JPH05111982A - 積層シートおよび積層シート付基材 - Google Patents

積層シートおよび積層シート付基材

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JPH05111982A
JPH05111982A JP3271060A JP27106091A JPH05111982A JP H05111982 A JPH05111982 A JP H05111982A JP 3271060 A JP3271060 A JP 3271060A JP 27106091 A JP27106091 A JP 27106091A JP H05111982 A JPH05111982 A JP H05111982A
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JP
Japan
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laminated sheet
film
laminated
phytoncide
sheet
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JP3271060A
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English (en)
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Akira Kurata
田 昭 倉
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KURATA KK
Original Assignee
KURATA KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】フィトンチッド2が含浸されている多孔質シー
ト3の片面に、フィトンチッド2が大気中に放出される
ように微細な通気孔を有するフィルム4が積層されてい
る積層シート11およびこのような積層シート11を有
する積層シート11基材。 【効果】フィトンチッド2の芳香を家庭、オフィスなど
の室内にむらなく、かつ充分な量で持続的に発散させる
ことができ、しかも意匠性に優れた家具の装飾板、引出
し用材、家屋の床材、壁材、柱材などが簡単かつ確実に
提供でき、さらにはダニなどの害虫が寄り付くことはな
く、長期間にわたって快適に用いることができるカーペ
ット、玄関マット、布張りソファーなどが提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、家具の表面板、引出し用
材、カーペットおよび玄関マットなどの裏地、室内の床
および壁などに貼着して用いられる積層シートおよびこ
のような積層シートを有する家具、引出し、カーペッ
ト、玄関マット、室内の床および壁などの積層シート付
基材に関し、さらに詳しくは、フィトンチッドの芳香が
長期間にわたって持続的に発散するような積層シートお
よびこのような積層シート付基材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】フィトンチッドは、α−ピネン、
β−ピネン、ε−リモネン、ジペンテン、しょうのう、
テレピネオール、テレピノレン、ヒノキチオール、ボル
ネオール、リナロールなどのテルペン系化合物の1種ま
たは2種以上からなり、ひのき、杉などの天然の樹木、
枝葉、根茎、木皮、果実などに含まれているヒノキ油、
杉油、しょうのう油、テレピン油などを精製することに
より得られ、芳香性、脱臭性、殺菌性、殺虫性を有する
ことで知られている。
【0003】従来より、このようなフィトンチッドを含
むトイレ用、室内用脱臭・芳香剤が販売されているが、
トイレ用、室内用脱臭・芳香剤は、脱臭効果および芳香
が長続きしないという欠点がある。
【0004】そこで最近ではフィトンチッドを吸着させ
た粒状無機化合物が配合されている接着剤組成物、およ
びこのような接着剤組成物で接合された複数枚の木板か
らなる合板が提案され、このような合板からフィトンチ
ッドを室内に持続的に揮発させる試みがなされている
(特開平1−234481号)。
【0005】しかしながら、上記接着剤組成物中に含ま
れる接着剤の種類によっては、接着剤とフィトンチッド
とが化学的に反応し、合板からフィトンチッドが揮発さ
れない場合もある。
【0006】また接着剤組成物中に含まれるフィトンチ
ッドおよび粒状無機化合物の配合量を多くすると、合板
を構成している木板同士の接着強度が低下し、木板が剥
離し易くなるなどの問題点が生じる。逆に接着剤組成物
中に含まれるフィトンチッドおよび粒状無機化合物の配
合量を少なくすると、合板から適度な量のフィトンチッ
ドが揮発されず、充分な芳香性および脱臭性が発揮され
ないという問題点がある。
【0007】また合板に用いられている木板は、ほとん
どの場合、木目が表面に顕れ、木口が端面に顕れるよう
になっている。このような木板同士をフィトンチッドを
含む接着剤組成物で接合して得られる合板では、フィト
ンチッドの揮発成分が木板に含まれている維管束の管壁
に沿って移動し、合板の端面のみからフィトンチッドが
揮発し、合板の表面からはフィトンチッドが揮発しなく
なる傾向がある。このためこのような合板を家屋の床
材、壁材などに用いた場合、合板の表面からむらなく充
分な量のフィトンチッドを室内に発散させることができ
ず、室内の脱臭・芳香に対しては充分な効果が得られな
いという問題点があった。
【0008】本発明者は、このような従来技術の問題点
に対し、フィトンチッドをボード紙に含浸し、次いでこ
の表面にフィトンチッドが除々に大気中に放出されるよ
うな微細な通気孔を有する塗膜を形成して得られた塗膜
付ボード紙の裏面を粘着層で覆い、この粘着層を家具の
表面板、室内の壁などに貼着すると、フィトンチッドの
芳香を家庭、オフィスなどの室内にむらなく、かつ充分
な量で長期間にわたって持続的に発散させることができ
ることを見出した。またボード紙に代えて織布、不織布
などを用いても同様の効果が発揮されること、さらには
塗膜を成形フィルムに代え、この成形フィルムに微細な
通気孔を開けても同様の効果が発揮されることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、フィトンチッ
ドの芳香を家庭、オフィスなどの室内にむらなく、かつ
充分な量で長期間にわたって持続的に発散させることが
できる積層シートおよびこのような積層シートが貼着さ
れた家具、引出し、カーペット、玄関マット、布張りソ
ファー、室内の床および壁などの積層シート付基材を提
供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る積層シートは、フィトンチ
ッドが含浸されている多孔質シートの片面に、フィトン
チッドが大気中に放出されるように微細な通気孔を有す
るフィルムが積層されてなることを特徴としている。
【0011】また本発明に係る積層シート付基材は、こ
のような積層シートを有することを特徴としている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る積層シートおよ
び積層シート付基材について具体的に説明する。
【0013】積層シート まず、本発明に係る積層シートについて具体的に説明す
る。図1に、本発明に係る第1の積層シートを示す。
【0014】この積層シート11は、フィトンチッド2
が含浸されている多孔質シート3の表面にフィルム4が
積層され、このフィルム4は微細な通気孔5を有してお
り、フィトンチッド2が多孔質シート3の表面から微細
な通気孔5を通ってフィルム4の表面に至り、大気中に
放出されるようになっている。
【0015】なお本発明では多孔質シート3として、具
体的には紙、織布、不織布、発泡スチロール、発泡ウレ
タン等の発泡プラスチックシートなどが挙げられる。本
発明では、この多孔質シート3にフィトンチッド2が含
浸されている。この多孔質シート3は、比表面積が大き
く、このため内部に多量のフィトンチッド2を吸着させ
ることができる。
【0016】フィトンチッド2としては、上述したよう
なα−ピネン、β−ピネン、ε−リモネン、ジペンテ
ン、しょうのう、テレピネオール、テレピノレン、ヒノ
キチオール、ボルネオール、リナロールなどのテルペン
系化合物の1種または2種以上が用いられる。またこの
ようなフィトンチッド2は、ひのき、杉などの天然の樹
木、枝葉、根茎、木皮、果実などに含まれているヒノキ
油、杉油、しょうのう油、テレピン油などを水蒸気蒸留
法、圧搾法などにより抽出し、精製するなどの公知の方
法によって得られる。
【0017】このようなフィトンチッド2を多孔質シー
ト3に含浸させる方法としては、公知の方法が採用で
き、特に限定されないが、たとえば次のような方法によ
ってフィトンチッド2を多孔質シート3に含浸させるこ
とができる。
【0018】1)多孔質シート3をたとえば真空ポンプ
に接続された槽内に収容した後、この槽を密閉し、次い
で槽内を真空ポンプで排気して真空状態にした槽内にフ
ィトンチッドを含む水またはアルコール溶液を注入し、
フィトンチッドを多孔質シート3に含浸させる方法、 2)フィトンチッドを含む水またはアルコール溶液中に
多孔質シート3を浸漬させた後、溶液から多孔質シート
3を引上げ、次いで多孔質シート3から溶媒である水ま
たはアルコールを蒸発させて除去する方法、および 3)多孔質シート3の表面に、フィトンチッドを含む水
またはアルコール溶液を吹きつけ、次いで多孔質シート
3から溶媒である水またはアルコールを蒸発させて除去
する方法。
【0019】以上のような方法で多孔質シート3にフィ
トンチッド2を含浸させる際には、高濃度のフィトンチ
ッドを含む水またはアルコール溶液を用いることが好ま
しく、高濃度のフィトンチッドを含む水またはアルコー
ル溶液を用いることにより、多孔質シート3に高濃度の
フィトンチッドを含浸させることができる。
【0020】また多孔質シート3には、フィトンチッド
2とともにフィトンチッドの分解および変質を防止する
防かび剤などが含浸されていてもよい。さらに本発明で
は、このようなフィトンチッド2が含浸されている多孔
質シート3の表面にフィルム4が形成されている。
【0021】このフィルム4は、通常、ニトロセルロー
ス樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂などの有機樹脂の
1種またはこれらの2種以上の混合物からなる塗膜また
は成形フィルムであり、さらにフィルム4中には、有機
樹脂の種類によっては有機樹脂の原料であるモノマーお
よびオリゴマーを重合する際に用いられた触媒、硬化促
進剤などが含まれている。またこのフィルム4中には、
必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤および色材とし
て着色顔料、着色染料などの1種または2種以上が含ま
れている。
【0022】またこのフィルム4を塗膜によって形成す
るか、あるいはフィルム4として成形フィルムを用い、
この成形フィルムを多孔質シート3に接着することによ
ってフィルム4を多孔質シート3上に積層するかは、多
孔質シート3の種類および表面平滑性などの表面状態な
どに応じて適宜選択される。
【0023】たとえば多孔質シート3としてその表面が
比較的平滑な紙シート、ボード紙などを用いた場合に
は、塗装によってフィルム4を形成すると、接着剤を用
いなくても多孔質シート3の表面に接着性よく塗膜が形
成できる点で有利である。
【0024】逆に多孔質シート3として織布、不織布な
どが用いられ、多孔質シート3の表面が粗く、このため
多孔質シート3の表面に直接塗膜を形成するのが難しい
場合には、フィルム4として成形フィルム41を用い、
この成形フィルム41を多孔質シート3に接着層6で接
着することによってフィルム4が多孔質シート3上に積
層される。このようにして多孔質シート3上に積層され
た成形フィルムの表面は、平滑である場合が多く、この
場合には、図2に示すように、多孔質シート3上に積層
された成形フィルム41の表面にさらに塗膜42を形成
することにより、積層シート12に任意の意匠が施さ
れ、積層シート12の美観が向上できる。
【0025】すなわち図2は、多孔質シート3上に接着
層6、成形フィルム41および塗膜42が順次積層され
た本発明に係る第2の積層シート12を示している。こ
の積層シート12では、接着層6はフィトンチッド2の
透過性に優れていることが望ましい。
【0026】図3に本発明に係る第3の積層シートを示
す。この積層シート13は、多孔質シート3の表面に粘
着層7が積層されている以外は積層シート11と同様で
あり、この粘着層7を基材の表面に貼着することにより
簡単に積層シート13付基材が得られるという利点があ
る。また得られた積層シート13付基材は、基材から比
較的簡単に積層シート13を剥がすことができるので、
積層シート13からほとんどフィトンチッドの芳香が感
じられなくなった時点で、この積層シート13を新しい
積層シートと容易に交換できるという利点もある。さら
に積層シート13は、その粘着層7がフィルム4に接着
されているように巻回して保存すると、積層シート13
から散逸するフィトンチッド2は少なく、長期間にわた
って積層シート13が保存できるという利点もある。
【0027】図4に本発明に係る第4の積層シートを示
す。この積層シート14は、粘着層7の表面に剥離フィ
ルム8が積層されている以外は積層シート13と同様で
あり、剥離フィルム8を剥離して粘着層7を露出させ、
この粘着層7を基材の表面に貼着することにより簡単に
積層シート13付基材が得られるという利点がある。ま
た積層シート14は、フィトンチッド2を含浸している
多孔質シート3から散逸するフィトンチッド2が剥離フ
ィルム8によってブロックされるので、長期間にわたっ
て積層シート13が保存できるという利点もある。
【0028】上記第3および第4の積層シート13およ
び14は、流通性および保存性に優れ、しかも積層シー
ト付基材を得る上での取扱いが簡単なので壁紙および床
張り用材として好適である。
【0029】図5に本発明に係る第5の積層シートを示
す。この積層シート15は、フィトンチッド2を含浸し
ている多孔質シート3の両面および周縁部が成形フィル
ム41で被覆され、かつこの多孔質シート3の片面に存
在する成形フィルム41に微細な通気孔5が形成されて
いる。このように積層シート15は、多孔質シート3の
両面および周縁部が成形フィルム41で被覆されている
ので、成形フィルム41に形成された微細な通気孔5以
外からはフィトンチッド2が散逸し難く、フィトンチッ
ド2の芳香を家庭、オフィスなどの室内にむらなく、か
つ充分な量で長期間にわたって持続的に発散させること
ができるという利点がある。
【0030】以上に説明した第1ないし第5の積層シー
ト11〜15において、フィルム4には、多孔質シート
3の表面からフィルム4の表面に至る微細な通気孔5が
設けられている。フィルム4の表面から揮発するフィト
ンチッド2の量は、多孔質シート3に含浸されているフ
ィトンチッド2の量、通気孔5の孔径および気孔率(フ
ィルム4の単位表面積S当りに存在する気孔の開口面積
の和がsである場合のs/S)が増大するにつれて増加
する傾向があり、逆にフィルム4の膜厚が増大し、通気
孔5が長くなるにつれて減少する傾向がある。なお通気
孔5の気孔率は、フィルム4に形成されたそれぞれの通
気孔5がほぼ同じ大きさの孔径を有する場合に、フィル
ム4の単位表面積当りに存在する通気孔5の数に比例す
る。したがって本発明に係る積層シート11〜15から
発せられるフィトンチッドの芳香の強さおよびこの芳香
の持続時間は、多孔質シート3に含浸されているフィト
ンチッド2の量、通気孔5の孔径φおよび気孔率s/S
などを変化させることによって任意にコントロールでき
る。
【0031】フィトンチッド2をフィルム4の表面から
むらなく揮発させるためには、フィルム4の表面のどの
場所でも通気孔5の気孔率が等しくなるように、通気孔
5の開口がフィルム4の表面に均一に分布していること
が望ましい。またフィルム4の表面に存在するそれぞれ
の通気孔5の孔径は、ほぼ同じ大きさであることが好ま
しい。フィルム4の表面に存在するそれぞれの通気孔5
の孔径がほぼ同じ大きさである場合、たとえばフィルム
4の膜厚dに応じての孔径φおよび数nが定められるな
ど、フィルム4の膜厚d、通気孔5の孔径φおよび数n
を互いに関連させて容易に決定することができる。
【0032】適正量のフィトンチッド2がフィルム4の
表面から揮発するようにコントロールする上で、フィル
ム4の膜厚dは、0.01mm〜1mmの範囲にあるこ
とが好ましい。また、通気孔5の孔径φは、100Å〜
2mmの範囲にあることが好ましく、通気孔5の気孔率
s/Sは、0.001〜0.1の範囲にあることが好ま
しい。
【0033】上述したような微細な通気孔5を有するフ
ィルム4は、フィトンチッド2が含浸されている多孔質
シート3の表面にフィルム4を積層し、このフィルム4
に機械的に針穴を開けることによって得られる。フィル
ム4に機械的に針穴を開ける方法としては、金属ブラシ
などをフィルム4に貫通させる方法、フィルム4にガス
レーザなどのレーザ光を照射する方法などが挙げられ
る。
【0034】また予め針穴が開けられた成形フィルムを
多孔質シート3の表面に接着剤で接着することによって
も、微細な通気孔5を有するフィルム4を多孔質シート
3の表面に形成することができる。
【0035】さらにフィルム4が塗膜である場合には、
特に次のような方法によって微細な通気孔5を有するフ
ィルム4を多孔質シート3の表面に形成することができ
る。 a)ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑
性樹脂を溶剤に溶解させた塗料を用いて、フィトンチッ
ド2が含浸されている多孔質シート3の表面に塗装を行
なう方法、 b)フィトンチッド2が含浸されている多孔質シート3
の表面に塗料を厚塗りし、次いでこの多孔質シート3の
表面に厚塗りされている塗料を急激に加熱してフィルム
4を形成する方法、 c)粘度の高い塗料を用いて、フィトンチッド2が含浸
されている多孔質シート3の表面に塗装を行なう方法、
および d)発泡剤を含む塗料を用いて、フィトンチッド2が含
浸されている多孔質シート3の表面に塗装を行ない、多
孔質シート3の表面に塗膜を形成する際に、塗膜が発泡
する温度以上に加熱する方法。
【0036】d)の方法で微細な通気孔を有する塗膜を
多孔質シートの表面に形成する場合には、発泡剤とし
て、加熱により蒸発して塗膜を発泡させる脂肪族炭化水
素などの物理的発泡剤または加熱により分解して塗膜を
発泡させる炭酸塩、アゾ化合物、有機過酸化物などの化
学発泡剤が用いられる。
【0037】また塗料に含まれている発泡剤の量は、プ
ラスチック発泡体製造用の発泡性組成物に含まれている
発泡剤の量よりも少なく、塗膜を形成する全成分の合計
量100重量部に対し0.5〜0.001重量部の範囲
にあることが好ましい。
【0038】以上に説明したa)〜d)の方法のうち、
a)の方法が塗膜4に欠陥を生じることなく、フィトン
チッド2が含浸されている木材3の表面に微細な通気孔
5を有する塗膜4が形成できる点で特に好ましい。
【0039】b)〜d)の方法では、塗料が熱可塑性樹
脂を溶剤に溶解させた塗料に限定されず、以下に例示す
るような反応硬化型の塗料も用いることができるという
利点がある。
【0040】i)アミノ樹脂、アルキッド樹脂および硬
化剤として塩酸、パラトルエンスルホン酸などの酸を含
む酸硬化型アミノアルキッド樹脂塗料、 ii)無水マレイン酸、フマル酸などの多塩基酸とプロピ
レングリコールなどの多価アルコールとの縮合物からな
るポリエステルをスチレンなどの重合性モノマーに溶解
して含み、さらに硬化触媒および必要に応じてナフテン
酸コバルトなどの硬化促進剤、ワックスなどを含む不飽
和ポリエステル樹脂塗料、 iii )ワックスを含まない不飽和ポリエステル樹脂塗料
にポリイソシアネートを配合したウレタン化不飽和ポリ
エステル樹脂塗料、および iv)ポリオール(主剤)とイソシアネート(硬化剤)の
2液からなり、この2液を反応させて硬化塗膜を得るポ
リオール硬化型ポリウレタン樹脂塗料。
【0041】積層シート付基材 次に、本発明に係る積層シート付基材について具体的に
説明する。図6に、本発明に係る第1の積層シート付基
材を示す。
【0042】この積層シート付基材21には、前記第1
の積層シート11が用いられ、この積層シート11の多
孔質シート3が接着層9を介して基材20の表面に積層
されている。なお第1の積層シート11に代えて第2の
積層シート12を用い、この積層シート12の多孔質シ
ート3を接着層9を介して基材20の表面に積層するこ
とによっても本発明に係る積層シート付基材を得ること
ができる。
【0043】図7に、本発明に係る第2の積層シート付
基材を示す。この積層シート付基材22には、前記第3
の積層シート13が用いられ、この積層シート13の粘
着層7が基材20の表面に貼着されている。
【0044】図8に、本発明に係る第3の積層シート付
基材を示す。この積層シート付基材23には、前記第5
の積層シート15が用いられ、この積層シート15の微
細な通気孔5が形成されている成形フィルム41が大気
と接するようにして、積層シート15が接着層9を介し
て基材20の表面に積層されている。
【0045】以上に説明した第1ないし第3の積層シー
ト付基材の基材20としては、主として、家具および引
出しの表面に存在する板材、床材、壁材、柱材などの硬
い表面を有する基材が用いられる。
【0046】逆に基材20が、カーペット、玄関マッ
ト、布張りソファーなどの柔軟な表面を有する多孔質材
料からなる場合、前記第5の積層シート15を用いて、
その中に存在する微細な通気孔5が形成されている成形
フィルム41を接着剤で基材20の裏地に接着すること
により積層シート付基材が得られる。
【0047】図9に上記のような基材20の裏地に積層
シート15が接着層9を介して積層された第3の積層シ
ート付基材24を示す。このようにして得られたカーペ
ット、玄関マット、布張りソファーなどは、爽快な芳香
および防虫作用を有するフィトンチッドがむらなく、か
つ充分な量で長期間にわたってそれぞれの基材に浸透す
るので、基材にダニなどの害虫が寄り付くことはなく、
長期間にわたって快適に用いることができる。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、フィトンチッドの芳香を家庭、オフィスなど
の室内にむらなく、かつ充分な量で持続的に発散させる
ことができ、しかも意匠性に優れた家具の装飾板、引出
し用材、家屋の床材、壁材、柱材などが簡単かつ確実に
提供でき、さらにはダニなどの害虫が寄り付くことはな
く、長期間にわたって快適に用いることができるカーペ
ット、玄関マット、布張りソファーなどが提供できると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の積層シートを説明するため
の断面図である。
【図2】本発明に係る第2の積層シートを説明するため
の断面図である。
【図3】本発明に係る第3の積層シートを説明するため
の断面図である。
【図4】本発明に係る第4の積層シートを説明するため
の断面図である。
【図5】本発明に係る第5の積層シートを説明するため
の図面である。
【図6】本発明に係る第1の積層シート付基材を説明す
るための断面図である。
【図7】本発明に係る第2の積層シート付基材を説明す
るため断面図のである。
【図8】本発明に係る第3の積層シート付基材を説明す
るため断面図のである。
【図9】本発明に係る第4の積層シート付基材を説明す
るため断面図のである。
【符号の説明】
2…フィトンチッド、 3…多孔質シート、 4…フィルム、 5…通気孔、 6…接着層、 7…粘着層、 8…剥離フィルム、 9…接着層、 11、12、13、14、15…積層シート、 20…基材、 21、22、23、24…積層シート付基材、 41…成形フィルム、 42…塗膜。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JLE 6770−4J

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィトンチッドが含浸されている多孔質シ
    ートの片面に、フィトンチッドが大気中に放出されるよ
    うに微細な通気孔を有するフィルムが積層されてなるこ
    とを特徴とする積層シート。
  2. 【請求項2】前記多孔質シートの片面に積層されたフィ
    ルムが、塗膜である請求項1記載の積層シート。
  3. 【請求項3】前記多孔質シートの片面に微細な通気孔を
    有する成形フィルムが接着され、さらに該フィルム上に
    微細な通気孔を有する塗膜が形成されている請求項1記
    載の積層シート。
  4. 【請求項4】前記多孔質シートの片面に、粘着層が積層
    されてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    か1項に記載の積層シート。
  5. 【請求項5】前記多孔質シートの両面および周縁部が成
    形フィルムで被覆され、かつ前記多孔質シートの片面に
    存在する成形フィルムに微細な通気孔が形成されている
    請求項1記載の積層シート。
  6. 【請求項6】前記粘着層の表面が剥離フィルムで被覆さ
    れている請求項4記載の積層シート。
  7. 【請求項7】請求項1ないし5のいずれか1項に記載の
    積層シートを有することを特徴とする積層シート付基
    材。
  8. 【請求項8】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    積層シートを有し、かつ該積層シート中に存在する多孔
    質シートの露出面が接着剤層を介して基材に接着されて
    いる請求項7記載の積層シート付基材。
  9. 【請求項9】請求項4記載の積層シートを有し、かつ該
    積層シート中に存在する粘着層が基材に貼着されている
    請求項7記載の積層シート付基材。
  10. 【請求項10】請求項5記載の積層シートを有し、かつ
    該積層シート中に存在する微細な通気孔が形成されてい
    る成形フィルムが接着剤層を介して基材に接着されてい
    る請求項7記載の積層シート付基材。
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