JPH0510048A - 立体駐車場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 地下空間を有効に活用して効率の良い駐車が
でき、迅速で円滑な自動車の入庫と出庫が行えること。 【構成】 階層的に駐車床を有する立体駐車場におい
て、各階の床を円環床２と、円環床２の周囲に位置させ
た固定床で構成し、前記固定床は円環床２の外径と等し
い幅を有し、前記円環床２は同一平面上で回転可能に構
成した複数の円環で構成し、最も外側に位置する各階の
円環床２に面して縦方向にホール４を形成し、ホール４
の途上と地上との間を連絡路で結び、前記ホール４内に
自動車移送用の昇降床５を昇降自在に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は機械的に自動車の入庫及
び出庫を行う立体駐車場に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在都市部では用地不足から平面的な駐
車場に代わる立体駐車場が種々提案されている。この種
の立体駐車場としては例えばゴンドラ式、パレット式、
スタッカクレーン式などが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】前記した従来の駐車
方式にあっては、次のような共通した問題点がある。 ＜イ＞ 全駐車空間に対する自動車の収納台数が少な
い。 ＜ロ＞ 自動車の入庫及び出庫に時間がかかる。 ＜ハ＞ 地上部の土地の利用に制約を受ける。

【０００４】

【本発明の目的】本発明は以上の問題点を解決するため
になされたもので、その目的とするところは次のような
立体駐車場を提供することである。 ＜イ＞ 限られた駐車空間を有効に活用して高密度に駐
車できる立体駐車場。 ＜ロ＞ 自動車の入庫と出庫時間を短縮できる立体駐車
場。 ＜ハ＞ 細幅の用地に好適な立体駐車場。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】本発明は、階層的に駐
車床を有する立体駐車場において、各階の床を円環床
と、円環床の周囲に位置させた固定床で構成し、前記固
定床は円環床の外径と等しい幅を有し、前記円環床は同
一平面上で回転可能に構成した複数の円環で構成し、最
も外側に位置する各階の円環床に面して縦方向にホール
を形成し、ホールの途上と地上との間を連絡路で結び、
前記ホール内に自動車移送用の昇降床を昇降自在に配置
したことを特徴とする、立体駐車場である。

【０００６】

【本発明の構成】以下図面を参照しながら本発明につい
て説明する。 ＜イ＞基本構成 図１及び図２に本発明にかかる立体駐車場の一例を示
す。立体駐車場は地下内に構築され、階層的な駐車空間
を有する。各階の床は床の中心に位置する中心床１と、
この中心床１の外周側に配置した円環床２と、円環床２
の外周に配置した固定床３によって構成する。本発明で
は自動車を各階に移送する手段として、各階の床に面し
てホール４を立体駐車場の外側に形成し、このホール４
内に昇降自在に昇降床５を配置して、円環床２の外方を
移送する方式を採用する。また立体駐車場はホール４の
上部と地上部との間に設けた連絡路６と、連絡路６とホ
ール４上部との間に設けた載車部７を有する。以下、各
部について詳述する。 ＜ロ＞中心床 中心床１は自動車の向きを変えたり、自動車を円環床２
の対岸へ移送するときの移送路として機能する回転可能
な床である。中心床１の床幅は円環床２と同様に自動車
を１台を載置できる寸法に設定しておく必要がある。 ＜ハ＞円環床 円環床２は自動車を１台を放射方向に載置できる床幅を
有し、回転床１を中心に回転可能に構成した床である。
円環床２を回転自在に構成するには、例えば床の側部や
下面を支持し、ギアやローラー等の回転力をこの床の一
部に伝えることで達成できる。 ＜ニ＞固定床 固定床３は円環床２の外側に自動車を１台を放射方向に
載置できる床幅で形成した固定式の円弧形の床で、その
最大円弧幅は円環床２の外径とほぼ等しい。固定床３へ
の自動車の出し入れは、円環床２を介して行う。本実施
例では固定床３を円環床２の両側に２組配置する場合に
ついて説明するが、地形に応じて固定床３は円環床２の
片側のみに配置しても良い。 ＜へ＞昇降床 ホール４は円環床２の一部の外側に面して開設してあ
る。ホール４内には一台乃至二台の昇降床５が昇降自在
に配備されている。昇降床５を２台配備した場合には、
入庫と出庫の専用に使い分けたり、各昇降床５が入出庫
の両方を兼用するようにしても良い。昇降床５の昇降手
段としては、昇降床５の下面を棒状部材で昇降自在に押
し上げる方式や、或いはビルのエレベータのように上方
からワイヤで垂下する方式な度の公知の昇降機構を採用
する。 ＜ホ＞載車部 載車部７は自動車を無人で昇降床５に乗り込ませたり、
逆に昇降床５から自動車を受けとるために機能するもの
で、ベルト式或いはローラ式のコンベア等で構成する。
載車部７は本発明において必須の装置ではなく、省略す
る場合もある。 ＜ヘ＞自動車の水平移動手段 本発明では自動車の入出庫を自動的に行うために、昇降
床５と円環床２及び中心床１に水平移動手段８を配備し
た。水平移動手段８としては、載車部７で例示した移送
機構を採用できる。特に円環床２には放射方向に自動車
を移送できるように配置する。尚、自動車を運転者が運
転して水平移動する形態の場合は、水平移送手段８が不
要となる。

【０００７】

【作用】次に立体駐車場の作動について説明する。 ＜イ＞入庫 連絡路６を経て進入した自動車は載車部７に乗り入れて
停止する。運転者の下車が確認されると、自動車が載車
部７から昇降床５へ機械的に受け渡される。自動車を乗
せた昇降床５は、入庫予定の階までホール４内を降下す
る。この間を入庫予定の階の円環床２は回転して、空車
部分をホール４側に向けて待機する。昇降床５が入庫予
定の階に近付き、昇降床５の上面が円環床２の上面と一
致すると降下を停止する。水平移動手段８により、昇降
床５上の自動車が円環床２へ受け渡される。さらに自動
車を最終的に固定床３に入庫する場合は円環床２を目的
の固定床３の空車位置まで回転し、円環床２から固定床
３へ自動車を受け渡す。 ＜ロ＞出庫 自動車を出庫する場合は、集配地点が入庫の場合と入れ
代わるだけであるから、入庫操作の逆のルートで自動車
を載車部７まで移送すれば良い。また、出庫に際して、
自動車を中心床１へ乗せて自動車の向きを反転させて出
庫すると、移送した自動車は連絡路６内で向きを変えな
いでそのまま発車することができる。 ＜その他の実施例１＞図３、４に示すように各階の床を
接近して配置した複数組の円環床２ａ、２ｂ２ｃと、固
定床３で構成しても良い。本例の場合は、両円環床２
ａ、２ｂ、２ｃの間に三角洲状の固定床３ａを形成し、
この固定床３ａを駐車用の床に利用することができる。 ＜その他の実施例２＞また図５に示すように各円環床２
ａ、２ｂ、２ｃの間に円弧形の固定床３ｂ、３ｃを形成
し、これら円弧形の固定床３ｂ、３ｃを駐車用の床に利
用することができる。 ＜その他の実施例３＞図６に示すように、各円環床２
ａ、２ｂ、２ｃの周囲に一定幅の固定床３ｄを形成して
も良い。 ＜その他の実施例４＞ホール４を各階の固定床３を縦方
向に貫通させて形成し、昇降床５を固定床３内に組み込
んでも良い。

【０００８】

【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから次
のような効果を得ることができる。 ＜イ＞ 用地が細幅で平面矩形を呈する場合は、各階に
おける円環床や固定床の設置数を選択することで、用地
の無駄をなくして高密度に駐車することができる。 ＜ロ＞ 各階の床が全体として円形の平面でありなが
ら、自動車を放射状に駐車することができる。 ＜ハ＞ 自動車を縦方向に移送する昇降床を円環床また
は固定床の外側に設けることで、多重に形成した円環床
または固定床は自動車を一台通行できる空間のみを確保
しておくだけで、残りのスペースを駐車空間として有効
に活用することができる。 ＜ニ＞ 昇降床の昇降制御や円環床の回転制御をコンピ
ュータなどによる自動制御するのに適している。 ＜ホ＞ 立体駐車場や昇降床を地下に潜らせたことで、
地上部分を多目的に活用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明にかかる立体駐車場の縦中央断面図

【図２】 図１のII−IIの断面図

【図３】 円環床を２組隣接した実施例の説明図

【図４】 円環床を３組隣接した実施例の説明図

【図５】 円環床の間に固定床を設けた実施例の説明図

【図６】 複数の円環床の周囲に連続した固定床を設け
た実施例の説明図

フロントページの続き (72)発明者 田中 定八 東京都新宿区西新宿１丁目25番１号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 高木 正昭 東京都新宿区西新宿１丁目25番１号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 谷 典子 東京都新宿区西新宿１丁目25番１号 大成 建設株式会社内

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 階層的に駐車床を有する立体駐車場にお
   いて、 各階の床を円環床と、円環床の周囲に位置させた固定床
   で構成し、 前記固定床は円環床の外径と等しい幅を有し、 前記円環床は同一平面上で回転可能に構成した複数の円
   環で構成し、 最も外側に位置する各階の円環床に面して縦方向にホー
   ルを形成し、 ホールの途上と地上との間を連絡路で結び、 前記ホール内に自動車移送用の昇降床を昇降自在に配置
   したことを特徴とする、立体駐車場。