JPH0511335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、たとえば自動車用エンジンに用い
られる吸気マニホルドに関する。

この明細書において、「アルミニウム」という
用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合
金も含むものとする。また、「展伸材」とは、押
出加工、衝撃押出加工、鍛造等の塑性加工によつ
て成形されたものをいうものとする。

従来の技術 たとえば電子制御式燃料噴射装置を備えた自動
車のガソリンエンジンに用いられる従来の吸気マ
ニホルドは、全体が鋳造により製造されたもので
あつた。

考案が解決しようとする課題 ところが、鋳造品の表面は肌荒れしているの
で、吸気効率向上のために空気抵抗を減少させる
目的で少なくともその内面を平滑に仕上げ加工す
る必要があり、その作業が面倒になるという問題
があつた。しかも、吸気マニホルドの内面全体に
仕上げ加工を施すことはその形状からみて不可能
であり、吸気効率向上のための空気抵抗の減少を
充分に図ることができなかつた。また、鋳造品製
吸気マニホルドの場合、鋳造時の湯流れ性に起因
してその周壁の肉厚をある限度以上小さくするこ
とはできないので重量が大きくなるという問題が
あつた。

また、従来の吸気マニホルドでは、各分岐管を
経てエンジンの各シリンダに送られる空気の量
は、主管内の空気の総量を調整することにより制
御されていたが、制御の精度をより向上させるこ
とが要求されている。

この考案の目的は、上記問題を解決しかつ狭い
取付空間に適合しうる吸気マニホルドを提供する
ことにある。

課題を解決するための手段 この考案による吸気マニホルドは、上記の目的
を達成するために、一端が開口するとともに他端
が閉鎖されかつ平坦な上壁部が形成せられたアル
ミニウム展伸材からなる水平主管と、各一端が主
管の上壁部側に接続されたアルミニウム展伸材か
らなる長短２種類の複数の分岐管とよりなり、主
管の内部が、長さ方向に伸びてその全長にわたる
一対の区画に区分され、長い分岐管と短い分岐管
とが一方の区画と他方の区画とに交互に接続され
るとともに、上記区画に接続された長短２種類の
分岐管はともに略1/4円弧折曲げられて一方向に
水平にのびかつすべての端がそろえられているも
のである。

上記吸気マニホルドは、気化器を備えた自動車
エンジンや、電子制御式燃料噴射装置を備えた自
動車用エンジン等の内燃機関に適用される。

上記において、主管内部における各区画間の仕
切壁は、主管を押出加工や衝撃押出加工等により
成形するさいに一体的につくられる。

また、主管の周壁には、複数の孔が形成される
とともに各孔の周囲に分岐管接続用外方突出筒部
が一体的に形成されており、この外方突出筒部に
分岐管が嵌め合せ状態で接続されていることが好
ましい。分岐管接続用外方突出筒部は、たとえば
主管の周壁に孔をあけた後この孔の周囲の部分に
バーリング加工を施すか、または主管の周壁にバ
ルジ加工を施して先端が閉鎖された筒状膨出部を
形成した後、その先端閉鎖壁に孔をあけてその周
囲にバーリング加工を施すことによりつくるのが
よい。

作 用 この考案の吸気マニホルドによれば、一端が開
口するとともに他端が閉鎖されたアルミニウム展
伸材からなる水平主管と、各一端が主管に接続さ
れたアルミニウム展伸材からなる長短２種類の複
数の分岐管とよりなるので、従来の全体が鋳造品
からなる吸気マニホルドに比べて、その内面は平
滑である。

また、主管の内部が、長さ方向に伸びてその全
長にわたる一対の区画に区分され、長い分岐管と
短い分岐管とが一方の区画と他方の区画とに交互
に接続されているので、長い分岐管を経てエンジ
ン本体のシリンダへ送られる空気量と、短い分岐
管を経てエンジン本体のシリンダへ送られる空気
量を、長い分岐管の接続されている区画内の空気
流量と、短い分岐管の接続されている区画内の空
気流量を別々に制御することにより調整すること
ができる。

さらに、水平主管には、分岐管が接続せられる
平坦な上壁部が形成されており、２つの区画に
別々に接続された長短２種類の分岐管はともに略
１／４円弧折曲げられて一方向に水平にのびかつす
べての端がそろえられているので、分岐管は所要
の長さを保ちながら吸気マニホルド全体がコンパ
クトな形態となる。

実施例 以下、この考案の実施例について図面を参照し
ながら説明する。この実施例において「左」とい
うのは、第２図の左側を指し、「右」というのは
同図の右側を指すものとする。

図示の吸気マニホルドは直列６気筒のエンジン
に使用されるものであり、一端が開口するととも
に他端が閉鎖されたアルミニウム展伸材からなる
水平主管３０と、各一端が主管３０に接続された
アルミニウム押出パイプからなる長短２種類の６
本の分岐管２０Ａ，２０Ｂとを備えている。

主管３０は一端が開口し、他端が周壁と一体的
に形成された閉鎖壁３１により閉鎖されかつ平坦
な上壁部３０ａが形成せられた横断面略横長方形
のアルミニウム衝撃押出パイプからなる。主管３
０内には、その内部を左右２つの区画３２，３３
に区分する仕切壁３４が、全長にわたりかつ周壁
および閉鎖壁３１と一体的に形成されている。ま
た、主管３０の上壁部３０ａにおける左右の区画
３２，３３に対応する位置に、それぞれ３つの孔
１６があけられ、各孔１６の周囲に分岐管接続用
外方突出筒部１７が一体的に形成されている。外
方突出筒部１７の先端には、拡筒部１８が形成さ
れている。また、主管３０の開口端には、アルミ
ニウム鋳造品からなるスロツトルボデイ取付用フ
ランジ１９が固着されている。スロツトルボデイ
取付用フランジ１９には図示されないスロツトル
バルブを内蔵したスロツトルボデイが取付けら
れ、このスロツトルボデイにエアクリーナからの
送気管が接続されるようになつている。

長い分岐管２０Ａと短い分岐管２０Ｂとが左の
区画３２と右の区画３３とに交互に接続されると
ともに、上記区画３２，３３に接続された長短２
種類の分岐管２０Ａ，２０Ｂはともに略1/4円弧
折曲げられて右方向に水平にのびかつすべての端
がそろえられている。さらに詳しくいうと、各分
岐管２０Ａ，２０Ｂはアルミニウム押出パイプを
曲げることにより形成されたものであつて、その
端部が外方突出筒部１７先端の拡筒部１８内に嵌
め入れられてろう付されている。左の区画３２の
外方突出筒部１７に接続された３本の長い分岐管
２０Ａの先端および右の区画３３の外方突出筒部
１７に接続された３本の短い分岐管２０Ｂの先端
は、ともに主管１０の右方に配置されたシリンダ
ヘツドへの取付用装架フランジ３５に接続されて
いる。装架フランジ３５は、アルミニウム鋳造品
からなるものであつて、横長方形状であり、６つ
の孔（図示略）と、孔の周囲に一体的に設けられ
た分岐管接続用屈曲突出筒部２２と、イジエクタ
差込口２３とを備えている。突出筒部２２の先端
には拡筒部２４が設けられている。そして、各分
岐管２０Ａ，２０Ｂは、両フランジ３５を介して
エンジン本体Ｅのシリンダヘツドに接続される。

このような吸気マニホルドにおいて、エアクリ
ーナから送られてきた空気は、主管１０の両区画
１３，１４内に入り、分岐管２０Ａ，２０Ｂを経
てエンジン本体Ｅの各シリンダに送られる。

エンジン本体Ｅの各シリンダに送られる空気量
は、主管１０の両区画１３，１４内の空気流量を
別個に制御することによつて調整される。

上記実施例においては、直列６気筒のエンジン
に用いられる吸気マニホルドが示されているが、
直列４気筒等のエンジンにも適用可能である。

考案の効果 この考案の吸気マニホルドによれば、従来の全
体が鋳造品からなる吸気マニホルドに比べて、そ
の内面は平滑であるから、空気抵抗が少なくなつ
て吸気効率が向上する。しかも、従来の鋳造品の
ように仕上げ加工を必ずしも行なう必要がない。
さらに、従来の鋳造品に比べて軽量化を図ること
が可能になる。

また長い分岐管を経てエンジン本体のシリンダ
へ送られる空気量と、短い分岐管を経いエンジン
本体のシリンダへ送られる空気量を、長い分岐管
の接続されている区画内の空気流量と、短い分岐
管の接続されている区画内の空気流量を別々に制
御することにより調整することができる。したが
つて、上記各シリンダへ供給する空気量を、主管
内全体の空気流量を制御することによつて調整す
る従来の吸気マニホルドに比べて、その制御の精
度が向上する。

さらに、分岐管は所要の長さを保ちつつ吸気マ
ニホルド全体がコンパクトな形態になるから、狭
い取付空間によく適合しうる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は一部を切欠いた平面図、第２図は第１図の−
線にそう断面図である。 ２０Ａ，２０Ｂ……分岐管、３０……水平主
管、３０ａ……上壁部、３２，３３……区画。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が開口するとともに他端が閉鎖されかつ平
   坦な上壁部３０ａが形成せられたアルミニウム展
   伸材からなる水平主管３０と、各一端が主管３０
   の上壁部３０ａ側に接続されたアルミニウム展伸
   材からなる長短２種類の複数の分岐管２０Ａ，２
   ０Ｂとよりなり、主管３０の内部が、長さ方向に
   伸びてその全長にわたる一対の区画３２，３３に
   区分され、長い分岐管２０Ａと短い分岐管２０Ｂ
   とが一方の区画３２と他方の区画３３とに交互に
   接続されるとともに、上記区画３２，３３に接続
   された長短２種類の分岐管２０Ａ，２０Ｂはとも
   に略1/4円弧折曲げられて一方向に水平にのびか
   つすべての端がそろえられている吸気マニホル
   ド。