JPH05105476A - 透明導電膜とその形成方法 - Google Patents

透明導電膜とその形成方法

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JPH05105476A
JPH05105476A JP29237391A JP29237391A JPH05105476A JP H05105476 A JPH05105476 A JP H05105476A JP 29237391 A JP29237391 A JP 29237391A JP 29237391 A JP29237391 A JP 29237391A JP H05105476 A JPH05105476 A JP H05105476A
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JP
Japan
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film
transparent conductive
conductive film
angstroms
firing
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JP29237391A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Tanigami
嘉規 谷上
Yoji Hasegawa
陽司 長谷川
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Yamamura Glass KK
Original Assignee
Yamamura Glass KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜抵抗特性および膜の耐湿特性が良く、また
膜厚のムラや表面ムラや組織ムラのない視覚性状の良い
透明導電膜の提供及びその形成方法の提供を目的とす
る。 【構成】 焼成による透明導電膜であって、焼成後の膜
厚が500 オングストロームから900 オングストロームの
範囲である透明導電膜。および焼成によって透明導電性
金属酸化物となる金属化合物と、有機溶媒と、有機物添
加剤を少なくとも含む液状体若しくはペースト状体を基
板上に積層し、乾燥後、焼成して透明導電膜とする方法
であって、焼成後の膜厚が500 オングストロームから90
0 オングストロームの範囲になるようにする透明導電膜
形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス、セラミックス
等の基板上にパターン化等されて形成される透明導電
膜、及び該透明導電膜の形成方法に関する。透明導電膜
は、液晶、エレクトロルミネッセンス、エレクトロクロ
ミック等の各種ディスプレイ素子の電極、太陽電池等の
透明電極の他、ガラスの熱線反射膜、更に防曇、防氷ガ
ラス等幅広い用途がある。
【0002】
【従来の技術】この種透明導電膜の形成方法としては、
スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等、気相状態
から乾式的に基板上にデポジットさせる方法と、塗布
法、浸漬法、或いは印刷法等、液状体またはペースト状
体としての素材を基板上に積層し、これを焼成すること
により透明導電膜を形成する、湿式的方法とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記湿式的
方法の場合、液状或いはペースト状で素材を基板上に積
層する必要があること等から、透明導電膜となるべき金
属化合物を溶かすための有機溶媒等が必要であり、また
増粘剤としての有機剤やその他の有機物添加剤等を前記
素材に入れる必要がある。このため透明導電膜自体の主
構成物ではない前記有機物材料が焼成後の透明導電膜の
性質、特性に悪影響を与えていた。例えば、有機物が焼
成時に完全には燃焼消失せずに残留し、或いは消失跡が
ボイドとして残り、これにより膜の緻密化を阻害し、膜
抵抗特性や膜強度、その他の膜性状を損なわせていた。
【0004】さらに印刷法による場合を例にとると、透
明導電膜形成用ペーストを作製する場合、印刷に必要な
粘性を付与するための増粘剤として高分子樹脂を添加す
る。この高分子樹脂の種類としては、熱分解性の良いセ
ルロース系が好ましく、中でもニトロセルロースが最も
好ましく、これを使用することでかなり低抵抗で膜強度
の大きい透明導電膜を得ることができる。しかしこのニ
トロセルロースを用いても焼成後にわずかにカーボンが
残り、或いはニトロセルロース等の有機物の抜け穴がボ
イドとして残り、膜の緻密化が阻害され、膜抵抗や膜の
耐湿性を悪化させていた。また印刷法により形成された
膜は、印刷直後のウエットの状態において、特に膜厚が
厚くしかも粘性が低い場合、乾燥時の流動のためと思わ
れる厚みムラ、表面ムラが生じやすい。またバインダー
の燃焼消失がスムーズに行われない場合にも、組織ムラ
や外観ムラが生じ、膜或いはそれを使った商品の価値を
損ねる等の欠点があった。
【0005】そこで、本発明は上記従来技術の欠点を解
消し、組織が緻密で、膜抵抗特性および膜の耐湿特性が
良く、また膜厚のムラや表面ムラや組織ムラのない視覚
性状の良い透明導電膜の提供及びその形成方法の提供を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の透明導電膜は、焼成による透明導電膜であ
って、焼成後の膜厚が500 オングストロームから900 オ
ングストロームの範囲であることを特徴としている。ま
た本発明の透明導電膜の形成方法は、焼成によって透明
導電性金属酸化物となる金属化合物と、有機溶媒と、有
機物添加剤を少なくとも含む液状体若しくはペースト状
体を基板上に積層し、乾燥後、焼成して透明導電膜とす
る方法であって、焼成後の膜厚が500 オングストローム
から900 オングストロームの範囲になるようにすること
を特徴としている。また本発明の透明導電膜の形成方法
は、上記透明導電膜の形成方法の特徴に加えて、焼成後
に中性または還元性雰囲気で熱処理することを特徴とし
ている。
【0007】上記特徴を有する透明導電膜、及びその形
成方法において、焼成後の透明導電膜の膜厚を500 オン
グストロームから900 オングストロームの範囲とするの
は、500 オングストローム未満になると透明導電膜の面
積抵抗が高くなりすぎること、また例えば印刷された透
明導電膜前駆体のレベリング不足により、透明導電膜の
視覚性状( 以下外観と称する)が悪化することによる。
また900 オングストロームを越えると透明導電膜の比抵
抗が高くなり、耐湿性が悪くなり、また外観が悪くなる
ことによる。
【0008】透明導電膜は金属酸化物によるものとする
が、他の金属化合物であってもよい。また透明導電性金
属酸化物は、例えば酸化インジウムとするが、これに限
定さるものではない。例えば、インジウムに錫が入った
形の酸化物、錫酸化物、錫に少量のアンチモンが入った
形の酸化物であってもよい。前記有機溶媒の種類は特に
限定されない。また有機バインダー等の有機物添加剤も
特に限定されるものではない。ただし、焼成後に膜内に
残留しないという観点からは、焼成時に酸化除去されや
すいものがよいことは勿論である。有機バインダーとし
てはニトロセルロース等のセルロース誘導体が現在のと
ころ好ましい。
【0009】基板上への積層手段としては、印刷法、特
にシルクスクリーン印刷法が好ましいが、他の印刷法で
もよい。またスプレー(噴霧)法、浸漬(ディッピン
グ)法を用いることも可能である。シルクスクリーン印
刷法を用いる場合はペースト状態で基板上に所定のパタ
ーンを積層することになる。また他の印刷法の場合は印
刷方法により、ペースト状体または液状体の素材を基板
上に積層することになる。
【0010】焼成後に透明導電膜を中性または還元性雰
囲気で熱処理することにより、膜の抵抗値を下げること
ができる。雰囲気としては、還元性が強い程、膜抵抗を
低くすることができるが、その一方還元性が強いと膜を
構成する酸化インジウム等の酸化物が還元されてしま
い、その部分が黒点として膜に残り製品不良を招く。よ
って黒点の発生を抑制する観点からはあまり還元性を強
くできないことになるが、焼成膜厚を薄くすることによ
り、従来より強い還元性でも前記黒点の発生を減少する
ことができることを本発明者は実験より知得した。即ち
焼成膜厚を薄くすることにより、膜抵抗が低く且つ黒点
の発生の抑制された外観の良い膜を熱処理で形成するこ
とが可能となった。
【0011】
【作用】焼成膜厚を500 オングストロームから900 オン
グストロームにするためには、当然に印刷等による基板
上への積層厚も小さくする必要があるが、そのような条
件下においては、燃焼消失の容易でない高分子バインダ
ー剤等の有機成分の膜内の絶対量が減少し、且つ基板に
近い膜内下部に存在する有機成分の燃焼消失が容易とな
る。この結果、焼成後の膜の性質として、緻密な膜が得
られる。膜が緻密ということは内部欠陥が少ないという
ことで、低抵抗を達成できると共に膜の耐湿性を向上さ
せることができ、また膜自体の強度も向上させることが
できる。
【0012】透明導電膜の外観のムラに関しては、特に
印刷法やスプレー法、浸漬法等の湿式による積層と乾
燥、焼成といった過程を経た膜の場合、膜厚の不均一性
等に起因する外観ムラが生じやすい。そして前記外観ム
ラの原因とされる膜厚の不均一性は、印刷等により基板
上に積層されたウエット状態の素材が乾燥中に流動した
り、また焼成時に有機成分がスムーズに焼失されないた
めに生じると考えられる。ところが焼成膜厚が前記の如
く500 オングストロームから900 オングストロームの範
囲となるような条件下においては、現に外観ムラの欠点
が解消されるのである。また焼成膜厚が500 オングスト
ロームから900 オングストロームの範囲となる条件にす
れば、焼成後の中性または還元性雰囲気の熱処理におい
て、前記黒点の発生を抑制しつつ膜抵抗を下げることが
できるのである。特に、従来よりも強い還元性雰囲気で
後熱処理を施しても、黒点の発生を抑制しつつ十分に抵
抗を下げることができる。
【0013】
【実施例】表1に示す組成のペーストA、Bを作製し、
ガラス基板(50×50×1.1mm(厚み))上に200 メッシュの
スクリーンで印刷し、乾燥後、530 ℃で酸素気流中で15
分間焼成し、引き続き系内へ窒素ガスを導入し、60分間
同じ温度で熱処理した。
【0014】
【表1】
【0015】各ペーストサンプルA、Bについての膜サ
ンプルを1から7まで形成した。得られた膜サンプルの
焼成膜厚、面積抵抗、比抵抗、耐湿性、および外観の評
価を表2に示す。
【0016】
【表2】 ここで、印刷塗布量は印刷直後のペースト重量(単位:
mg/cm2)。焼成膜厚は触針式で測定(単位:オングスト
ローム)。面積抵抗は四端子法で測定。外観の評価は、
良が○、やや不良が△、不良が×。耐湿性(R/R0で表
現)は、温度 130℃で圧力1.7 Kg/cm2の水蒸気中で2時
間放置。R は放置後の抵抗、R0は放置前の抵抗。
【0017】表2に示す結果を図1、図2に視覚的に示
す。表2、図1、図2から明らかなように、硝酸インジ
ウムおよび2-エチルヘキサン酸スズの濃度を変化させた
A、Bのペーストにおいて、焼成膜厚が500 オングスト
ロームから900 オングストロームの範囲のものは比較的
低抵抗で且つ外観も良好で、耐湿性も優れていることが
判った。なお焼成膜厚が400 オングストロームで外観ム
ラが生じるのは、印刷膜厚が過少になるとスクリーンメ
ッシュの跡が焼成後まで残ることによる。
【0018】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載の透明導電膜によれば、焼成透明導電膜の
膜厚を500 オングストロームから900 オングストローム
の範囲としているので、膜の性質として緻密で膜強度が
大きく、且つ低抵抗で外観も良好となる。また請求項2
に記載の透明導電膜形成方法によれば、液状体若しくは
ペースト状体を基板状に積層し、乾燥後に焼成する形成
方法において、焼成後の膜厚を500 オングストロームか
ら900 オングストロームの範囲になるようにしているの
で、緻密で、耐湿性が良く、膜抵抗の低い外観の良好な
透明導電膜を形成することができる。また請求項3に記
載の透明導電膜形成方法によれば、請求項2に記載の構
成による効果に加えて、外観を悪化させることなく一層
膜の低抵抗化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の結果を示す図である。
【図2】実施例の結果を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成による透明導電膜であって、焼成後
    の膜厚が500 オングストロームから900 オングストロー
    ムの範囲であることを特徴とする透明導電膜。
  2. 【請求項2】 焼成によって透明導電性金属酸化物とな
    る金属化合物と、有機溶媒と、有機物添加剤を少なくと
    も含む液状体若しくはペースト状体を基板上に積層し、
    乾燥後、焼成して透明導電膜とする方法であって、焼成
    後の膜厚が500 オングストロームから900 オングストロ
    ームの範囲になるようにすることを特徴とする透明導電
    膜形成方法。
  3. 【請求項3】 焼成後に中性または還元性雰囲気で熱処
    理する請求項2に記載の透明導電膜形成方法。
JP29237391A 1991-10-11 1991-10-11 透明導電膜とその形成方法 Pending JPH05105476A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014119592A1 (ja) * 2013-02-04 2014-08-07 独立行政法人産業技術総合研究所 抵抗体、誘電体等の電子部品用無機材料ペースト及び該無機材料ペーストの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014119592A1 (ja) * 2013-02-04 2014-08-07 独立行政法人産業技術総合研究所 抵抗体、誘電体等の電子部品用無機材料ペースト及び該無機材料ペーストの製造方法
JPWO2014119592A1 (ja) * 2013-02-04 2017-01-26 国立研究開発法人産業技術総合研究所 抵抗体、誘電体等の電子部品用無機材料ペースト及び該無機材料ペーストの製造方法

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