JPH0510575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野〕 本考案は、収穫機等の茎稈引起しや搬送装置の
搬送に用いるチエーンに、茎稈引起し又は搬送用
の爪を取り付ける爪取付装置の改良に関する。

〔従来の技術〕

バインダ、コンバイン等の収穫機の茎稈引起し
や搬送に使用するチエーンに引起し又は搬送用の
爪を回動自在に取付けるに当り、チエーンの上下
両側に設けたチエーンプレート１の突出部に穿つ
た貫通孔に爪基端の取付部に設けた挿入孔を介し
てピンを挿入すると共に、このピンを爪基端の取
付部とピンとの間に装着した割ピンによつて固定
したり、或いは、実公昭53−15706号公報に記載
されているように、先端に抜止め突起を有する頭
付ピンを用いることが行われている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、割ピンによる固定方法は、割ピ
ン挿入用の孔が必要なため、加工費が高くなる一
方、割ピンの装着が面倒であるという問題があ
る。また、爪が古くなる等のために爪を交換する
必要が生じた場合に割ピンを引き抜こうとする
と、割ピンが折れたりして容易に抜けないことが
あつた。

また、抜止め突起を有する頭付ピンによる爪の
取付け方法は、ピンの抜止め突起が合成樹脂製の
爪中に圧入されているだけなので、長期使用中に
抜止め突起と爪基端との係合が緩んで抜け易くな
り、実用に適さないという問題があつた。

一方、ピンを介して引起し搬送爪をチエーンリ
ンクに装着させるに当り、ピンの中央部外周に設
けた突部をチエーンリンクの上下２つのリンク板
間に位置させることが行われている（実公昭58−
12583号公報参照）。

しかし、この例の場合は、ピンを引起し搬送爪
とチエーンリンクに嵌装させる際に、ピンの突部
が上側リンク板を貫通するので、ピンの突部又は
上側リンク板のいずれかが損傷し、ピン又はリン
クの再使用が不可能になる。

また、この例の場合は、上記のように、ピンの
突起又はリンク板のいずれかが損傷するばかりで
なく、突部がピンの長手方向を向いているので、
ピンとチエーンリンクとの接触面積が非常に小さ
い。その結果、ピンが外れ易くなるという問題が
ある。

本考案は、係る従来の欠点を克服するために考
案されたものであり、その目的は、ピンやチエー
ンプレートの再使用が可能であり、さらに、長期
使用にもかかわらずピンの抜け落ちのない茎稈引
起し又は搬送用チエーンの爪取付装置を提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本考案は、爪基端の取
付部に設けた挿入孔とチエーンプレートの突出部
に設けた挿入孔とに挿入させたピンにより、爪を
チエーンに回動自在に取付けた茎稈引起し又は搬
送用チエーンにおいて、前記ピンの外周面に、前
記挿入孔の径よりやや大径の突起部を前記ピンの
円周方向に向かつて連続的又は間欠的に配設し、
かつ突起部を、前記取付部とチエーンプレートと
の間に形成された間隔内に位置させたことを特徴
とする。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の実施例を説明する。

第１図〜第５図において、１はコンバイン用の
茎稈引起しケースなど適宜なチエーンケースに支
架されたチエーンであり、適当間隔をおいて、上
下のチエーンプレート１ａ，１ａには、貫通孔１
ｂを有する突出部１ｃが設けてある。そして、貫
通孔１ｂには、貫通筒１ｄが嵌入してある。

２は、チエーンプレート１ａの突出部１ｃに取
り付けられる合成樹脂製の引起し又は搬送用の爪
であつて、その基端の取付部２ａには、チエーン
ケースＡのガイド板３（第５図参照）に接当して
案内されるカム部２ｂ，２ｂが設けれ、その凹部
２ｅ部分に挿入孔２ｃが貫通形成されるととも
に、取付部２ａ内側には、チエーンプレート１
ａ，１ａを挿入したとき、間隔Ｈが構成できる突
起部１ｃの挿入用空間２ｄが形成されている。

４は、爪取付用のピンであつて、その形状は、
第１図及び第２図に示すように、真直な丸棒で、
挿入孔２ｃ及び貫通筒１ｄの内径よりも小径とな
し、その中程の表周面には、挿入孔２ｃの径より
稍々大径の突起部４ａが円周方向に押し出し自動
加工機によつて適数個、形成してある。

なお、突起部４ａの構成は、第３図において二
点鎖線で示すように全周を突出させても良く、ま
た、別部材を嵌合させて形成しても良い。

従つて、第１図の如く、爪２の組付けを行うと
き、ピン４の下部を挿入孔２ｃに差し込んで突起
部４ａが挿入孔２ｃの上端に至ると、ピン４を上
方からたたき込むか押し込んで、突起部４ａを間
隔Ｈ間に至らせると共に、ピン４の下部を下方の
取付部２ａの挿入孔２ｃ内に挿入する。

このようにして、ピン４の突起部４ａが、爪基
端の取付部２ａとチエーンプレートの突出部１ｃ
との間に形成された間隔Ｈに到達すると、爪取付
部の挿入孔２ｃは、爪自体の弾性によつて元の径
に復帰する一方、ピン４の突起部４ａは、ピン４
の円周方向に配設されているから、爪基端の取付
部２ａとの接触面積が大となり、長期使用におい
ても上下方向への抜けが防止される。

また、爪２の交換を要する場合は、ピン４の下
部を、上部のそれよりも下方の取付部２ａの厚さ
Ｌより長く突出するように寸法設定することによ
り、ピン４の抜く方向が容易に判別できると共
に、矢印方向にたたき込み易くなり、突起部４ａ
を、再び、上方の取付部２ａの挿入孔２ｃを通過
せしめて簡単に抜くことができる。

従つて、ピン４の再使用が可能となるものであ
る。

〔考案の効果〕

上記のように、本考案は、爪基端の取付部に設
けた挿入孔とチエーンプレートの突出部に設けた
貫通孔とに挿入させたピンの外周面に、挿入孔の
径よりやや大径の突起部をピンの円周方向に向か
つて連続的又は間欠的に配設し、かつ、突起部
を、取付部とチエーンプレートとの間に形成され
た間隔Ｈ内に位置させたので、ピンの突起部やチ
エーンプレートと突出部を損傷させることがな
く、ピンやチエーンプレートの再使用が可能にな
る。

さらに、ピンの突起部は、ピンの円周方向に配
されているから、ピンの突起部と爪基端の取付部
との接触面積が大となり、長期使用においてもピ
ンの抜け落ちを未然に防止することができる。

また、爪の搬送使用においてピンの突起部が座
金の作用も兼ねるので、爪基端取付部とチエーン
プレートとが直接、接することがなく、爪の起伏
回動が一層円滑になる利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る爪の取付状態を示す要部
の断面図、第２図はピンの斜視図、第３図はピン
の平面図、第４図は爪をチエーンに取り付けた状
態を示す斜視図、第５図は茎稈引起しケースに実
施した場合を示す断面図である。 １……チエーン、１ａ……チエーンプレート、
１ｂ……貫通孔、１ｃ……突出部、２……爪、２
ａ……取付部、２ｃ……挿入孔、４……ピン、４
ａ……突起部、Ｈ……間隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 爪基端の取付部に設けた挿入孔とチエーンプレ
   ートの突出部に設けた貫通孔とに挿入させたピン
   により、爪をチエーンに回動自在に取付けた茎稈
   引起し又は搬送用チエーンにおいて、前記ピン４
   の外周面に、前記挿入孔２ｃの径よりやや大径の
   突起部４ａを前記ピン４の円周方向に向かつて連
   続的又は間欠的に配設し、かつ突起部４ａを、前
   記取付部２ａとチエーンプレート１ａとの間に形
   成された間隔Ｈ内に位置させたことを特徴とする
   茎稈引起し又は搬送用チエーンの爪取付装置。