JPH05107096A - 流量変化判別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用中のガス器具の流量増加／減少かあるい
はガス器具の点火／消火かを正確に変化流量の大きさと
流量変化が継続した時間長の２つの情報から判定でき、
流量変化したガス器具を特定できるガスメータ等に使用
する流量変化判別装置に関する。 【構成】 流体の流量を計測する計測手段１と、計測手
段からの信号が変化したかどうかを検出する検出手段４
と、検出手段からの信号により流量変化継続時間を計測
する継続時間計測手段８と、前記検出手段４からの変化
流量と前記継続時間計測手段８からの流量変化継続時間
により流量変化がどのような事象により生じたかを推定
する。個別流量推定手段５とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス等の流量を監視し
流量変化の仕方により今どの様なガス器具が使われてい
るかを推定し、ガス器具が異常な使われ方をしていると
判断される時にはガスを遮断するように構成した、いわ
ゆるマイコンメータと呼ばれるガスメータ等に内蔵され
る流量変化判別装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の流量変化判別装置について膜式ガ
スメータに用いた例を図３、図４に示し説明する。図３
は膜式ガスメータが家庭に取り付けられガス器具と接続
されている様子を示したガス配管図である。図３におい
て１０１は家屋、１０２は膜式ガスメータ、１０３は１
次側ガス配管、１０４は２次側ガス配管、１０５はガス
ファンヒータ、１０６はガステーブル、１０７は風呂
釜、１０８は給湯器である。膜式ガスメータ１０２では
２次側配管１０４に接続されているガス器具１０５〜１
０８で使用されたガス流量の積算値を表示すると共に、
各ガス器具１０５〜１０８でのガス使用状況を監視し危
険なガス使用状況を発見すると膜式ガスメータ１０２に
内蔵されたガス遮断弁を動作させてガスを遮断する。

【０００３】図４は膜式ガスメータ１０２の機能を説明
したブロック図である。膜式ガスメータ１０２は特願平
２−２４０７９１号の明細書に示す“ガス器具判別装
置”の機能を内蔵している。同図において１１は膜式ガ
スメータ１０２の膜が一往復するのに連動して一回転す
る円盤、１２は円盤１１上に配置された複数の磁石、１
３は円盤１１の近くに固定配置され磁界の変化を検出す
る磁気抵抗素子、１４は磁気抵抗素子１３の出力変化を
計数し流量値に換算するパルスカウント手段である。そ
して前記円盤１１からパルスカウント手段１４で構成さ
れるが流量計測手段１である。２は積算手段、３は流量
計測手段１からの流量値をある単位時間毎に順次記憶し
ていく記憶手段、４は流量変化検出手段であり、ガスメ
ータ１０２を流れる流量変化を検出する。５は個別流量
推定手段であり、前記流量変化検出手段４の出力を用い
て現在使われているガス器具毎の流量を推定する。以上
前記符号１、３、４、５で示すもので構成される装置が
流量変化判別装置１０である。安全手段６はこの流量変
化判別装置１０からの情報によりガスの消し忘れ等のガ
スの異常な使われ方をしていると推定される時にガスを
遮断するように構成されている。器具別積算手段７では
流量変化判別装置１０からの情報により器具毎に使用流
量を積算表示する。

【０００４】さて上記構成の流量変化判別装置１０の動
作について図３及び図４を参照しながら説明する。なお
ガス器具の使用状況としては最初ガスファンヒータ１０
５が２０００ワット、給湯器１０８が１５０００ワット
で使用されており、この状態から給湯器１０８の流量が
比例制御され２０００ワット減少して１３０００ワット
になった場合を考える。

【０００５】図５は給湯器１０８が比例制御により２０
００ワット減少した場合の流量変化の仕方と流量計測手
段１での流量計測タイミングについて示した流量パター
ン図である。流量検出手段４は記憶手段３に記憶されて
いる。過去の流量値と現在の流量値から一連の流量変化
を検出するように構成されている。流量変化検出手段４
の具体的動作を説明するフローチャートを図６に示し、
図５及び図６を参照しながら流量変化検出手段４の動作
について説明する。図５においてＱ_i は現在の単位時間
における流量値、Ｑ_i+1 は一つ後の単位時間における流
量値、Ｑ_i-1 は一つ前の単位時間における流量値、Ｑ
_i-2 、Ｑ_i-3 、はそれぞれ２つ前、３つ前の単位時間に
おける流量値、ΔＱ＝Ｑ_i −Ｑ_i-1 、ΔＱ_total は同一
の流量変化の総合の積算値である。図６に示すように流
量検出手段４は、ステップ４１において流量変化信号Δ
Ｑがあるかどうかを判定する。ΔＱがあればステップ４
２においてΔＱと過去の変化履歴であるΔＱｘが同一符
号であるかどうかを判定する。ΔＱとΔＱｘが同一符号
かもしくはΔＱｘが零であればステップ４３において同
一変化としてΔＱｘにΔＱを加算していく。一方ΔＱと
ΔＱｘが同一符号でなければ逆の変化が生じたことにな
りステップ４４においてΔＱ_total に前回までの変化流
量ΔＱｘを代入した後、ステップ４５においてΔＱｘに
今回の変化流量ΔＱを新たな変化として代入する。ステ
ップ４１において流量変化信号ΔＱがないと判定すれ
ば、ステップ４６においてΔＱｘが零かどうかを判定す
る。ΔＱｘが零ということは前回まで流量変化がなかっ
たことを意味する。そして今回も流量変化がないため何
もしないで次の時間の流量変化判定のためにステップ４
１に戻る。もしステップ４６でΔＱｘが零でなければ前
回までの変化が終了したとしてステップ４７においてΔ
Ｑ_total にΔＱｘを代入した後、ステップ４８において
ΔＱｘに零を代入する。このようにして給湯器１０８の
２０００ワットの減少はΔＱ_total として認識される。
次に個別流量推定手段５の動作について説明する。図７
は個別流量推定手段５の動作をフローチャートにしたも
のである。まずステップ５１において現在２０００ワッ
トで使用中のガス器具であるガスファンヒータ１０５が
消された可能性及び１５０００ワットで使用中の給湯器
が２０００ワット流量が減少して１３０００ワットにな
った可能性をそれぞれ計算する。可能性の計算方法はそ
れぞれのガス器具のガス使用流量域と使用される可能性
の関係をあらわす関数や変化前の各ガス器具の使用流量
値と変化流量値の比を用いてそれぞれのガス器具の変化
の可能性を計算する（特願平２−２４０７９１号のガス
器具判別装置に具体的計算方法を示している）。従来例
に示す２０００ワットの流量減少は流量変化前のガスフ
ァンヒータ１０５の使用流量である２０００ワットと一
致するためガスファンヒータ１０５が消された可能性が
非常に強いとして可能性１と計算される。次にステップ
５２においてガス器具１０５〜１０８のうちのどのガス
器具の変化の可能性が大きいか可能性の大きさを比較す
る。そしてステップ５３で最も大きな可能性を有するガ
ス器具の変化であると２０００ワットの変化を推定す
る。すなわち可能性１であるガスファンヒータ１０５が
消されたと推定されたこととなる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のごとく従来の構
成では、変化流量値の大きさΔＱ_total と各ガス器具１
０５〜１０８の流量値の大きさの特徴を比較して流量変
化器具を推定しているため上記の従来例で説明したごと
く使用中のガスファンヒータの使用流量と等しい流量変
化が給湯器の比例制御によって生じると給湯器の流量減
少をガスファンヒータが消されたものとして推定してし
まうという課題があった。

【０００７】本発明は上記課題を解決するもので、正確
に流量変化を起こしたガス器具を推定することを目的と
したものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の流量変化判別装置は、流体の流量を計測す
る流量計測手段と、前記流量計測手段からの信号が変化
したかどうかを検出する流量変化検出手段と、前記流量
変化検出手段からの信号により流量変化継続時間を計測
する流量変化継続時間計測手段と、前記流量変化検出手
段からの変化流量と前記流量変化継続時間計測手段から
の流量変化継続時間により流量変化がどのような事象に
より生じたかを推定する個別流量推定手段とを備えたも
のである。

【０００９】

【作用】本発明は上記構成によって、給湯器１０８等の
比例制御のガス器具の流量が使用中に流量変化したの
か、あるいは別のガス器具が点火もしくは消火されたの
かを正確に識別できることとなる。

【００１０】

【実施例】以下本発明の実施例を図１を参照して説明す
る。なお上記従来例と同一部分に同一符号を付与してい
る。図１において、１は流量計測手段、２は積算手段、
３は記憶手段、４は流量変化検出手段、５は個別流量推
定手段、６は安全手段、７は器具別積算手段、８は流量
変化継続時間計測手段である。１１は膜式ガスメータ１
０２において膜の運動と連動して回転する円盤、１２は
円盤１１上の外周に８個等間隔に配置された磁石、１３
は円盤１１の近くに固定して配置され円盤１１の回転に
よって生じる磁界の変化を検出する磁気抵抗素子、１４
は前記磁界の変化に対応して磁気抵抗素子１３から出力
する信号の変化回数を計数するパルスカウント手段であ
る。上記１１〜１４の符号で示す手段をもって流量計測
手段１が成り立っている。そして本発明の流量変化判別
装置１０は上記した１、３、４、５、８の符号で示す手
段から構成されている。ガス器具の使用状況としては図
３に示す従来例と同様、最初ガスファンヒータ１０５が
２０００ワット、給湯器１０８が１５００ワットで使用
されており、この状態から給湯器１０８の流量が比例制
御され２０００ワット減少して１３０００ワットになっ
た場合を考える。図５は給湯器１０８が比例制御により
２０００ワット減少した場合の流量変化の仕方と流量計
測手段１での流量計測タイミングについて示した流量パ
ターン図である。給湯器１０８等が比例制御により流量
が変化する場合には図５に示すごとく流量変化が複数の
計測単位にわたってゆるやかに変化する。一方、ガスフ
ァンヒータ１０５等のガス器具が消火あるいは点火され
る時は流量変化の立ち下がりあるいは立ち上がりは急峻
であり少ない計測単位の間で流量変化が終了する。本発
明はこのようなガス器具の流量変化の特徴を用いて正確
にガス器具の流量変化を推定する構成になっている。

【００１１】図１及び図５を参照しながら本実施例の動
作を説明する。流量変化検出手段４において流量変化量
ΔＱ_total が検出される。さらに流量変化検出手段４で
は流量が変化し始めたＱ_i-2 の計測時間に流量変化継続
時間計測手段８に流量変化の開始を告げる信号を送出す
る。そして流量変化検出手段４から流量変化が終了した
と確認できるＱ_i+1 の計測時間に流量変化継続時間計測
手段８に対して流量変化終了を知らせる信号が送出され
る。そして流量変化継続時間計測手段８では流量変化の
開始から終了までの時間を計測しΔＴとして次段の個別
流量推定手段５に出力する。個別流量推定手段５では流
量変化検出手段４からの流量変化の大きさΔＱ_total と
流量変化継続時間計測手段８からの流量変化の継続時間
ΔＴの２つの情報を用いて流量変化がどのガス器具であ
るかを推定する。

【００１２】図２に個別流量推定手段８の動作を説明す
るフローチャートを示し、同図を参照しながら説明す
る。ステップ５４、５５で流量変化の大きさΔＱ_total
を用いてどのガス器具の変化の可能性が大きいかを計算
する。ステップ５４では使用中のガス器具の流量が増加
または減少した可能性について計算しその計算結果をレ
ジスタＡｎに代入する。ここで添え字ｎはレジスタ番号
でありガス器具の識別番号を表す。ステップ５５ではガ
ス器具の点火または消火の可能性について計算しその結
果をレジスタＢｎに代入する。ステップ５６では流量変
化継続時間ΔＴをもちいて流量変化がゆるやかか急峻か
を判定する。変化がゆるやかであればステップ５７にお
いて係数Ｋ１＝１，Ｋ２＝ｘ（ｘ＜１のあらかじめ定め
られた定数）とする。もしステップ５６において変化が
急峻であれば係数Ｋ１＝ｘ、Ｋ２＝１とする。そしてス
テップ５９でステップ５４及びステップ５５で計算した
それぞれのガス器具の流量変化の可能性を係数Ｋ１，Ｋ
２により補正する。すなわちレジスタＡｎに係数Ｋ１を
乗じ、レジスタＢｎに係数Ｋ２を乗じる。この作用によ
り例えば流量変化がゆるやかな場合にはどのような事象
で、つまりガス器具の点火あるいは消火の可能性は小さ
な値になり、そして給湯器１０８等が比例制御により流
量が変化したような流量増加または減少の可能性の方が
大きな値となる。ステップ６０でレジスタＡｎ、レジス
タＢｎの値の中で一番大きいものが選ばれ、ステップ６
１ではステップ６０で選ばれたレジスタ番号ｎに対応す
るガス器具の流量変化であると推定する。従って図４に
示す例の場合には、給湯器１０８の比例制御によるゆる
やかな流量変化の可能性の方がガスファンヒータが消火
された可能性より大きいと計算されその結果、給湯器１
０８の流量減少である、と推定されることとなる。

【００１３】上記構成において、流量変化判別装置は、
流量変化がゆるやかか急峻かにより使用中のガス器具の
流量が増加または減少したのかあるいはガス器具が点火
または消火されたのかどちらの可能性の方が大きいか可
能性の補正を行うように作用し、より正確にどのガス器
具の流量変化かを推定することができるという効果があ
る。

【００１４】なお図１の本実施例では流量計測手段１と
して膜式ガスメータを例に説明したが、例えばフルイデ
ィック素子を用いたいわゆるフルイディックガスメータ
であってもかまわない。もちろんガスメータだけにこだ
わるものでもなく流体の流量を計測する計測手段であれ
ばよい。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明の流量変化判
別装置によれば、流量変化がゆるやかか、急峻かにより
使用中の機器の判別、例えばガス器具の流量が増加また
は減少したのかあるいはガス器具が点火または消火され
たのかどちらかの可能性の方が大きいか可能性の補正を
行うように作用し、より正確にどのガス器具の流量変化
かを推定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における流量変化判別装置の
ブロック図

【図２】同装置の個別流量推定手段５の動作を説明する
フローチャート

【図３】家庭におけるガス配管図

【図４】従来の流量変化判別装置のブロック図

【図５】流量変化パターンの一例を示すパターン図

【図６】従来例の流量変化検出手段４の動作を説明する
フローチャート

【図７】従来例の個別流量推定手段５の動作を説明する
フローチャート

【符号の説明】

１ 流量計測手段 ２ 積算手段 ３ 記憶手段 ４ 流量変化検出手段 ５ 個別流量推定手段 ６ 安全手段 ７ 器具別積算手段 ８ 流量変化継続時間計測手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】流体の流量を計測する流量計測手段と、前
   記流量計測手段からの信号が変化したかどうかを検出す
   る流量変化検出手段と、前記流量変化検出手段からの信
   号により流量変化継続時間を計測する流量変化継続時間
   計測手段と、前記流量変化検出手段からの変化流量と前
   記流量変化継続時間計測手段からの流量変化継続時間に
   より流量変化がどのような事象により生じたかを推定す
   る個別流量推定手段とからなる流量変化判別装置。