JP3770221B2 - 摺動部材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、摺動面に固体潤滑剤の被膜を有する摺動部材に関するものであり、特に、航空機、原子力機器、および半導体製造装置などのように、大気中における高温下、真空中における高温下、または腐食雰囲気下などの特殊な環境下で使用される滑り軸受や転がり軸受などを構成する摺動部材として好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高温、真空、および腐食雰囲気などのように、潤滑油やグリースを使用できない環境下で摺動部材を潤滑する場合には、摺動面に固体潤滑剤の被膜を設けることが行われている。
このような固体潤滑剤としては、金、銀、鉛等の軟質金属、二硫化モリブデン(MoS2 )、二硫化タングステン(WS2 )、およびグラファイトなどが用いられている。
【0003】
これらの固体潤滑剤は、使用雰囲気によって潤滑特性が異なり、銀、鉛、MoS2 、およびWS2 は、真空中において良好な潤滑特性を発揮することが知られている。そして、特にWS2 は、MoS2 と比べて酸化温度が50℃以上も高いことから、真空かつ高温下において好適に使用されるものである。
これに対して、グラファイトは大気中での潤滑特性に優れており、炭化水素系のガスを原料としてPVDやCVDにより得られるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜も、グラファイトと類似の潤滑特性を示す。特に、このDLC膜は、硬質膜でありながら大気中における摩擦係数が0.1以下と低く、さらに、耐熱性も高い(400〜500℃において使用可能)ため、有用な固体潤滑剤となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなダイヤモンドライクカーボンまたは二硫化タングステンの被膜を、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、またはM50等の鉄鋼で形成された摺動面に直接形成すると、摺動面と被膜とにおける熱膨張率の違いにより、被膜にクラックが発生して摺動面から剥離するという不具合があった。
【0005】
また、ダイヤモンドライクカーボンおよび二硫化タングステンの鉄鋼面に対する親和性があまり高くないために、このような組み合わせでは、固体潤滑剤被膜の摺動面に対する付着強度を十分に大きくすることができないことから、被膜の耐久性が不十分であるという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであり、鉄鋼で形成された摺動面と、ダイヤモンドライクカーボンまたは二硫化タングステンからなる被膜との間に、特定成分からなる中間層を設けることにより、被膜の摺動面に対する付着強度を十分に大きくして、ダイヤモンドライクカーボンまたは二硫化タングステンからなる被膜の耐久性を向上させ、摺動部材としての耐久寿命を長くし、信頼性を高くすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、鉄鋼で形成された摺動面に、ダイヤモンドライクカーボンまたは二硫化タングステンからなる固体潤滑剤被膜を有する摺動部材において、前記摺動面と固体潤滑剤被膜との間に、Si 3 N 4 からなる中間層を設けたことを特徴とする摺動部材を提供する。
【0007】
前記Si 3 N 4 からなる中間層は従来より公知の成膜手段により形成されるものであり、Si 3 N 4 をターゲットとしてスパッタリング法により形成される。
【0009】
【作用】
本発明によれば、摺動面と固体潤滑剤被膜との間に中間層を設けたことにより、前記被膜の内部ひずみを緩和できるため、被膜にクラックが発生して摺動面から剥離することを防止できる。また、この中間層をSi 3 N 4 で構成したことにより、この中間層が、ダイヤモンドライクカーボンまたは二硫化タングステンからなる固体潤滑剤被膜と、鉄鋼で形成された摺動面との接着剤として作用して、摺動面に対する固体潤滑剤の付着強度を高くできることが本発明者等の研究により確認された。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
<実施例1>
図1に示すような試験片により、摩擦・摩耗試験を行った。試験片は、次のようにして作製した。すなわち、マルテンサイト系ステンレス鋼SUS440C(焼入れ,焼戻しを施して硬さHR C58としたもの)からなる直径52mm、厚さ10mmの円板1の片面に、中間層2として、SiC、SiO2 、Siのいずれかを、図2に示す高周波マグネトロンスパッタリング装置により0.05μmの膜厚に形成し、その上に固体潤滑剤被膜3として、プラズマCVD装置でDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を表1に示す各膜厚で形成した。また、中間層2を形成しないでDLC膜を同様に形成した試験片も作製した。
【0011】
なお、図2から分かるように、この高周波マグネトロンスパッタリング装置内部には、アノード11を備えた基台12の上に被コーテイング物Wを置き、これにターゲットTを備えたカソード13が対置してある。また、外部には高周波電源14(13.56MHz)、排気システム15、Arボンベ16、真空計17等を備えている。したがって、低圧アルゴン(Ar)雰囲気中で両電極11,13間に低圧グロー放電を行わせると、発生したアルゴンイオン(Ar+ )の衝撃を受けてターゲットTから飛び出したスパッタ原子Aが被コーテイング物Wの表面に堆積する。
【0012】
試験装置としては、図3に示すような、真空中ボールオンディスク試験機40を使用した。この装置は、真空度が制御可能な真空チャンバー41内に、回転軸42が軸受43によって回転自在に支持された回転ワークテーブル44が回転自在に配設され、この回転ワークテーブル44に試験片Wを載置し、この試験片Wの上面側に試験片と同一材質の5/16インチのボール45を重り46およびバランス重り47で調節された垂直荷重0.5kgfで押下するように構成されている。そして、回転軸42が磁性流体シールユニット48を介してモータ49に連結されて、ボール45に対する滑り速度が1.5m/sとなるように回転駆動され、そのときのボール45と試験片Wとの摩擦係数すなわち接触抵抗に応じたトルクがロードセルLで検出されるようになっている。
【0013】
この真空中ボールオンディスク試験機に前述の試験片をそれぞれセットして、大気圧下で試験を行い、摩擦係数を測定するとともに、摩擦係数が0.3を超えるまでの総回転数を固体潤滑剤被膜3の寿命として測定した。結果を下記の表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
表1から分かるように、中間層がない No.1−1の試験片ではDLC膜が試験前に剥離してしまったが、 No.1−2〜1−4,1−6の各試験片では1.0×105 rev.以上の寿命となり、摺動部材として十分な寿命を備えたものとなっている。また、 No.1−5の試験片ではDLCの膜厚が0.05μmと薄いために寿命が1.0×105 rev.に達していない。
<実施例2>
実施例1と同様に、図1に示すような試験片により同様にして摩擦・磨耗試験を行った。ただし、中間層2として、SiC、SiO2 、Si3 N4 のいずれかを0.10μmの膜厚で形成し、固体潤滑剤被膜3として高周波マグネトロンスパッタリングにより二硫化タングステン(WS2 )を1.0μmの膜厚に形成した。また、真空中ボールオンディスク試験機の真空チャンバー41内の真空度を2.0×10-4Pa以下に設定し、荷重を1.0kgfに変えて試験を行った。結果を下記の表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】
表2から分かるように、中間層がない No.2−1の試験片と比較して No.2−2〜2−4の各試験片では一桁上の1.0×105 rev.以上の寿命となり、摩擦係数も小さいため、摺動部材として十分な寿命を備えたものとなっている。
<実施例3>
SUS440C(焼入れ,焼戻しにより硬さをHR C58〜61としたもの)からなる内輪および外輪と、同材質の玉に、表3に示す各膜厚のSiO2 からなる中間層を形成し、その上に二硫化タングステン(WS2 )を表3に示す各膜厚で形成してなる転動体と、材料の組成がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)80重量%,ガラス繊維15重量%,二硫化モリブデン(MoS2 )5重量%である保持器とで構成された、内径8mm、外径22mm、幅7mm、接触角30°のアンギュラ玉軸受を用いて、図4に示す真空中軸受試験装置により真空中における軸受の性能評価試験を行った。
【0018】
図4の真空中軸受試験装置50においては、真空度2×10-5Pa以下、温度を常温とした真空チャンバー51内に、水平方向に延びる回転軸52が軸受装置53で支持されて回転自在に配設され、この回転軸52に二組の試験軸受54a,54bが装着してあり、その外輪に円筒状のハウジング56が外嵌してある。ハウジング56には回動アーム57が固着してあり、この回動アーム57の先端は微小荷重変換器58に当接してある。また、前記回転軸52の端部は、磁性流体シールユニット59でシールして真空チャンバー51外に出してある。
【0019】
そして、試験軸受54a,54bに対してスプリング55により100Nのアキシャル荷重を作用させ、前記回転軸52の端部に取り付けたプーリ60を、ベルト61を介して駆動モータ62の回転軸に固定したプーリ63に連結することにより、1000rpmで回転駆動した時のハウジング56に生じるトルクが、微小荷重変換器58により検出されるようになっている。
【0020】
この真空中軸受試験装置に前述の試験用軸受をそれぞれセットして、トルクの測定を行い、トルクが5×10-3Nmになるまでの総回転数を調べてこれを寿命とした。結果を下記の表3に示す。なお、 No.3−1と3−3とについて、回転数に対するトルクの推移を調べたグラフを図5に示す。
【0021】
【表3】
【0022】
図5のグラフから分かるように、 No.3−1は1×105 rev.を少し超えた辺りでトルクが急激に高くなるのに対し、 No.3−3は1×107 rev.を超えてもトルクの変化が見られなかった。
また、表3から分かるように、 No.3−3、 No.3−5〜3−7では、総回転数が1.0×107 rev.を超えてもトルクが5×10-3Nm未満であり軸受寿命が高い。これに比べて、SiO2 のない No.3−1は寿命が二桁以上短く、 No.3−2,3−8はSiO2 の膜厚が薄すぎるためやや寿命が短くなっている。また、 No.3−4は No.3−3とSiO2 の膜厚は同じであるがWS2 の膜厚が薄すぎるため、寿命が短くなっている。
<実施例4>
実施例1と同様に、図1に示すような試験片により同様にして摩擦・磨耗試験を行った。ただし、中間層2としてはWとSとOとからなる化合物(W−S−O)を、固体潤滑剤被膜3としては二硫化タングステン(WS2 )をそれぞれ表4の各膜厚で形成した。
【0023】
中間層2と固体潤滑剤被膜3の成膜は、円板1を図2に示す高周波マグネトロンスパッタリング装置にかけ、WS2 をターゲットとし、酸素を用いた反応性スパッタリングを行うことによりW−S−O(中間層)を成膜した後に、酸素の導入を止めて通常のスパッタリングを行うことによりWS2 (固体潤滑剤被膜)を成膜することにより行った。
【0024】
反応性スパッタリングは図6のフローチャートに基づき以下のようにして行った。すなわち、装置内に試験片をセットし(S1)、装置内を真空にするための排気を行って(S2)から、アルゴンガスを導入して10-4Pa以下の圧力に保持する(S3)。その後、圧力0.93Pa、高周波電力800Wの条件でイオンボンバードを行い(S4)、まず酸素を所定流量で導入し、酸素が所定量だけ導入された後にアルゴンガスを20〜25ml/minで導入し、酸素とアルゴンとの流量比(O2 /Ar)を0.5〜60%とした(S5)状態で、圧力0.8Pa、高周波電力600Wの条件でプリスパッタを行った(S6)後、同じ条件で本スパッタを所定時間行う(S7)。
また、真空中ボールオンディスク試験機の真空チャンバー41内の真空度と荷重は実施例2と同様にした。結果を下記の表4に示す。
【0025】
【表4】
【0026】
表4から分かるように、 No.4−1〜4−3,4−8の各試験片では1.0×105 rev.以上の寿命となり、摺動部材として十分な寿命を備えたものとなっている。これに対して、中間層がない No.4−4の試験片、中間層の膜厚が薄い試験片 No.4−6、WS2 の膜厚が薄い No.4−7の試験片は寿命が1.0×105 rev.に達していない。
【0027】
なお、試験片 No.4−2,4−5はWS2 を設けていないが、 No.4−2はW−S−Oの膜厚が1.0μmで1.0×105 rev.以上の寿命となったが、 No.4−5はW−S−Oの膜厚が0.10μmであり寿命は1.1×104 rev.となって1.0×105 rev.に達していない。
これにより、WとSとOとからなる化合物自身が潤滑作用を有しており、これが所定の膜厚以上で摺動面に形成されていれば、その上にWS2 を設けなくても摺動部材として十分な寿命を備えたものになることが分かる。このことは、W−S−Oからなる膜と基板である円板(SUS440C)との界面にW,S,O,Feからなる化合物層が生じることにより、W−S−Oからなる膜と基板(SUS440C)との付着強度が高くなるためであると考えられる。
【0028】
一方、W−S−Oを1.0μmの膜厚で円板1上に形成しただけでWS2 を設けていない試験片 No.4−2と、W−S−Oを設けずに円板1上に直接WS2 を1.0μmの膜厚で形成した試験片 No.4−4とについて、XPS(X-ray photo-electronic spectroscopy ;X線光電子分光法)により、アルゴンイオンでエッチングしながら深さ方向分析を行った結果のグラフを、図7および8にそれぞれ示す。
【0029】
これらのグラフにおいて、縦軸は原子濃度、横軸はアルゴンイオンによるエッチング時間を示すが、横軸は深さに対応し、Feが立ち上がる点(図7のA、図8のB)が膜と基板である円板(SUS440C)との境界点に相当する。WS2 をSUS440Cからなる基板上に成膜した試験片 No.4−4でも、図8のグラフから分かるように、膜と基板との界面には酸素が存在している。すなわち積極的に成膜しなくてもW−S−Oの中間層が存在している。また、各グラフから分かるように、膜と基板との界面付近における酸素の原子濃度は、膜がW−S−Oである場合は約40%であり、膜がWS2 である場合は約30%である。
【0030】
この分析結果と、試験片 No.4−2(基板+W−S−O)の寿命は1.0×105 rev.に達しているが、試験片 No.4−4(基板+WS2 )の寿命は1.0×105 rev.に達していないという前記試験の結果(表4参照)とから、膜と基板との界面付近における酸素の原子濃度が約30%では、膜の基板に対する密着性が不十分であり、約40%であれば十分であることが分かる。このことから、W−S−Oからなる膜と基板(SUS440Cからなる摺動面)との界面付近における酸素の原子濃度が35%以上であれば、摺動部材として十分な寿命を達成できることが予想される。
<実施例5>
実施例1と同様に、図1に示すような試験片により同様にして摩擦・磨耗試験を行った。ただし、中間層2としてはWとSとOとからなる化合物(W−S−O)を、固体潤滑剤被膜3としてはDLCをそれぞれ表5の各膜厚で形成した。
W−S−Oの成膜は実施例4と同様に行い、DLCの成膜は実施例1と同様に行った。結果を下記の表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
表5から分かるように、 No.5−1,5−2,5−5の各試験片では1.0×105 rev.以上の寿命となり、摺動部材として十分な寿命を備えたものとなっている。これに対して、W−S−Oの薄い No.5−3の試験片、DLCの膜厚が薄い試験片 No.5−4は寿命が1.0×105 rev.に達していない。
<実施例6>
実施例3と同様のアンギュラ玉軸受を構成できる内輪、外輪、転動体(ボール)、および保持器をSUS440Cで成形し、焼入れ,焼戻しにより硬さをHR C58〜61としたものを母材とし、この母材そのままの状態のもの(表6に「×」で表示)と、この母材に実施例4と同様にしてW−S−Oからなる中間層を0.1μm形成し、さらにこの中間層の上にWS2 からなる固形潤滑剤被膜を0.5μm形成したもの(表6に「◎」で表示)、母材に直接固体潤滑剤被膜を0.5μm形成したもの(表6に「○」で表示)を、内輪、外輪、転動体、および保持器についてそれぞれ用意し、これらを表6に示す組み合わせで組み立てた軸受試験体により、実施例3と同様にして、図4に示す真空中軸受試験装置により真空中における軸受の性能評価試験を行った。その結果を表6に併せて示す。
【0033】
【表6】
【0034】
表6から分かるように、母材に中間層と固体潤滑剤被膜とが形成してある転動体を組み込んだ No.6−1〜6−3では、寿命が1.0×107 rev.またはそれ以上となった。これに対して、内外輪と保持器は母材に中間層と固体潤滑剤被膜とを形成したものであるが、転動体は母材のみである No.6−4は寿命が一桁短く、内外輪、転動体、および保持器がすべて母材に直接中間層なしで固体潤滑剤被膜を形成したものである No.6−5は寿命が二桁以上短くなった。
【0035】
以上の各実施例の結果より、寿命の点からは、DLCまたはWS2 からなる固体潤滑剤被膜の膜厚は0.5μm以上であることが、珪素、珪素化合物、またはWとSとOとからなる化合物で構成される中間層の膜厚は0.05μm以上であることが好ましいが、膜厚が1.0μmを超えると成膜時間が長くなりコストアップにつながるため、寿命とコストとを加味すると、前記固体潤滑剤被膜の膜厚の好適範囲は0.5〜1.0μm、前記中間層の膜厚の好適範囲は0.05〜1.0μmとなる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、鉄鋼で形成された摺動面に、ダイヤモンドライクカーボンまたは二硫化タングステンからなる固体潤滑剤被膜を有する摺動部材において、前記摺動面と固体潤滑剤被膜との間に、特定成分からなる中間層を設けたことにより、被膜の摺動面に対する付着強度を十分に大きくして、ダイヤモンドライクカーボンまたは二硫化タングステンからなる被膜の耐久性を向上させ、摺動部材としての耐久寿命を長くし、信頼性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を真空中ボールオンディスク試験機により評価するために作製した試験片を示す断面図である。
【図2】実施例において使用した高周波マグネトロンスパッタリング装置を示す概要図である。
【図3】真空中ボールオンディスク試験機を示す概略構成図である。
【図4】真空中軸受試験装置を示す概略構成図である。
【図5】図4の試験装置を使用した試験結果を示す、総回転数に対する動トルクの関係を示すグラフである。
【図6】実施例において行った反応性スパッタリングの手順を示すフローチャートである。
【図7】試験片 No.4−2について、XPSにより深さ方向分析を行った結果のグラフを示す。
【図8】試験片 No.4−4について、XPSにより深さ方向分析を行った結果のグラフを示す。
【符号の説明】
2 中間層
3 固体潤滑剤被膜
Claims (3)
- 鉄鋼で形成された摺動面に、ダイヤモンドライクカーボンまたは二硫化タングステンからなる固体潤滑剤被膜を有する摺動部材において、
前記摺動面と固体潤滑剤被膜との間に、Si 3 N 4 からなる中間層を設けたことを特徴とする摺動部材。 - 固体潤滑剤被膜の膜厚は0.50〜1.0μmであり、中間層の膜厚は0.05〜1.0μmである請求項1記載の摺動部材。
- 中間層はスパッタリング法で形成された請求項1または2記載の摺動部材。
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