JPH049590B2

JPH049590B2 -

Info

Publication number: JPH049590B2
Application number: JP18871983A
Authority: JP
Priority date: 1983-10-08
Filing date: 1983-10-08
Publication date: 1992-02-20
Also published as: JPS6082164A

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 発明の分野この発明は、複数個の超音波振動子を備えた超
音波霧化装置に関する。

(ロ) 発明の背景一般に、エロゾール療法において、霧化された
霧化粒子が気道のどの部位に沈着しやすいかは、
その粒子の大きさにより異なり、大きな粒子ほど
上部気道に、小さな粒子になるほど下部気道（気
管支）、そして肺胞に沈着すると云われている。
そのため、同じエロゾール治療を行うにしても、
患部が、鼻、喉、肺等のいずれであるかにより異
なる粒径の霧化液を吸入してやることが望まし
い。

しかしながら、従来の超音波霧化装置（吸入
器）は、単一の超音波振動子を用いており、した
がつて霧化粒子の大きさも、その振動周波数で一
種類に決まり、患者や部位に応じ、きめの細か
い、効果的な治療を行うことができなかつた。そ
こで、この出願の発明者等は、超音波振動子の振
動周波数により、発生する粒子径が異なることに
着目し、共振周波数の異なる複数個の超音波振動
子を水槽底面に配設した超音波霧化装置を開発し
た。

ところが、この複数個の超音波振動子を設けた
場合、超音波振動子を同時に振動させ、霧化液柱
が霧化液面で交差するようにすると、霧化液柱が
互いに干渉しあうという問題がある。つまり、こ
の干渉が生起すると、所定の振動周波数に対応し
た大きさの霧化粒子が発生しないことになり、適
切な治療を行うことができないという問題があ
る。特に、装置の小型化を図ろうとすると、干渉
する可能性が大きくなる。

また、霧化液表面において、霧化粒子の発生箇
所が同一又は近接していると、両霧化粒子が衝突
して、別の大なる霧化粒子になるという欠点があ
る。

(ハ) 発明の目的この発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、超音波振動子の振動面を異なる方向に向ける
ことにより、霧化液柱が干渉することがなく、し
かも、霧化粒子の衝突を少なくした超音波霧化装
置を提供することを目的とするものである。

(ニ) 発明の構成と効果この発明は、上述した目的を達成するために、
本体ケースが外槽と内槽との二重層に形成され、
この外槽には媒体液が、内槽に霧化液がそれぞれ
貯留され、前記外槽の底部に複数個の超音波振動
子が設けられ、この複数個の超音波振動子の振動
面は、発振方向が交差しないようにそれぞれ異な
る方向に傾斜されて成り、この超音波振動子の振
動により、前記霧化液を霧化粒子にするように構
成されている。

従つて、この発明の超音波霧化装置によれば、
複数個の超音波振動子によつて生じる霧化液柱が
干渉することがないので、所定の超音波振動子に
対応した霧化粒子を確実に発生させることができ
る。よつて、複数個の超音波振動子を設けた効果
を十分に発揮させることができる。

また、発振方向が異なる方向に生じるので、薬
剤が全体的に撹拌される、所謂ブレンド効果を得
ることができる。その上、上記干渉を防止するこ
とができるから、内槽等を小さくすることがで
き、小型化を図ることができる。

また、霧化粒子の衝突も防止することができる
ので、上述の干渉防止と共に、広範囲の治療に適
用することができる。

(ホ) 実施例の説明以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

第１図に示すように、１は超音波吸入器であつ
て、超音波を利用して霧化粒子を発生させるもの
である。

この超音波吸入器１は、本体ケース２に４個の
超音波振動子ユニツト３が設けられて構成されて
いる。この本体ケース２は、外槽４と内槽５との
二重槽に形成されており、外槽４は底部に仕切板
４ａが設けられている。そしてこの外槽４におけ
る仕切板４ａの上方には、内槽５が設けられると
共に、振動エネルキを内槽５に伝達する水などの
媒体液６が貯留されている。

内槽５は、霧化すべき水、薬液などの霧化液７
が貯留され、上部には送風フアン８が送風路５ａ
を介して設けられると共に、送出口５ｂが形成さ
れ、霧化液８より霧化された霧化粒子が送風によ
つて送出されるようになつている。また、内槽５
の底面５ｃは下方に膨出した曲率面に形成されて
いる。

前記超音波振動子ユニツト３は、第２図及び第
３図に示すように、外槽４の仕切板４ａに取付け
られ、開口を有する凸部４ｂに嵌入固定されてい
る。この超音波振動子ユニツト３は、超音波振動
子９にゴムリング１０が嵌入されると共に、電極
金具１１が接続されて押さえ板１２により固定さ
れて構成されている。

更に、４個の超音波振動子ユニツト３は、仕切
板４ａのほぼ中央を中心とする円上に等間隔に配
設されており、しかも、超音波振動子９の上面振
動面９ａが異なる方向に傾斜している。つまり、
各超音波振動子９からの発振方向Ａが、第４図に
示すように、平面から視ると、超音波振動子ユニ
ツト３の配設円における接線方向かやや接線方向
よりも中心方向に向き、且つ時計廻り方向となつ
ており、４つの発振方向Ａが一点に集中すること
なく且つ交差しないように構成されている。この
発振方向Ａは配設円の接線方向よりもやや中心方
向に向いていることが望ましい。霧化が内槽５の
中央部で行われ、送風に都合が良いからである。

前記外槽４の仕切板４ａの下方には制御系統が
設けられており、電源スイツチ１３に接続された
制御回路１４にそれぞれ発振回路１５を介して超
音波振動子９が接続されている。そして、４つの
超音波振動子９が、同時に駆動されるように構成
されている。また、４つの超音波振動子９は、共
振周波数が異なり、例えば、0.76MHz、1.4MHz、
2.5MHz、3.5MHzに構成されている。

次に、霧化粒子の発生動作について説明する。

まず、電源スイツチ１３をオンすると、制御回
路１４によつて各発振回路１５が同時に動作し、
各超音波振動子９が振動する。そして、その振動
波は、媒体液６を通つて霧化液７に伝達される。

この際、振動波６は、第４図に示すように、超
音波振動子ユニツト３の配設円の接線方向あるい
はやや中心よりの方向で且つ時計廻り方向で、斜
め上方に伝達される。

従つて、超音波振動子９の駆動時に、霧化液柱
が互いに干渉することなく、所定の大きさの霧化
粒子が発生する。また、内槽５内で各霧化液柱が
衝突することもない。

霧化作用によつて得られた霧化粒子は、送風フ
アン８の送風により送出口５ｂから送出される。
この霧化粒子の大きさは、共振周波数が0.76MHz
の超音波振動子によるものが大きく、周波数が大
きくなるに従つて小径となる。

尚、この実施例において、超音波振動子９は４
つ設けたが、２つ或いは３つ、更に５つ以上設け
てもよい。

また、振動面の傾斜方向は実施例に限られず、
発振方向が交差しなければ単に異なる方向であれ
ばよい。

また、超音波振動子の駆動は実施例のように、
同時に限られず、時分割駆動であつてもよい。ま
た、この発明は吸入器に限られず、加湿器など広
く超音波霧化装置に適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、第１図は超
音波吸入器の中央縦断面図、第２図は超音波振動
子ユニツトの配置を示す同要部の概略斜視図、第
３図は超音波振動子ユニツトの断面図、第４図は
超音波振動子の発振方向を示す説明図である。１：超音波吸入器、２：本体ケース、３：超音
波振動子ユニツト、４：外槽、５：内槽、６：媒
体液、７：霧化液、９：超音波振動子、９ａ：振
動面。

Claims

【特許請求の範囲】

１本体ケースが外槽と内槽との二重層に形成さ
れ、この外槽には媒体液が、内槽に霧化液がそれ
ぞれ貯留され、前記外槽の底部に複数個の超音波
振動子が設けられ、この複数個の超音波振動子の
振動面は、発振方向が交差しないようにそれぞれ
異なる方向に傾斜されて成り、この超音波振動子
の振動により、前記霧化液を霧化粒子にすること
を特徴とする超音波霧化装置。