JPH05106638A - 転がり軸受における固体潤滑皮膜の形成方法 - Google Patents

転がり軸受における固体潤滑皮膜の形成方法

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JPH05106638A
JPH05106638A JP26984191A JP26984191A JPH05106638A JP H05106638 A JPH05106638 A JP H05106638A JP 26984191 A JP26984191 A JP 26984191A JP 26984191 A JP26984191 A JP 26984191A JP H05106638 A JPH05106638 A JP H05106638A
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JP
Japan
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film
rolling
film forming
rolling bodies
lubricating
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JP26984191A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamada
博 山田
Hiromitsu Kondo
博光 近藤
Takahiro Mizutani
隆宏 水谷
Norihide Satou
則秀 佐藤
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑性、耐久性、さらには低発塵性に優れ、
しかも簡易な処理設備を用いて短時間で皮膜処理を行な
うことができる固体潤滑皮膜の形成方法を提供する。 【構成】 一方の皮膜形成部材2は回転可能なディス
ク5上に固定されており、その表面には円周溝2aが形
成されている。そして、この円周溝2aに脱脂処理を施
した複数の転動体3を配し、転動体3の上に他方の皮膜
形成部材1を載せ、上から荷重Wを付加し、両皮膜形成
部材1、2を転動体3に圧接するようにしてある。この
状態でディスク5を回転させ、転動体3と両皮膜形成部
材1、2との間に摺動を発生させると、皮膜形成部材
1、2の表面が転動体3によって削り取られ、その潤滑
粉が転動体3の表面に付着する。ディスク5を所定時間
回転させると、PTFEの潤滑皮膜が転動体3の表面の
全面に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造設備あるい
は宇宙機器等の真空中で使用される転がり軸受における
固体潤滑皮膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に転がり軸受は、内・外輪と転動体
間および転動体と保持器間にグリース等の潤滑剤を供給
し、それぞれの間に発生する滑り摩擦や転がり摩擦を減
少させ、軸受の寿命を向上させるようにしている。
【0003】ところが、転がり軸受を真空中で使用する
場合、グリース等の蒸気圧の高い潤滑剤は雰囲気中に蒸
発してしまうため使用に耐えない。また、転がり軸受を
半導体製造設備等の清浄度の高い密封真空下で使用する
場合、潤滑剤の蒸気が環境の汚染源となるため、グリー
ス等の流体潤滑剤を使用することができない。
【0004】そのため、このような環境下で使用される
転がり軸受には、蒸気圧の低い固体潤滑剤が必要にな
る。固体潤滑剤は、一般に、転動体や軌道輪の転走面な
どに皮膜処理されるが、この固体潤滑皮膜の形成方法と
して、従来よりスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法などが広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スパッタリングは、低
圧力の不活性ガス雰囲気中において発生するグロー放電
を利用して、付着させようとする物質をターゲットから
たたき出し、対面する皮膜処理物に付着させる方法で、
難蒸発物質の付着が可能である点を特徴とする。ところ
が、PTFEを固体潤滑剤として用いる場合、スパッタ
リングで皮膜処理すると、潤滑皮膜の性状に次のような
問題点が生じる。すなわち、スパッタリングでは、ター
ゲットとなるPTFE成形品の表面に高エネルギの粒子
を衝突させ、たたき出されたPTFE分子を皮膜処理物
に付着させるため、PTFE分子が必要以上に細分化さ
れ、また、たたき出されたPTFE分子の飛散する方向
も不規則になる。したがって、形成された潤滑皮膜は架
橋した非結晶組織の膜になり、そのため、PTFE本来
の潤滑性能が発揮され難く、耐久性に乏しいという問題
点がある。さらに、半導体製造設備においては、清浄度
を維持する必要から低発塵性がとくに要求されるが、ス
パッタリングによる潤滑皮膜は上述した理由から、低発
塵性が十分ではない。そして、このような傾向は、イオ
ンプレーティングを採用した潤滑皮膜にも該当する。
【0006】また、スパッタリングやイオンプレーティ
ングで皮膜処理を行なう場合、当然のことながら、真空
発生装置を中心とした複雑な装置が必要となる。さら
に、皮膜形成に要する時間は、実際の処理時間に加え、
真空排気、冷却等の時間が必要になり、すべて含める
と、たとえば2時間以上の長時間となる。
【0007】そこで、本発明の目的は、潤滑性、耐久
性、さらには低発塵性に優れ、しかも簡易な処理設備を
用いて短時間で皮膜処理を行なうことができる固体潤滑
皮膜の形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり軸受にお
ける固体潤滑皮膜の形成方法は、転がり軸受を構成する
部品のうち少なくとも転がり摩擦または滑り摩擦を生ず
る表面に、結晶性の高分子量PTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)を含む皮膜形成部材を圧接し、両者間に
摺動を与えることにより前記表面にPTFEの固体潤滑
皮膜を形成するようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用】転がり軸受を構成する部品のうち少なくとも転
がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に、結晶性の高分
子量PTFEを含む皮膜形成部材を圧接しながら両者間
に摺動を与えると、皮膜形成部材が削り取られて前記表
面に付着し、PTFEの固体潤滑皮膜が形成される。従
来のスパッタリング処理のように分子レベルでの処理を
行なわないため、結晶性の高分子量PTFEがそのまま
の性状を維持した状態で表面に付着する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0011】図1は本発明に係わる潤滑皮膜形成方法の
一実施例を示す。この実施例は、結晶性の高分子量PT
FEを含む材料で形成した2つの円盤状の皮膜形成部材
1および2を用いて、軸受構成部品である転動体3の表
面にPTFEの潤滑皮膜を形成するようにしたものであ
る。
【0012】一方の皮膜形成部材2は回転可能なディス
ク5上に固定されており、その表面には円周溝2aが形
成されている。そして、この円周溝2aに脱脂処理を施
した複数の転動体3を配し、転動体3の上に他方の皮膜
形成部材1を載せ、上から荷重Wを付加し、両皮膜形成
部材1、2を転動体3に圧接するようにしてある。この
状態でディスク5を回転させ、転動体3と両皮膜形成部
材1、2との間に摺動を発生させると、皮膜形成部材
1、2の表面が転動体3によって削り取られ、その潤滑
粉が転動体3の表面に付着する。ディスク5を所定時間
回転させると、図2に示すように、PTFEの潤滑皮膜
3aが転動体3の表面の全面に形成される。このように
して形成された潤滑皮膜3aは、皮膜形成部材1、2に
含まれる結晶性の高分子量PTFEがそのままの組織構
造・性状を維持した状態で付着したものであり、PTF
E本来の良好な摺動特性を有し、優れた潤滑性を示す。
また、皮膜形成部材1、2を転動体3の表面に圧接しな
がら皮膜処理を行なうため、潤滑皮膜3aの皮膜形成面
への密着性、均一性が高く、優れた耐久性、低発塵性を
示す。
【0013】皮膜形成部材1、2は、たとえば、結晶性
の高分子量PTFEにガラス繊維5〜40%、モリブデ
ン5〜40%を重量割合で含有させた材料で形成する。
ただし、ガラス繊維とモリブデンとの合計重量割合は、
全体の50%以下になるようにする。ここで、「結晶
性」とは、前述したスパッタリングによるPTFE潤滑
皮膜のような架橋した非結晶組織等をもたないことをい
い、「高分子量」とはPTFE材として一般に用いられ
ている程度の分子量を有することをいう。たとえば、転
がり軸受の固体潤滑剤として一般に用いられているPT
FEは、平均分子量が1×105 以上で、主に、1×1
6〜1×107程度のものが多い。
【0014】尚、皮膜処理を行なうに際し、皮膜形成部
材1、2と転動体3との摺動部分に有機溶剤、たとえば
アセトン等を添加すると潤滑皮膜3aの皮膜形成面への
密着性を一層向上させることができる。これは、摺動に
よって削り取られた皮膜形成部材1、2の潤滑粉に適度
な湿り気が付与されるため、転動体3の表面への付着性
が向上するためである。
【0015】図3は、上記方法により転動体3の表面に
潤滑皮膜3aを形成した転がり軸受(軸受Aとする。)
と、従来のスパッタリングにより転動体の表面にPTF
E潤滑皮膜を形成した転がり軸受(軸受Bとする。)と
について行なった寿命試験の結果を示す。軸受Aの転動
体3は、図1に示す方法において、上記組成の皮膜形成
部材1、2を用い、荷重W=2.4kgf、回転数25
0rpm下に、アセトンを添加しながら約60分間ディ
スク5を回転させて皮膜処理を行なったものである。
尚、皮膜厚さは両軸受とも0.2μm程度にしてある。
寿命試験は、軸を支承させた2個の試験軸受を室温、真
空度 10-6 Torr以下、スラスト荷重1kgf、回
転数2500rpmの条件下に回転させ、2個の試験軸
受の摩擦トルクの総和が100gcmに達した時点を寿
命として判定した。同図に示すように、軸受Aは軸受B
に比べて10倍以上の耐久性を示した。
【0016】図4は、上記軸受A、Bについて行なった
発塵試験の結果を示す。発塵試験は、2個の試験軸受を
室温、真空度 10-6 Torr以下、スラスト荷重1k
gf、回転数50rpmの条件下に回転させ、試験軸受
の直下に配置した発塵検出器により発塵を測定した。同
図に示すように、軸受Aは軸受Bに比べて1/10以下
の低発塵性を示した。
【0017】図5は、軸受構成部品である内輪10の転
走面に潤滑皮膜10aを形成する方法(同図a)、外輪
11の転走面に潤滑皮膜11aを形成する方法(同図
b)を例示したものである。これらはいずれも、結晶性
の高分子量PTFEを含む材料で形成した棒状の皮膜形
成部材12を転走面に圧接しながら、内輪10・外輪1
1を回転させ、あるいは皮膜形成部材12を転走面に沿
って回転させて皮膜処理を行なうようにしたものであ
る。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、転がり軸受を構成する
部品のうち少なくとも転がり摩擦または滑り摩擦を生ず
る表面に、結晶性の高分子量PTFEを含む皮膜形成部
材を圧接しながら両者間に摺動を与えて皮膜処理するよ
うにしたので、PTFE本来の低摩擦特性がそのまま維
持され、潤滑性に優れた固体潤滑皮膜を形成することが
できる。また、皮膜形成部材を皮膜形成面に圧接しなが
ら皮膜処理を行なうため、固体潤滑皮膜の皮膜処理面へ
の密着性・均一性がきわめて良好で、優れた耐久性、低
発塵性を示す。また、実施例に示すように、皮膜形成部
材と皮膜形成面との摺動部分にアセトン等の有機溶剤を
添加しながら皮膜処理を行なうことにより、固体潤滑皮
膜の密着性を高め、その耐久性、低発塵性を一層向上さ
せることができる。
【0019】さらに、本発明の皮膜形成方法は、従来の
スパッタリング等に比べ、簡易な設備で実施することが
でき、しかも全体の処理時間が短かく、大量生産が可能
であるため、コスト的にも有利である。
【0020】尚、本発明は転がり軸受に関するものであ
るが、例えば、半導体製造設備用ボールねじの循環ボー
ル、循環溝の表面、あるいはリンク機構の関節部等の、
転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面一般に適用する
ことができ、さらに他の種類の固体潤滑剤へも適用の余
地がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】固体潤滑皮膜を形成した転動体を示す断面図で
ある。
【図3】寿命試験の結果を示す図である。
【図4】発塵試験の結果を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す断面図である(図a
および図b)。
【符号の説明】
1 皮膜形成部材 2 皮膜形成部材 3 転動体 3a 固体潤滑皮膜 10 内輪 10a 固体潤滑皮膜 11 外輪 11a 固体潤滑皮膜 12 皮膜形成部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受を構成する部品のうち少なく
    とも転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に、結晶性
    の高分子量PTFEを含む皮膜形成部材を圧接し、両者
    間に摺動を与えることにより前記表面にPTFEの固体
    潤滑皮膜を形成するようにしたことを特徴とする転がり
    軸受における固体潤滑皮膜の形成方法。
JP26984191A 1991-10-18 1991-10-18 転がり軸受における固体潤滑皮膜の形成方法 Pending JPH05106638A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008241042A (ja) * 1996-04-25 2008-10-09 Jtekt Corp 転がり摺動部品、転がり摺動部品の製造方法、転がり摺動部品である転がり軸受の製造方法
DE112007000436T5 (de) 2006-03-08 2009-01-15 Ntn Corp. Wälzlager und Verfahren zur Herstellung desselben
US8523442B2 (en) 2010-12-03 2013-09-03 Industrial Technology Research Institute Supporting bearing

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