JPH05104062A - 塗被紙の製造方法 - Google Patents

塗被紙の製造方法

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JPH05104062A
JPH05104062A JP3190891A JP19089191A JPH05104062A JP H05104062 A JPH05104062 A JP H05104062A JP 3190891 A JP3190891 A JP 3190891A JP 19089191 A JP19089191 A JP 19089191A JP H05104062 A JPH05104062 A JP H05104062A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高品質な塗被紙を得ることである。 【構成】本発明におけるカーテン塗布装置は、コーター
ヘッドより流下するカーテン膜の幅方向における流量プ
ロファイルを光学的な方法により測定し、塗布液の流出
するスリットの開度プロファイルを制御する機構を付設
した装置である。 【効果】ウェブの幅方向での塗布量が均一で、かつ高品
質な塗被紙を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗被紙の製造方法に関
し、例えば、カーテン塗布装置により高品質な感熱記録
シート、感圧複写シート、顔料塗被紙、磁気記録シート
等を得る製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】代表的な塗被紙の例としては、例えば、
感熱記録シートの場合は、通常、無色ないしは淡色の発
色性ロイコ染料と有機酸性物質のような顕色剤とが熱
時、溶融反応をして発色することは古くから知られてお
り、この発色反応を記録紙に応用した例は、特公昭43
−4160号公報、特公昭45−14039号公報等に
開示されており公知である。これらの感熱記録シートは
計測用レコーダー、コンピューター等の端末プリンタ
ー、ファクシミリ、自動券売機、バーコードラベルなど
広範囲の分野に応用されているが、最近はこれら記録装
置の多様化、高性能化が進められるに従って、感熱記録
シートに対する要求品質もより高度なものとなってい
る。
【0003】又、感圧複写シートは、発色剤を内包する
マイクロカプセルとバインダー及び保護剤より成る塗層
を支持体の一方の面に、顕色剤を主成分とする塗層を他
方の面に有するもの、マイクロカプセルとバインダー及
び保護剤より成る塗層あるいは顕色剤を主成分とする塗
層のいずれか一方のみを支持体の一方の面に有するもの
が知られている。これらは、マイクロカプセルを含む塗
層と顕色剤を含む塗層とを互いに対面に接触させ、筆圧
やタイプライター、プリンターによる圧力によりマイク
ロカプセルが破壊され、発色剤が放出し、顕色剤を含む
層と接触し発色し、画像が得られるものである。
【0004】又、顔料塗被紙は、未塗布の上質紙と比較
して平滑性、光沢が高く、インクの吸収性が均一である
ため、印刷用紙として広く用いられている。特に近年、
印刷物の視覚化が進み、カラー印刷の比率が高まり、ま
た、印刷速度の増大が進み、印刷用紙に対する要求も一
段と高いものとなっている。
【0005】通常、ウェブ上に液状物を塗布する方法と
しては、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、、ロール
塗布法、カーテン塗布法等があり、塗布液の種類や製品
の目的、用途によって塗布法が適宜選定されている。
【0006】例えば、感熱記録シートの塗布には、エア
ナイフ塗布法(例えば、米国特許第3,186,851
号、同第3,472,674号、英国特許第1,17
6,469号など)、ブレード塗布法(例えば、特公昭
49−35330、英国特許第1,339,082号な
ど)、ワイヤーバー塗布法、カーテン塗布法(特開昭5
4−74761)が用いられてきた。
【0007】又、感圧複写シートの塗布方法としては、
従来より、エアーナイフ塗布法、あるいはブレード塗布
法、さらには、カーテン塗布法(例えば、特公昭63−
239号公報)が用いられてきた。
【0008】更に、顔料塗布を行う印刷用紙の塗布方法
は多岐にわたるが、具体的には、ブレード塗布法、エア
ナイフ塗布法、ロール塗布法を挙げることができる。こ
れらの塗布法の共通した特徴としては、比較的に簡単な
操作で、顔料を主成分とする塗布液の塗布が行えること
である。しかしながら、これらの塗布方式では、高品質
な印刷用紙を得ることができなかった。
【0009】エアナイフ塗布法は、過剰に塗布液をウェ
ブに供給した後、余剰の液を風圧により掻き落とす後計
量型の塗布法である。かかる塗布法は、エアナイフ特有
のパターンを塗布層に発生し易く、このことにより、塗
布層の表面の光沢、平滑度は著しく低下し、品質が低下
するだけでなく、印刷時にも重大な障害となる。また、
かかる塗布方法では、塗布速度を高速度化する場合、あ
るいは、液濃度を高濃度化する場合には、風圧を高くす
る必要があるが、風圧を大きくすると、空気流の流れの
乱れが発生し、吹き出しによる騒音も著しいものとな
る。したがって、風圧を徒らに大きくすることができな
いので、比較的に高粘度の液を高速で塗布することが要
求される顔料塗被紙の製造には適さない。
【0010】ブレード塗布法は、過剰に塗布液をウェブ
に供給した後、余剰の液をブレードにより掻き落とす後
計量型の塗布法である。しかし、かかる塗布法では、余
剰な液の供給から計量までの間に、ウェブに塗布液中の
水あるいはバインダー成分が必要以上に浸入し、計量時
のブレード直下で塗布液に高い圧力が加えられるため、
塗布液中の水あるいはバインダー成分のウェブへの浸入
は、さらに顕著に進行する。このため、顔料塗布層で、
相対的にバインダー成分が少なくなるため、塗層強度が
低くなり、高い光沢も発現し難くなる。また、余剰分と
して掻き落とされた液は、供給前の液の組成と異なり、
時間の経過とともに塗布液の組成が変化し、安定した品
質の製品を得ることができない。また、かかる塗布法
で、顔料分散液の塗布を行うと、ストリークやスクラッ
チ等の塗布欠陥の発生が不可避である。
【0011】ロール塗布法は、ロールの組み合わせ等に
より様々な形式のものが存在するが、基本的には、複数
ロールを組み合わせてロール間での塗布液の転写により
液を計量しウェブに転写する塗布方法である。かかる塗
布方法は、ロール特有のパターンを発生し易く、また、
塗布ロール面とウェブの転写後の剥離の際に塗布面の光
沢、平滑性が低下し、近年の印刷用紙に対する要求品質
を満たすことは難しい。
【0012】エアナイフ塗布法やブレード塗布法は、い
ずれも、塗布液を過剰にウェブに塗布した後、エアナイ
フまたはブレードにより過剰の塗布液を掻き落し、所望
の塗布液量に計量すると共に掻き落とされた塗布液を回
収し循環再使用するものである。
【0013】しかしながら、かかる塗布法によるときに
は、高品質な塗被紙を効率的に得ることが難しかった。
即ち、エアナイフ塗布法では、エアナイフで過剰な液を
掻き落とす際に、塗布面に独特のエアナイフパターンを
生じることが多く、ブレード塗布方式でも同様にブレー
ドで過剰な液を掻き落とす際に、スクラッチやストリー
クを生じる場合が多く、高品質の製品を得ることが極め
て困難であった。
【0014】しかしながら、かかる塗布法によるときに
は、高品質な感圧複写シートを効率的に得ることが難し
かった。すなわちエアナイフ塗布法の場合には、エアナ
イフによる分級作用によって粒子径の大きな保護剤が必
要以上に掻き落とされてしまい、また、ブレード塗布法
の場合にもブレードとウェブの間隙において分級作用が
生じ、ブレードに接触する確率の高い保護剤が必要以上
に掻き落とされてしまい、結局、所望量の保護剤を塗布
することが極めて困難であった。しかも、エアナイフあ
るいはブレードによる分級作用は塗布速度の増大にした
がって顕著となるため、塗布速度の増速化にとって大き
な障壁となっている。
【0015】一方、エアナイフあるいはブレードにより
掻き落とされた過剰の塗布液は通常回収されて循環再使
用されるが、前述した分級作用により塗液中の固形分濃
度は次第に高くなり、液組成が経時で変化してしまうた
め、安定した品質の製品を得ることが困難であった。
【0016】カーテン塗布法は、これらエアナイフやブ
レード塗布法における問題を解決する塗布法である。し
かし、カーテン塗布法は、塗布液の支持体への供給、つ
まり塗布が行われる前に計量が同時に行われる、いわゆ
る前計量型の塗布法であるため、ヘッドよりカーテン膜
として流下する塗布液の幅方向における流量プロファイ
ルが、直接、製品の幅方向における塗布量プロファイル
に反映することになる。
【0017】従来行われてきたカーテン膜の幅方向にお
ける流量プロファイルを調整する機構が存在しない装置
では、流下するカーテン膜の流量プロファイルにむらが
生じた場合に、これを補正する手段がないため、幅方向
において発色濃度が異なることや製品の巻取りの形が歪
み、皺が発生し、顕著な場合には、仕上げや印刷の工程
で断紙することなどが発生し、品質および生産性の面で
問題が生じる場合が多かった。
【0018】また、カーテン膜の幅方向における流量プ
ロファイルを調整する機構が存在しない塗布装置におけ
るカーテン膜プロファイルのムラは、コーターヘッドの
幅方向における長さ、つまり、塗布幅が広くなると顕著
になるため、生産性の向上手段として重要な塗布幅の広
幅化を行った場合に、幅方向で均一な塗布を行うことが
難しくなる。この傾向は、塗布液のヘッド単位幅あたり
の流量が多い場合に顕著となる。つまり、大きな流量を
必要とする高速塗布操作においては、流量プロファイル
を調整する機構が存在しない塗布装置では、高速で広幅
での塗布操作を行うことが難しい。
【0019】幅方向において、流出スリット先端の開度
を変化させることにより、流下流量プロファイルを調整
することは、ラミネーションに用いられるエクストルー
ダーヘッドやダイヘッドで通常行われている方法であ
り、これらをカーテンヘッドに応用することは可能であ
る。
【0020】しかし、調整方法が塗布後の塗布量プロフ
ァイルを測定した後に、人手により調整を行うため、時
間的に損失が大きく、したがって、生産性も大いに低下
させる原因となる。このことは、塗布幅を広くした広幅
化した塗布装置の場合、幅方向に調整する距離が長くな
るため、時間的な損失はより大きいものとなる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カーテン幅
方向において塗布量プロファイルを制御する機構を付設
したカーテン塗布装置を用いることにより、上記従来の
色々な塗布方法による問題点を解決することを課題と
し、高品質でしかも幅方向で均一な塗布量を持つ塗被紙
の製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗布液を塗布
してなる塗被紙の製造方法において、幅方向に対し光学
的にカーテン膜厚プロファイル測定を行い、流量値に換
算して、塗布量プロファイルに対応するヘッドのスリッ
ト開度を制御する機構を付設したカーテン塗布装置を用
い、塗布ヘッドのスリット開度の制御を、カーテン膜の
厚みプロファイルを電圧値或は電流値に変換し、コータ
ーヘッドに接する金属塊を加熱して、該金属塊の熱膨張
を起こさせることにより行い、更に、カーテン膜厚プロ
ファイル測定が、カーテン膜の光学濃度階調及びブラン
ク露光の光学濃度階調で示され、且つ吸光係数aが、8
0〜250の範囲であることにより、薄層でしかも塗布
欠点のない均一な塗布層を持つ塗被紙が得られることを
見いだしたものである。
【0023】本発明は、カーテン塗布装置において、光
源として可視あるいは紫外光源を用い、検出器として、
受光素子を用い、光源部を受光部に対しカーテン膜を隔
てて反対側に設置した装置により、塗布量プロファイル
に対応するカーテン膜の厚みプロファイルを測定を行
う。さらに、カーテンの厚みプロファイルに基づき、コ
ンピューターにおいて演算処理を行い、コーターヘッド
のスリット開度の制御を行う。スリット開度の調整は、
種々の方法があるが、最も良好な手法は、カーテン膜の
厚みプロファイルを電圧値あるいは電流値に変換しコー
ターヘッドに接する金属塊を加熱し該金属塊の熱膨張を
利用して開度調整を行う方法である。加熱の方式はヒー
ターによる伝熱加熱やコイルにより電界を発生させるこ
とによる誘導加熱があるが、応答性の点では誘導加熱が
優れる。
【0024】以下に発明の詳細な説明を示す。光学的な
カーテンの膜厚の測定は、カーテンの膜が光学的に濃度
を持つ場合に可能となる。数式1が示すように、ブラン
ク露光時とカーテン膜露光時の濃度階調から膜厚が測定
できることが判る。
【0025】
【数2】 x=−(1/a)・ln(G/GB) (数式1) X:カーテン膜厚 a:吸光係数(cm-1) (定数) G:カーテン膜の光学濃度階調(透過光量に対応) GB:ブランク露光の場合の光学濃度階調(光源光量に
対応)
【0026】これに従うと、光源のみのブランク測定と
同一位置におけるカーテン膜の透過光量の測定を行うこ
とにより、膜厚測定を行うことが可能となることが明ら
かである。以下で、この原理をより明確にするために、
膜の透過光量より膜厚を算出できることを証明する。
【0027】カーテンの膜厚x(cm)と透過光強度I(lx)
の間に指数法則が成立すると仮定すると次式が成り立
つ。
【0028】
【数3】I=I0・exp(−a・x) I0:入射光強度(lx)
【0029】
【数4】P=I・t P:透過光量(lx・sec) t:露光時間(sec)
【0030】数3、数4より、
【0031】
【数5】P=P0・exp(−a・x) P0:入射光量(lx・sec)
【0032】
【数6】V=S・Pr+V0 V:受光素子の出力電圧(V) P:透過光量(lx・sec) S:感度 r=1(一般にはこの値に調整することが可能) V0:暗時出力電圧
【0033】数5、数6より、
【0034】
【数7】V−V0=S・P0・exp(−a・x)
【0035】もし、ブランク露光(x=0)の場合の出力
電圧をVBとすると、
【0036】
【数8】VB−V0=S・P0
【0037】数7、数8より、
【0038】
【数9】 x=−(1/a)・ln[(V−V0)/(VB−V0)]
【0039】さらに、受光素子の出力電圧V(V)と受光
素子が捉えたカーテン膜の光学濃度階調Gの間には直線
関係があるので、
【0040】
【数10】G=k(V−V0) k:規格化定数
【0041】ブランク露光の場合の光学濃度階調をGB
とすると、
【0042】
【数11】GB=k(VB−V0)
【0043】上記数9、数10、数11より、数1(数
式1)を導くことができる。
【0044】ここで、吸光係数aは、塗布液固有の定数
である。吸光係数aが大きくなると、カーテン膜を透過
する光量が少なくなるため、測定光源以外の外乱光の影
響を受け易くなり、具体的には、吸光係数aが250を
越えた場合には、カーテンの塗布ヘッド周辺の遮光が必
要となり、さらに、膜厚プロファイルの測定時間が長く
なるため、プロファイル制御を良好に行えなくなる。
【0045】また、塗布液が光学的に透明に近づく、つ
まり、吸光係数aが小さくなると、ブランク光量とカー
テンの透過光量の差が小さくなるため、カーテン膜の流
れの乱れやゆらぎの影響が大きくなり、正確な測定を行
うことができなくなる。具体的には、吸光係数aは、8
0以上で測定を行うことが望ましい。したがって、カー
テンプロファイル制御を行う場合の塗布液の吸光係数a
の範囲は、80〜250であることが望ましい。
【0046】測定用の光源としては、経時で光量変化の
ないものが望ましく、具体的には、蛍光灯、白熱灯、ハ
ロゲンランプ、半導体発光素子、レーザー発光素子等が
ある。また、受光素子は、経時で感度変化が小さいもの
が望ましく、具体的には、CCDカメラ、ラインCCD
カメラ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ、
CdS素子、光電子増倍管がある。
【0047】図1に、これら、光源と受光素子の組合せ
で、機械的に幅方向に走査することによりカーテンの膜
厚プロファイルを測定する装置の典型的な例を示す。光
源部3で照射された光は、コーターヘッド1より塗液を
流出させ形成するカーテン膜2に1部吸収あるいは散乱
し、残りは透過し、光源部3より照射された光の光軸上
に位置する受光部4に到達する。
【0048】このとき、光源より照射される光は、平行
光あるいは光学的な集光法により、カーテン膜上で境界
の明確な有限な照射面積を持つことが望ましい。この照
射面積の大きさは、通常は、直径1μm〜100mm、
好ましくは、直径1mm〜10mmが適当である。具体
的には、レーザー光源が代表的な例として挙げられる。
また、光学的に光を集束すれば、白熱灯、半導体発光素
子、ハロゲンランプ等の使用も十分に可能である。さら
に、外部の光の影響を排除するため、光学レンズを用い
て受光素子上に焦点を結ばせる場合がある。しかし、透
過する光量が、外部の光に対して十分大きい場合には、
光学レンズを用いて受光素子上に焦点を結ばせる必要は
ない。
【0049】受光部で検出された光は、通常、光量に対
応する電圧値に変換される。これを、コンピューター5
でA/D変換を行い、内部のメモリーに格納し、演算処
理を行い、誘導加熱装置に制御信号を出力し、コーター
ヘッドからの流出流量プロファイルを制御する。また、
カーテンの幅方向における厚みプロファイルの測定を行
うためには、幅方向にカーテン膜と平行に、光軸を変え
ることなく、光源と受光部を移動させる必要があるが、
これは、移動ステージ6上の、光源と受光部の駆動にス
テッピングモーターを用いて、コンピューター5で制御
するのが望ましい。ここで、ブランクの測定を行う場合
には、ヘッドからの塗液の流出を停止し、カーテン膜が
形成していない状態で測定を行う。
【0050】更に、図2に、光源と受光素子の組合せ
で、光源と受光部を固定してにカーテンの膜厚プロファ
イルを測定する装置の、典型的な例を示す。光源部3で
照射された光は、コーターヘッド1より塗液を流出させ
形成するカーテン膜2に1部吸収あるいは散乱し、残り
は透過し、透過した光は、カーテン膜上に焦点を設定し
たカーテン膜の幅方向に複数の画素を持つ受光部4に到
達する。必要な画素の数は、1m当たり512〜204
8画素が適当である。
【0051】このとき、光源は、幅方向で、できるだけ
均一な光量を持っていることが望ましく、具体的には、
光源として棒状の蛍光灯が最も望ましい。
【0052】複数の画素を持つ受光素子を用い固定点で
カーテンの膜厚プロファイルを測定する場合には、測定
の中心部では、光はカーテン膜を垂直に通過し、受光部
に達するが、測定の端部では、光はカーテン膜を斜めに
通過し、受光部に達するため、カーテン膜の厚みが測定
方向で均一であっても、端部のほうが、見かけ上厚くな
ってしまう。このことは、受光部とカーテン膜の距離に
対し、測定幅を大きくすると顕著なものとなるため、デ
ータの採取後、コンピューター内部でデータの補正をす
る必要がある。
【0053】通常、光量に対応する電圧値に変換され、
コンピューター5でA/D変換を行い、内部のメモリー
に格納し、演算処理を行い、誘導加熱装置に制御信号を
出力し、プロファイル調整ブロック19を温度を変化さ
せる。プロファイル調整ブロック19は、温度変化によ
り体積変化を起こすため、幅方向に複数のプロファイル
調整ブロック19を配置すれば誘導加熱温度を変化させ
ることにより、ヘッド幅方向の流量プロファイルを制御
することが可能である。
【0054】図3はプロファイルの調整機構を付設した
コーターヘッドの断面図を示している。プロファイルの
調整は、プロファイルプレート16をプロファイル調整
ブロック19の体積変化により弾性変形させて液流路の
間隙を調整することにより流量を調整する。プロファイ
ル調整ブロック19の体積変化は、コイル18a、18
bに通電することにより電場が発生し、誘導加熱される
ことによる熱膨張を利用している。また、断熱材17は
加熱されたプロファイル調整ブロック19の熱が直接コ
ーターヘッドを加熱することを防ぐために設置する。
【0055】ブランクの測定を行う場合には、ヘッドか
らの塗液の流出を停止し、カーテン膜が形成していない
状態で測定を行う。また、ブランク測定は、光源の幅方
向の照度ムラ、あるいは、光学レンズにおける周辺減光
の補正を行うためにも不可欠なものである。
【0056】図1と図2の測定方式を比較すると、測定
原理はまったく同一であるが、その装置構造あるいは操
作において差がある。図1では、光源と受光部が機械的
に走査するため、図2と比較して、装置がやや大型にな
り、制御が複雑となり、測定に要する時間がやや長くな
る。しかし、カーテン膜で光の散乱が起こる場合には、
常に、カーテン膜面の垂線上に光軸が存在するため、散
乱の影響を受けず、カーテン膜からの、光源あるいは受
光部の距離の選択範囲が、図2より広い。以上のように
2つの方式では、装置構造、操作において若干の差があ
るが、原理は全く同一であるので装置の設置場所等を考
慮して選択を行えば良い。
【0057】幅方向においてカーテン膜に厚みむらがあ
ると、カーテン膜は膜厚の薄い部分で破壊が起こり易
い。膜の厚みむらは、カーテン膜の流下幅が大きくなれ
ば、起こる確率が高くなり、均一なカーテン膜を形成す
ることが、より困難となる。これに対し、カーテン膜の
幅方向における流量が均一となると、カーテン膜は安定
した状態を広い流量範囲で得ることができ、安定した状
態で広幅かつ高速での塗布操作を行うことができる。
【0058】かかるプロファイル制御機構を付設したカ
ーテン塗布装置を、塗布液の塗布操作に適用した場合に
も、安定した状態で塗布操作を行うことが可能である。
【0059】ただし、塗布操作を安定した状態で行うた
めには、塗布液の濃度には上限が存在する。固形分濃度
を増加すると、顔料、発色剤、顕色剤マイクロカプセル
等の粒子間の距離が小さくなる。このことにより、液の
流動性が、粘性挙動から塑性挙動に移行し、塗布液が
「脆く」なり、カーテン膜のような薄い液膜を形成し難
くなる。好ましい塗布液の濃度範囲は、感熱記録シート
の場合には固形分濃度が40%以下、感圧複写シートの
場合のは固形分濃度が45%以下、顔料塗被紙の場合に
は固形分濃度が65%以下である。
【0060】以下、添付図面に基づき、本発明の実施態
様について詳細に説明する。図4は本発明の実施態様を
示す塗被紙塗布用の塗布装置の概略図である。予め調製
された塗布液は塗布液貯蔵タンク9より、給液ポンプ1
5によってコーターヘッド1へ送られる。この際、塗布
液の送液量は最終製品の塗布量と比例関係にあるため、
コーターヘッド1への塗布液の送液量コントロールは精
度よく行う必要がある。それ故に給液ポンプ15として
は可変流量型の無脈動定流量ポンプが適当である。
【0061】本発明においては、上記の如く、ウェブと
接触する塗布層をカーテン塗布方式により塗抹すること
を特徴としているが、塗布液を、プロファイル制御機構
を付設したコーターヘッドに送液し、幅方向で均一なプ
ロファイルを持つ垂直カーテン膜を形成して、原紙上に
塗布するカーテン塗布方式によるものである。ところ
で、カーテン塗布装置による一般塗布紙の製造について
は、すでに英国特許第1,279,817号に開示され
ているように、従来よりごく一般的に行われており、ま
た、感圧複写紙用発色剤シートの製造においては、特公
昭63−239号公報に開示されている。また、感熱記
録シートの製造に於ては、特開昭54−74761号公
報に開示されている。しかし、プロファイル制御機構を
付設したカーテン塗布装置を、感熱塗布液、マイクロカ
プセルを主成分とする塗布液、顔料塗布液等の塗布に適
用することにより、塗布操作が長時間に及んでも塗りむ
ら等が発生しない安定した塗布操作を実行することがで
き、幅方向で塗布量が均一で、かつ、高品質な塗被紙を
得る方法を開示したものは、いまだ見当たらない。
【0062】コーターヘッド1に供給された塗布液は、
ヘッド下部より流出し、垂直なカーテン膜2を形成す
る。このとき、図1あるいは図2の装置原理に基づいた
カーテン膜厚プロファイルの測定を行い、パソコン5を
介して、図3の装置原理に基づいた誘導加熱装置に制御
信号が送られ、カーテンの膜厚プロファイルを均一な状
態に制御する。
【0063】幅方向でプロファイルが均一となった垂直
カーテン膜2は、連続走行しているウェブ10と接触
し、ウェブ10に塗布される。ここでエッジガイド11
a、11bはコーターヘッド1の幅を超えず、更にウェ
ブ10の幅を超えて設けられ、垂直カーテン膜はウェブ
10の幅を超えて形成される。垂直カーテン膜2がウェ
ブ10の幅を超えて形成されているのは、垂直カーテン
膜2の両端部における塗膜の厚塗りを防止するためであ
る。ウェブ10の幅を超えて流下する塗布液は、受液槽
13に回収され、塗布液貯蔵タンク9に戻された後再び
塗布される。また、ウェブ10が切断した時など塗布が
中断された場合も、塗布液は受液槽13に回収される。
【0064】連続走行しているウェブ10と垂直カーテ
ン膜2との接触部(以後、「塗布部」という。)にはウ
ェブ10に同伴する空気流を遮蔽し、カーテン周辺の空
気の回流などで垂直カーテン膜2が乱れることなくウェ
ブ10に達するようにするため遮風板14が設けられて
いる。また、ウェブ10の搬送方向は塗布部の直前でロ
ール12により方向転換することにより、ウェブ10に
同伴する空気の塗布部への影響を最小限にとどめるよう
に構成されている。
【0065】形成させた垂直カーテン膜2を安定した状
態で塗布するためにはウェブ10からコーターヘッド1
下部の流出部までの高さがある程度必要とされるが、本
実施態様においてはその高さを制御することも可能であ
り、垂直カーテン膜2の安定に適した高さは60〜30
0mm、好ましくは100〜250mm、更に好ましく
は120〜180mmである。
【0066】本実施態様においては、塗布過程において
塗布液が外部より高い剪断応力等の作用を受けず、また
前計量方式であるため、ウェブに水が選択吸収されて塗
布液が高濃度化することもないので、塗布液を循環再使
用しても塗布液の組成が経時的に変化することもないか
ら、安定した塗被紙を製造することが可能であり、塗布
速度の増加においてもかかる効果を期待できる。
【0067】また、塗布液量は予め計量された後、ウェ
ブ上に塗布されるため、その量は必要最少限となり、ブ
レードやエアナイフ塗布方式のように塗布液を過剰に供
給することがなく、その供給量は1/2以下となる。垂
直カーテン膜を形成してウェブ上に塗布するカーテン塗
布方式において、塗布量はウェブ10の走行速度と塗布
液の単位時間あたりの供給量によって決定されるが、理
論的には最低供給液量は垂直カーテン膜を安定に形成す
ることが可能である量であり、それは極めて少ない量で
ある。
【0068】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、様々な変形が可能であることは言うまでもな
い。前述した実施態様において、形成したカーテン膜の
幅はウェブ5の幅より大としたが、これは塗布層両端部
における塗布量の増加を防止するためであって、このよ
うな塗布量増加が小であるか、もしくはあまり問題とさ
れない場合、または特公昭49−14130号公報等に
開示される方法、その他塗布量増加防止方法を採用する
ことにより解消しうる場合には、垂直カーテン膜をウェ
ブ5の幅に一致させるか、あるいはこれより多少小とし
ても差し支えない。
【0069】本発明の塗被紙とは、感熱記録シート、感
圧複写シート、顔料塗被紙、磁気記録シート等の塗被組
成物をウェブの表面に塗布したものを言う。本発明に使
用されるウェブとしては紙が主として用いられ、木材パ
ルプ、合成パルプ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料
等、通常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて用いた
上質紙、中質紙、更紙、合成紙等を使用することが可能
である。又、合成紙、プラスチックフィルム、不織布、
織物、貼合わせシート等の加工紙、またはこれらのもの
を組み合わせたものを用いても良い。更に、マシンコー
ト紙、アート紙、キャストコート紙、レジンコーテッド
紙等を含むものである。
【0070】本発明は、塗被層の塗布に限定されず、オ
ーバーコート層、下引き層の塗布に適用することが可能
である。また、これらの塗布を、下層となる塗布層を乾
燥した後に行うことも、乾燥しないで行うことも、いず
れの方法を採っても差し支えない。
【0071】次に塗布される塗布液について述べる。例
えば、本発明の感熱記録シートに用いる感熱記録素材と
しては、熱によって両者が接触して発色反応を起こすよ
うな反応体及び共反応体の組み合わせであれば良く、例
えば電子供与性無色染料と電子受容性化合物との組み合
わせや、ステアリン酸第二鉄等の高級脂肪酸金属塩と没
食子酸のようなフェノール類との組み合わせなどが挙げ
られる。更にジアゾニウム化合物、カプラー及び塩基性
物質を組み合わせた感熱記録体等、感熱記録体に用いら
れているものであれば特に制限はされず、いずれも使用
可能である。
【0072】しかし、本発明による効果は、特に電子供
与性無色染料と電子受容性化合物との組み合わせにおい
て顕著な効果を発揮するため、とりわけ、かかる組み合
わせに好ましく適用できる。
【0073】電子供与性無色染料として具体的な例をあ
げれば、トリアリールメタン系化合物としては:3,3
−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチル
アミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−
イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルイン
ドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9
−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミ
ノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−
3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジ
メチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2
−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等。
【0074】ジフェニルメタン系化合物としては:4,
4’−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベ
ンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニル
ロイコオーラミン等。
【0075】キサンテン系化合物としては:ローダミン
Bアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリ
ノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニ
リノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−ク
ロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−
N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−
メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(4−ニトロアニリノフルオラン、3−ジブチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソア
ミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−
N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン等。
【0076】チアジン系化合物としては:ベンゾイルロ
イコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチ
レンブルー等。
【0077】スピロ系化合物としては:3−メチルスピ
ロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、
3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジ
ルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メ
トキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベン
ゾピラン等を挙げることができ、これらは単独もしくは
2種以上混合して使うことができる。
【0078】電子受容性化合物としては一般にフェノー
ル誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその金属化
合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体等が挙げら
れる。この中で特に好ましいものはフェノール誘導体で
ある。
【0079】具体的な例をあげれば:p−フェニルフェ
ノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキ
シ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ
−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒド
ロキシ−4’−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルス
ルホン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エ
チルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ジ〔2−
(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼ
ン、1,3−ジ〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ジ〔2−(p
−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロ
ロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、 3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)酢酸ブチル、4,4’−チオビス(2−t
−ブチル−5−メチルフェノール)、ビス(3−アリル
−4ーヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキ
シ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルフォン、
3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフ
ォン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキ
シ安息香酸クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸プ
ロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキ
シフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステ
アリル、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリ
ド等が挙げられる。
【0080】感熱記録紙には顔料として、ケイソウ土、
タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水
酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等が、また、
感度を更に向上させるために、添加剤として、N−ヒド
ロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2ーベンジ
ルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジ
ルビフェニル、4ーアリルオキシビフェニル等のビフェ
ニル誘導体、1,2ービス(3ーメチルフェノキシ)エ
タン、2,2’ービス(4ーメトキシフェノキシ)ジエ
チルエーテル、ビス(4ーメトキシフェニル)エーテル
等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジ
ベンジル、シュウ酸ジ(p−フロルベンジル)エステル
等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等を添加する
ことができる。
【0081】その他に、ヘッド摩耗防止、スティッキン
グ防止などの目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラ
フィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン
酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収
剤、さらに界面活性剤、蛍光染料などが必要に応じて添
加される。
【0082】本発明による感熱記録層に用いる接着剤と
しては、通常用いられる種々の接着剤を任意に用いるこ
とができる。例えば、デンプン類、ヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変
性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アク
リル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル
酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重
合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ
塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、
等の水溶性接着剤、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポ
リアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル
酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル
共重合体等のラテックス等が挙げられる。
【0083】中間層にはさらに種々の添加剤を加えるこ
とが可能であり、例えば通常の塗工紙に用いられる顔
料、界面活性剤、熱可塑性物質等を添加してもよい。
【0084】次に本発明の感圧複写シートについて説明
すると、マイクロカプセルを主成分とした塗布液の塗布
に適用できるだけでなく、発色剤を内包するマイクロカ
プセルと顕色剤を分散した自己発色型塗布液や顕色剤を
主成分とした塗布液の塗布に適用することが可能であ
る。
【0085】本発明の感圧複写シートにおいて、マイク
ロカプセルを主成分とする塗布液とは、一般にマイクロ
カプセルをバインダー及び保護剤と共に水に分散させた
液であって、マイクロカプセル、バインダー、保護剤の
濃度が10〜60重量%のものを言う。マイクロカプセ
ル、バインダー、保護剤の配合割合は、一般にマイクロ
カプセル100重量部に対し、保護剤は、10重量部以
上、好ましくは、15〜100重量部、さらに好ましく
は、20〜70重量部であり、バインダーは、マイクロ
カプセルと保護剤の総量100重量部に対して、5〜7
0部、好ましくは、20〜70重量である。
【0086】本発明において、マイクロカプセルとは、
塩基性の無色の発色剤を、不揮発性の溶媒に溶解した油
性状の物質を内蔵物とし、これを水及び油性液の双方に
不溶な高分子物質よりなる壁材で被覆した微小カプセル
である。壁材としては、ゼラチン−アラビアゴムの如き
ポリカチオンとポリアニオンの組合せによるものやポリ
イソシアネート−ポリアミンの如き縮合系の組成物の組
合せによるもの等が用いられる。
【0087】かようなマイクロカプセルの製造方法とし
ては、水溶液からの相分離法(米国特許第280045
7号、同第2800458号明細書等)、界面重合法
(特公昭38−19574号、同42−446号、同4
2−771号、同42−2882号、同42−2883
号、同42−8693号、同42−9654号、同42
−11344号公報、英国特許第950443号、同第
1046409号明細書等)、油滴中での壁材の重合に
よる方法(特公昭36−9168号、同49−4513
3号公報等)、あるいは融解分散冷却法(英国特許第9
52807号、同第965074号明細書等)等が用い
られる。
【0088】本発明の感圧複写シートにおいて発色剤と
は、エレクトロンを供与して、あるいは酸などのプロト
ンを受容して発色する性質のものであって、特に限定さ
れないが、これらの発色剤の具体的化合物を示せば、ト
リアリールメタン系化合物として:3,3−ビス(p−
ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド即ちクリスタルバイレットラクトン、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−
ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−
3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−5ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)−6ジメチルアミ
ノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−
3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビ
ス−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメ
チルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル
−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチ
ル−アミノフタリド等。
【0089】ジフェニルメタン系化合物として:4,
4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエ
ーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−
2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。
【0090】キサンテン系化合物として:ローダミンB
−アニリドラクタム、ローダミンBpニトロアニリノラ
クタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、
7−ジメチルアミノ−2−メトキシフルオラン、7−ジ
エチルアミノ−2−メトキシフルオラン、7−ジエチル
アミノ−3−メトキシフルオラン、7−ジエチルアミノ
−3−クロロフルオラン、7−ジエチルアミノ−3−ク
ロロ−2−メチルフルオラン、7−ジエチルアミノ−
2,2−ジメチルフルオラン、7−ジエチルアミノ−3
−アセチルメチルアミノフルオラン、7−ジエチルアミ
ノ−3’−メチルアミノフルオラン、3,7−ジエチル
アミノフルオラン、7−ジエチルアミノ−3−ジベンジ
ルアミノフルオラン、7−ジエチルアミノ−3−メチル
ベンジルアミノ−フルオラン、7−ジエチルアミノ−3
−クロロエチルメチルアミノフルオラン、7−ジエチル
アミノ−3−ジエチルアミノフルオラン等。
【0091】チアジン系化合物として:ベンゾイルロイ
コメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレン
ブルー等。
【0092】スピロ系化合物として:3−メチル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピ
ラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、
3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナ
フト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロ−ピラン、3
−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等、あるいはこれ
らの混合物を挙げることができる。
【0093】これらの発色剤は溶媒に溶解してカプセル
化せしめられる。溶媒としては天然または合成油を単独
または併用して用いることができる。溶媒の例として、
綿実油、灯油、パラフィン、ナフテン油、アルキル化ビ
フェニル、アルキル化ターフェル、塩素化パラフィン、
アルキル化ナフタレン、ジフェニルエタンなどを挙げる
ことができる。カプセル化の方法については前述した。
【0094】本発明の感圧複写シートにおいて、バイン
ダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−ラバー
ラテックス、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル
ラテックス、スチレン−無水マレイン酸共重合体ラテッ
クス等のラテックス:プロテイン(例えば、ゼラチン、
カゼインなど)、セルロース誘導体(例えば、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースな
ど)、サッカロース誘導体(例えば、寒天、アルギン酸
ソーダ、デンプン、カルボキシメチルデンプンなど)の
如き水溶性天然高分子化合物:ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル
アミドの如き水溶性合成高分子化合物:ニトロセルロー
ス、エチルセルロース、ポリエステル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体の如き有機溶剤可溶の高分子化合物などを挙げ
ることができる。
【0095】また、本発明の感圧複写シートにおいて、
保護剤としては、セルロース微粉末、澱粉粒子、ガラス
ビーズ、マイクロスフェアの他、高分子粒子としてポリ
オレフィン粒子、ナイロン粒子、塩化ビニル粒子、メタ
クリル酸メチル重合体粒子等、鉱物粒子としてチタン
粉、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、タングテン酸
カルシウム、硫化亜鉛等マイクロカプセルより大きい粒
子径を持つものであれば、一応使用可能であるが、望ま
しくは比較的球形の粒子で無色のものが望ましい。
【0096】本発明の感圧複写シートにおいて、マイク
ロカプセルを主成分とする塗布液の塗布量は乾燥重量規
準で、2g/m2以上、好ましくは、3〜6g/m2が適
当である。
【0097】次に本発明の顔料塗被紙の塗布液について
説明する。本発明において、顔料を主成分とする塗布液
とは、顔料とバインダー、その他添加剤と共に水に溶解
もしくは分散せしめた液であって、顔料、バインダー、
その他添加剤の濃度が、10〜65重量%のものを言
う。顔料、バインダーの配合割合は、一般に顔料100
重量部に対し、バインダーが5重量部以上、好ましく
は、10〜70重量部である。
【0098】本発明で用いる塗被紙用顔料としては、カ
オリン、クレー、サチンホワイト、酸化チタン、水酸化
アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、シリカ、活性白土、レーキ、プラスチックピグメン
ト等が挙げられる。
【0099】本発明の顔料塗被紙に用いられるバインダ
ーとしては、スチレン・ブタジエン系、酢ビ・アクリル
系、エチレン・酢ビ系、ブタジエン・メチルメタクリル
系、酢ビ・ブチルアクリレート系等の各種共重合体及び
ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、イソ
ブテン・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチル
メタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、酸化澱
粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉や
それらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱
粉、カゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤などの一般に
知られた接着剤が挙げられる。また、必要に応じて、分
散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等の
通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用で
きる。
【0100】かくして得られた本発明の塗布液は、ウェ
ブの両面ないし片面に、単層ないし多層コーティングさ
れるものである。多層塗布における下層部の塗布には、
カーテン塗布装置以外の塗布装置の使用も可能であり、
さらに、下層塗布部を乾燥せずに上層塗布を行うウェッ
トオンウェット塗布方法を行ってもよい。
【0101】本発明の顔料塗被紙において、顔料を主成
分とする塗布液の塗布量は乾燥重量規準で、1g/m2
以上、好ましくは、3〜30g/m2が適当である。
【0102】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。尚、以下に示す部及び%のいずれも重量基準であ
る。また、塗布量を示す値は断わりのない限り乾燥後の
塗布量である。
【0103】実施例1 次の配合からなる混合物をそれぞれサンドミルで平均粒
径が約1μmになるまで粉砕分散して、〔A液〕と〔B
液〕を調製した。 〔A液〕 3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン:40部 25%ポリビニルアルコール水溶液:20部 水:20部 〔B液〕 ビスフェノールA:50部 2−ベンジルオキシナフタレン:50部 25%ポリビニルアルコール水溶液:50部 水:60部
【0104】次いで調製した〔A液〕と〔B液〕を用
い、次の配合の濃度40%の感熱塗布液(1)を調製し
た。 〔A液〕:50部 〔B液〕:250部 ステアリン酸亜鉛(40%分散液):25部 25%ポリビニルアルコール水溶液:205部 炭酸カルシウム:50部
【0105】次の配合からなる中間層塗布液を調整し
た。 〔中間層塗布液〕 焼成カオリン(アンシレックス、エンゲルハード製):
100部 スチレン・ブタジエン系共重合ラテックス(50%水分
散品):24部 リン酸エステル化澱粉(MS−4600、日本食品加工
製、10%水溶液):60部 水:52部
【0106】[塗布方法]ロッド塗布装置を用い、坪量
40g/m2の上質紙に800m/minの塗布速度
で、中間層塗布液を塗布量が5g/m2になるように塗
布、乾燥した後、さらに、誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設した流下幅が600mm幅のカーテ
ン塗布装置を用い、400m/minの塗布速度で、塗
布液(1)に水を加えて濃度を13%とした塗布液を、
塗布量が4g/m2になるように、100,000mの
長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,000m
の感熱記録シートの巻取り10本を得た。このときの塗
布液の、吸光係数は、89cmー1であった。
【0107】実施例2 [塗布液の製造方法]実施例1で得られた中間層塗布液
と、実施例1で得られた感熱塗布液(1)に水を加えて
濃度を35%まで希釈した感熱塗布液を用いた。このと
きの感熱塗布液の吸光係数は、240cmー1であった。
【0108】[塗布方法]実施例1と同様の方法で中間
層の塗布を行った後、誘導加熱型の塗布量プロファイル
制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、坪量40
g/m2の上質紙に800m/minの塗布速度で、塗
布液を塗布量が4g/m2になるように100,000
mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,00
0mの感熱記録シートの巻取り10本を得た。
【0109】比較例1 [塗布液の製造方法]実施例1で得られた中間層塗布液
と、実施例1で得られた感熱塗布液(1)に水を加え濃
度を9%まで希釈した感熱塗布液を用いた。このときの
感熱塗布液の吸光係数は、71cmー1であった。
【0110】[塗布方法]実施例1と同様の方法で中間
層の塗布を行った後、誘導加熱型の塗布量プロファイル
制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、坪量40
g/m2の上質紙に400m/minの塗布速度で、塗
布液を塗布量が4g/m2になるように、100,00
0mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,0
00mの感熱記録シートの巻取り10本を得た。
【0111】比較例2 [塗布液の製造方法]実施例1で得られた中間層塗布液
と感熱塗布液(1)をそのまま用いた。このときの感熱
塗布液(1)の吸光係数は、262cmー1であった。
【0112】[塗布方法]実施例1と同様の方法で中間
層の塗布を行った後、誘導加熱型の塗布量プロファイル
制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、坪量40
g/m2の上質紙に800m/minの塗布速度で、塗
布液を塗布量が4g/m2になるように、100,00
0mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,0
00mの感熱記録シートの巻取り10本を得た。
【0113】比較例3 [塗布液の製造方法]実施例1で得られた中間層塗布液
と、実施例1で得られた感熱塗布液(1)に水を加え濃
度を35%まで希釈した感熱塗布液を用いた。このとき
の塗布液の吸光係数は、240cmー1であった。
【0114】[塗布方法]実施例1と同様の方法で中間
層の塗布を行った後、誘導加熱型の塗布量プロファイル
制御機構に替えて油圧シリンダーを使用した塗布量プロ
ファイル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、
坪量40g/m2の上質紙に800m/minの塗布速
度で、塗布液を塗布量が4g/m2になるように、10
0,000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ
10,000mの感熱記録シートの巻取り10本を得
た。
【0115】比較例4 [塗布液の製造方法]実施例1で得られた中間層塗布液
と、実施例1で得られた感熱塗布液(1)に水を加え濃
度を35%まで希釈した感熱塗布液を用いた。このとき
の塗布液の吸光係数は、240cmー1であった。
【0116】[塗布方法]実施例1と同様の方法で中間
層の塗布を行った後、塗布量プロファイル制御機構を付
設しないカーテン塗布装置を用い、坪量40g/m2
上質紙に800m/minの塗布速度で、塗布液を塗布
量が4g/m2になるように、100,000mの長さ
を連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,000mの感
熱記録シートの巻取り10本を得た。
【0117】比較例5 [塗布液の製造方法]実施例1で得られた中間層塗布液
と、実施例1で得られた感熱塗布液(1)に水を加え濃
度を22%まで希釈した感熱塗布液を用いた。このとき
の塗布液の吸光係数は、164cmー1であった。
【0118】[塗布方法]実施例1と同様の方法で中間
層の塗布を行った後、エアナイフ塗布装置を用い、坪量
40g/m2の上質紙に350m/minの塗布速度
で、塗布液を塗布量が4g/m2になるように、10
0,000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ
10,000mの感熱記録シートの巻取り10本を得
た。
【0119】比較例6 [塗布液の製造方法]実施例1で得られた中間層塗布液
と。感熱塗布液(1)に水を加え濃度を35%まで希釈
した感熱塗布液を用いた。このときの塗布液の吸光係数
は、240cmー1であった。
【0120】[塗布方法]実施例1と同様の方法で中間
層の塗布を行った後、ブレード塗布装置を用い、坪量4
0g/m2の上質紙に800m/minの塗布速度で、
塗布液を塗布量が4g/m2になるように、100,0
00mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,
000mの感熱記録シートの巻取り10本を得た。
【0121】<感熱記録シートの評価方法1>得られた
巻取り10本全てに関して、巻形状、塗布むらに起因す
る凹凸の発生状態の観察を行った。10本全てで巻形
状、塗布むらの発生のないものに、◎、巻形状の微少な
歪みが10本中で1〜2本で発生している場合には、
○、明らかな塗布むらが1箇所でも発生している場合に
は、△、明かな塗布むらが2箇所以上発生している場合
には、×であると判定した。ここで、△及び×は、製品
としての実用は不可能である。
【0122】<感熱記録シートの評価方法2>塗布面質
の評価は、巻取りの任意の部位を、流れ方向に30c
m、幅方向には全幅で試料を採取し、目視判断により行
った。塗布面が全ての塗布面で均一な場合には、◎、ほ
ぼ良好な場合には、○、ややむらがある場合には、△、
むらが目立つ場合には、×と判断した。
【0123】<感熱記録シートの評価方法3>感熱記録
シートをスーパーカレンダーでベック平滑度で300〜
400秒になるように処理し、G3FAX試験機で記録
濃度を評価した。ここで、記録濃度は、直接、感熱紙の
感度に対応するものではないが、固形分塗布量が同一の
場合、感熱塗布層において、発色に有効に寄与する成分
の割合を示すこととなる。つまり、塗布量が同一の場
合、発色濃度が高いと、塗布層表面で発色に寄与する成
分の濃度が高いことになり、感度も高いことになる。な
お、試験機は大倉電機製(TH−PMD)でドット密度
が8ドット/mm、ヘッド抵抗は1045Ωのサーマルヘ
ッドを使用し、ヘッド電圧20V、通電時間1.2msで
印字し、マクベスRD−918型反射濃度計にて測定し
た。
【0124】以上のようにして実施例、比較例として作
成した感熱記録シートについて、製造過程、試料の評価
結果を表1に記載した。
【0125】<評価結果>表1のような評価結果を得た
が、誘導加熱型の塗布量プロファイル制御機構を付設し
たカーテン塗布装置を用い、塗布液の吸光係数が、8
9、240cm-1の場合には、記録濃度、塗布面質、巻
取り形状ともに良好である。しかし、塗布量プロファイ
ル制御装置を用いるが、吸光係数が、71、262cm
-1である場合と塗布量プロファイル制御装置を付設しな
い場合には、記録濃度、塗布面質は良好であるが、巻取
り形状にむらが発生している。塗布量プロファイル制御
機構に油圧シリンダーを用いると、記録濃度、塗布面質
は、良好であるが、巻取り形状に関して誘導加熱型のも
のと比較して劣る。ブレード、エアナイフ塗布装置を用
いると、巻取りの形状は問題がないが、発色性と耐汚染
性で、カーテン塗布装置で塗布した感熱記録シートより
劣る。
【0126】
【表1】
【0127】実施例3 [塗布液の製造方法] <カプセル分散液>クリスタルバイオレットラクトン
(CVL)5部を溶解した200部の高沸点油(呉羽化
学(株)製KMC−113)を5%スチレン無水マレイ
ン酸共重合体水溶液(PH5.0)250部に添加し、
平均粒子径6μmとなるように乳化した。
【0128】次に40%メラミン−ホルマリン初期縮合
物水溶液(住友化学(株)製スミレッツレジン)20部
を上記乳化液に加えて温度を75℃とし、2時間反応さ
せたのち、20%水酸化ナトリウム水溶液でpH=9.
0として室温まで冷却し、40%のマイクロカプセル分
散液を得た。
【0129】<塗布液>このようにして得られたマイク
ロカプセル分散液を下記の配合にさらに水を加えて固形
分濃度が42%になるように調整し、塗布液(2)を得
た。 40%マイクロカプセル分散液:100部 小麦澱粉(平均粒子径20μm):50部 48%カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体ラテ
ックス:20部
【0130】[塗布方法]誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、坪量
40g/m2の上質紙に200m/minの塗布速度
で、塗布液(2)に水 を加えて濃度11%に希釈し、
塗布量が4g/m2になるように100,000 mの長
さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,000mの
感圧複写シートの巻取り10本を得た。このときの塗布
液の吸光係数は、94cm-1であった。
【0131】実施例4 [塗布液の製造方法]実施例3で得られた塗布液(2)
に水を加え、37%に希釈し塗布液とした。このときの
塗布液の吸光係数は、226cm-1であった。
【0132】[塗布方法]誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、坪量
40g/m2の上質紙に800m/minの塗布速度
で、塗布液を塗布量が 4g/m2になるように100,
000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻 長さ1
0,000mの感圧複写シートの巻取り10本を得た。
【0133】比較例7 [塗布液の製造方法]実施例3で得られた塗布液(2)
に水を加え、9%に希釈し塗布液とした。このときの塗
布液の吸光係数は、70cm-1であった。
【0134】[塗布方法]誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、坪量
40g/m2の上質紙に200m/minの塗布速度
で、塗布液を塗布量が 4g/m2になるように100,
000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻 長さ1
0,000mの感圧複写シートの巻取り10本を得た。
【0135】比較例8 [塗布液の製造方法]実施例3で得られた42%の塗布
液(2)を、そのまま塗布液とした。このときの塗布液
の吸光係数は、259cm-1であった。
【0136】[塗布方法]誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、坪量
40g/m2の上質紙に800m/minの塗布速度
で、塗布液を塗布量が 4g/m2になるように100,
000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻 長さ1
0,000mの感圧複写シートの巻取り10本を得た。
【0137】比較例3 [塗布液の製造方法]実施例3で得られた塗布液(2)
に水を加え、37%に希釈し塗布液とした。このときの
塗布液の吸光係数は、226cm-1であった。
【0138】[塗布方法]誘導加熱型のプロファイル制
御機構に替えて、油圧シリンダーによる塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、坪量
40g/m2の上質紙に800m/minの塗布速度
で、塗布液を塗布量が4g/m2になるように100,
000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ1
0,000mの感圧複写シートの巻取り10本を得た。
【0139】比較例10 [塗布液の製造方法]実施例3で得られた塗布液(2)
に水を加え、37%に希釈し塗布液とした。このときの
塗布液の吸光係数は、226cm-1であった。
【0140】[塗布方法]塗布量プロファイル制御機構
を付設しないカーテン塗布装置を用い、坪量40g/m
2の上質紙に800m/minの塗布速度で、塗布液を
塗布量が4g/m2になるように100,000mの長
さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,000mの
感圧複写シートの巻取り10本を得た。
【0141】比較例11 [塗布液の製造方法]実施例3で得られた塗布液(2)
に水を加え、22%に希釈し塗布液とした。このときの
塗布液の吸光係数は、171cm-1であった。
【0142】[塗布方法]エアナイフ塗布装置を用い、
坪量40g/m2の上質紙に500m/minの塗布速
度で、塗布液を塗布量が絶乾で4g/m2になるように
100,000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻
長さ10,000mの感圧複写シートの巻取り10本を
得た。
【0143】比較例12 [塗布液の製造方法]実施例3で得られた塗布液(2)
に水を加え、37%に希釈し塗布液とした。このときの
塗布液の吸光係数は、226cm-1であった。
【0144】[塗布方法]ブレード塗布装置を用い、坪
量40g/m2の上質紙に800m/minの塗布速度
で、塗布液を塗布量が絶乾で4g/m2になるように1
00,000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長
さ10,000mの感圧複写シートの巻取り10本を得
た。
【0145】<感圧複写シートの巻取り評価方法1>得
られた巻取り10本全てに関して、巻形状、塗布むらに
起因する凹凸の発生状態の観察を行った。10本全てで
巻形状、塗布むらの発生のないものに、◎、巻形状の微
少な歪みが10本中で1〜2本で発生している場合に
は、○、明らかな塗布むらが1箇所でも発生している場
合には、△、明かな塗布むらが2箇所以上発生している
場合には、×と判定した。ここで、△及び×は、製品と
しての実用は不可能である。
【0146】<感圧複写シート評価方法2>得られた発
色シートを市販三菱NCR紙スーパー下用紙(N−4
0)と組み合わせスーパーカレンダーに通して発色させ
発色性を評価し、発色性の良好なものは、○、やや不良
のものは、△、不良のものは、×と判定した。
【0147】<感圧複写シート評価方法3>縦35cm
×横25cmの上記下用紙に縦15cm×横15cmの
発色剤シートを組み合わせ、その上に3500gの耐汚
染性評価用の重りを載せ発色剤シートを一定速度で引っ
張った時の汚れの度合いにより耐汚染性を評価し、汚れ
の発生のないものは、○、やや発生の見られるものは、
△、発生が著しいものは、×と判定した。
【0148】以上のようにして実施例、比較例として作
成した感圧複写シートについて、の評価結果を表2に記
載した。
【0149】<評価結果>表2のような評価結果を得た
が、誘導加熱型の塗布量プロファイル制御機構を付設し
たカーテン塗布装置を用い、塗布液の吸光係数が、9
4、226cm-1の場合には、発色性、耐汚染性、巻取
り形状ともに良好である。しかし、塗布量プロファイル
制御装置を用いるが、吸光係数が、70、259cm-1
である場合と塗布量プロファイル制御装置を付設しない
場合には、発色性、耐汚染性は良好であるが、巻取り形
状にむらが発生している。塗布量プロファイル制御機構
に油圧シリンダーを用いると、発色性、耐汚染性は良好
であるが、巻取り形状に関して誘導加熱型のものと比較
して劣る。ブレード、エアナイフ塗布装置を用いると、
巻取りの形状は問題がないが、発色性と耐汚染性で、カ
ーテン塗布装置で塗布した感圧複写シートより劣る。
【0150】
【表2】
【0151】実施例5 坪量60g/m2の上質紙に、カーテン塗布装置によ
り、絶乾塗布量が10g/m2となるように、以下の配
合の固形分濃度が58%の塗布液を、下塗り液として、
塗布速度1000m/minで塗布し、下塗り原紙の作
成を行った。
【0152】<下塗り液配合> ・市販重質炭酸カルシウム(カービタル90):70部 ・市販2級カオリン(カオブライト):30部 ・市販ポリアクリル酸系分散剤:0.2部 ・市販燐酸エステル化澱粉:9部 ・スチレン・ブタジエン・ラテックス:8部 ・水酸化ナトリウム:0.1部
【0153】以下の配合で固形分濃度が60%の上塗り
塗布液(3)を作成した。誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、前に
得られた下塗り原紙に、400m/minの塗布速度
で、上塗り塗布液(3)に水を加え34%に希釈した上
塗り塗布液を塗布量が4g/m2になるように、10
0,000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ
10,000mの顔料塗被紙の巻取り10本を得た。こ
の時の上塗り塗布液の吸光係数は、97cm-1であっ
た。
【0154】<上塗り液配合> ・市販重質炭酸カルシウム(カービタル90):10部 ・市販1級カオリン(ウルトラホワイト90):50部 ・市販2級カオリン(カオブライト):20部 ・市販立方体状軽質炭酸カルシウム(ブリリアント1
5):10部 ・市販アラゴナイト型炭酸カルシウム(HGA):10
部 ・市販ポリアクリル酸系分散剤:0.2部 ・市販燐酸エステル化澱粉:3部 ・スチレン・ブタジエン・ラテックス:16部
【0155】実施例6 [塗布液の製造方法]実施例5で得られた上塗り塗布液
(3)に水を加え、濃度53%とした上塗り塗布液を用
いた。上塗り塗布液の吸光係数は、234cmー1であっ
た。
【0156】[塗布方法]誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、前に
得られた下塗り原紙に800m/minの塗布速度で、
上塗り塗布液(5)を塗布量が12g/m2になるよう
に100,000mの長さを連続的に塗布、 乾燥し
て、巻長さ10,000mの顔料塗被紙の巻取り10本
を得た。
【0157】比較例13 [塗布液の製造方法]実施例5で得られた上塗り塗布液
(3)に水を加え、濃度27%とした上塗り塗布液を用
いた。上塗り塗布液の吸光係数は、69cmー1であっ
た。
【0158】[塗布方法]誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、前に
得られた下塗り原紙に400m/minの塗布速度で、
上塗り塗布液を塗布量が12g/m2になるように10
0,000mの長さを連続的に塗布、 乾燥して、巻長
さ10,000mの顔料塗被紙の巻取り10本を得た。
【0159】比較例14 [塗布液の製造方法]実施例5で得られた濃度60%の
上塗り塗布液(3)を、そのまま用いた。上塗り塗布液
の吸光係数は、267cmー1であった。
【0160】[塗布方法]誘導加熱型の塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、前に
得られた下塗り原紙に400m/minの塗布速度で、
上塗り塗布液(3)を塗布量が12g/m2になるよう
に100,000mの長さを連続的に塗布、 乾燥し
て、巻長さ10,000mの顔料塗被紙の巻取り10本
を得た。
【0161】比較例15 [塗布液の製造方法]実施例5で得られた上塗り塗布液
(3)に水を加え、濃度53%とした上塗り塗布液を用
いた。上塗り塗布液の吸光係数は、234cmー1であっ
た。
【0162】[塗布方法]誘導加熱型のプロファイル制
御機構に替えて、油圧シリンダーによる塗布量プロファ
イル制御機構を付設したカーテン塗布装置を用い、前に
得られた下塗り原紙に800m/minの塗布速度で、
上塗り塗布液を塗布量が12g/m2になるように10
0,000mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ
10,000mの顔料塗被紙の巻取り10本を得た。
【0163】比較例16 [塗布液の製造方法]実施例5で得られた上塗り塗布液
(3)に水を加え、濃度53%とした上塗り塗布液を用
いた。上塗り塗布液の吸光係数は、234cmー1であっ
た。
【0164】[塗布方法]塗布量プロファイル制御機構
を付設しないカーテン塗布装置を用い、前に得られた下
塗り原紙に800m/minの塗布速度で、上塗り塗布
液を塗布量が12g/m2になるように100,000
mの長さを連続的に塗布、乾燥して、巻長さ10,00
0mの顔料塗被紙の巻取り10本を得た。
【0165】比較例17 [塗布液の製造方法]実施例5で得られた濃度60%の
上塗り塗布液(3)に水を加え、濃度44%とした上塗
り塗布液を用いた。上塗り塗布液の吸光係数は、148
cmー1であった。
【0166】[塗布方法]エアナイフ塗布装置を用い、
前に得られた下塗り原紙に400m/minの塗布速度
で、上塗り塗布液を塗布量が12g/m2になるように
100,0 00mの長さを連続的に塗布、乾燥して、
巻長さ10,000mの顔料塗被紙の巻取り10本を得
た。
【0167】比較例18 [塗布液の製造方法]実施例5で得られた上塗り塗布液
(3)に水を加え、濃度53%とした上塗り塗布液を用
いた。上塗り塗布液の吸光係数は、234cmー1であっ
た。
【0168】[塗布方法]ブレード塗布装置を用い、前
に得られた下塗り原紙に800m/minの塗布速度
で、上塗り塗布液を塗布量が12g/m2になるように
100,0 00mの長さを連続的に塗布、乾燥して、
巻長さ10,000mの顔料塗被紙の巻取り10本を得
た。
【0169】<顔料塗被紙の巻取り評価方法1>得られ
た巻取り10本全てに関して、巻形状、塗布むらに起因
する凹凸の発生状態の観察を行った。10本全てで巻形
状、塗布むらの発生のないものに、◎、巻形状の微少な
歪みが10本中で1〜2本で発生している場合には、
○、明らかな塗布むらが1箇所でも発生している場合に
は、△、明かな塗布むらが2箇所以上発生している場合
には、×であると判定した。ここで、△及び×は、製品
としての実用は不可能である。
【0170】<顔料塗被紙の評価方法2>塗布層の平滑
度は、スムースター平滑度試験機(東英電子工業株式会
社製、形式SM−6A)により測定した。(単位:mm
Hg)
【0171】<顔料塗被紙の評価方法3>印刷ムラの評
価は、ローランドオフセット印刷機にて、湿し水が給水
過多の条件で印刷し、一昼夜室温にて放置し、サンプル
のシアンの単色の網点の面積率が50%の印刷部に関し
て、目視により行った。(単位:5段階評価で5が最も
優れる)
【0172】<顔料塗被紙の評価方法4>塗布面質の評
価は、巻取りの任意の部位を、流れ方向に30cm、幅
方向には全幅で試料を採取し、目視判断により行った。
塗布面質が完全に均一な場合には、◎、ほぼ良好な場合
には、○、ややむらがある場合には、△、むらが目立つ
場合には、×と判断した。
【0173】以上のようにして実施例、比較例として作
成した顔料塗被紙についての評価結果を表3に記載し
た。
【0174】<評価結果>表3のような評価結果を得た
が、誘導加熱型の塗布量プロファイル制御機構を付設し
たカーテン塗布装置を用い、塗布液の吸光係数が、9
7、234cm-1の場合には、発色性、耐汚染性、巻取
り形状ともに良好である。しかし、塗布量プロファイル
制御装置を用いるが、吸光係数が、69、267cm-1
である場合と塗布量プロファイル制御装置を付設しない
場合には、平滑性、印刷むらと塗布面質は良好である
が、巻取り形状にむらが発生している。塗布量プロファ
イル制御機構に油圧シリンダーを用いると、平滑性、印
刷むらと塗布面質は良好であるが、巻取り形状に関して
誘導加熱型のものと比較して劣る。ブレード、エアナイ
フ塗布装置を用いると、巻取りの形状は問題がないが、
平滑性、印刷ムラと塗布面質で、カーテン塗布装置で塗
布した顔料塗被紙より劣る。
【0175】
【表3】
【0176】
【発明の効果】本発明によれば、次に掲げるが如き新規
な効果が得られる。
【0177】プロファイル制御機構を付設したカーテン
塗布装置を感熱塗布液の塗布に適用することにより、感
度に優れた高品質な感熱記録シートを得ることができ
る。
【0178】マイクロカプセルを主成分とした塗布液の
塗布に適用することにより、発色性、耐汚染性に優れた
高品質な感圧複写シートを得ることができる。
【0179】顔料塗布液の塗布に適用することにより、
平滑性、印刷ムラ、塗布面質に優れた高品質な顔料塗被
紙を得ることができる。
【0180】プロファイル制御機構を付設したカーテン
塗布装置を塗布液の塗布に適用することにより、長時間
にわたる大量の製品の塗布を行う場合でも、常に均一な
塗布を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すカーテンの膜厚プロフ
ァイル測定装置の概略図。
【図2】本発明の他の実施例を示すカーテンの膜厚プロ
ファイル測定装置の概略図。
【図3】本発明のプロファイルも調整機構を付設したコ
ーターヘッドの断面図。
【図4】本発明の実施例を示す塗布装置の概略図。
【符号の説明】
1 コーターヘッド 2 カーテン膜 3 光源部 4 受光部 5 コンピューター 6 移動ステージ 7 プロファイル調整装置 8 プロファイル調整装置電源コントローラ 9 給液タンク 10 ウェブ 11a、11b エッジガイド 12 ロール 13 受液槽 14 遮風板 15 給液ポンプ 16 プロファイルプレート 17 断熱材 18a、18b コイル 19 プロファイル調整ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/165 5/30 D21H 19/66 19/72 21/50 27/00 G11B 5/842 7303−5D 6956−2H B41M 5/18 108 7199−3B D21H 5/00 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液を塗布してなる塗被紙の製造方法
    において、幅方向に対し光学的にカーテン膜厚プロファ
    イル測定を行い、流量値に換算して、塗布量プロファイ
    ルに対応するヘッドのスリット開度を制御する機構を付
    設したカーテン塗布装置を用いることを特徴とする塗被
    紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 スリット開度の制御を、カーテン膜の厚
    みプロファイルを電圧値或は電流値に変換し、コーター
    ヘッドに接する金属塊を加熱して、該金属塊の熱膨張を
    起こさせ、スリット開度を変化させることにより行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の塗被紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 カーテン膜厚プロファイル測定が、下記
    数式1のカーテン膜の光学濃度階調G及びブランク露光
    の光学濃度階調GBで示され、かつ吸光係数aが、80
    〜250の範囲であることを特徴とする請求項1記載の
    塗被紙の製造方法。 【数1】 x=−(1/a)・ln(G/GB) (数式1) x:カーテン膜厚 a:吸光係数(cm-1) G:カーテン膜の光学濃度階調 GB:ブランク露光の光学濃度階調
  4. 【請求項4】 発色剤及び顕色剤を主成分とする塗布液
    を塗布してなる請求項1、2又は3記載の感熱記録シー
    トの製造方法。
  5. 【請求項5】 支持体の片面にマイクロカプセルを主成
    分とする塗布液を塗布してなる請求項1、2又は3記載
    の感圧複写シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 顔料を主成分とする塗布液を塗布してな
    る請求項1、2又は3記載の顔料塗被紙の製造方法。
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