JPH05111594A - 柔軟仕上剤などの自動投入制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔軟仕上剤などを自動投入する装置を有する
全自動洗濯機で、自動投入装置の回転時保持室より停止
時保持室へ仕上剤を移動させるときに、洗濯兼脱水槽に
ブレーキをかけて停止させずに仕上剤を移動させる。 【構成】 短いタイマーサイクルのすすぎ前までの脱水
工程中に、最長の運転時間のタイマーサイクルにおける
脱水回数より１回少ない低速の脱水運転期間を設け、か
つ、洗濯兼脱水槽の回転数を検知する回転数検知手段と
洗濯兼脱水槽の低速の脱水運転期間経過後、再度高速の
脱水運転する制御手段とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、全自動洗濯機の柔軟仕
上剤などの自動投入制御方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の洗濯兼脱水槽に配設さ
れ、該洗濯兼脱水槽の脱水回転によって生ずる遠心力に
より柔軟仕上剤などを当初保持していた停止時保持室か
ら流入させ脱水回転中は前記遠心力により側壁に保持す
る回転時保持室を有し、脱水回転が停止した際に外部に
流出もしくは次室に入り込むように構成された全自動洗
濯機の柔軟仕上剤などの投入装置にあっては、特公平３
−１７５１９号公報のものが知られており、これは標準
サイクルにてすすぎ前の脱水回数が２回設けてあるもの
に対しては、停止時保持室と回転時保持室を２組設け、
節約コースにては最終すすぎ前の脱水をその脱水期間中
すなわち脱水工程中の中間に脱水運転の休止期間を設
け、洗濯兼脱水槽の回転を一時停止させるタイムスイッ
チをプログラムしてあり、この休止期間中に柔軟仕上剤
が１組目の回転時保持室より２組目の停止時保持室に流
入する。脱水運転休止後再開される脱水回転により柔軟
仕上剤は２組目の停止時保持室より２組目の回転時保持
室へと流出し、脱水回転停止後投入器外へ流出し、すす
ぎ時に投入されることになる。

【０００３】上記の構成より、標準コースにて脱水工程
が例えば４回設けられたものであれば、停止時保持室と
回転時保持室は４組設けられることになり、節約コース
における脱水工程が仮に１回であれば脱水工程中の休止
期間は４回設けられることになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記構成において、柔
軟仕上剤などをバランサーに設けられた仕上剤などの投
入器内で、停止時保持室から回転時保持室へと仕上剤な
どを移動させるのに短いタイマーサイクルのものでも、
最長の運転時間のタイマーサイクルにおける同数の脱水
回数とするために脱水工程中に、最長の運転時間のタイ
マーサイクルにおける脱水回数と同数の休止期間を設け
ているので、その都度ブレーキ動作によるブレーキ音及
び振動が発生していた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は水槽内に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽
の上方開口端に振動抑制用のバランサーを備え、該バラ
ンサーの一部には、複数個の各々連通された室を有する
容器を設け、該容器を、洗濯、排水、すすぎ、脱水の一
連のタイマーサイクルを２種類以上実行するマイコン等
からなる制御回路部を具備した全自動洗濯機の柔軟仕上
剤などの自動投入装置とし、前記容器に仕上剤などを移
動させるための停止時保持室と回転保持室とを設け、短
いタイマーサイクルのすすぎ前までの脱水工程中に、最
長の運転時間のタイマーサイクルにおけるすすぎ前まで
の脱水回数より１回少ない休止時間を設けた柔軟仕上剤
などの自動投入制御において、前記制御回路に、前記短
いタイマーサイクルのすすぎ前までの脱水工程中に、前
記最長の運転時間タイマーサイクルにおける最終のすす
ぎ前までの，脱水回数より１回少ない超低速脱水期間を
制御する手段と、該超低速脱水期間後、所定の脱水運転
を再開させる制御手段とを設け、前記超低速脱水期間中
に柔軟仕上剤などが前記回転時保持室より停止時保持室
へと移動せしめるようにする。

【０００６】

【作用】短いタイマーサイクルの脱水工程中に超低速脱
水運転期間を設けることによって、該超低速運転時に順
次柔軟仕上剤などが前記容器ので停止時保持室から回転
時保持室へと移動する。この時、ブレーキによる脱水槽
の休止がないためブレーキ音や振動が生じることはな
い。

【０００７】

【実施例】本発明を図面に基づいて説明する。

【０００８】図１は本発明の柔軟仕上剤などの自動投入
制御方法を有する全自動洗濯機の一例を示す。

【０００９】１は外槽、２は洗濯兼脱水槽、３は水槽を
示す。洗濯兼脱水槽２に洗濯物と洗剤を入れ運転スター
トすると、給水弁４を開き給水ホース５より注水する。
一定量の水が入ると、モータ６によりプーリ７を介して
ベルト８にてパルセーター９を回転駆動することにより
洗浄を行なう。その後排水弁１０を開き排水した後、モ
ータ６により洗濯兼脱水槽２を回転させ、遠心力により
脱水する。その後注水し、すすぎを行なう。その後排
水、脱水をおこなう。

【００１０】このようにしてすすぎサイクルを数回行な
い、最後に脱水を行なう。これらを制御回路１１によっ
て自動的に行なうものであるが、前記脱水後のすすぎ時
にバランサー１２に装着した柔軟仕上剤などの投入器
（以下単に投入器と云う）。１３より仕上剤などを投入
するものである。

【００１１】１４は、プーリ８に取付けられたマグネッ
トで、該マグネット１４に対向した位置にリードスイッ
チ１５が設けられており、該マグネット１４とリードス
イッチ１５からなる回転数検知手段はプーリ８の回転す
なわちパルセーター９や洗濯兼脱水槽２の回転数をマグ
ネット１４によるリードスイッチ１５のオン・オフのパ
ルス数によって検知するものである。洗濯開始後、所定
時間、回転数を検知することによって洗濯物量を判断
し、水位や洗濯時間を決定することは周知の通りであ
る。

【００１２】図２は投入器を投入器の上ぶたを除去した
斜視図、図３は投入器を使用する際のタイマーサイクル
の一実施例図で、図Ａは一般的に汚れのひどい洗濯物を
洗ういわゆる標準コース図、図Ｂは比較的汚れの少ない
洗濯物を洗う節約コース図、図４は投入器をバランサー
に装着した状態の斜視図、図５は本発明に係るすすぎ前
の脱水工程の洗濯兼脱水槽の回転状態のタイマープログ
ラム図を示す。

【００１３】図に基づいて投入器の動作原理を説明す
る。１３は投入器、１６は仕上剤などの注入口、１７は
上ぶた、１８は柔軟仕上剤などの停止時保持室Ａ、１９
は隔壁Ａ、２０は回転時保持室Ａ、２１は停止時保持室
Ｂ、２２は流出口Ａ、２３は隔壁Ｂ、２４は回転時保持
室Ｂ、２５は流出口Ｂを示す。

【００１４】投入器１３は上ぶた１７を取付けた状態で
略平行六面体の箱体に構成し、中央に隔壁１３ａを設け
ることにより、隔壁Ａ１９、隔壁Ｂ２３により内部に前
記四室を構成する。投入器１３を洗濯兼脱水槽２のバラ
ンサー１２に装着し、自動投入装置とする。そこで上ぶ
た１７の注入口１６より柔軟仕上剤などを投入すれば柔
軟仕上剤などは停止時保持室Ａ１８に落ち溜る。洗濯中
は柔軟仕上剤などは停止時保持室Ａ１８に保持されたま
まである。

【００１５】排水をし、洗濯兼脱水槽２が遠心脱水のた
めの回転を始めると、これと同時に投入器１３も回転す
る。回転すると柔軟仕上剤などに遠心力が作用し、上方
に向って傾斜する隔壁Ａ１９に押しつけられ、隔壁Ａ１
９の傾斜面に沿って流れ、その上端部に設けた上ぶた１
７との間隙部より流出し、回転時保持室Ａ２０の後壁に
押しつけられて保持される。回転中は遠心力によりその
ままの状態を保つが、回転が停止すると、回転時保持室
Ａ２０の底部に落ちる。

【００１６】一方回転時保持室Ａ２０の底部は、停止時
保持室Ｂ２１の底部とは図に示すように段差を設け、か
つ停止時保持室に対し傾斜して形成され、隔壁１３−１
に設けた流出口Ａ２２を通じて連通してあるため、柔軟
仕上剤などは重力により回転時保持室Ａ２０から流出口
Ａ２２を通って停止時保持室Ｂ２１に流出し保持され
る。すすぎの間はそのまま保持される。

【００１７】次に脱水に入ると前記と同様に柔軟仕上剤
などは隔壁Ｂ２３上部間隙部から遠心力にて回転時保持
室Ｂ２４の後壁に押しつけられて保持される。脱水が終
り、回転が停止すると重力にて底へ落ち、底に設けた流
出口Ｂ２５から投入器外へ流出する。これにより洗濯兼
脱水槽２の中へ柔軟仕上剤などが投入されることにな
る。前記例では停止時保持室と回転時保持室とを２組用
いた例であるが、これを数組設けることにより、数回目
の脱水の後に柔軟仕上剤などを投入することが可能であ
る。

【００１８】ここで柔軟仕上剤を投入する例について述
べると、柔軟剤が最も効果を発揮するのは、最後のすす
ぎ時に投入された場合である。図６は従来のすすぎ前の
脱水工程における洗濯兼脱水槽の脱水回転状態を回転数
で表わしたものである。図７は従来のタイマーサイクル
図で図Ａは標準コース図、図Ｂは節約コース図で、図示
のように洗濯物の汚れの度合やその量によって洗濯コー
スが選べるようにプログラムされているのが一般的であ
り、各コースは洗濯、脱水回数も異なっているのが常で
ある。

【００１９】従って、従来この種の自動投入制御方法に
おいて、図７に示すように、標準サイクル（図７Ａ）に
てすすぎ前の脱水回数が設けてあるものに対しては、停
止時保持室と回転時保持室を２組設け、図６及び図７Ｂ
に示すように節約コースにては最終すすぎ前の脱水をそ
の脱水期間中すなわち脱水工程中の中間に脱水運転の休
止期間（図６中ｂで示す）を設けているので、柔軟仕上
剤などが室を移動させる時に洗濯兼脱水槽２がブレーキ
によって停止させられるのでブレーキ音や振動が発生
し、騒音の原因になっていた。

【００２０】しかしながら本発明によれば、図３および
図５に示すように節約コース（図３図Ｂ）において、最
終すすぎ前の脱水をその脱水期間中すなわち従来の図６
の脱水工程中の中間に設けられた脱水運転の休止期間
を、洗濯兼脱水槽２にブレーキをかけて休止させること
なく、超低速脱水運転期間（図５中ｂで示す）を設け、
洗濯兼脱水槽２の回転を超低速回転させるよう制御回路
のマイコンにプログラムしておくことにより、この超低
速回転期間中ｂに柔軟仕上剤が１組目の回転時保持室よ
り２組目の停止時保持室に流入する。そして超低速回転
期間後再度高速脱水回転Ｃにより柔軟仕上剤は２組目の
停止時保持室より、２組目の回転時保持室へと流出し、
脱水回転停止後投入器へ流出し、すすぎ時に投入される
ことになる。

【００２１】なお、上記超低速回転時の回転数はおおよ
そ６０ｒ．ｐ．ｍにすると効果的である。

【００２２】また、脱水運転中における超低速運転に変
速する手段としては、例えば単相誘導モータを使用する
ものにおいては、モータ自体に変速機能がないために、
ギヤ駆動による変速手段や減速手段を用いるか、または
ブレーキ制動による停止でなく、モータ６のみの停止に
よる洗濯兼脱水槽２の回転数の減衰によって超低速回転
数（約６０ｒ．ｐ．ｍ）以下になるまで回転数検知手段
で検知し、６０ｒ．ｐ．ｍ以下に達すると再度モータ６
に通電し、洗濯兼脱水槽２の回転を脱水運転の回転数ま
であげる手段が考えられる。

【００２３】一方整流子モータにおいては位相制御手段
で回転数を変えることができ、また、ＤＣブラシレスモ
ータでは固定子巻線に加える線間印加電圧パターンのオ
ン期間にパルス幅変調をかけたり、前記固定子巻線に加
える線間印加電圧のオン・オフ・デューティ比を高速回
転時のデューティ比を低速回転時のデューティ比より大
とするデューティ制御により前記モータを回転制御する
公知の方法がある。

【００２４】なお、本発明の実施例においては、標準サ
イクルにて最終すすぎ前の脱水工程が２回設けるので、
停止時保持室と回転時保持室を２組設け、そのため、節
約コースにては、最終すすぎ前の脱水をその脱水期間中
すなわち脱水工程中の中間に脱水運転の超低速運転期間
を１回設けている。しかし、標準サイクルにおいて、前
記脱水工程の回数が増えればそれと同組数の室数を投入
器に設けるため、節約コースにおいては、例えば最終す
すぎ前の脱水工程が１回であれば、その脱水期間中に、
標準サイクルの脱水回数より１回少ない超低速回転期間
を設けることになることは云うまでもない。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明を構成したので、柔
軟仕上剤などを回転時保持室より停止時保持室に流入す
る時、洗濯兼脱水槽の回転を不制動によって停止されて
いるので、従来のようにブレーキ音や振動による騒音を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の柔軟仕上剤などの自動投入制御
方法を有する全自動洗濯機の要部縦断面図である。

【図２】図２は投入器の上ぶたを除いた斜視図である。

【図３】図３は、本発明のタイマーサイクルの一実施例
図である。図Ａは汚れのひどいものを洗濯する際に使用
するいわゆる標準コース図、図Ｂは比較的汚れの少ない
洗濯物を洗ういわゆる節約コース図である。

【図４】図４は投入器をバランサーに装着した状態を示
す局部斜視図である。

【図５】図５は、本発明に係るすすぎ前の脱水工程中の
洗濯兼脱水槽の回転状態を示す図である。

【図６】図６は、従来例のすすぎ前の脱水工程中の洗濯
兼脱水槽の回転状態を示す図である。

【図７】図７は従来例のタイマーサイクル図で図Ａは標
準コース図、図Ｂは節約コース図である。

【符号の説明】

１ 外槽 ２ 洗濯兼脱水槽 ３ 水槽 ４ 給水弁 ５ 給水ホース ９ パルセータ １０ 排水弁 １２ バランサー １３ 投入器 １４ マグネット １５ リードスイッチ １６ 投入口 １７ 上ぶた １８，２１ 停止時保持室Ａ，Ｂ １９ 隔壁Ａ ２０，２４ 回転時保持室Ａ，Ｂ ２５ 流出口Ｂ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水槽内に回転自在に配設した洗濯兼脱水
   槽の上方開口端に振動抑制用のバランサーを備え、該バ
   ランサーの一部には、複数個の各々連通された室を有す
   る容器を設け、該容器を洗濯、排水、すすぎ、脱水の一
   連のタイマーサイクルを２種類以上実行するマイコン等
   からなる制御回路部を具備した全自動洗濯機の柔軟仕上
   剤などの自動投入装置とし、前記容器に仕上剤などを移
   動させるための停止時保持室と回転時保持室とを設け、
   短いタイマーサイクルのすすぎ前までの脱水工程中に、
   最長の運転時間のタイマーサイクルにおけるすすぎ前ま
   での脱水回数より１回少ない休止期間を設けた柔軟仕上
   剤などの自動投入制御方法において、 前記制御回路に、前記短いタイマーサイクルのすすぎ前
   までの所定の脱水工程中に、前記最長の運転時間のタイ
   マーサイクルにおける最終のすすぎ前までの脱水回数よ
   り１回少ない超低速脱水期間を制御する超低速回転手段
   と、該超低速脱水期間後、所定の脱水運転を再開させる
   運転手段とを設け、前記超低速脱水期間中に柔軟仕上剤
   などが前記回転時保持室から停止時保持室へと移動せし
   るめることを特徴とする柔軟仕上剤などの自動投入制御
   方法。