JPH05111516A - 座位照射外科治療システムにおける回転椅子用移動装置 - Google Patents

座位照射外科治療システムにおける回転椅子用移動装置

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JPH05111516A
JPH05111516A JP3302687A JP30268791A JPH05111516A JP H05111516 A JPH05111516 A JP H05111516A JP 3302687 A JP3302687 A JP 3302687A JP 30268791 A JP30268791 A JP 30268791A JP H05111516 A JPH05111516 A JP H05111516A
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swivel chair
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surgical treatment
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 専用移動台車が不要な座位照射外科治療シス
テムにおける回転椅子用移動装置で、回転椅子の移動と
床に対する固定とを簡単に切り換えることができる座位
照射外科治療システムにおける回転椅子用移動装置を提
供する。 【構成】 患部を中心にした垂直面内を回転しながら放
射線を照射する電子線直線加速照射装置を用いた座位照
射外科治療システム用回転椅子で、電子線直線加速照射
装置と回転椅子との回転中心を一致させるための摺動機
構と、患者が座る座部を移動させて患部の中心と回転椅
子の中心とを一致させるための摺動機構とを裁頭円錐形
の中に収容した。また、回転椅子を移動する際のキャス
ターは、回転椅子用接地ベースに取り付けられたL字型
アームと直線駆動機構とによって、開口から出没可能に
取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、患者が楽な座位のまま
放射線照射外科治療が行える電子線直線加速照射装置を
使用した座位照射外科治療システムにおける回転椅子用
移動装置に関するものである。近年、たとえば、腫瘍、
あるいは動静脈奇形等の患部(以下、本明細書では放射
線の治療対象になる患部を単に患部という)を外科手術
により治療するのではなく、x線、γ線等の電離放射線
(以下、本明細書では、治療に使用される全ての電離放
射線を単に放射線という)を照射して患部の細胞組織を
化学的に変質させる治療が進んできた。
【0002】
【従来の技術】たとえば、脳腫瘍の治療は、患者をベッ
ドに寝かせた状態で、CTスキャンにより腫瘍位置を探
し、その患部に対して放射線を照射することにより行っ
ていた。放射線は、患部以外の細胞組織も破壊するの
で、電子線直線加速照射装置を垂直面内で扇形に往復運
動を行って、放射線の照射量が患部以外の細胞に与える
影響を軽減していた。そして、電子線直線加速照射装置
からの放射線を患者の患部に対して毎日1ないし2分照
射し、これを数週間繰り返すことにより患部の細胞組織
を化学的に変質させる治療が行われていた。患部の中心
位置と直線加速照射装置の回転中心とが一致しない場合
には、放射線の照射領域を不正確にするため、患部以外
の正常な組織を損傷する恐れがある。したがって、CT
でスキャンした時の患部の位置と、電子線直線加速照射
装置が狙う放射線の照射位置とは、僅かのずれも許され
ない。そこで、本出願人は、患者の寝ているベッドを回
動する代わりに、患者の座っている椅子を回転する座位
診療システム(たとえば、特願平1−210059号)
を提案した。
【0003】図4は電子線直線加速照射装置を使用して
患者の患部に放射線を照射して座位治療を行っている状
態の説明図である。図4において、患者41は、回転椅
子42に座って電子線直線加速照射装置43から放射線
ビーム44の照射を患部45の中心に向かって受けてい
る状態を示す。この時の放射線ビーム44の照射中心で
の照射野はたとえば、直径3mm以上任意の大きさにす
ることができる。背もたれ46の角度を変えることによ
り、また頭部固定装置の固定部47の調整により、脳定
位固定リング48は、回転椅子42の所定位置に取り付
けられる。上記取り付けの調整は、患部45の中心位置
を通る鉛直線軸を中心として、等角速度で回転椅子42
を回転できるように調整する。回転椅子42の回転角速
度は、たとえば、毎秒1/2回転程度であるが、任意の
回転数にすることができる。 この場合、回転椅子42
に座る患者41は、等角速度で回るため、目が回ること
はない。また、前記電子線直線加速照射装置43の回転
中心は、前記患部45の中心位置を通る鉛直面内で、前
記患部45の中心を軸に回転するように調整される。さ
らに、長い時間患者41を疲労させずに放射線ビーム4
4の照射を可能にする顎固定装置49等が設けられてい
る。
【0004】電子線直線加速照射装置43の放射線ビー
ム44の照射角度は、図4に示すごとく、患部45の水
平面前方を0度とすると、たとえば、−45度から開始
して、図4における患者41の後方における225度の
位置までの回転を往復する。また、回転椅子42は、等
角速度で回転するため、放射線ビーム44が患部45に
照射する量は、その他の正常な細胞組織に照射する量に
比べて非常に多い。そして、前記電子線直線加速照射装
置43の回転速度を制御することによって、患部45の
中心に照射される放射線ビーム44を必要な一定量とす
ることができる。
【0005】上記のような治療に使用する電子線直線加
速照射装置の価格は、非常に高価であるから、座位照射
外科治療システム用として専有する訳にはいかない。ま
た、現在普及している電子線直線加速照射装置を使用し
た治療は、殆どベッド上で行われている。したがって、
座位照射外科治療システム用回転椅子は、移動可能にし
ておく必要がある。図5(イ)および(ロ)は座位照射
外科治療システム用回転椅子を移動する専用移動台車を
説明するための上面図と側面図である。図5において、
座位照射外科治療システム用回転椅子の専用移動台車
は、コ字型の水平支柱521と、ギヤーボックス52
2、522′527を載置する補助支柱524と、ハン
ドル等の駆動部を有する手押しフォーク529と、水平
支柱521の下部の少なくとも3ヶ所に上下動可能な状
態で設けられた懸垂支持杆548、549と、ハンドル
537の回転を軸とギャーとによって伝達し、前記懸垂
支持杆548、549を上下動する駆動機構とから構成
される。そして、上記懸垂支持杆548、549は、電
子線直線加速照射装置用回転椅子の基台に備えられた懸
垂支持孔(図示されていない)に着脱可能な形状をして
いる。電子線直線加速照射装置用回転椅子の専用移動台
車は、前記回転椅子の近傍まで運搬され、専用移動台車
の懸垂支持杆548が回転椅子の懸垂支持孔に挿入する
ように移動される。その後、前記専用移動台車の駆動
部、たとえば、ハンドル537を回転させる。このハン
ドル537の回転は、駆動軸530を介して第1ウォー
ムギャーボックス523に伝達される。第1ウォームギ
ヤーボックス523の出力軸である一次軸534の回転
は、左右に設けられたベベルギヤーボックス525、5
26の図示されていないベベルギヤーに伝達される。そ
して、当該ベベルギヤーの回転出力は、二次軸535を
介して第2および第3ウォームギヤーボックス522、
522′の図示されていないウォームギヤーに伝達され
る。したがって、たとえばハンドル537の回転によっ
て、前記専用台車の駆動軸が回動を開始すると、第1な
いし第3ウォームギヤーは、同方向および同速度で回転
を開始する。ウォームギヤーに接続されている3個の懸
垂支持杆548、549は、同時に上昇して、座位照射
外科治療システム用回転椅子を完全な水平状態で持ち上
げる。この状態で、前記専用台車は、前記回転椅子を所
望の場所に移動させることができる。そして、前記と逆
の動作を行うことによって、前記回転椅子は、所定場所
に下ろされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記座位照射外科治療
システム用回転椅子の専用移動台車は、必ずしも男性が
移動させるわけではない。たとえば、看護婦さんのよう
な非力の女性である場合が多い。また、歩行の困難な患
者は、回転椅子に座った状態でCTスキャンを行い、そ
の後、電子線直線加速照射装置のある場所に移動させら
れる場合がある。また、座位照射外科治療システム用回
転椅子は、電子線直線加速照射装置の回転中心と回転椅
子の回転中心とを患部の中心に合わすことができる精密
機器である。そのため、上記回転椅子は、水平な状態で
運搬しなければならないだけでなく、回転椅子の重量に
患者の重量も加わった状態でも運搬できるような専用移
動台車が必要であった。しかし、従来の専用移動台車
は、このように重い回転椅子をハンドルによって上下動
しなければならいので、女性が操作するのは困難であっ
た。さらに、上記専用移動台車は、上記回転椅子を運搬
する度に倉庫から持ち出され、上記回転椅子を移動した
後に、また、倉庫に収容しなくてはならないという問題
を有した。したがって、専用移動台車は、回転椅子を乗
せたり、あるいは下ろす手間、および倉庫から出した
り、あるいは倉庫に収容する手間、さらに、不使用時に
収容するための倉庫等のスペースが必要である。
【0007】本発明は、以上のような課題を解決するた
めのもので、専用移動台車が不要な座位照射外科治療シ
ステムにおける回転椅子用移動装置を提供することを目
的とする。また、本発明は、回転椅子の移動と床に対す
る固定とを簡単に切り換えることができる座位照射外科
治療システムにおける回転椅子用移動装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の座位照射外科治療システムにおける回転椅
子用移動装置は、放射線を照射する電子線直線加速照射
装置の回転中心と回転椅子の回転中心、および患者の患
部と回転椅子の中心とを一致させる機構を備えた回転椅
子の下部ベースから出没できるキャスターを備えた第1
発明および第2発明と、裁頭円錐形をした回転椅子の内
部に移動装置が収容されている第3発明との態様からな
る。
【0009】(第1発明および第2発明)第1発明の回
転椅子用移動装置は、患部を中心にした垂直面内を回転
しながら放射線を照射する電子線直線加速照射装置と、
上記患部の中心を通る鉛直線軸を中心にした水平面内を
回転する回転椅子とからなる座位照射外科治療システム
において、上記電子線直線加速照射装置の回転中心と上
記回転椅子の回転中心とを一致させるように調整するた
めにX軸方向およびY軸方向に移動できる第1および第
2の摺動機構(図1の114、115、116、12
0、132、117、137、および130、134、
135、136、124、133、123)と、上記電
子線直線加速照射装置の回転中心と患部中心とを一致さ
せるためにX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動できる
第3ないし第5の摺動機構(図2の223、224、2
25、226、232、227、および235、23
6、237、242、233、234)とを有するもの
であって、上記第1および第2の摺動機構が取り付けら
れていると共に、複数の開口(図1の112)を有する
回転椅子用接地ベース(図1の111)と、一端を前記
回転椅子用接地ベース(111)上に回動自在に軸支し
たL字型アーム(図1の151)と、一端を前記L字型
アーム(151)の他端に、他端を前記回転椅子用接地
ベース(111)上にそれぞれ回動自在に軸支した直線
駆動機構(図1の118)と、前記L字型アーム(15
1)の下端に取り付けられ、前記回転椅子用接地ベース
(111)の開口(112)から出没し得る浮上式移動
用キャスター(図1の113)とから構成される。
【0010】(第3発明)第3発明の浮上式移動用キャ
スター(113)は、裁頭円錐形をした回転椅子の下部
に出没し得るように取り付けられるように構成される。
【0011】
【作 用】
(第1発明および第2発明)電子線直線加速照射装置
は、患部を中心にした垂直面内を回転しながら放射線を
照射する。また、座位照射外科治療システムにおける回
転椅子は、上記患部の中心を通る鉛直線軸を中心にした
水平面内を回転する。そして、上記回転椅子は、その回
転中心および上記電子線直線加速照射装置の回転中心と
一致させるように調整するためのX軸方向およびY軸方
向摺動機構と、上記電子線直線加速照射装置の回転中心
と患部中心とを一致させるように調整するためのX軸方
向、Y軸方向、およびZ軸方向の摺動機構とを有する。
回転椅子用接地ベースには、上記回転椅子の摺動機構等
が取り付けられていると共に、開口が形成されている。
また、回転椅子用接地ベースには、L字型アームの一端
と直線駆動機構の他端とが回動自在に軸支されている。
また、L字型アームの他端と直線駆動機構の一端とが回
動自在に軸支されている。さらに、L字型アームの下端
部には、前記直線駆動機構によって前記回転椅子用接地
ベースの開口から出没し得る浮上式移動用キャスターが
取り付けられている。上記直線駆動機構の長さを延ばす
方向に駆動すると、L字型アームは、回転椅子用接地ベ
ースを支点として回動すると共に、L字型アームの下端
に取り付けた浮上式移動用キャスターを開口から下部に
突出させる。このような状態で、回転椅子を押すことに
よって、所望の場所に移動することができる。回転椅子
を、たとえば電子線直線加速照射装置の近傍に移動した
後、前記直線駆動機構の長さを短くする方向に駆動する
と、L字型アームは、回転椅子用接地ベースを支点とし
て、前記と逆方向に回動して、上記浮上式移動用キャス
ターを開口から内部に収容する。そして、回転椅子は、
回転椅子用接地ベースの底面と床の上面とが密着して固
定される。以上のように、直線駆動機構を伸縮するだけ
で、浮上式移動用キャスターは、回転椅子用接地ベース
の開口から出没できるため、簡単に回転椅子の移動と固
定ができるだけでなく、専用の移動台車が不要になっ
た。
【0012】(第3発明)第3発明の浮上式移動用キャ
スターは、回転椅子用接地ベースに取り付けると共に、
裁頭円錐形の回転椅子から出没できるため、外部に突出
部がなく、安全な回転を行うことができる。また、裁頭
円錐形の回転椅子は、見栄えの良い外観を有するだけで
なく、回転椅子の移動中にも、一番大径の回転椅子用接
地ベース部分がガードの役目を果たすため、回転椅子内
部の摺動機構や座部より上の部分が建物あるいは他の機
器等と直接接触するのを保護する。
【0013】
【実 施 例】図1は回転椅子の下部に当たる回転駆動
部を説明するための図である。図2は回転椅子の上部に
当たる調整部を説明するための図である。図3は回転駆
動部の上に調整部を載置した回転椅子の外観を説明する
ための図である。先ず、図1により回転駆動部100に
ついて説明する。回転駆動部100は、回転椅子用接地
ベース111と、X軸─Y軸可動フランジ121と、X
軸テーブル131とから構成されている。
【0014】回転椅子用接地ベース111には、たとえ
ば4箇所に開口112が形成されている。また、回転椅
子用接地ベース111の上には、4個の浮上式移動用キ
ャスター113と、X軸方向調整用モータ114と、軸
受115、116と、一対のX軸方向レール117(図
1では一方のレールだけが見える)とが固定されてい
る。そして、浮上式移動用キャスター113は、たとえ
ば、可動シリンダー118のような直線駆動機構のピス
トン154によってローラー119を前記開口112か
ら回転椅子用接地ベース111の外部に突出させたり、
あるいは収納することができる。すなわち、浮上式移動
用キャスター113のローラー119を回転椅子用接地
ベース111の開口112から可動シリンダー118の
ピストン154によって突出させた場合、回転駆動部1
00は、移動可能であり、ローラー119を収納させた
場合、固定されて移動不可能になる。
【0015】また、浮上式移動用キャスター113の駆
動機構は、一端を前記回転椅子用接地ベース111上の
支点152に回動自在に軸支したL字型アーム151
と、一端を前記L字型アーム151の他端に、他端を前
記回転椅子用接地ベース111上の支点153にそれぞ
れ回動自在に軸支した直線方向に駆動する可動シリンダ
ー118とから構成される。そして、浮上式移動用キャ
スター113は、前記L字型アーム151の下端に取り
付けられ、前記回転椅子用接地ベース111の開口11
2から出没し得るローラー119と、当該ローラー11
9を回動自在にする機構とから構成される。また、上記
可動シリンダー118を駆動する動力は、油圧あるいは
空気圧力のいずれでも良い。あるいは可動シリンダー1
18の代わりにリニアモータのような直線駆動機構を用
いることができる。
【0016】回転椅子を移動したい場合には、たとえば
可動シリンダー118の図示されていない駆動スイッチ
を投入してシリンダーの圧力を高めると、可動シリンダ
ー118のピストン154は、長さ方向に延びる。可動
シリンダー118のピストン154の伸長により、L字
型アーム151は、支点153を中心にして時計方向あ
るいは反時計方向に回動する。したがって、L字型アー
ム151は、下方向に回動し、L字型アーム151に取
り付けられているローラー119が、回転椅子用接地ベ
ース111の開口112から突出する。そして、回転椅
子は、回転椅子用接地ベース111の開口112から突
出したローラー119によって移動が可能になる。逆
に、回転椅子を据え付けたい場合には、可動シリンダー
118の圧力を下げる方向に図示されていない駆動スイ
ッチを投入する。L字型アーム151は、前記とは逆方
向に回動し、L字型アーム151に取り付けられている
ローラー119が回転椅子用接地ベース111の開口1
12の内部に収容される。したがって、回転椅子は、そ
の重量と底部の摩擦によって、移動不可能な状態で据え
付けられる。
【0017】X軸─Y軸可動フランジ121は、裁頭円
錐形をしており、その上部に凹部122が、また、下部
に一対の摺動凹部123(図1では一方の摺動凹部だけ
が見える)と、可動部124とが形成されている。ま
た、X軸テーブル131は、下部に可動部132と、前
記X軸方向レール117に沿って摺動する摺動凹部13
7とを、また、上部にY軸方向レール133と、軸受1
34、135と、Y軸方向調整用モータ136とが取り
付けられている。さらに、前記X軸─Y軸可動フランジ
121の凹部122には、メインモータ141が嵌合さ
れている。そして、このメインモータ141は、モータ
の回転子自体が回転する直動式のもので、その回転子に
フランジ142と電源および制御用配線を通すケーブル
用中空143とが形成されている。また、メインモータ
141は、フラット状サーボモータで、回転部分にある
回転速度検出器により回転速度を検出し、この回転速度
に基づいて図示されていない制御回路がメインモータ1
41の回転速度を一定にしている。
【0018】前記X軸方向調整用モータ114の回転軸
に接続されているネジが切られた回転軸120は、軸受
115、116によって支持されていると共に、X軸テ
ーブル131の下部に形成されているボールネジ・ナッ
ト式可動部132が回転自在に嵌合されている。したが
って、前記X軸方向調整用モータ114に接続されてい
る回転軸120は、減速機によって所定の回転数に落と
されて回転することにより、可動部132がX軸方向に
移動する。この時、後述のX軸テーブル131は、回転
椅子用接地ベース111上に設けられたX軸方向レール
117上を摺動自在に移動する。また、上記X軸方向レ
ール117は、X軸テーブル131の下部に設けられた
摺動凹部137(これらは一対あるが、図1では見えな
い)に摺動自在に嵌合されると共に、X軸方向の移動を
滑らかで正確に行うものである。
【0019】前記Y軸方向調整用モータ136の回転軸
に接続されているネジが切られた回転軸130は、軸受
134、135によって支持されていると共に、X軸─
Y軸可動フランジ121の下部に形成されているボール
ネジ・ナット式可動部124が回転自在に嵌合されてい
る。したがって、前記Y軸方向調整用モータ136に接
続されている回転軸130は、減速機によって所定の回
転数に落とされて回転することにより、可動部124が
Y軸方向に移動する。この時、X軸─Y軸可動フランジ
121は、X軸テーブル131に設けられてY軸方向レ
ール133上を摺動自在に移動する。また、上記Y軸方
向レール133は、X軸─Y軸可動フランジ121の下
部に設けられた摺動凹部123に摺動自在に嵌合される
と共に、Y軸方向の移動を滑らかで正確に行うものであ
る。
【0020】以上のような構成の回転椅子用接地ベース
111上に載置されたX軸─Y軸可動フランジ121
は、X軸方向調整用モータ114あるいはY軸方向調整
用モータ136の図示されていないたとえば、フットス
イッチ等を押圧することによりX軸およびY軸方向に微
調整が可能である。そして、これらの調整により、X軸
─Y軸可動フランジ121の凹部122に設けられたメ
インモータ141の水平面での回転中心が電子線直線加
速照射装置の回転中心と一致させられる。
【0021】次に、図2を参照しつつ調整部200につ
いて説明する。図2において、回転椅子用ベース211
には、回転駆動部100を挿入する裁頭円錐形の凹部が
形成されていると共に、患者の脚部を置く部分を残して
略裁頭円錐形をした防護カバー212が取り付けられて
いる。また、回転椅子用ベース211には、一対のZ軸
方向調整用モータ213およびZ軸方向レール214、
214′が取り付けられている。そして、Z軸方向調整
用モータ213の回転軸216は、防護カバー212に
取り付けた軸受215によって回転する。
【0022】回転椅子テーブル221は、前記Z軸方向
レール214、214′を摺動する摺動凹部222と、
たとえば図示のごとく、側部に設けられた軸受223、
224と、X軸方向調整用モータ225と、X軸方向調
整用モータ225の回転軸に接続されている回転軸22
6と、回転椅子テーブル221の上部に設けられた一対
のX軸方向レール227(図2では一方が見える)とか
ら構成されている。
【0023】X軸方向テーブル231は、下部に設けら
れた前記回転軸226に回動自在に嵌合されているたと
えば、ボールネジ・ナットからなる可動部232と、上
部に設けられたY軸方向レール233、234と、Y軸
方向調整用モータ235と、軸受236とY軸方向調整
用モータ235の回転軸に接続しているねじが切られた
回転軸237とから構成される。
【0024】Y軸方向テーブル241は、前記Y軸方向
レール233、234上を摺動自在に取り付けられてお
り、回動自在に嵌合されているたとえば、ボールネジ・
ナットからなる可動部242と、切欠部243とが設け
られている。そして、当該切欠部243において、たと
えばガスバネ245等を備えた上下動可能な補助リフト
244が取り付けられている。また、Y軸方向テーブル
241には、椅子座板251が取り付けられている。椅
子座板251には、座部252と、肘当て253と、フ
ットアップ用クッション254とが取り付けられてい
る。さらに、椅子座板251の後部には、背もたれ26
1が上下動可能な状態で取り付けられている。背もたれ
261には、前後およびアオリ機構付背当て262と、
ショルダーガード263と、座高調整用モータ264
と、軸受265と、前記座高調整用モータ264に接続
されている回転軸266と、Z軸方向摺動部267、Y
軸方向止めナット268、脳定位固定リング調整部26
9とが取り付けられている。また、脳定位固定リング調
整部269には、脳定位固定用リング271が取り付け
られている。
【0025】図1に示す回転椅子用接地ベース111の
凹部122に取り付けられているメインモータ141の
フランジ142と調整部200の回転椅子用ベース21
1とが接続される。そして、回転椅子テーブル221に
取り付けたX軸方向調整用モータ225を図示されてい
ないたとえば、フットスイッチ等の押圧によって所定時
間回転させることにより、可動部232と一体になって
いるX軸方向テーブル231は、X軸方向レール227
上をX軸方向に摺動する。同様にして、Y軸方向調整用
モータ235を所定時間回転させることにより、可動部
242と一体になっているY軸方向テーブル241は、
Y軸方向レール233、234上をY軸方向に摺動す
る。さらに、回転椅子用ベース211に取り付けられた
Z軸方向調整用モータ213を、図示されていないフッ
トスイッチ等の押圧により、所定時間回転させることに
より、回転椅子テーブル221は、一対のZ軸方向レー
ル214、214′に沿って上下動する。
【0026】背もたれ261は、患者が座部252に座
った後、患者の座高に合わせて座高調整用モータ264
を回転させる。前後およびアオリ機構付背当て262を
患者の背中の傾斜に合わす。脳定位固定リング271と
患者の患部との位置関係は、CTスキャン等によって予
め決められているので、脳定位固定リング271におけ
る患部中心が調整部200の略回転中心となるように、
調整部200のX軸方向調整用モータ225、Y軸方向
調整用モータ235、Z軸方向調整用モータ213、Z
軸方向摺動部267、Y軸方向止めナット268、脳定
位固定リング調整部269等を調整しておく。
【0027】次に、座位照射外科治療システムについて
説明する。先ず、回転椅子300は、電子線直線加速照
射装置の下部に運搬される。この時、回転駆動部100
の浮上式移動用キャスター113は、下部に突出され
て、回転椅子300の移動を容易にする。回転椅子30
0が所定位置に移動した後、前記浮上式移動用キャスタ
ー113は、回転椅子用接地ベース111の開口112
内に収納されると、回転椅子300は、その位置に固定
される。次に、電子線直線加速照射装置の鉛直面内での
回転中心と回転椅子300の水平面内での回転中心とを
一致させるために、回転駆動部100のX軸方向調整用
モータ114とY軸方向調整用モータ136とを図示さ
れていないフットスイッチ等の押圧で所望時間回転させ
ることにより、回転椅子300の回転中心を移動させ
る。一方、脳定位固定リング271は、患者の頭蓋骨に
図示されていないピンによって固定され、CTスキャン
等によって、脳定位固定リング271と患部中心との位
置関係が決定される。この脳定位固定リング271と患
部中心との位置関係が決定された後、疑似脳定位固定リ
ングが回転椅子300に取り付けられ、前述のごとく、
回転椅子300の水平面内での回転中心と電子線直線加
速照射装置の鉛直面内での回転中心とを略一致させるよ
うな調整を行う。その後、脳定位固定リング271を付
けた患者は、回転椅子300に座る。この時、患部中心
と回転椅子300の中心とが一致しない場合がある。こ
のような場合、患部中心を無理に回転椅子300の中心
に移動させると、患者は、不自然な姿勢で長時間治療を
受けることになる。患者を楽な姿勢で回転椅子300の
回転中心に移動させるために、調整部200のX軸方向
調整用モータ225、Y軸方向調整用モータ235、Z
軸方向調整用モータ213を図示されていないフットス
イッチ等の押圧により回転させる。このようにして、水
平面内において、回転椅子300の回転中心と、患者の
患部中心とが一致すると共に、鉛直面内で電子線直線加
速照射装置の回転中心とも一致する。
【0028】電子線直線加速照射装置43の放射線照射
角度は、図4に示すごとく、患部45の水平面前方を0
度とすると、たとえば、−45度から開始して図4に示
す後方の225度の位置まで回転する。この回転角度は
さらに広げて、全角で300度程度にすることもでき
る。しかし、回転椅子42は、等角速度で回転するため
図4に示す後方まで回転する必要はなく、−45度から
開始し90度で終了しても同じである。この時の回転椅
子42の周速度は、患部45の中心位置を通る鉛直線軸
に1番遠い図4に示す0度付近で速く、前記軸の真上で
は1番遅くなる。したがって、患部45の中心位置の放
射線ビーム44を単位時間当たりに同じ分量照射するた
めには、電子線直線加速照射装置43の回転速度を患部
45の中心位置を通る鉛直線軸に1番遠い図4に示す0
度付近で遅く、前記軸の真上では速くする必要がある。
そして、電子線直線加速照射装置43の回転速度を三角
関数に基づいて制御するのが良い。この速度制御は、コ
ンピュータを使用して行うこともできるが、全角で13
5度の間を30分ないし40分かけて移動する程度の速
度であるから、この区間をたとえば、6等分程度に分け
て速度を少しずつ段階的に変えることもできる。このよ
うに電子線直線加速照射装置43の回転速度を制御する
と、患部45の中心に照射される放射線ビーム44の量
は一定になる。また、電子線直線加速照射装置43の回
転は、放射線の照射量を一番多くしたい図4に示す0度
を中心にして、除々に回転の振幅を増加させる往復運動
を行なわせることができる。この場合、0度付近は、電
子線直線加速照射装置43の照射回数が多く、図4に示
す90度付近は照射回数が少ない。このようにして、患
部に対する放射線の照射量を調整するが、電子線直線加
速照射装置43の速度は、頭部に対する線量分布を計算
することによってコントロールできる。
【0029】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、
特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することがな
ければ、種々の設計変更を行うことが可能である。たと
えば、L型アームの形状、あるいはキャスターの構造
は、同等の作用を行うものであれば、変形したものも含
むことは言うまでもない。また、回転椅子の形状である
裁頭円錐形は、必ずしも幾何学的な裁頭円錐形だけに限
定されることなく、変形したものも含むことは言うまで
もない。さらに、直線駆動機構は、同等の作用を行うも
のであれば、実施例に挙げたもの以外に代えることがで
きる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、座位照射外科治療シス
テムにおける回転椅子用移動装置は、簡単な構造の浮上
式移動用キャスターによって、移動と固定とを容易に行
うことができる。本発明によれば、裁頭円錐形をした回
転椅子の内部に前記浮上式移動用キャスターを収容した
ので、移動装置を備えているにもかかわらず、回転椅子
が小型でしかも外観の見栄えが良い。また、摺動機構お
よび浮上式移動用キャスターを裁頭円錐形をした部分内
に収容すると共に、回転椅子の最下端を一番大径にした
から、この部分がガードになって、回転椅子の上部を保
護する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回転椅子の下部に当たる回転駆動部を説明す
るための図である。
【図2】 回転椅子の上部に当たる調整部を説明するた
めの図である。
【図3】 回転駆動部の上に調整部を載置した回転椅子
の外観を説明するための図である。
【図4】 電子線直線加速照射装置を使用して患者の患
部に放射線を照射して座位治療を行っている状態の説明
図である。
【図5】 図5(イ)および(ロ)は座位照射外科治療
システム用回転椅子を移動する専用移動台車を説明する
ための上面図と側面図である。
【符号の説明】
100・・・回転駆動部 222・・
・摺動凹部 200・・・調整部 223・・
・軸受 300・・・回転椅子 224・・
・軸受 111・・・回転椅子用接地ベース 225・・・X軸方向調整用モー 112・・・開口 タ 113・・・浮上式移動用キャスター 226・・
・回転軸 114・・・X軸方向調整用モータ 227・・
・X軸方向レール 115・・・軸受 231・・
・X軸方向テーブル 116・・・軸受 232・・
・可動部 117・・・X軸方向レール 233・・
・Y軸方向レール 118・・・可動シリンダー 234・・
・Y軸方向レール 119・・・ローラー 235・・・Y軸方向調整用モー 120・・・回転軸 タ 121・・・X軸─Y軸可動フランジ 236・・
・軸受 122・・・凹部 237・・
・回転軸 123・・・摺動凹部 241・・
・Y軸方向テーブル 124・・・可動部 242・・
・可動部 130・・・回転軸 243・・
・切欠部 131・・・X軸テーブル 244・・
・補助リフト 132・・・可動部 245・・
・ガスバネ 133・・・Y軸方向レール 251・・
・椅子座板 134・・・軸受 252・・
・座部 135・・・軸受 253・・
・肘当て 136・・・Y軸方向調整用モータ 254・・・フットアップ用クッ 137・・・摺動凹部 ション 141・・・メインモータ 261・・
・背もたれ 142・・・フランジ 262・・・前後およびアオリ 143・・・ケーブル用中空 機構付背当て 151・・・L字型アーム 263・・
・ショルダーガード 152、153・・・支点 264・・
・座高調整用モータ 154・・・ピストン 265・・
・軸受 211・・・回転椅子用べース 266・・
・回転軸 212・・・防護カバー 267・・
・Z軸方向摺動部 213・・・Z軸方向調整用モー 268・・・Y軸方向止めナット タ 269・・・脳定位固定リング調 214・・・Z軸方向レール 整部 215・・・軸受 271・・
・脳定位固定リング 216・・・回転軸 221・・・回転椅子テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61N 5/10 F 8119−4C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患部を中心にした垂直面内を回転しなが
    ら放射線を照射する電子線直線加速照射装置と、上記患
    部の中心を通る鉛直線軸を中心にした水平面内を回転す
    る回転椅子とからなる座位照射外科治療システムであっ
    て、 上記電子線直線加速照射装置の回転中心と上記回転椅子
    の回転中心とを一致させるように調整するためにX軸方
    向およびY軸方向に移動できる第1および第2の摺動機
    構と、 上記電子線直線加速照射装置の回転中心と患部中心とを
    一致させるためにX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動
    できる第3ないし第5の摺動機構とを有する回転椅子か
    らなる座位照射外科治療システムにおける回転椅子用移
    動装置において、 上記第1および第2の摺動機構が取り付けられていると
    共に、複数の開口を有する回転椅子用接地ベースと、 前記開口から出没自在に取り付けられた浮上式移動用キ
    ャスターと、を備えたことを特徴とする座位照射外科治
    療システムにおける回転椅子用移動装置。
  2. 【請求項2】 前記回転椅子用接地ベース上に取り付け
    られた浮上式移動用キャスターは、一端を前記回転椅子
    用接地ベース上に回動自在に軸支したL字型アームと、 一端を前記L字型アームの他端に、他端を前記回転椅子
    用接地ベース上にそれぞれ回動自在に軸支した直線駆動
    機構と、 前記L字型アームの下端に取り付けられ、前記回転椅子
    用接地ベースの開口から出没し得るキャスターと、 を備えたことを特徴とする請求項1の座位照射外科治療
    システムにおける回転椅子用移動装置。
  3. 【請求項3】 前記回転椅子用接地ベース上に取り付け
    られた浮上式移動用キャスターは、裁頭円錐形をした回
    転椅子の下部に出没し得るように取り付けられているこ
    とを特徴とする請求項1の座位照射外科治療システムに
    おける回転椅子用移動装置。
JP3302687A 1991-10-23 1991-10-23 座位照射外科治療システムにおける回転椅子用移動装置 Granted JPH05111516A (ja)

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JPH0585185B2 JPH0585185B2 (ja) 1993-12-06

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0772800A (ja) * 1993-07-08 1995-03-17 Higano:Kk 移動型支持台
EP1524012A1 (de) * 2000-05-26 2005-04-20 Gesellschaft für Schwerionenforschung mbH Vorrichtung zum Plazieren eines Patienten mit einem Tumor im Kopf-Halsbereich in einem Schwerionentherapieraum

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JP2672067B2 (ja) * 1993-07-08 1997-11-05 株式会社ヒガノ 移動型支持台
EP1524012A1 (de) * 2000-05-26 2005-04-20 Gesellschaft für Schwerionenforschung mbH Vorrichtung zum Plazieren eines Patienten mit einem Tumor im Kopf-Halsbereich in einem Schwerionentherapieraum

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