JPH11201086A - 遠心型コンプレッサバランスピストンのための２ピースラビリンスシール及びその製造方法 - Google Patents

遠心型コンプレッサバランスピストンのための２ピースラビリンスシール及びその製造方法

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JPH11201086A
JPH11201086A JP10296488A JP29648898A JPH11201086A JP H11201086 A JPH11201086 A JP H11201086A JP 10296488 A JP10296488 A JP 10296488A JP 29648898 A JP29648898 A JP 29648898A JP H11201086 A JPH11201086 A JP H11201086A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心型コンプレッサバランスピストンのため
の２ピースラビリンスシール及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 通常の技術を用いてガス通路を形成する
ことができないほど大径のラビリンスシールは、ラビリ
ンスシールを２つの部分から形成することによって製造
される。第１の部分は、内側リングであり、この内側リ
ングの外径は、充分に小さく、通常技術によって内部に
通路を形成できるようになっている。第２の部分は、外
側リングであり、この外側リングは膨張され、径方向に
必要なだけ膨張された後、内側リングへと組み合わされ
て固定しうる構成とされていて、互いに隣接する部分を
シールさせつつ、係合させるようになっている。外側リ
ングと内側リングとは、しばり嵌めによって互いに連結
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心型コンプレッ
サに関し、より詳細には比較的大きな径のラビリンスシ
ールをインペラに隣接したバランスピストンのトランス
ミッションチャンバと低圧領域の間に設けた装置及び該
ラビリンスシールの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】遠心型コンプレッサのインペラによって
生じる空力的な推力に対抗させるため、このインペラホ
イールの背後に低圧キャビティを備えるバランスピスト
ンを用いることが知られている。潤滑油は、トランスミ
ッションからこの低圧領域へと漏れる傾向にあるので、
このバランスピストンとトランスミッションの間にラビ
リンスシールを設けることが通常行われている。本発明
の譲受人に譲受された米国特許第4,997,340号において
は、このためのラビリンスシール及び経済的な方法によ
り最適な特性を得るべく、このシールを加圧するための
方法が開示されている。この特許の明細書については、
本願においても参照することができる。
【０００３】米国特許第4,997,340号のラビリンスシー
ル内部に形成される通路は、外側面からこのラビリンス
シールの径方向内側面にまで径方向に延びる第１の開口
を形成し、その後にこのシールの後部面からの径方向に
延びた通路に連結する第２の開口を形成することによっ
て形成される。この方法は、比較的小さなラビリンスシ
ールや中型のラビリンスシールには充分有用であること
が見出されている。
【０００４】現在では、より大径の、例えば１１インチ
〜１２インチ（２７．９４ｃｍ〜３０．４８ｃｍ）のラ
ビリンスシールを遠心型コンプレッサに用いる場合が生
じている。上述したこの従来の穿孔方法では、所望する
位置においてラビリンスシールの歯を一定に横切るよう
に充分正確に位置決めできる開口を設けることができな
い。すなわち、ラビリンスシールは厚さが薄いことが必
要なので、その通路は、小径のものとする必要があるた
めである。小径の穿孔具を用いる場合には、穿孔長さを
比較的短く取らなければ所望する経路から曲がったりう
ねったりしがちになっていた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、遠心コンプレッサの改善されたラビリンスシー
ル配置及びラビリンスシールの製造方法を提供すること
にある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、駆
動軸と、インペラと、ベアリングと、上記インペラの推
力負荷に対抗させるためのトランスミッションチャンバ
及びバランスピストンと、上記バランスピストンと上記
トランスミッションチャンバの間に挿入されたラビリン
スシールとを備えた遠心型コンプレッサにおいて、上記
ラビリンスシールは、内側リングと外側リングとを有し
ており、上記内側リングは、上記駆動軸を内側に収容し
てシールするための径方向内側に延びた歯を備えた軸方
向開口と、この軸方向開口に隣接して配設されたベアリ
ング面と係合するための後部面と、上記後部面と上記軸
方向開口との間に形成され、これらの間を連通させて上
記ラビリンスシールを加圧するための通路と、上記通路
から径方向外側に配置された外側円筒面とを備え、上記
外側リングは、上記内側リングの上記外側円筒面を収容
して係合するための軸方向開口と、上記外側リングの径
方向外側部分に隣接して一体として連結された軸方向に
延びたフランジとを備えており、上記フランジは、シー
ルしつつ上記インペラの後部面と係合する径方向に延び
た歯を有していることを特徴とするラビリンスシールを
提供することによって達成される。
【０００７】また、本発明の第１の構成では、上記内側
リング及び上記外側リングは、しばり嵌めによって連結
されていても良い。
【０００８】さらに、上記通路は、径方向に延びた部分
と軸方向に延びた部分とを有していても良い。
【０００９】また、上記インペラの後部面にシールしつ
つ係合する上記径方向に延びた歯は、径方向内側に向か
って延ばされていても良い。
【００１０】さらに、本発明の第２の構成では、軸方向
のシャフトを中心とし、遠心型コンプレッサのインペラ
の軸方向後部に配置されるラビリンスシールを製造する
ための方法であって、この方法は、回転シャフトを内部
に収容する、径方向内側に延びた歯と、隣接して配置さ
れるベアリングの面と係合するための外側環状面と後部
面とを備えた内側リングを製造するステップと、上記後
部面と上記軸方向開口の間に上記開口内の上記歯に気体
を通すための気体通路と、上記内側リングを収容するた
めの軸方向の開口を及び上記インペラの後部面上の面に
シールしつつ係合するための径方向に延びた歯を備えた
外側リングを製造するステップと、上記内側リングの上
記外側環状面を上記外側リングの軸方向開口に固定する
ステップとを有することを特徴とするラビリンスシール
の製造方法が提供される。
【００１１】また、本発明の第２の構成では、上記固定
ステップは、上記外側リングを加熱するステップと、こ
の内側に上記内側リングを挿入するステップと、上記外
側リングを冷却して上記２つのリングの間にしばり嵌め
を形成させるステップとを有することが好ましい。
【００１２】さらに、上記外側リングに形成された上記
歯は、径方向内側に延びるようにして形成されていても
良い。
【００１３】すなわち、本発明の１つの構成によれば、
ラビリンスシールは、２つの部分から形成され、この２
つの部分が互いに組み合わされて遠心型コンプレッサに
装着されることになる。
【００１４】まず、内側リングには、シャフトを収容す
るラビリンス歯を備えた径方向内側部が形成される。つ
いで、従来法により通路を形成できる程度の充分な小さ
さの径方向外側部が形成される。その後内側リングの外
径と実質的に等しい内側径を有し、シールしつつインペ
ラの後部面部分と係合させるためのラビリンスシール歯
を備えたフランジの径方向外側部分を有するように第２
のリングが形成される。この内側リングと外側リングと
は、その後組み合わされて一体となったラビリンスシー
ルとされ、コンプレッサ内に装着される。
【００１５】本発明の第２の構成では、外側リングは、
しばり嵌めによって上記内側リングを連結される。これ
は、この外側リングを加熱し、この内側リングを内部に
装着し、外側リングが冷却されると内側リングへとしば
り嵌めされることによって行われる。
【００１６】好適な実施例については図面を持って後述
するが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに種々の変更
及び別の構成を本発明の実施例に対して加えることがで
きることは明らかであろう。
【００１７】
【発明の実施の形態】図１を参照して、本発明を説明す
る。本発明の装置は概ね１０に示されており、この装置
１０は、通常の方法によりインペラ１３を駆動する高速
シャフト１２を備えた遠心型コンプレッサシステム１１
を有している。この高速シャフト１２は、ジャーナルベ
アリング１４によって支持されており、さらに別のベア
リングがその左側に設けられている（図示せず）。
【００１８】インペラ１３によって生じる空力的推力に
対抗させるため、「バランスピストン」が、このインペ
ラホイール１３の背後にある低圧キャビティ１６に備え
られている。通路（図示せず）は、このインペラ１３に
設けられていて、このキャビティ１６内の圧力を、この
コンプレッサの吸引圧力と同じ低圧とさせている。この
トランスミッションケーシング（概ね符号１７によって
示されている）内の圧力は、キャビティ１６内よりも高
く、特に負荷運転させている場合には高くなるので、ラ
ビリンスシール１８をベアリング１４とインペラ１３の
間に設け、トランスミッションからバランスピストンキ
ャビティ１６へとオイルが流れて行く領域をシールさせ
ている。この方法は、高圧ガスをラビリンスシールに加
えることによってラビリンスシールを加圧する仕方とし
て知られている。米国特許第4,997,340号に開示のよう
に、ラビリンスシール１８は、モータケーシング圧で加
圧されることが好ましく、このモータケーシング圧は、
トランスミッションケーシング１７の圧力よりも僅かに
高くされている。加圧している気体は、したがってライ
ン１９と、フランジ部材２２に形成された通路２１と、
ジャーナルベアリング１４と、最後にラビリンスシール
１８に形成された通路２３を通って流されて行く。
【００１９】このラビリンスシール１８は、より詳細に
は図２及び図３に、内側リング２４と外側リング２６と
を備えているのが示されている。これら双方のリング
は、アルミニウム材料から製造されているが、別の好適
な材料から構成することもできる。
【００２０】この内側リングは、軸方向の開口２８を備
えた環状の体部２７を有しているとともに、内部には複
数のラビリンス歯２９が形成されていて、駆動軸を挿通
させてシールしつつ収容するようになっている。通路２
３は、径方向に延ばされた通路３１と軸方向に延ばされ
た通路３２とが組み合わされて構成されている。これら
の通路は、通常の方法により穿孔されていて、この軸方
向の通路３２は、後部面３３から径方向通路３２を横切
るまで延ばされている。この径方向通路３１は、外側環
状体３４から軸方向の開口２８まで延ばされている。
【００２１】この内側リングを形成する際には、軸方向
開口２８がまず、通常の穿孔又はボーリング工程によっ
て形成される。径方向通路３１と軸方向通路３２は、そ
の後通常の方法により穿孔される。最後に、ラビリンス
歯２９が標準的な機械加工工程によって形成される。
【００２２】外側リング２６は、実質的に内側リング２
４の外側環状体３４の径と同一の環状の内側面を有して
いる。その外側部分には、軸方向に延びたフランジ３７
が外側に向かって突出しており、その径方向内側面に
は、ラビリンス歯３８が形成され図１に示すようにイン
ペラの面と係合している。その外側リングは、まず環状
の内側面３６が適切な径で機械加工が行なわれ、その後
ラビリンス歯がその上に機械加工される。
【００２３】これらの内側リング２４と外側リング２６
とが形成されると、これらはその後まず、外側リング２
６を加熱し、この内側に内側リングを挿入し、その後こ
の外側リングを冷却して内側リング２４の外側環状面３
４と外側環状体２６の環状内側面３６との間にしばり嵌
めを形成する。図２に示されているように、２つのリン
グが組み立てられると、外側リングは、径方向通路３１
の径方向外側端と隣接し、流体を軸方向通路３２へと流
し、その後径方向通路３１を通って径方向内側へとラビ
リンスシール２９にまで流すようにさせている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のラビリンスシールを内部に組み込んだ
遠心型コンプレッサの長手方向断面図。
【図２】本発明のラビリンスシール部分の長手方向断面
図。
【図３】本発明のラビリンスシール部分の背面図。
【符号の説明】
１０…装置 １１…遠心型コンプレッサシステム １２…高速シャフト １３…インペラ １４…ジャーナルベアリング １６…低圧キャビティ １７…トランスミッションケーシング １８…ラビリンスシール ２１…通路 ２２…フランジ部材 ２３…通路 ２４…内側リング ２６…外側リング ２７…環状体 ２８…軸方向開口 ２９…ラビリンス歯

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 駆動軸と、インペラと、ベアリングと、
    前記インペラの推力負荷に対抗させるためのトランスミ
    ッションチャンバ及びバランスピストンと、前記バラン
    スピストンと前記トランスミッションチャンバの間に挿
    入されたラビリンスシールとを備えた遠心型コンプレッ
    サにおいて、前記ラビリンスシールは、内側リングと外
    側リングとを有しており、前記内側リングは、 前記駆動軸を内側に収容してシールするための径方向内
    側に延びた歯を備えた軸方向開口と、 この軸方向開口に隣接して配設されたベアリング面と係
    合するための後部面と、 前記後部面と前記軸方向開口との間に形成され、これら
    の間を連通させて前記ラビリンスシールを加圧するため
    の通路と、 前記通路から径方向外側に配置された外側円筒面とを備
    え、前記外側リングは、 前記内側リングの前記外側円筒面を収容して係合するた
    めの軸方向開口と、 前記外側リングの径方向外側部分に隣接して一体として
    連結された軸方向に延びたフランジとを備えており、 前記フランジは、シールしつつ前記インペラの後部面と
    係合する径方向に延びた歯を有していることを特徴とす
    るラビリンスシ−ル。
  2. 【請求項２】 前記内側リング及び前記外側リングは、
    しばり嵌めによって連結されていることを特徴とする請
    求項１に記載のラビリンスシール。
  3. 【請求項３】 前記通路は、径方向に延びた部分と軸方
    向に延びた部分とを有することを特徴とする請求項１に
    記載のラビリンスシール。
  4. 【請求項４】 前記インペラの後部面にシールしつつ係
    合する前記径方向に延びた歯は、径方向内側に向かって
    延ばされていることを特徴とする請求項１に記載のラビ
    リンスシール。
  5. 【請求項５】 軸方向のシャフトを中心とし、遠心型コ
    ンプレッサのインペラの軸方向後部に配置されるラビリ
    ンスシールを製造するための方法であって、この方法
    は、 回転シャフトを内部に収容する、径方向内側に延びた歯
    と、隣接して配置されるベアリングの面と係合するため
    の外側環状面と後部面とを備えた内側リングを製造する
    ステップと、 前記後部面と前記軸方向開口の間に前記開口内の前記歯
    に気体を通すための気体通路と、 前記内側リングを収容するための軸方向の開口を及び前
    記インペラの後部面上の面にシールしつつ係合するため
    の径方向に延びた歯を備えた外側リングを製造するステ
    ップと、 前記内側リングの前記外側環状面を前記外側リングの軸
    方向開口に固定するステップとを有することを特徴とす
    るラビリンスシールの製造方法。
  6. 【請求項６】 前記固定ステップは、前記外側リングを
    加熱するステップと、この内側に前記内側リングを挿入
    するステップと、前記外側リングを冷却して前記２つの
    リングの間にしばり嵌めを形成させるステップとを有す
    ることを特徴とする請求項５に記載の方法。
  7. 【請求項７】 前記外側リングに形成された前記歯は、
    径方向内側に延びるようにして形成されていることを特
    徴とする請求項５に記載の方法。
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