JPH05104611A - 冷却ロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の冷却ロールの溶接による組立てと異な
り、一体構造及び嵌合組立てにより、熱歪を無くし、製
作工程を少なく製作できるようにする。 【構成】 外筒２９と、同外筒２９に挿入されたロール
本体２０と、同ロール本体２０の端部から他端部に向か
う軸方向に段差部２５を形成して穿設された軸孔２２
と、同軸孔と連通して外筒２９の端部位置におけるロー
ル本体に半径方向に向けて穿設された冷却水入孔２４ｂ
と、外筒２９の他端部位置におけるロール本体２０に半
径方向に向けて穿設された冷却水出孔２６と、同冷却水
出入孔２４ｂ，２６と夫々連通し、外筒の内周面とロー
ル本体の外周面との間に形成された空間３２における前
記冷却水入孔２４ｂと出孔２６間で、ロール本体２０の
外周部に一体に形成されたスパイラル状の邪魔板２８
と、前記段差部２５に軸孔から嵌合固定した冷却導管２
１とを有してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はフィルム等の成形機に用
いられる冷却ロールに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の冷却ロールを図３〜図５について
説明すると、図３は全体断面図を示し、３は左側軸体
で、内側端部には冷却水通路４ａが軸方向に、半径方向
には通路４ｂが穿設されている。５は右側軸体で、冷却
導管６を挿入可能な孔７が軸方向に穿設され、端部には
同冷却導管６を右側軸体５にネジ止めするネジ８が形成
されている（図５）。また端部に隣接して半径方向に通
路４ｃが形成されている。

【０００３】９は外筒で、両側軸体３，５の外側中央部
に溶接で接続されている。１０は２重管式の内筒であっ
て、左側軸体３と右側軸体５を挟んで溶接で接続されて
いる。また内筒１０外周の外筒９の内周面内には、図４
に示すように邪魔板１１が両側を溶接加工でスパイラル
形状に形成されて固定されている。１２は冷却導管６を
右側軸体５に固定するための溶接個所であり、戻りの冷
却水を導通させるために任意の間隔で施行されている。
なお、図中黒く塗りつぶしてある個所は溶接によって固
着してある部分を示す。以上のように従来の冷却ロール
は、各部品が溶接構造で組み立てられると共に、図中矢
印で示す方向に冷却水が流れて外筒９を冷やすようにな
っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の冷却ロール
は主部品である左側軸体３、右側軸体５、内筒１０、外
筒９、スパイラル形状の邪魔板１１等を予め製作してお
いた後、適宜の箇所を溶接によって組み立てる。その為
前記溶接に際し熱歪が発生するため、この熱歪の除去を
繰り返しながら次の部品を溶接する必要があり、従って
製作日数が多く必要であった。また冷却導管を固定する
ネジ芯がずれてうまく挿入固定することができない欠点
があり、更にスパイラル状の邪魔板１１の溶接は手を延
ばしながら行なう必要があり、作業性の面でも問題があ
った。本発明は前記従来の課題を解決しようとするもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、外筒
と、同外筒に挿入されたロール本体と、同ロール本体の
端部から他端部に向かう軸方向に段差部を形成して穿設
された軸孔と、同軸孔と連通し外筒の端部位置における
ロール本体に半径方向に向けて穿設された冷却水入孔
と、外筒の他端部位置におけるロール本体に半径方向に
向けて穿設された冷却水出孔と、同冷却水出入孔と夫々
連通し、外筒の内周面とロール本体の外周面との間に形
成された空間における前記冷却水入孔と出孔間で、ロー
ル本体の外周部に一体に形成されたスパイラル状の邪魔
板と、前記段差部に軸孔から嵌合固定された冷却導管と
を有してなるもので、これを課題解決のための手段とす
るものである。

【０００６】

【作用】ロール本体に軸孔を端部から他端部に向かう軸
方向に段差部を形成して穿設したことにより、冷却水は
回転継手、冷却導管、通路、冷却水入孔を経て、外筒の
内周部とロール本体、外周部間の空間に至り、更にスパ
イラル状の邪魔板に沿って流れて外筒を冷却した後、冷
却水出孔より冷却導管の外面を通って回転継手に流れる
よう循環する。しかも本発明はロール本体が溶接によら
ず、一体の構成で、また嵌合固着により構成されている
ので、熱歪の発生もなく製作工程も少なくてすむ。

【０００７】

【実施例】以下本発明を図面の実施例について説明する
と、図１及び図２は本発明の実施例を示し、図１は冷却
ロールの全体の側断面図である。図において２０はロー
ル本体で、冷却導管２１をスペーサ３０を介して挿入可
能な軸孔２２と、やや小径の段差部２５を形成して設け
られた冷却水通路２４ａが軸方向に穿設されている。ま
たロール本体２０には通路２４ａと連通し、半径方向に
向けて穿設された冷却水入孔２４ｂ及び段差部２５に隣
接して半径方向に向けて穿設された冷却水出孔２６が形
成されている。更にロール本体２０の外周部と外筒２９
の内周部間の空間３２には、スパイラル状の邪魔板２８
がロール本体外周部に一体に形成されている。なお、ロ
ール本体２０の外周はＮＣ旋盤で加工されると共に、邪
魔板２８はＮＣリード加工により加工される。一方孔２
２は深穴加工具により段差部２５を形成する様に加工さ
れる。

【０００８】冷却導管２１は段差部２５に嵌合固着され
ている。なお、この嵌合固着は拡管によって固着しても
よいが、本実施例では図２に示すように、冷却導管２１
の先端部に順次口径を大きくした案内部３３を設けるこ
とによって嵌合固着している。即ち、最先端部の外径３
３ａは冷却水通路２４ａの内径ｄ₁ より小さく、次段の
径は冷却水通路２４ａの内径より大きく形成されてい
て、この部分でシール部を形成している。その為冷却導
管２１を最先端部の外径３３ａを案内にして打ち込んで
固定させれば、シール可能となる。また反対の入口部に
おいて、冷却導管２１をロール本体２０にスペーサ３０
を介して溶接で固定する。スペーサ３０は周方向に、例
えば３個所設けられる。そして外筒２９をロール本体２
０と溶接３１で固着する。次に作用を説明すると、冷却
水は回転継手３５、冷却導管２１、通路２４ａ、冷却水
入孔２４ｂを経て空間３２に至り、スパイラル状の邪魔
板２８に沿って空間３２内を流れ、外筒２９を冷却後、
冷却水出孔２６から内部に入り、冷却導管２１の外面を
通って回転継手３５へ戻る（図中矢印）。なお、邪魔板
２８の外径と外筒２９の内径には微妙なクリアランスα
が形成されていて、外筒２９へのロール本体２０のスム
ーズな挿入を可能とする。

【０００９】

【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明の冷却ロ
ールは、ロール本体と、外筒と、冷却導管とを嵌合固着
して構成しているため、熱歪による問題は全くなく、ま
た部品数の減少により製作工程も少なくて済む。更にロ
ール本体が一体化構造のため熱歪の発生もないことか
ら、冷却導管２１の挿入、固定も容易となり、しかも冷
却導管の先端部の締め代によりシールも可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す冷却ロールの側断面図で
ある。

【図２】図１の要部の詳細断面図である。

【図３】従来の冷却ロールの側断面図である。

【図４】図３における邪魔板取付け部の詳細断面図であ
る。

【図５】図３における冷却導管取付け部の詳細断面図で
ある。

【符号の説明】

２０ 冷却ロール本体 ２１ 冷却導管 ２２ 軸孔 ２４ａ 通路 ２４ｂ 冷却水入孔 ２５ 段差部 ２６ 冷却水出孔 ２８ 邪魔板 ２９ 外筒

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒と、同外筒に挿入されたロール本体
   と、同ロール本体の端部から他端部に向かう軸方向に段
   差部を形成して穿設された軸孔と、同軸孔と連通し外筒
   の端部位置におけるロール本体に半径方向に向けて穿設
   された冷却水入孔と、外筒の他端部位置におけるロール
   本体に半径方向に向けて穿設された冷却水出孔と、同冷
   却水出入孔と夫々連通し、外筒の内周面とロール本体の
   外周面との間に形成された空間における前記冷却水入孔
   と出孔間で、ロール本体の外周部に一体に形成されたス
   パイラル状の邪魔板と、前記段差部に軸孔から嵌合固定
   された冷却導管とを有することを特徴とする冷却ロー
   ル。