JPH0511459Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、パルス・エンコーダを用いて移動物
体の位置に関連したパルスを発生する装置に関
し、更に詳しく述べれば、前記パルス・エンコー
ダに振動等の外乱が加わつても、誤パルスが出力
されない位置パルス発生装置に関する。

＜従来の技術＞ 従来、移動する物体の移動量をデイジタル信号
に変換する装置としてパルス・エンコーダが使用
される。パルス・エンコーダは、例えば符号板を
透明部分、不透明部分に塗り分け、これを前記移
動物体の変位に応じて回転させ、前記符号板を挾
んで設けられた光電素子より前記移動量を２進コ
ードパルスに変換して取出すものである。

ところで、このようなパルス・エンコーダは、
周囲に振動がある場所で使用される場合がある。
このようなときに、振動によつて、前記移動物体
が停止していても、前記符号板のパターンが前記
光電素子の光路中に出入し、誤つたパルスを発生
させる。これにより、パルスを取込んだ制御部は
誤つた指令を発することになり、誤動作が発生す
る。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 本考案の解決しようとする技術的課題は、前記
移動物体が停止中に前記パルス・エンコーダに振
動が加わつても、誤パルスが出力されないように
することにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案の構成は、移動物体の位置変化に伴い互
いに位相のずれた２組のパルスを発生するパル
ス・エンコーダと、このパルス・エンコーダから
の２組のパルスが与えられる第１、第２のフリツ
プフロツプ回路を含み一方のフリツプフロツプ回
路から前記移動物体の前進状態のときＨレベルと
なる状態信号を発生させ他方のフリツプフロツプ
回路から前記移動物体の後退状態のときＨレベル
となる状態信号を発生させる状態信号発生手段
と、この状態信号発生手段の出力に基づき前記パ
ルス・エンコーダからの２組のパルスを切り換え
る切り換え手段とこの切り換え手段からの前記２
組のパルスのうち一方パルスが入力され他方パル
スがクロツクとして入力されクロツクタイミング
から一定時間後にクリヤーされ前記他方パルスの
レベルの反転により出力を発生しこの他方パルス
のレベルの再反転により出力をリセツトすること
を繰り返すパルス出力を発生させる第３のフリツ
プフロツプ回路とを備えるパルス発生回路とを具
備し前記パルス出力により前記移動物体の前進或
いは後退の位置を検出する位置パルス発生装置で
ある。

＜作用＞ 前記の技術手段は次のように作用する。即ち、
前記パルス・エンコーダより、例えば周期が同じ
で互いに1/4周期位相のずれた２相のパルスを発
生させる。前進、後退の状態信号は、これら２相
のパルスのうち、一方のパルスが1/4周期先に出
力される条件から求める。

前記パルス出力は、前記２相パルスが所定の位
相関係にあるとき出力されるようにし、例えば、
１／４周期位相の進んでいる前記パルスの立上りを
用い、他方のパルスのＬを条件として、前記パル
ス出力を立上らせ、前記位相の進んでいるパルス
の立下がりを用い、他方のパルスのＨを条件とし
て立下がらせてパルスを作る。

この結果、前記パルスの立上り又は立下がりの
境界で前記パルス・エンコーダが停止し、その状
態で振動が加わつても、前記条件が満足されない
限りパルスが出力されないから、通常の使用条件
の下では誤パルスは発生しない。

＜実施例＞ 以下図面に従い本考案の実施例を説明する。第
１図は本考案実施例装置を示す回路図である。図
中、一点鎖線で囲まれた部分Ａは前記移動物体の
位置変化に伴い互いに位相のずれた２相のパルス
を発生するパルス・エンコーダで、このうち、１
は透明部分、不透明部分に塗り分けられ、２値パ
ルスを発生するパターンが２重に形成された符号
板、２はこの図では図示されていない移動物体の
位置変化に伴い符号板１を回転させる回転軸、３
は符号板１の外側のパターンを照射する光源、４
は符号板１の内側のパータンを照射する光源、
５，６は符号板１を挾んで光源３，４に夫々対向
配置された受光素子、７，８はこれら受光素子の
検出回路である。

一点鎖線で囲まれた部分Ｂはパルス・エンコー
ダＡからの２組パルスに基づき前記移動物体の前
進、後退の状態を表わす信号を発生する回路部分
で、このうち、９は検出回路７からのパルスがＫ
端子に、この反転パルスがＪ端子に夫々加えら
れ、クロツク端子CLKに検出回路８からのパル
スが加えられたJKフリツプフロツプ回路、１０
は検出回路８からのパルスがＫ端子に、この反転
パルスがＪ端子に夫々加えられ、クロツク端子
CLKに検出回路７からのパルスが加えられたJK
フリツプフロツプ回路、１１，１２はJKフリツ
プフロツプ回路９，１０の反転出力が与えられた
スイツチ・トランジスタで、これによる状態信号
は、例えば上位の制御装置に与えられる。

一点鎖線で囲まれた部分Ｃは回路Ｂからの状態
信号に基づき、パルス・エンコーダからの２相パ
ルスが特定位相関係にあるときパルス出力を発生
する回路部分である。このうち、１３は切換手段
で、固定接点１３ａ，１３ｄには、検出回路７か
らのパルスが加えられ、固定接点１３ｂ，１３ｃ
には検出回路８からのパルスが加えられている。
１３ｅ，１３ｆは切換接点で、回路Ｂ中のJKフ
リツプフロツプ回路９からの状態信号によつて切
換えられる。

１４はJKフリツプフロツプ回路で、Ｋ端子に
は切換接点１３ｅからのパルスが与えられ、Ｊ端
子にはその反転パルスが加えられ、クロツク端子
CLKには切換接点１３ｆからのパルスが与えら
れ、更に出力端子Ｑよりパルス出力が取出されて
いる。

１５は切換接点１３ｆからトリガパルスが与え
られ、出力がJKフリツプフロツプ回路１４のク
リア端子CLRに接続された単安定マルチバイブ
レータである。

このように構成された本考案実施例装置の動作
につき、第２図の波形図を参照しながら説明を行
なう。本図において、図ａは検出回路７を介し検
出されたパルスを、図ｂは検出回路８を介し検出
されたパルスを表わす。図ｃはJKフリツプフロ
ツプ回路９からの状態信号を、図ｄはJKフリツ
プフロツプ回路１０からの状態信号を表わす。

図ｅは切換接点１３ｅからのパルスを、図ｆは
切換接点１３ｆからのパルスを表わす。図ｇは単
安定マルチバイブレータ１５の出力を、図ｈは
JKフリツプフロツプ回路１４からのパルス出力
を表わす。

前記移動物体が前進状態にあるとき、図ａのパ
ルスは図ｂのパルスより1/4周期位相が進んだ状
態にある。

図ａのパルスがJKフリツプフロツプ回路９の
Ｋ端子に加えられ、Ｊ端子にこの反転パルスが加
えられると、反転出力端子は、図ａのパルスの立
上りにより、図ｂのクロツクパルスに同期してＨ
レベルとなり、この状態は図ａ、図ｂのパルスの
位相関係が逆転しない限り持続する（図ｃ）。一
方、図ｂのパルスが与えられているJKフリツプ
フロツプ回路１０の反転出力端子は、この間Ｌレ
ベルに保持される（図ｄ）。

前記移動物体の前進状態を表わす信号（図ｃ）
が切換手段１３に与えられると、切換接点１３ｅ
は固定接点１３ｂ側に切換えられ、切換接点１３
ｆは固定接点１３ｄ側に切換えられ、JKフリツ
プフロツプ回路１４のＫ端子には図ｅに示すパル
スが加えられ、Ｊ端子にはこのパルスを反転した
パルスが加えられる。

この結果、JKフリツプフロツプ回路１４のＱ
端子出力は図ｅのパルスの立下りにより、図ｆの
クロツクパルスに同期してａ点においてＨとな
る。一方、単安定マルチバイブレータ１５は、図
ｆのパルスの後縁により一定時間幅TWのパルス
を発生し（図ｇ）、このパルスによつてJKフリツ
プフロツプ回路１４の出力をｂ点においてリセツ
トする。このような動作の繰返しにより図ｈに示
すようなパルス出力を得る。

このパルス出力は、図ｅ、図ｆの２相のパルス
が特定位相関係にあるとき、即ち、図ｆのバルス
の立上りを用い、図ｅのパルスのＬを条件として
立上らせ、図ｆのパルスの立下り用い、図ｅのＨ
の期間で立下らせてパルスが作られる。

この結果、図ｆのパルスの立上り又は立下がり
の境界でパルス・エンコーダＡが停止し、その状
態で振動が加わつても、前記条件が満足されない
限りパルスが出力されない。

尚、これ迄の本考案実施例装置の説明は、前記
移動物体が前進状態にあるときに関して行われた
が、後退状態のときには、図ｂのパルスが図ａの
パルスより1/4周期位相が進んだ状態にあり、JK
フリツプフロツプ回路９からの状態信号の出力レ
ベルがＬレベルになる他、これ迄説明したものと
動作上本質な差異はない。

このように、本考案実施例装置によれば、振動
に対する安定性が向上されたが、因に、１回転、
100パルス発生するパルス・エンコーダの場合、
従来装置では、前記符号板に振動が与えられた場
合、回転角が0.072゜以上になると誤パルスを発生
していたが（即ち、ヒステリシス角度：0.072゜）、
本考案実施例装置の場合、前記ヒステリシス角度
は1.8°と25倍も広くなり、振動に対する安定性が
格段に向上された。

＜考案の効果＞ 本考案によれば、前記移動物体が停止中に前記
パルス・エンコーダに振動が加わつても、誤パル
スが発生せず、誤動作が防げる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例装置を示す回路図、第２
図は第１図に示す本考案実施例装置の動作説明図
である。 Ａ……パルス・エンコーダ、Ｂ……状態信号を
発生する回路、Ｃ……２相パルスが特定位相関係
にあるときパルス出力を発生する回路、１……符
号板、９，１０，１４……JKフリツプフロツプ
回路、１３……切換手段、１５……単安定マルチ
バイブレータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 移動物体の位置変化に伴い互いに位相のずれた
   ２組のパルスを発生するパルス・エンコーダと、 このパルス・エンコーダからの２組のパルスが
   与えられる第１、第２のフリツプフロツプ回路を
   含み一方のフリツプフロツプ回路から前記移動物
   体の前進状態のときＨレベルとなる状態信号を発
   生させ他方のフリツプフロツプ回路から前記移動
   物体の後退状態のときＨレベルとなる状態信号を
   発生させる状態信号発生手段と、 この状態信号発生手段の出力に基づき前記パル
   ス・エンコーダからの２組のパルスを切り換える
   切り換え手段とこの切り換え手段からの前記２組
   のパルスのうち一方パルスが入力され他方パルス
   がクロツクとして入力されクロツクタイミングか
   ら一定時間後にクリヤーされ前記他方パルスのレ
   ベルの反転により出力を発生しこの他方パルスの
   レベルの再反転により出力をリセツトすることを
   繰り返すパルス出力を発生させる第３のフリツプ
   フロツプ回路とを備えるパルス発生回路と を具備し前記パルス出力により前記移動物体の前
   進或いは後退の位置を検出する位置パルス発生装
   置。