JPS5925058Y2 - 照明器具の吊下げ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は天板に取り付けたフックに吊下げ部材を介し
て吊り下げられる照明器具において、フックを天板に所
定方向に正確に、かつ、簡易に取り付けることができ、
しかも掛けた吊下げ部材の脱落を防止するキャップを具
備した、照明器具の吊下げ装置に関する。

一般に、天板から吊下げられる照明器具において、白熱
灯等の照明部の向きはフックの向きにより定まる。

それ故、特に、照明器具を複数個のフックに吊下げ部材
を介して吊り下げる場合には、各フックが所定の向きに
揃えられていなければ正しく吊り下げることがで゛きな
い。

そこで゛、フックは天板に所定方向に正確に取り付けら
れることが要求される。

従来の吊下げ装置において、第１図に示すフックが実用
に供されている。

このフック１はヒートンと呼ばれ、ねじ部６が天板３の
両面がらナツト４．５により締め付けられることにより
天板３に固定される。

このフック１の向きの調整は、フック部２をねじ部６を
中心に回転させ所定方向に向けることにより行われてい
る。

しかしながら、このような装置ではナツト４，５による
締着の際、フック１自体も回転してフック１の向きを一
定に保ちにくくなる。

そのため、このようなフック１を多数個使用する吊下げ
装置では、各フックを所定方向に向ける配向作業に多く
の手間を要する上に、完全な配向状態を得ることが困難
であった。

また、フック１が小さい部品であるために、ねじ部６な
どに回転止めを形設することも困難であり、そして、ナ
ツト４，５による締着の際に天板３の表面に傷がつく問
題もあり、さらにフック部２の開いた部分から吊下げ部
材が抜は落ちる問題があった。

この考案は、上述の点に鑑みフックを天板に所定方向に
正確に、かつ、簡易に取り付けることができ、しかも掛
けた吊下げ部材が脱落しない、照明器具の吊下げ装置を
提供することを目的とする。

以下、図面を参照してこの考案の実施例を説明する。

第２図はこの実施例に係る吊下げ装置を示す図であり、
同図Ａは部分断面を含む正面図、同図Ｂは同図ＡのＡ−
Ａ断面図である。

この吊下げ装置は、天板２０と、天板２０に穿設した引
掛は穴１３に所定方向に取り付けられるフック１Ｕと、
一端が照明器具に固定され、他端にてフック１０のフッ
ク部１１に吊り下げられる吊下げ部材と、フック部１１
およびフック部１１に掛けた吊下げ部材の保合部を空洞
部内に収納するキャップ３０とを有する。

フック１０は、第３図に示すように、各面が鉤形の二側
面によりＶ字形断面が形成されたフック部１１と、引掛
は穴１３にて係止する一対の係止部１５とを有し、ＳＵ
Ｐなどの弾性板材をプレス加工したものである。

係止部１５は引掛は穴１３にて係止する係止片１２を有
し、またその下部の両側には係止片１２の開放端より下
方に肩部１４が形成されている。

係止片にはフック部１１の側面上部をＵ字形に切り込み
、その切り込み部分をフック部１１の側面の外向きに開
いて形成したものである。

肩部１４はフック１０の取付は時に天板２０の下面に対
接する。

フック部１１は二側面がＶ字形をなし、かつ、矢印ａで
示す各側面の外側に向って弾性力が付勢されるように弾
性板材をプレス加工して形成される。

係止片１２も弾性板材の弾性によって矢印すで示すよう
に、Ｖ字形底部の方向で、かつ、側面を外側に開くよう
に弾性力が付勢されている。

また、フック部１１は吊下げ部材が掛けられる、一対の
鉤部１６を有する。

引掛は穴１３は天板２０を打ち抜いて得た長方形の形状
をなし、その幅は第２図Ｂに示すように係止片１２の開
放端間隔よりも狭い。

また、フック１０に加わる荷重により横方向に分力が生
じないように、フック部１１のＶ字形底部の幅Ｃを引掛
は穴１３の幅より大きく、かつ、係止片１２の開放端間
隔にほは′等しくすることが好ましい。

また、Ｖ字形底部の幅Ｃは係合端子２３ ａなどが引掛
かり得る大きさである。

さらに、係止部１５は肩部１４が天板２０に当接するま
で遊貫し得るように、引掛は穴１３の長さは係止部１５
の幅にほぼ等しくされている。

キャップ３０は上面が開口された円筒形をなし、底部に
は吊下げ部材が遊貫し得る穴３２が形成されている。

また、フック１０の取付は時にフック部１１の鉤部１６
に係止す−る突起３１が内面に形成されている。

実記３１は内面に圧接されたり、また一体に成形加工さ
れて形成される。

この突起３１は鉤部１６の先端の間隔Ｂより狭い間隔Ａ
を隔てて対向している。

このような突起３１は同一円周上の一部または全部に形
成される。

またキャップ３０には金属、樹脂などを用いる。

なお、フック部１１のＶ字形底部の角を切り落としてキ
ャップ３０の嵌入を円滑にしている。

第５図はこの考案に係る吊下げ装置に使用されるキャッ
プの他の例を示す。

このキャップ３３はＡ１などを使用した円筒状絞り加工
品であり、丸底に吊下げ部材の遊貫用穴３５が形成され
、開口部近くの周面の内側に突起が形成されるように絞
り加工されている。

引掛は穴１３は天板２０に取り付けるフック１０の配向
に応じて穿設される。

たとえば、第４図のように縦一列の配列を幾つか併設す
る場合や、また、円形の天板を用いその中心部から放射
状に配向する場合などがある。

また吊下げ部材には、同図に示すように、鎖２１．ポー
ルチェーン２２、ワイヤ２３．２４および針金２５など
が用いられ、鉤部１６に掛けられる穴部が形成された係
合部が具備されている。

この係合部は、鎖２１では鎖１個により構成され、ある
いはポールチェーン２２の上端のボールに取着され、内
部に穴部を形成する係合金具２２ａにより構成され、ま
た、ワイヤ２３を用いるときには、内部に貫通孔を有す
る係合端子２３ ａをワイヤ２３の先端に圧着し、さら
に、ワイヤ２４や針金２５の先端にリング２４ａ、２５
ａを形成して保合部が形成される。

この保合部がフック部１１より簡単に脱落しないために
は、二つの鉤部１６の先端が上記の係合部の穴部の幅よ
り大きい間隔を隔てて対向していることが好ましい。

以上の構成において、天板２０の下方から引掛は穴１３
にフック部１１を嵌挿することにより係止片１２が引掛
は穴１３に引掛かって天板２０の上面に係止し、フック
１０は所定方向に取り付けられる。

この取付けのために、まずフック部１１の両側面を矢印
ａと逆向きに押圧してその上端を接触させておき、その
接触した上端を引掛は穴１３に天板２０の下方から嵌入
していく。

この先端が嵌入するに従い、係止片１２の外側面が引掛
は穴１３に当接し、係止片１２は板材の弾性により内側
に押圧されることにより引掛は穴１３を貫通する。

さらに、貫通後係止片１２は弾性によりもとの形状に復
元され、係止片１２は引掛は穴１３の周辺の天板２０の
上面に係止し、フック１０は天板に取り付けられる。

こうしてフック１０が取り付けられると、フック部１１
は板材の弾性力を受けて引掛は穴１３に押圧され係止片
１２が引掛は穴１３に引掛った状態が保持されるから、
フック部１１に下向きの外力を受けてもフック１０は簡
単に外れないし、またその向きも変わらない。

また、フック部１１に上向きの外力を受けても、肩部１
４が天板２０の下面に当接し、フック部１１が引掛は穴
１３に過度に嵌入することが防止される。

そして、フック１０に照明器具が吊り下げられたとき、
フック部１１に鉛直方向の荷重によるモーメントが与え
られても、肩部１４が天板２０の下面に当接することに
よりフック１０の回転が抑止されフック１０の向きは変
わらない。

さらに、開口部を上にして吊下げ部材をあらかじめ穴３
２に遊着させておいたキャップ３０を上方に移動させ、
フック部１１および吊下げ部材の上記保合部を空洞部内
に収納するようにキャップ３０を嵌着させる。

前述のように、対向する突起引の間隔Ａは鉤部１６の先
端間隔Ｂより大きいことがら、鉤部１６の先端と突起引
とはシマリバメの関係にある。

それ故、突起引が鉤部１６の外側面に当接しながら上方
に移動すると、鉤部１６は弾性により内側に押圧され、
突起引は鉤部１６の上端より上に嵌入する。

この嵌入により突起引が鉤部１６に係止しキャップ３０
は下方に脱落しない。

このようにしてフック部１１に係合する吊下げ部材の保
合部が、キャップ３０により覆われると、吊下げ部材に
外力が加えられて揺動しても突起引およびキャップ３０
の内面に当接して鉤部１６から保合部が脱落することが
完全に防止される。

このように、この実施例に係る吊下げ装置では下方より
嵌挿するだけでフック１０は天板２０にワンタッチで取
り付けられるから、フックを所定の方向に揃えるための
ナツト締めなどの配向作業が不要になる。

また、キャップによって吊下げ部材の係合部と鉤部との
係合が保持されるから、掛けた吊下げ部材が脱落するこ
となく、安全に照明器具を吊下げることができる。

さらに、吊下げ部材を介して加えられる荷重の方向がフ
ック部１１の側平面にほぼ平行であるため、フック部１
１の曲げこわさが大きくなり、それ数少ない材料で照明
器具を吊下げるために十分な強度をもつフックを得るこ
とができる。

そして、このフック１０は板金プレス加工により簡単に
製作可能であることともに、メッキや塗装等の表面処理
を行うことにより照明器具の装飾の一部になり得る。

この考案に係る吊下げ装置に使用する他のフックの例を
第６図および第７図に示す。

第６図のフック４０は、フック部４１の側面上部に設け
た係合部４２が、係止片４３と係止片４３の下部に天板
の引掛は穴に嵌合する段部４４とを備えたものである。

また、このフック４０は、フック部４１の釣部４５先端
が、前記実施例と同様にキャップの内面の突起とシマリ
バメの関係を有するように形成されている。

また、第７図のフック５０は、係止片５３に対向する抜
は止め防止用抜は止め片５４を備えた係止部５２を有し
ている。

この抜は止め片５４フック部５１の側面上部に切り込み
を入れ、一端が係止片５２に対向するようにその切り込
み部分をフック部５１の上端方向に、かつ、その側面の
外側に向けて開いて形成される。

また、フック部５１の鉤部５５の先端も前記実施例と同
様にキャップ内面の突起とシマリバメの関係を有する。

これらのフック４０．５０も弾性板材をプレス加工して
形成され、フック部４１．５１はそれぞれ側面の外側方
向に弾性力が付勢されている。

天板への取付けは、フック４０または５０のフック部４
１．５１の■字形底部を天板の上方から引掛は穴に挿着
することにより行われる。

上述のように、弾性板材を鉤状のフック部と引掛は穴へ
の係止片とか゛形成されるように打ち抜きプレス加工し
、また天板に引掛は穴を形成するだけで、所定方向にフ
ックを正確に配向させることができる。

しかもその取付作業はナラ１〜締着作業などを行うこと
なく、フックを引掛は穴に嵌挿するだけの非常に簡単な
ものであるため、作業性が格段に向上する。

また、フック部に付勢された弾性力にまり係止片が確実
に引掛は穴に係止するから、フックが外力により簡単に
抜けたり外れたすせず、しかも、キャップにより掛けた
吊下げ部材の保合が保持され吊下げ部材が脱落しない吊
下げ装置が得られる。

さらにフック部は打ち抜きプレス加工によって形成され
るため、少ない材料で曲げこわさの大きいフックが得ら
れ、吊下げ装置の価格を低減できる。

以上のように、この考案によれば、簡単な構成でしかも
少ない材料で強度が十分大きく、また簡単に外れないフ
ックを有し、さらにキャップにより吊下げ部材の脱落が
完全に防止される吊下げ装置にすることができ、しかも
作業性が非常によい上にフックの配向のための調整も全
く不要であるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の吊下げ装置に用いられていたフックを示
し、第２図はこの考案の実施例である吊下げ装置を示す
図であり、同図Ａは部分断面を含む正面図、同図Ｂは同
図ＡのＡ−Ａ断面図である。 また第３図は同実施例に使用するフックを示し、同図Ａ
、 Ｂはそれぞれそのフックを示す斜視図、側面図で
あり、同図Ｃはそのフック取付時の正面図である。 第４図は同実施例において、天板に穿設した引掛は穴の
位置を示す配置図である。 第５図は、この考案に係る吊下げ装置に使用するキャッ
プの他の例を示す斜視図であり、第６図および第７図は
それぞれこの考案に係る吊下げ装置に使用するフックの
他の例を示す斜視図である。 １０、４０．５０・・・・・・フック、１１．４１．５
１・・・・・・フック部、１２．４２．５２・・・・・
・係止片、１３・・・・・・引掛は穴、１５゜４２、５
２・・・・・・係止部、１６．４５．５５・・・・・・
釣部、２０・・・・・・天板、２１．２２．２３．２４
．２５・・・・・・吊下げ部材、３０・・・・・・キャ
ップ、３１・・・・・・キャップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天板と、鉤状の二側面により形成されたＶ字形断面をな
   し、またその側面の外向きに弾性力が付勢されたフック
   部、前記天板に穿設された引掛は穴に所定方向に引掛け
   られる係止片を備え、弾性板材を打ち抜きプレス加工し
   て形成されたフックと、前記フック部に係合する係合部
   を一端に備え、また他端に照明器具が取り付けられる吊
   下げ部材と、前記フック部の各側面の鉤部先端の間隔よ
   り狭い間隔で対向した突起を内面に備え、その内面で形
   成された空洞部内に前記フック部および前記係合部を収
   納するキャップとを有する、照明器具の吊下げ゛装置。