JPH049607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は減圧弁に関するものであり、特に詳し
くは、残圧を完全に排出できる減圧弁に関するも
のである。

［従来の技術］ ノズルフラツパ機構を有する減圧弁は、公知で
ある。

第５図はノズルフラツパ機構を有する公知の減
圧弁の一例を示し、減圧弁１の弁本体２は、圧力
流体の供給ポートＰ、出力ポートＡ、ポートＰと
Ａを連通させる通路中の供給弁座３を備え、プレ
ート４との間に周縁が挾着された第１ダイヤフラ
ム５の中心に、排出弁座６を有する弁座体が固着
され、弁座３と６を開閉する供給弁体７と排出弁
体８はロツドにより一体駆動可能に連結され、弁
本体２と弁座体の間に復帰ばね９が縮設されてい
る。

プレート４とカバー１１の間には、スペーサに
より上記第１ダイヤフラム５と一体に変位する第
２ダイヤフラム１２が、カバー１１とボンネツト
１３の間には調圧ダイヤフラム１４がそれぞれ挾
着され、ダイヤフラム５，１２間の空間はブリー
ド孔１５によつて外部に連通している。

カバー１１と第２ダイヤフラム１２間の駆動室
１７は、固定絞り１８を介して供給ポートＰに連
通するとともに、カバー１１に設けたノズルフラ
ツパ機構２０によつて調圧ダイヤフラム１４とカ
バー１１間のフイードバツク室１９に連通し、該
フイードバツク室１９は出力ポートＡに連通する
とともに内部にバランスばね２４が縮設され、ボ
ンネツト側の調圧室２１に設けた調圧ばね２２
は、設定つまみ２３の回転によつて付勢力が調節
される。

上記減圧弁１は、設定つまみ２３の回転により
設定される調圧ばね２２の付勢力がフイードバツ
ク室１９の流体圧の作用力により大きい場合は、
調圧ダイヤフラム１４が図における下方に変位し
てノズルフラツパ機構２０を閉鎖することによ
り、駆動室１７の流体圧でダイヤフラム５，１２
が下方に変位し、供給弁体７が供給弁座３を開放
して出力ポートＡの流体圧が昇圧し、調圧ばね２
２の付勢力がフイードバツク室１９の流体圧の作
用力より小さい場合は、調圧ダイヤフラム１４が
図における上方に変位してノズルフラツパ機構２
０が開放することにより、ダイヤフラム５，１２
が復帰ばね９の付勢力で上方に変位し、排出弁体
８が排出弁座６を開放して出力ポートＡの流体圧
が降圧し、調圧ばね２２の付勢力とフイードバツ
ク室１９の流体圧の作用力が等しくなると、弁体
７と８が弁座３と６を閉鎖するとともに、ノズル
フラツパ機構２０が閉鎖する。

上記減圧弁１は、各室における流体圧の作用力
及びばね力が一応バランスしているが、ノズルフ
ラツパ機構２０のノズル２０ａを開閉するフラツ
パ２０ｂがフリーなため、調圧ばね２２の付勢力
がダイヤフラム１４に作用していない場合に、ボ
ール２０ｂが自重によりノズル２０ａを閉鎖する
ので、ノズルの背圧が完全に排出されないという
問題がある。

また、変位部材に排出弁座を設けた減圧弁にお
いても、自重により変位部材の排出弁座が閉鎖さ
れるので、同様に背圧を完全に排出することがで
きない。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、フラツパま
た変位部材を、磁力によつてノズルまたは排出弁
座の開放方向に変位させることにより、ノズルま
たは弁座の背圧を完全に排出できる減圧弁を提供
することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案の減圧弁は、
圧力流体の供給ポートと出力ポートを連通させる
通路中の供給弁座と、出力ポートと排出ポートを
連通させる通路中の排出弁座と、これらの弁座を
開閉する供給弁体及び排出弁体と、これらの弁体
を駆動するための駆動室の流体を外部に排出させ
るノズルフラツパ機構と、変位部材で区画された
出力ポートに連通するフイードバツク室と付勢力
が調節可能な調圧ばねを有する調圧室とを備え、
上記変位部材に対向して作用する調圧ばねの付勢
力とフイードバツク室の流体圧の作用力により上
記弁体及びフラツパが弁座及びノズルを開閉する
減圧弁において、上記減圧弁が、磁性材よりなる
フラツパと該フラツパをノズルの開放位置に変位
させるための磁石とを備えていることを特徴とし
ている。

また、同様の課題を解決するため、圧力流体の
供給ポートと出力ポートを連通させる通路中の供
給弁座と、変位部材で区画された出力ポートに連
通するフイードバツク室と付勢力が調節可能な調
圧ばねを有する調圧室と、上記変位部材に設けた
出力ポートと排出ポートを連通させる通路中の排
出弁座と、これらの弁座を開閉する供給弁体及び
排出弁体を備え、上記変位部材に対向して作用す
る調圧ばねの付勢力とフイードバツク室の流体圧
の作用力により上記弁体が弁座を開閉する減圧弁
において、上記減圧弁が、上記変位部材上の磁性
体と、上記変位部材を排出弁座の開放位置に変位
させるための磁石とを備えたものとしてもよい。

［作用］ 調圧ばねの付勢力がフラツパまたは変位部材に
作用しているときは、出力ポートの流体圧が調圧
ばねの設定付勢力に応じた圧力に設定される。

調圧ばねの付勢力がフラツパまたは変位部材に
作用していないときは、磁石がフラツパまたは変
位部材に設けた磁性部材を吸着してノズルまたは
変位部に設けた排出弁座を開放させるので、背圧
を完全に排出することができる。

［実施例］ 第１図及び第２図は本考案の第１実施例を示
し、第１実施例の減圧弁３０における弁本体３１
は、圧力流体の供給ポートＰ、出力ポートＡ、排
出ポートＲ、ポートＰとＡ及びポートＡとＲを連
通させる通路中に背向させて形設した供給弁座３
２と排出弁座３３を備え、ピストン３４で区画さ
れた弁本体側の主弁フイードバツク室３５はフイ
ードバツク通路３５ａによつて出力ポートＡに連
通し、カバー３６側の駆動室３７は固定絞り３８
を有する通路３７ａによつて供給ポートＰに連通
し、弁座３２と３３を開閉する供給弁体３９と排
出弁体４０は、一端が上記ピストン３４に固着さ
れたロツド４１に摺動可能に装着され、閉鎖ばね
によつて弁座３２と３３を閉鎖する方向に付勢さ
れている。

また、カバー３６とボンネツト４３間の調圧ダ
イヤフラム４４で区画されたカバー側のフイード
バツク室４５は、フイードバツク通路４５ａ，３
５ａによつて出力ポートＡに連通し、ボンネツト
側の調圧室４６はブリード孔５６によつて外部に
連通している。

上記ダイヤフラム４４のボンネツト側には、磁
性材よりなるシエル４８が固着され、該シエル４
８に形設したノズルフラツパ室４９は、磁性材よ
りなるボールハンマ５１と調圧室４６に開口する
オリフイス５２、……を備え、ノズルフラツパ室
４９と駆動室３７を連通させるノズルフラツパ機
構５０は、非磁性材のノズル５０ａと、上記ボー
ルハンマ５１に対向するノズル５０ａ開閉のため
の磁性材のボール（フラツパ）５０ｂを備えてい
る。

また、ハンドル５３及び調圧ねじ５４の回転に
より進退するばね座とシエル４８の間には調圧ば
ね５５を設け、調圧ねじ５４はシエル４８との対
向面に永久磁石５７を有し、ボールハンマ５１と
永久磁石５７によつて、ボール５０ｂを吸着して
ノズル５０ａを開口させる磁気吸着部５８が構成
され（第２図参照）、永久磁石５７は、ボール５
０ｂ、シエル４８及び調圧ばね５５の合計自重に
抗してボール５０ｂを吸着する吸着力を備えてい
る。

第１実施例における出力ポートＡの流体圧の設
定動作は、公知の減圧弁１と同じであるから、詳
細な説明は省略する。

上記第１実施例は、調圧ばね５５の付勢力が調
圧ダイヤフラム４４に作用しないときは、磁気吸
着部５８がボール５０ｂを吸着してノズル５０ａ
を開放させるので（第２図参照）、ノズルの背圧
を完全に排出することができ、かつボール５０ｂ
のノズル５０ａへの固着を防止することができ
る。

第３図は本考案の第２実施例を示し、この減圧
弁６０の弁本体６１は、圧力流体の供給ポート
Ｐ、出力ポートＡ、ポートＰとＡを連通させる通
路中の供給弁座６２を備え、弁座６２を開閉する
供給弁体６３は、弁本体６１に螺着させたりリテ
イナ６４に設けた排出ポートＲと上記出力ポート
Ａを連通させる通路中の排出弁座６５を備え、リ
テイナ６４との間に縮設した復帰ばねによつて供
給弁座６２の閉鎖方向に付勢されている。

上記弁本体６１とプレート６６の間には駆動ダ
イヤフラム６７が挟着され、該ダイヤフラム６７
で区画された弁本体側の主弁フイードバツク室６
８はフイードバツク通路６８ａによつて出力ポー
トＡに連通し、プレート側の駆動室６９は、固定
絞り７０及び通路６９ａによつて供給ポートＰに
連通し、供給弁体６３を駆動するロツドは、一端
がダイヤフラム６７に固着され、他端に排出弁座
６５を開閉する排出弁体７２を備えている。

上記プレート６６とカバーの間及びカバーとボ
ンネツト７５の間には、それぞれ中間ダイヤフラ
ム７６と調圧ダイヤフラム７７が設けられ、中間
ダイヤフラム７６で区画されたプレート側のノズ
ルフラツパ室７８は、ノズルフラツパ機構７９と
ブリード孔８０とによつて駆動室６９と外部にそ
れぞれ連通し、ダイヤフラム７６，７７間のフイ
ードバツク室８１は出力ポートＡに連通し、調圧
ダイヤフラム７７のボンネツト側の調圧室８２
は、内部にハンドル８３の回転により進退するば
ね座を備え、該ばね座と調圧ダイヤフラム７７に
固定したシエル８５の間に調圧ばね８６を設けて
いる。

上記ダイヤフラム７６，７７とシエル８５は、
これらのダイヤフラム間のスペーサを介してボー
ルハンマ８７によつて一体変位可能に連結され、
ノズルフラツパ機構７９のボール７９ａ、ボール
ハンマ８７及びシエル８５は磁性材料で構成し、
ボンネツト７５内に設置した永久磁石８８、上記
シエル８５及びボールハンマ８７によつてボール
７９ａの磁気吸着部８９が構成される。

上記第２実施例における出力ポートＡの圧力制
御は公知の圧力制御弁と同じであり、磁気吸着部
８９の作用は第１実施例と同じである。

第４図は本考案の第３実施例を示し、この減圧
弁９０は、ダイヤフラム９１で区画されたフイー
ドバツク室９２と調圧室９３に作用する、出力ポ
ートＡのフイードバツク流体圧の作用力と調圧室
９３に設けた調圧ばね９４の設定付勢力によりダ
イヤフラム９１を変位させて、供給ポートＰと出
力ポートＡを連通させる通路中の供給弁座９５と
出力ポートＡと排出ポートＲを連通させる通路中
の排出弁座９６を、供給弁体９７と排出弁体９８
が開閉する公知の減圧弁として構成されており、
排出ポートＲと排出弁座９６は弁座体１０１に形
設されている。

そして、磁性材よりなるシエル１００が、上記
弁座体１０１によつてダイヤフラム９１の調圧室
側に固定され、シエル１００とボンネツト１０２
内に設けた永久磁石１０３によつて磁気吸着部１
０４が構成される。

第３実施例の他の構成は第２実施例と同じであ
るから、図中主要な部分に同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。

上記減圧弁は、調圧ばね９４の付勢力がダイヤ
フラム９１に作用しないときは、磁気吸着部１０
４によつてダイヤフラム９１が図における上方に
変位して排出弁座９６を開放させるので、排出側
の残圧を完全に排出できる。

第３実施例の他の作用は、公知の減圧弁と同じ
である。

［考案の効果］ 本考案の減圧弁は、ノズルフラツパ機構のフラ
ツパまたは排出弁座を有する変位部材を吸着して
ノズルまたは排出弁座を開放させる磁石を設けた
ことにより、ノズルフラツパ機構または変位部材
に調圧ばねの付勢力が作用しないときは、上記磁
石がノズルまたは排出弁座を開放させるので、背
圧を完全に排出することができる。

また、ノズルまたは排出弁座の開放によりフラ
ツパまたは排出弁体のこれらへの固着が防止でき
るので、フラツパまたは排出弁体の固着による二
次圧の調整不能を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の縦断面図、第２
図は同上要部の拡大断面図、第３図及び第４図は
同上第２及び第３実施例の縦断面図、第５図は公
知の減圧弁の縦断面図である。 ３０，６０，９０……減圧弁、３２，６２，９
５……供給弁座、３３，６５，９６……排出弁
座、３７，６９……駆動室、３９，６３，９７…
…供給弁体、４０，７２，９８……排出弁体、４
４，７７，９１……ダイヤフラム、４５，８１，
９２……フイードバツク室、４６，８２，９３…
…調圧室、５０，７９……ノズルフラツパ機構、
５０ａ……ノズル、５０ｂ，７９ａ……ボール、
５５，８６，９４……調圧ばね、５７，８８，１
０３……永久磁石、１００……シエル、Ｐ……供
給ポート、Ａ……出力ポート、Ｒ……排出ポー
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 圧力流体の供給ポートと出力ポートを連通さ
   せる通路中の供給弁座と、出力ポートと排出ポ
   ートを連通させる通路中の排出弁座と、これら
   の弁座を開閉する供給弁体及び排出弁体と、こ
   れらの弁体を駆動するための駆動室の流体を外
   部に排出させるノズルフラツパ機構と、変位部
   材で区画された出力ポートに連通するフイード
   バツク室と付勢力が調節可能な調圧ばねを有す
   る調圧室とを備え、上記変位部材に対向して作
   用する調圧ばねの付勢力とフイードバツク室の
   流体圧の作用力により上記弁体及びフラツパが
   弁座及びノズルを開閉する減圧弁において、 上記減圧弁が、磁性材よりなるフラツパと、
   該フラツパをノズルの開放位置に変位させるた
   めの磁石とを備えている、 ことを特徴とする減圧弁。 ２ 圧力流体の供給ポートと出力ポートを連通さ
   せる通路中の供給弁座と、変位部材で区画され
   た出力ポートに連通するフイードバツク室と付
   勢力が調節可能な調圧ばねを有する調圧室と、
   上記変位部材に設けた出力ポートと排出ポート
   を連通させる通路中の排出弁座と、これらの弁
   座を開閉する供給弁体及び排出弁体を備え、上
   記変位部材に対向して作用する調圧ばねの付勢
   力とフイードバツク室の流体圧の作用力により
   上記弁体が弁座を開閉する減圧弁において、 上記減圧弁が、上記変位部材上の磁性体と、
   上記変位部材を排出弁座の開放位置に変位させ
   るための磁石とを備えている、 ことを特徴とする減圧弁。