JPH05112U - 穿刺用超音波探触子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】穿刺に適したコンベックス型超音波探触子を提
供する。 【構成】円弧状に多数の振動素子が配列された振動子
２，収納ケース１，ケーブル３を備えたコンベックス型
探触子に、穿刺針案内溝５をスリット状に形成する。穿
刺針案内溝５のスリット端部５ａは、超音波視野の中心
線の近傍で、この中心線に平行に形成され、かつ超音波
ビームの複数の方向と交差するように形成される。ま
た、ケーブル３は前記中心線と直交する方向へ引き出さ
れる。 【効果】スリット端部５ａに沿って穿刺針を被検体へ刺
し込むと、針は複数ヶ所でエコーを発生するので、針の
刺し込み状態が良く観察できるようになる。またケーブ
ルが操作上の邪魔になることもなくなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は超音波診断装置用探触子に係り、特に超音波画像を観察しながら穿刺 術を可能とする穿刺用超音波探触子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

超音波診断装置を用いる診断技法に超音波穿刺術がある。超音波穿刺術は超音 波像を医師が観察しながら穿刺針を被検体中へ刺し込み、被検体の病変部の組織 を得る手法である。 ところで、超音波探触子には、電子リニアタイプ，電子セクタタイプ，コンベ ックスタイプ（カーブド・リニアとも称される。）、メカニカルセクタタイプ等 種々のものがあり、それぞれ診断部位に適，不適がある。すなわち、セクタタイ プは心臓用に、リニアタイプ，コンベックスタイプは心臓以外の部位用にと使い 分けられる。 従来、穿刺用の探触子はリニアタイプのものに多く、セクタタイプ，コンベッ クスタイプでは数，種類ともに少なく、またあったにしても、補助具を探触子に 取り付けて、補助具の案内溝に沿って針を刺し込むというものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

近年、肝臓の病理検査の要望が多くなっているが、従来主流をなしているリニ アタイプの穿刺用探触子は、助骨に阻まれて肝臓をくまなく抽出することはでき ない。そこで、助弓下に発生した肝腫瘤等の病理検査のために使い勝手の良いコ ンベックスタイプの穿刺用探触子の供給が望まれるようになって来た。 そこで、本考案は上記要望に応え、操作性が良いコンベックスタイプの穿刺用 超音波探触子を提供することを目的として成されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、多数の細長い棒状振動素子を用弧状に配 列して振動子とするとともに、前記振動子を支持する支持体及び収納ケースとを 備えた超音波探触子において、前記振動子の配列方向の中心線に沿って全振動子 のうちの所定数を２分割しながら前記支持体及び収納ケースを貫通するとともに 、一方が開口で他方の端部が前記振動子から送波される複数の超音波ビームの方 向に交差する穿刺針案内溝を設けたものである。

【０００５】

【作用】

超音波探触子に形成された、全振動子のうちの所定数を２分割しながら支持体 及び収納ケースを貫通する穿刺針案内溝であって、かつ、その一方の端部が振動 子の一群が選択されたときに送波される超音波ビームの複数方向に交差する穿刺 針案内溝は、穿刺針を直接その溝に挿入することを可能にするので、従来のよう に補助具を用いる必要をなくし、また、溝の端部の少なくとも一方は超音波ビー ム方向に交差しているので、穿刺針をそれに沿って被検体へ刺し込めば、穿刺針 の刺し込み過程を全て抽出するので、病変部への穿刺を容易に行わせしむる。溝 は一方が開口であるので穿刺範囲を広くしている。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１乃至図３により説明する。図１において、１は 収納ケースで、多数の細長い棒状振動素子が円弧状に配列された振動子２及び図 示を省略した振動子支持体、いわゆるバッキング材と称されるものを収容又は支 持するもので、その端部から信号線やアース線等を含んだケーブル３が引き出さ れている。なお、振動子２の前面にはマッチング層や音響レンズ等が設けられる が、以上のような構成は、コンベックス型超音波探触子として公知である。

【０００７】 次に、本考案の特徴点について説明する。図１において、４は穿刺針、５は穿 刺針案内溝で、穿刺針４は穿刺針案内溝５に案内されて挿入された状態を示して いる。穿刺針案内溝５は探触子の振動子の配列方向に沿って収納ケース１，振動 子２，バッキング材を所定部分まで２分割するように形成されている。すなわち 、穿刺針案内溝５は図１の探触子左端を開口として右端へ向ってスリット状に形 成され、そのスリットの端部５ａは、配列振動子の弧の中心と中央の振動素子と を結ぶ線、つまり、視野を２等分する中心線に平行に、かつ、その中心線の少し 手前まで形成される。そして、そのスリットの端部の振動子に対向する側（収納 ケース上面）には傾斜部分５ｂが設けられている。

【０００８】 探触子は矢印Ａ方向から見ると図２に示すように、その輪郭は振動子２が配列 され円弧状部２ａと、収納ケース１のスリット開口部１ａ，１ｂ、傾斜部分１ｃ と、ケーブル引出部１ｄとを有している。収納ケース１の傾斜部分１ｃはスリッ ト端部の傾斜部分５ｂとほぼ平行になっており、その収納ケースの傾斜部分１ｃ は、ケーブル３をスリット開口部１ａと平行方向に、かつ、振動子の配列を妨げ ない位置で引き出すようにしている。従来のコンベックス型探触子はケーブルを 視野の中心線上に引き出すか、又は傾斜部分１ｃの所から視野の中心線方向へ引 き出す構造となっており、本実施例のようなスリットを単に形成しただけでは、 穿刺操作上は問題が残るが、本実施例のようにケーブルを引き出すことで穿刺操 作が容易となる。

【０００９】 次に、本実施例の探触子を使用して穿刺を行う操作方法について説明をする。 先ず、超音波診断装置へ本探触子を接続して電源を入れ、探触子を被検体へ当接 して超音波走査による画像をモニタへ表示させて診断部位を探り、診断部位の病 変部が最も良く表示できる位置で探触子を保持する。この探触子の保持に当り、 スリット端部５ａが穿刺をする部位へ向いているようにするのが望ましい。次い で、穿刺針４を穿刺針案内溝５へ挿入し、スリット端部５ａが沿って被検体へ穿 刺針４を刺し込む。超音波診断装置に引き続いて、リアルタイムで断層像表示走 査を行わせておくと、超音波ビームは図２に示すように、＃１〜＃ｎまでの順次 走査を繰り返して行って断層像を表示しており、被検体へ穿刺針４が刺し込まれ て来ると、穿刺針４は超音波ビームと交差した所でエコーを生じ、断層像中に表 示される。つまり、スリット端部５ａに沿って穿刺針４を刺し込むと、その方向 は複数の超音波ビーム方向と交差しているので、穿刺針４が被検体内を進行する 状態が表示される。そして、穿刺針４が被検体内深く刺し込まれて行っても、ケ ーブル３は操作上の障害とはならない。また、スリットの開口側からも穿刺が行 えるので、助弓下の穿刺も可能である。

【００１０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、穿刺に適したコンベックス型超音波探触子 が提供できる。特に、穿刺針案内溝のスリット端部は複数の超音波ビーム方向と 交差するように設けられているので、針が画像中に良く表示され、操作し易くな る。これは被検者の負担を軽減にもなる。また、穿刺針案内溝は一方が開口であ るので、広範囲の穿刺が行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるコンベックス型穿刺用
超音波探触子の外観を示す斜視図。

【図２】図１を矢印Ａ方向視し、一部を断面した図。

【図３】穿刺針と超音波ビームとの関係を示す図。

【符号の説明】

１ 収納ケース ２ 振動子 ３ ケーブル ４ 穿刺針 ５ 穿刺針案内溝 ５ａ スリット端部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】多数の細長い棒状振動素子を円弧状に配列
   して振動子とするとともに、前記振動子を支持する支持
   体及び収納ケースを備えた超音波探触子において、前記
   振動子の配列方向の中心線に沿って全振動素子のうちの
   所定数を２分割しながら前記支持体及び収納ケースを貫
   通するとともに、一方が開口で他方の端部が前記振動子
   から送波される複数の超音波ビームの方向に交差する穿
   刺針案内溝を設けたことを説徴とする穿刺用超音波探触
   子。