記載のバリ取り装置。
  4. 【請求項4】 押圧手段は、シリンダーとスプリングと
    の組み合わせにより形成した事を特徴とする請求項1記
    載のバリ取り装置。
  5. 【請求項5】 押圧手段は、十字方向に4つ設けた事を
    特徴とする請求項1、2、3、4記載のバリ取り装置。
  6. 【請求項6】 バリ取り工具は、切削工具により形成し
    た事を特徴とする請求項1記載のバリ取り装置。
  7. 【請求項7】 バリ取り工具は、研削工具により形成し
    た事を特徴とする請求項1記載のバリ取り装置。
  8. 【請求項8】 バリ取り工具は、研磨工具により形成し
    た事を特徴とする請求項1記載のバリ取り装置。
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