JPH05105520A - 窒化ケイ素質焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素質焼結体の製造方法

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JPH05105520A
JPH05105520A JP3272820A JP27282091A JPH05105520A JP H05105520 A JPH05105520 A JP H05105520A JP 3272820 A JP3272820 A JP 3272820A JP 27282091 A JP27282091 A JP 27282091A JP H05105520 A JPH05105520 A JP H05105520A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高靱性でかつ1400℃強度(4点曲げ強
度)に優れ(600MPa 以上)、ガスタービンエンジン
用に使用できるSi3 4焼結体を提供する。 【構成】 平均粒径0.5μm以下で金属元素不純物総
量100ppm 以下のSi 3 4 粉末に、焼結助剤として
平均粒径0.5μm以下のSc2 3 とY2 3 の粉末
3〜8wt%と、平均粒径0.3μm以下の非晶質Si−
N−C粉末2〜15wt%とを混合して成形し、該成形体
を窒素ガス雰囲気で1500〜1800℃の温度で焼結
する窒化ケイ素質焼結体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化ケイ素質焼結体に係
る。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に、焼結助剤としてSc
2 3 2〜6wt%、Y2 3 をSc2 3 と合計して3
〜8wt%、残部を窒化珪素とする組成の粉体を成形し、
この成形体をN2 ガス中、常圧で1550〜1650℃
まで昇温し、昇温後圧力を1500〜2000気圧まで
昇圧し、さらに1900℃未満の温度にまで昇温して焼
結することを特徴とする窒化珪素焼結体の製造方法を開
示した(特願平3−12037号)。焼結助剤としてS
2 3を用いることによってβ−Si3 4 の異方性
粒子が自生し、破壊靱性が向上する効果を有するもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の窒化ケイ素焼結
体の製造方法によれば、焼結体の破壊靱性値は大きく向
上するが、高温強度は必ずしも向上せず、低強度のもの
もある。しかしながら、セラミックス製ガスタービンエ
ンジンは1350〜1400℃で使用されるので、ガス
タービンエンジン用に用いるためには1400℃で高強
度(600MPa 以上)を有する必要がある。
【0004】そこで、本発明はこのような窒化ケイ素焼
結体の高温強度を改善することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、平均粒径0.5μm以下で金属元素不純
物総量100ppm 以下のSi3 4 粉末に、焼結助剤と
して平均粒径0.5μm以下のSc2 3 とY2 3
粉末3〜8wt%と、平均粒径0.3μm以下の非晶質S
i−N−C粉末2〜15wt%とを混合して成形し、該成
形体を窒素ガス雰囲気で1500〜1800℃の温度で
焼結することを特徴とする窒化ケイ素質焼結体の製造方
法を提供する。
【0006】原料窒化ケイ素粉末は平均粒径0.5μm
以下、好ましくは0.2〜0.4μmの粉末を用いる。
粒径が小さいことによって焼結時の駆動力が大きくな
り、緻密化が達成される。しかし、粒径が0.1μmよ
り小さくなると、粉末自体が嵩高になり、焼結時の収縮
量が大きくなり、工業上有利ではない。また、原料窒化
ケイ素粉末は金属元素不純物総量が100ppm 以下、好
ましくは50ppm 以下のものを用いる。金属元素不純物
量がこれより多くなると、1400℃で焼結体が酸化し
易くなり、焼結体表面にピットが生成され、高温強度が
低下する。
【0007】焼結助剤としてのSc2 3 粉末はY2
3 と協働して液相焼結を促進し、また、耐酸化性を向上
させ、さらにβ−Si3 4 針状結晶の自生を促進する
働きがある。焼結助剤としてのY2 3 粉末は、針状晶
のβ−Si3 4 結晶を生成させると共に、そのアスペ
クト比を大きくし、焼結体の強度、破壊靱性を向上する
効果がある。
【0008】微細でアスペクト比が大きいβ−Si3
4 結晶が3次元的に絡みかつ緻密に焼結すれば、高温強
度が向上する。Sc2 3 粉末とY2 3 粉末の添加量
の合計は3〜8wt%である。3wt%未満では焼結性が低
下して微細柱状晶が生成せず、強度が低下し、8wt%よ
り多いと、粒界相が非晶質に成りやすく高温強度が低下
する。Y2 3 とSc2 3 の重量比は、79:1〜
1:7の範囲が好ましい。
【0009】本発明では、さらに非晶質Si−N−C粉
末を添加する。この粉末は、例えば、ヘキサメチルジシ
ラザンとアンモニアを1000℃でCVD反応させ、N
2 気流中1350℃で熱処理して製造される非晶質の複
合粉末であり、1500℃程度でSi3 4 とSiCに
熱分解するものである。この粒子を添加することによ
り、Si3 4 の焼結過程で粒界3重点内にSiC粒子
を生成し、これにより高温時に粒界相の軟化を防止す
る。また、SiC粒子の分散効果により、亀裂進展に対
し抵抗し、強度・破壊靱性が向上する。
【0010】このSi−N−C粒子は非晶質でないと、
活性が低いので焼結性を低下させる。非晶質Si−N−
C粒子は平均粒径0.3μm以下の粒子を用いる。粒径
が0.3μmより大きいと焼結体密度が向上しない。ま
た添加量は2〜15wt%とする。添加量が少ないと上記
の効果が得られず、一方添加量が多すぎると焼結性が低
下する。
【0011】本発明の方法における粉末混合物の成形及
び成形体の焼結は常法に従うことができる。一次成形
後、N2 雰囲気下、1500〜1800℃で焼結する。
1500℃未満では緻密に焼結せず、一方1800℃を
越えると窒化ケイ素が異常粒成長して強度が低下する。
焼結圧力は大気圧下ででもよいし、例えば10〜200
0気圧以上の範囲で加圧してもよい。
【0012】
【作用】非晶質Si−N−C粉末の添加により、焼結過
程中に微細SiCを粒界3重点に生成でき、これによっ
て、粒界相の軟化を防止し、強度低下の防止、亀裂
進展に対して抵抗となり、強度低下の防止効果を得るこ
とができる。
【0013】
【実施例】平均粒径0.2μm、金属元素不純物総量5
0ppm のSi3 4 粉末に、平均粒径0.2μmのY2
3 粉末とSc2 3 粉末と、平均粒径0.1μmの非
晶質Si−N−C粉末(加熱により生成するSiC換算
で30wt%のCを含む粉末)を、表1に示す組成になる
よう秤量し、エタノール中で均一に混合後、該混合粉末
を金型成形したのち該成形体に3t/cm2 の静水圧を負
荷させ、該成形体を1500〜1800℃の温度で焼結
した。尚、最高温度到達後に表1に示す窒素ガス圧力ま
で毎分20気圧の昇圧速度で加圧した。
【0014】得られた焼結体の強度をJIS規格に準
じ、室温と高温4点曲げ試験で測定し、その結果を表1
に示した。4点曲げ強度は各試料10本についての測定
値の平均値である。比較のために、Si3 4 粉末の純
度と、Y2 3 ,Sc2 3 粉末及び非晶質Si−N−
C粉末の組成の点で本発明以外の請求範囲の場合につい
て結果を表1に併せて示す。比較例12,13及び14
は窒化ケイ素原料粉末の金属不純物総量がそれぞれ15
0ppm ,980ppm ,5500ppm で本発明の範囲外で
ある。
【0015】
【表1】
【0016】本発明の窒化ケイ素焼結体は破壊靱性値も
優れており、実施例7の焼結体は8MPa √mを示し、従
来のAl2 3 −Y2 3 −Si3 4 にもとづく同じ
条件で作製した焼結体の6MPa √mと比べて大幅に向上
している。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、窒化ケイ素焼結体の1
400℃強度が向上し、600MPa 以上の高強度が実現
され、しかも破壊靱性値も優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.5μm以下で金属元素不純
    物総量100ppm 以下のSi3 4 粉末に、焼結助剤と
    して平均粒径0.5μm以下のSc2 3 とY2 3
    粉末3〜8wt%と、平均粒径0.3μm以下の非晶質S
    i−N−C粉末2〜15wt%とを混合して成形し、該成
    形体を窒素ガス雰囲気で1500〜1800℃の温度で
    焼結することを特徴とする窒化ケイ素質焼結体の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180097987A (ko) * 2017-02-24 2018-09-03 한국기계연구원 고열전도 질화규소 소결체의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20180097987A (ko) * 2017-02-24 2018-09-03 한국기계연구원 고열전도 질화규소 소결체의 제조방법

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