JPH0510096B2 - - Google Patents

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JPH0510096B2
JPH0510096B2 JP60015156A JP1515685A JPH0510096B2 JP H0510096 B2 JPH0510096 B2 JP H0510096B2 JP 60015156 A JP60015156 A JP 60015156A JP 1515685 A JP1515685 A JP 1515685A JP H0510096 B2 JPH0510096 B2 JP H0510096B2
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JP
Japan
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blood
collection tube
blood collection
serum
container
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JP60015156A
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English (en)
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JPS61176328A (ja
Inventor
Hideo Anraku
Yoshikatsu Shoko
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Priority to EP86300574A priority patent/EP0193279B1/en
Priority to DE8686300574T priority patent/DE3683657D1/de
Priority to AU52959/86A priority patent/AU584672B2/en
Priority to KR1019860000577A priority patent/KR930011033B1/ko
Publication of JPS61176328A publication Critical patent/JPS61176328A/ja
Publication of JPH0510096B2 publication Critical patent/JPH0510096B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、血液検査用容器、特に、被験者の全
血試料を採取し遠心分離により血清を分離するた
めに用いられる真空採血管に関する。 (従来の技術) 検査技術の目覚ましい進歩とあいまつて血清生
化学検査、血清免疫学検査、血球検査などの血液
検査が広く普及し、病気予防や早期診断に役立つ
ている。血液検査の多くは血清検査であり、その
検査に要する血清は、通常、血液検査用容器に採
取した血液を凝固させた後、遠心分離によつて、
比重の異なる血餅(フイブリンと血球が混合した
ゲル様塊状物)から分離している。 被験者からの血液の採取は注射器を用いて行わ
れてきたが、最近では真空採血管を用いた採血法
が採られている。真空採血管により採血を行うに
は、専用の採血ホルダーを介して減圧状態となつ
た真空採血管内部へ血液を採取する。 真空採血管の素材には、ガラスやポリメチルメ
タクリレートなどの合成樹脂が使用されている。
しかし、これらの素材の真空採血管に血液を採取
しても血液が凝固して血清と血餅とに分離するま
でにかなりの時間を必要とし、検査に必要な血清
を迅速に確保できないという欠点を有する。これ
は、特に緊急に検査を実施する必要のある場合に
問題となる。血液凝固時間が短いとされるガラス
製真空採血管でさえ、血液を採取した後、凝固す
るまでに40〜60分を必要とし、合成樹脂製真空採
血管を用いると、実に4時間以上の放置時間が必
要となる。さらに、このような素材の真空採血管
を用いると血液凝固時にゲル状のフイブリンある
いは血餅が管壁に強固に付着しやすいため、血清
の採取量が少なくなる。また、血清中にフイブリ
ンが残存しやすく、そのため、血清生化学検査に
障害をひき起こすなどの欠点もある。血清分離性
が比較的良好とされるガラス製真空採血管を用い
ても15℃以下の低温状態、特に気温の低い冬期に
は分離状態が極めて悪い。 これに対して、ガラスなどの無機微粒子を管壁
に付着させて血液の凝固時間を短縮させたり、
又、シリコンオイル、ケイ素化合物粉末などを含
有する分離剤を採血管内に分注しておき、血清の
分離性を高めることがなされている。このような
分離剤はチキソトロピー性を有し、血清と血餅と
の中間の比重を有するように調整されている。そ
のため、採取した血液の凝固後、採血管を遠心分
離機にかけると分離剤が血清層と血餅層との中間
に移動し血清層とを分離させることができる。こ
のようにして分離された血清を各種検査に供する
までに時間がかかる場合には、通常、採血管はそ
のまま、4℃の温度条件下で保存される。しか
し、保存可能な時間は比較的短く、ガラス製採血
管で約48時間、ポリメチルメタクリレート製真空
採血管でも、せいぜい72時間である。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記従来の欠点を解決するものであ
り、その目的とするところは、採取した全血試料
を短時間で凝固させ、遠心分離操作により効果的
に血清と血餅とを分離することのできる真空採血
管を提供することにある。本発明のさらに他の目
的は、遠心分離後、そのままの状態で低温下に長
時間保存しても血清の品質が低下することなく、
したがつて、血清保存容器として有効な真空採血
管を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明の真空採血管は、内部が排気可能な有底
の管状容器と該容器の減圧状態を保持する密栓可
能な栓とを有し、該管状容器の素材がアクリロニ
トリル系樹脂であり、前記容器内壁面に、血餅剥
離性を有し水に対して難溶もくしは不溶の親水性
物質、水溶性物質及び吸着性無機物が存在せしめ
られてなるものであり、そのことにより上記目的
が達成される。 本発明真空採血管を構成する有底管状容器の素
材としてはアクリロニトリル系樹脂が用いられ
る。 本発明に用いられるアクリロニトリル系樹脂と
は、アクリロニトリルを主成分として重合して得
られる樹脂を指し、一般には、主成分であるアク
リロニトリルに少量のブタジエン等のゴム成分や
(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル
酸エステル等の1種若しくは2種以上が共重合し
た樹脂が用いられる。 アクリロニトリル系樹脂は優れたガスバリヤー
性を有しているので、本発明の真空採血管に用い
られた際には、所定の減圧度を維持することがで
きる。また、耐衝撃性もガラスやポリメチルメタ
クリレートに比べて非常にすぐれており、減圧さ
れていることによる破損の危険性がない。使用後
の処分についても、ガラス製真空採血管では行う
ことのできない焼却処分が可能となる。 真空採血管の減圧状態を保持する密栓可能な栓
としては、ブチルゴム、または塩素化ブチルゴム
を素材として常法にしたがつて成形して得られた
ものを用いるのが好ましい。 なお採血管内部を減圧するには、減圧された容
器内で該採血管を上記ゴム栓にて密栓すればよ
い。 本発明血液検査用容器においては、内壁面に、
血餅剥離性を有し水に対して難溶もくしは不溶の
親水性物質と、水溶性物質と、吸着性無機物とを
存在させている。 血餅剥離性を有し水に対して難溶もくしは不溶
の親水性物質としては、例えば水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、エポキシ基、ポリエーテル
基等の極性基を導入したジメチルポリシロキサ
ン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、メチ
ルフエノルポリシロキサン等の脂肪族変性または
芳香族変性シリコーンオイル、前記極性基を導入
したパラフイン、ワツクス等を挙げることができ
る。又、多価アルコール部分エステル化物、ポリ
グリコール部分エステル化物等も使用できる。そ
して最適には極性基を導入したシリコーンオイル
である。前記の親水性物質は界面活性剤ではない
が、容器内壁面に存在されることにより、血餅が
内壁面に付着するのを防ぎ、付着しようとする血
餅を内壁面から剥離させる作用を有する。 水溶性物質としては、水溶性低分子化合物、水
溶性高分子化合物のいずれもが使用でき、低分子
化合物としては例えばエチレングリコール、グリ
セリン、ソルビトール等、高分子化合物としては
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリエチレンイミン、アルギン酸ナトリ
ウム、殿粉、プルラン、メチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フ
タル酸セルロース、アラビアガム、トラガントガ
ム、ローカストビーンガム、グアーガム、ペクチ
ン、カラゲーナン、フアーセレラン、タマリンド
種子多糖類、にかわ、ゼラチン、カゼイン等が挙
げられる。そして最適には、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンオキサイド等である。これらの
水溶性物質は、前記親水性物質が吸着性無機物の
表面を覆つて吸着性無機物の血液凝固促進作用を
低下させるのを防ぎ、吸着性無機物と血液との接
触を良好にする働きをする。 吸着性無機物としては、吸着剤として使用され
ていたような無機物、例えばガラス、シリカ、カ
オリン、セライト、ベントナイト等の水不溶性の
無機質微粉末がこれに該当する。 又、吸着性無機物は粒径が50μm以下であつて、
平均粒径が10μm以下のものを使用するのが好適
である。そして特に血液凝固時間を短縮させるに
有効な吸着性無機物はシリカであり、とり分け無
定形成分を20重量%以上含有する多孔性のシリカ
がすぐれた効果を発揮する。 かゝる吸着性無機物は、血液と接触した場合に
血液凝固因子の活性化を促進し、又血小板の凝集
を促がす作用を有する。しかしながら吸着性無機
物が血液凝固促進作用を効果的に発揮するために
は、アマニ油吸油量、BET比表面積値、比抵抗
値が一定の範囲内に存在することが好ましい。 アマニ油吸油量及びBET比表面積値は、吸着
性無機物の表面積の程度を表わし、又表面積は吸
着性無機物の有する表面孔隙の程度と関連するの
で、吸油量及び比表面積によつて表面孔隙の程度
を知ることができる。そして本発明における吸着
性無機物は、アマニ油吸油量が20〜40ml/100g,
BET比表面積値が5000〜30000cm2/gであるもの
が好適に使用される。 アマニ油吸油量は日本工業規格K−5101に準拠
して測定される値を示す。BET比表面積値は、
吸着性無機物の表面に吸着される気体の吸着量、
その時の平衡圧、吸着ガスの飽和蒸気圧から単分
子層として表面をおゝい切る気体量を求め、これ
に吸着気体分子の平均断面積を乗じて算出された
値を指すものであり、吸着気体としては窒素ガ
ス、酸素ガス、アルゴンガス、メタンガス等が使
用される。そしてこの方法によれば、アマニ油吸
油量の測定によつては測定できない細孔を含めた
表面積値が測定される。 血液凝固に際しては、第因子、すなわち、
接触因子が活性化されるが、このためには異物表
面上に第因子、プレカリクレイン、高分子キ
ニノーゲンの3種の物質が錯体を形成して吸着さ
れることが必要であり、これらの一つ又は二つが
欠けた状態での吸着は活性化に至らないとされて
いる。ところで、血液凝固促進作用を期待して吸
着性無機物を使用した場合に、表面積が非常に大
きなものであると、吸着性無機物の表面上には錯
体を形成しない状態での第因子、プレカリク
レイン、高分子キニノーゲンの吸着の割合が高ま
ることになり、言い換えると、第因子の活性
化に必要な三者の錯体形成割合は減少することに
なり、かえつて血液凝固促進作用は減殺されるこ
とになる。また逆に吸着性無機物の表面積が小さ
すぎると、凝固因子の吸着の確率が小さくなり、
血液凝固促進作用を期待することができなくな
る。このために本発明における吸着性無機物はア
マニ油吸油量が20〜40ml/100g,BET比表面積
値が5000〜30000cm2/gの範囲の表面積を有する
ことが好ましいものである。 又、本発明における吸着性無機物の比抵抗値は
1×1010Ω・cm以下が好ましく、より好ましくは
5×104Ω・cm以下であるものが好適に使用され
る。比抵抗値は電気伝導度の逆数であり、常温に
おける値である。吸着性無機物に対する比抵抗値
は、蛋白質と吸着性無機物との間の電位分布の整
合性を保持し、蛋白質のコンフオーメーシヨンの
変化を防止することに寄与すると推測される。 吸着性無機物は血液凝固促進作用を有し、凝固
速度を早めるが、その反面吸着性無機物の存在に
よつて血餅が容器内壁面に付着しやすく、凝固し
た血液を遠心分離にかけても血清と血餅とに相分
離しにくいものとなるおそれがあつたが、前記親
水性物質及び水溶性物質が存在されていることに
より吸着性無機物のもたらす血餅付着性が血液凝
固促進作用を損うことなく改善される。 前記各成分を容器内壁面に存在させるとは、容
器内壁面のみに存在させる場合、容器内壁面及び
壁体内部に存在させる場合のいずれをも包含す
る。例えば前記親水性物質、水溶性物質、吸着性
無機物の各成分を適当なバインダーや溶剤中に溶
解もしくは分散させた状態で、容器の内壁面にス
プレーあるいは浸漬により塗布を行なつてもよ
く、又は、アクリロニトリル系樹脂に予め前記親
水性物質を混合して成形した容器内壁面に適当な
バインダーや溶剤中に水溶性物質及び吸着性無機
物を添加したものをスプレーあるいは浸漬により
塗布してもよい。 容器内壁面に存在させる前記親水性物質、水溶
性物質の量はいずれも1×10-10g/cm2以上であ
るのが好適であり、吸着性無機物の量は1×10-6
g/cm2以上であるのが好適である。又余り多量に
存在すると血液検査値に影響を及ぼすので、各成
分共に1×10-2g/cm2以下であることが望まし
い。 かくして本発明によれば、血液凝固因子が迅速
に活性化され、血液凝固に要する時間が著しく短
縮されると共に血液凝固の結果生じるフイブリン
や血餅の容器内壁面への付着を生じないものとな
り、血清と血餅との分離が容易に行なわれ、分離
採取された血清中に残存フイブリンも血餅成分が
混入する問題も解消される。更には血餅成分の収
縮が十分に進行する結果、血清の収量が増加する
効果が得られる。 一般に、生化学検査においては血清のみを用い
る項目が多く、血液検査用容器を用いて遠心分離
後血清を取出すにはピペツトで吸上げることが行
われているが、分取操作に手間がかゝり、その
まゝでは輸送等にも適しない。このため容器内に
隔壁形成剤が付与されるのが通常である。隔壁形
成剤はチキソトロピー性を有し、遠心分離により
血清と血餅との中間に位置されて隔壁を形成する
組成物であり、血清をデカンテーシヨンによつて
分取することができるように隔壁を形成する物質
である。チキソトロピー性付与剤としては、シリ
カ、アルミナ、ガラス、タルク、カオリン、ベン
トナイト、チタニア、ジルコニウム、アスベスト
及びカーボンブラツク等の無機質粉末やスチロー
ル系樹脂、アクリル系樹脂及び塩化ビニル系樹脂
等の有機質粉末が好適に用いられる。 これらのチキソトロピー性付与剤のうち、シリ
カ微粉末が最も好結果を示す。シリカ微粉末とは
無水ケイ酸を主成分とし必要に応じてグラフト反
応或いはカツプリング反応による疎水化処理がな
されたものを含む微粉末であり、原料の天然にお
ける産出状態が微粉末であるか塊状であるかは問
わない。これらチキソトロピー性付与剤の平均粒
径は1mμ〜100μであることが好ましい。1mμより
小さいと取扱いが困難である上に後述する粘性液
状物と混合した際に凝集して二次粒子を形成し易
く均一な分散が困難であり、又100μよりも大き
いと粘性液状物中での分散安定性が劣り、隔壁形
成剤全体としての均一な流動性に欠けるからであ
る。さらに、比表面積が10〜500m2/gの場合に
はすぐれたチキソトロピー性が得られる。しかし
比表面積が10m2/gよりも小さくなると、無機質
微粉末は、分離用組成物の構成成分である粘性液
状物となじみにくくなり沈降を生じやすくなり、
又比表面積が500m2/gよりも大きいものは凝集
しやすく、粘性液状物中での均一分散が困難とな
る。 粘性液状物は、チキソトロピー性付与剤と強い
相互作用を有するものであつてもよいし、チキソ
トロピー性付与剤と強い相互作用を有しないもの
であつてもよいし、又、良好な相溶性を有する両
者を併用するものであつてもよい。 チキソトロピー性付与剤と強い相互作用を有す
るとは、あるチキソトロピー性付与剤をある粘性
液状物と混合し均一に分散させた後、腕長10cmの
遠心分離機で回転数4000r・p・mにて30分間遠
心分離を行つても前記混合物の成分の分布状態に
偏りが見られない場合を言う。 かかる相互作用の生ずる原因は未だ明らかでは
ないが、親水性基を有する材料間では主として水
素結合による作用が、又親水性基を有しない材料
間では分子構造から引き起される凝集力が原因し
ているものと推測される。 チキソトロピー性付与剤と強い相互作用を有す
る粘性液状物としては、アクリル樹脂オリゴマ
ー、ポリエステルオリゴマー、液状ポリイソプレ
ン、液状ポリブテン及び液状ポリブタジエン等の
液状高分子物質の酸変成物、特にマレイン酸変成
物、大豆油、アマニ油、サフラワー油、魚油等の
動植物油、該動植物油の酸変成物、液状ポリブテ
ン及び液状ポリブタジエン等の液状高分子物質や
前記動植物油のエポキシ変性物等が挙げられ、チ
キソトロピー性付与剤が有機質粉末の場合は、ポ
リスチレンに対するスチレンオリゴマーの如く例
えばチキソトロピー性付与剤と同種のオリゴマー
等が挙げられ、何れも粘度は200cps以上であるの
が好ましい。かゝる粘性液状物を使用する場合
は、チキソトロピー性付与剤と粘性液状物が、分
離してしまうことがないものとなる。 チキソトロピー性付与剤と強い相互作用を有し
ない粘性液状物も、本発明における水不溶性アミ
ン化合物の存在下で使用できる。かゝる粘性液状
物としては液状パラフイン、液状ポリイソプレ
ン、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン等の液
状高分子物質やスチレンオリゴマー、及びこれら
の塩素化物が挙げられ、チキソトロピー性付与剤
がスチレン系樹脂の場合は液状パラフインやその
塩素化物が挙げられ、いずれも粘度は1000cps以
上であるのが好ましい。 更にチキソトロピー性付与剤と強い相互を有す
る粘性液状物及びこれと良好な相溶性を有しチキ
ソトロピー性付与剤と強い相互作用を有しない粘
性液状物との混合物を使用することもできる。こ
の場合の良好な相溶性とは、両方の粘性液状物を
混合し、均一に分散させた後常温にて一週間放置
しても相分離が生じない場合をいう。 チキソトロピー性付与剤と強い相互作用を有す
る粘性液状物及びこれと良好な相溶性を有しチキ
ソトロピー性付与剤と強い相互作用を有しない粘
性液状物との混合物を使用する場合には、経時的
な粘度の安定性をすぐれたものとなしうる。そし
てこの場合、両方の粘性液状物の混合比率はそれ
ぞれのチキソトロピー性付与剤との相互作用の強
さを考慮して好適な範囲が設定されるが、一般に
チキソトロピー性付与剤と強い相互作用を有する
粘性液状物100重量部に対しチキソトロピー性付
与剤と強い相互作用を有しない粘性液状物が10〜
600重量部用いられる。 ところでかゝる経時的な粘度の安定性は水不溶
性アミン化合物によつて更に著しくすぐれたもの
となる。 水不溶性アミン化合物としては炭素数8以上の
アルキル基を分子内に1個以上有するものが好適
であり、例えばドデシルアミン、テトラデシルア
ミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミ
ン、ドデシルジメチルアミン、テトラデシルジメ
チルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ポリ
オキシエチレンオクタデシルアミン、トリオクチ
ルアミン等が挙げられる。 前記のアミン化合物が使用されるのは、チキソ
トロピー性付与剤の表面に吸着しやすい性質を有
し、チキソトロピー性付与剤と粘性液状物のいず
れに対しても相互作用を有しこれが経時的な粘度
の安定性に働くことによる。とりわけ、炭素数が
8以上のアルキル基を有するアミンが好適なの
は、単に水不溶性が高く分離された血清や血漿中
に溶けこまない性質がすぐれていることによるだ
けでなく、チキソトロピー性付与剤の表面に吸着
したアミン化合物の長鎖アルキル基がチキソトロ
ピー性付与剤同志の相互作用を安定化する働きを
有するからであると推測される。 前記アミン化合物が使用されることによつて、
隔壁形成剤の経時的な粘度の安定性に著しくすぐ
れ、その結果遠心分離性、隔壁の安定性がすぐれ
る。 チキソトロピー性付与剤と粘性液状物の使用割
合は、粘性液状物100重量部当りチキソトロピー
性付与剤が2〜15重量部であり、更に水不溶性ア
ミン化合物が使用される場合は0.02〜5重量部で
あるのが好適である。 又、隔壁形成剤の比重は一般に、常温において
1.03乃至1.08とされ、これは隔壁を形成するには
血清と血餅との中間的な比重であることを必要と
することによる。 かゝる隔壁形成剤が使用される場合は、遠心分
離により血清と血餅の分離が行われ、血清と血餅
との界面に隔壁が形成され、又一旦形成された隔
壁は安定で容器を傾けた程度では崩れることがな
いので、デカンテーシヨン等により簡単に血清を
分取することができる。 本発明の真空採血管を得るには、まずアクリロ
ニトリル系樹脂を射出成形、吹込成形、圧縮成
形、トランスフアー成形、真空成形、流延成形な
どの適宜の成形手段により有底の管状容器に成形
し、その際前述の如く、親水性物質を混合しても
よく、成形された容器内壁面に、前述の方法によ
り親水性物質、水溶性物質及び吸着性無機物を存
在せしめ、これに密栓可能な栓を適用すればよ
い。 又、隔壁形成剤は容器内に最初から分注されて
いても、採取した血液が凝固してのち遠心分離操
作を行うときに添加されてもよい。 (作用) このようにして得られた内部が減圧状態となつ
た真空採血管に被験者から血液を採取し、常温で
放置すると約20〜30分で血液が凝固する。これを
遠心分離器にかけると血清と血餅とに分離する。 本発明の真空採血管の容器の素材は、新水性の
低いアクリロニトリル系樹脂であるため、従来の
親水性の高い素材、例えばガラスやポリメチルメ
タクリレートの場合と異なり、血液と接する内壁
面に水分子の吸着層が形成されることがない。そ
のため、隔壁形成剤と採血管内壁面とが強固に密
着し、血清と血餅とを完全に分離する。したがつ
て血餅から無機イオンが内壁の水分子吸着層を介
して血清層へ入り込むことがないと考えられる。
そのため、遠心分離にかけて分離させた血清を低
温下で長時間保存することが可能である。本発明
の真空採血管を用いると、4℃で340時間以上の
保存が可能である。これはガラス採血管を用いた
場合に比べると約7倍に相当する。他方、隔壁形
成剤が分注されている従来の真空採血管を用いる
と、水分子の吸着層が形成されるため、隔壁形成
剤が採血管内壁面に強固に密着せず、そのため、
遮断効果が充分に得られず、血餅から無機イオン
などが血清層へ拡散すると考えられる。その結
果、分離した血清を長時間保存することができな
い。 このように、本発明の特定の素材からなる真空
採血管を用いると、採取した全血試料を短時間で
凝固させ、遠心分離操作により効果的に血清と血
餅とが分離されるのはもちろんのこと、分離後、
採血管をそのまま血清の保存容器として使用する
ことが可能である。 (実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。 実施例 1 血餅剥離性を有し水に対して難溶もしくは不溶
の親水性物質としてポリジメチルシロキサンに水
酸基を導入したカルビノール変性シリコーンオイ
ル、水溶性物質としてポリビニルピロリドン、吸
着性無機物として微粉末シリカ(平均粒径40μm、
アマニ油吸油量30ml/100g,BET比表面積値
12000cm2/g、比抵抗値2.6×104Ω・cm)を使用
し、これらの各成分の濃度が0.1重量%,0.1重量
%,1.0重量%となるようにメチルアルコール分
散液を調整した。 この分散液を、アクリロニトリルを主体とし、
これと少量のブタジエンとアクリル酸エステルと
が共重合して製されたアクリロニトリル樹脂(商
品名パレツクス210,三井東圧化学社販売)から
作つた10ml容量の容器内壁面にスプレー塗布し、
風乾したのち、内部を排気してブチルゴム栓にて
密栓し、真空採血管を調整した。採血量は6mlに
なるように内部の減圧度を設定した。 かくして得られた真空採血管に人新鮮血を採取
したのち、20℃で放置して、全血が完全に流動し
なくなるまでに要した時間を血液凝固時間として
測定し、血液凝固性を評価した。 血液凝固後、直ちに3000回転/分の回転速度で
5分間、遠心分離を行ない、血清分離状態を観察
した。表1の実施例1の欄の結果から明らかなよ
うに、得られた真空採血管は血液凝固が極めて速
やかであり、血清分離状態も良好であつた。 実施例 2 20℃における比重が1.02で粘度が10000cpsの塩
素化ポリブテン70重量部、20℃における比重が
1.0で粘度が1700cpsのエポキシ化大豆油21重量
部、疎水化処理微粉末状シリカ9重量部、トリオ
クチルアミン0.2重量部の各成分を3本ロール混
練機にかけて混練し、20℃における比重が1.06の
隔壁形成剤を得た。 この隔壁形成剤を実施例1と同様にして得られ
た真空採血管内に1g注入し、採血量が6mlとな
るように内部の減圧度を設定してブチルゴム栓に
て密栓した。 このようにして得られた真空採血管を使用し、
実施例1と同様にして血液凝固性、血清分離状態
を観察した。次いで、血清保存容器としての性能
を観察するために4℃冷蔵下に保存し、保存開始
直後及び保存3日目、7日目、14日目に血清を分
取し、生化学検査項目に挙げられているLDH,
Kを測定した。 表1の実施例2の欄の結果から明らかなよう
に、得られた真空採血管は血液凝固がすみやかで
あり、血清分離状態も良好であつた。また、表2
の実施例2の欄の結果から明らかなように、
LDH,Kは安定した値を示しており、血清保存
容器として良好なものであつた。 比較例 1 実施例1において、血餅剥離性を有し水に対し
て難溶もしくは不溶の親水性物質を使用しなかつ
たこと以外は実施例1と同様にして真空採血管を
調製した。 この真空採血管を使用し、実施例1と同様にし
て血液凝固性、血清分離状態を観察した。その結
果を表1の比較例1の欄に記載した。表1の比較
例1の欄の結果から明らかなように、得られた真
空採血管は血液凝固は実施例1のものに比べて同
等のレベルであつたが、血清分離状態は悪く血餅
が管壁に強く付着した。 比較例 2 実施例1において、水溶性物質を使用しなかつ
たこと以外は実施例1と同様にして真空採血管を
調製した。 この真空採血管を使用し、実施例1と同様にし
て血液凝固性、血清分離状態を観察した。その結
果を表1の比較例2の欄に記載した。表1の比較
例2の欄の結果から明らかなように、得られた真
空採血管は血液凝固が実施例1のものに比べて遅
く、さらに血清分離状態も悪く多量のフイブリン
が析出した。 比較例 3 市販の6ml採血用ガラス製真空採血管を使用
し、実施例1と同様にして血液凝固性、血清分離
状態を観察した。次いで、実施例2と同様にして
血清保存容器としての性能を観察した。その結果
を表1及び表2の比較例3の欄に記載した。
【表】
【表】 (発明の効果) 本発明によれば、このように、採取した全血試
料を短時間で凝固させ、遠心分離操作により効果
的に血清と血餅とを分離することのできる真空採
血管が得られる。 さらに、本発明の真空採血管は、遠心分離後の
血清の保存容器としても有効であり、得られた血
清を低温下で長時間保存することが可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 内部が排気可能な有底の管状容器と該容器の
    減圧状態を保持する密栓可能な栓とを有し、 該管状容器の素材がアクリロニトリル系樹脂で
    あり、前記容器内壁面に、血餅剥離性を有し水に
    対して難溶もくしは不溶の親水性物質、水溶性物
    質及び吸着性無機物が存在せしめられてなること
    を特徴とする真空採血管。 2 前記吸着性無機物のアマニ油吸油量が20〜40
    ml/100g、そしてBET比表面積値が5000〜30000
    cm2/gである特許請求の範囲第1項に記載の真空
    採血管。 3 前記容器内に隔壁形成剤が付与された特許請
    求の範囲第1項に記載の真空採血管。 4 前記隔壁形成剤が、チキソトロピー性付与剤
    と粘性液状物とを含有する特許請求の範囲第3項
    に記載の真空採血管。 5 前記隔壁形成剤が、チキソトロピー性付与
    剤、粘性液状物および水不溶性アミンを含有する
    特許請求の範囲第3項に記載の真空採血管。
JP60015156A 1985-01-29 1985-01-29 真空採血管 Granted JPS61176328A (ja)

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JP60015156A JPS61176328A (ja) 1985-01-29 1985-01-29 真空採血管
US07/823,437 US4856533A (en) 1985-01-29 1986-01-28 Vacuum blood-collection tube
CA000500515A CA1300996C (en) 1985-01-29 1986-01-28 Vacuum blood-collection tube
EP86300574A EP0193279B1 (en) 1985-01-29 1986-01-28 A vacuum blood-collection tube
DE8686300574T DE3683657D1 (de) 1985-01-29 1986-01-28 Evakuiertes blutentnahmeroehrchen.
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57151856A (en) * 1981-03-13 1982-09-20 Sekisui Chem Co Ltd Plastic vessel for blood test
JPS596655A (ja) * 1982-07-02 1984-01-13 Toa Tokushu Denki Kk 電話機
JPS5955240A (ja) * 1982-09-24 1984-03-30 テルモ株式会社 採血管
JPS5967936A (ja) * 1982-10-08 1984-04-17 テルモ株式会社 採血管

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