JPH049481B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、いわゆる平板状に育苗せる平板状苗
床を使用する自動田植機において苗が崩れること
を防止し、確実に苗の移送ができる苗載せ台に関
するものである。

(ロ) 従来の技術 従来、自動田植機における苗載せ台としては、
実公昭46−26831号公報に示す如く、マツト状苗
を搭載する苗載箱の上部に、苗押え棒位置させ
て、同苗押え棒に弓状案内ばねを係着して、同弓
状案内ばねにてマツト状苗の床土を押圧せしめる
ように構成した苗載せ台が存在する。

(ハ) 発明が解決すようとする問題点 しかしながら、上記苗載せ台においては、マツ
ト状苗の後端を苗縦送り金具により押圧して植付
機構部側へ縦送りするものであるから、マツト状
苗の先端を順次切断して植付ける際に弓状案内ば
ねによるマツト状苗の押圧が確実にできないため
に、自重により同マツト状苗に崩れが発生し、植
付爪による苗の植付けが円滑にできないものであ
つた。

(ニ) 課題を解決するための手段 本発明では、苗送り装置としての駆動機構を苗
載せ台の底板の先端寄り部下面に設け、同駆動機
構の真上付近で苗載せ台の上方に、側面形状が略
Ｌ字状に形成した複数個の苗床押圧体を設け、同
苗床押圧体は上部を片持ち状に固着しながら平面
視で駆動機構とラツプする状態で配設すると共
に、同駆動機構は、苗載せ台の底板に穿設した切
欠孔から一部が突出して平面視で露出しながら、
同露出した部分と苗床押圧体のＬ字状の下辺部が
上下に対向した状態とし、さらに、同下辺部を駆
動機構に対向させた状態で同苗床押圧体の上下調
整及び調整後の位置固定が可能に構成してなる自
動田植機における苗載せ台を提供せんとするもの
である。

(ホ) 作用 苗の植付け作業を行う場合は、苗載せ台上に苗
床を載置して、同苗床の先端寄り部の上面を、苗
床押圧体の下辺部により押圧して苗床の浮き上り
を防止すると共に、苗載せ台の底板より露出した
苗送り装置の駆動機構により苗床の下面を支持し
た状態とする。

そして、この状態で苗載せ台を横方向に移動さ
せて、苗植付爪により所定本数の苗を植付ける。
この場合に、苗載せ台が横方向に移動している間
は苗送り装置は停止している。

次に、横方向一列の苗植付けが完了すると苗送
り装置の駆動機構が作動して所定距離だけ苗床が
前方に移送される。そして、前記と逆の横方向に
苗載せ台が移動して苗を植付けるものである。

(ヘ) 効果 本発明によれば、苗送り装置としての駆動機構
を、苗載せ台の底板の先端寄り部下面に設けて、
同駆動機構の一部が底板の切欠孔から突出しなが
ら露出しているから、苗載台に載置される苗床に
対して駆動機構が当接して苗送りを確実にするも
である。また、同駆動機構の真上付近には、側面
形状が略Ｌ字状に形成された苗床押圧体を平面視
でラツプする状態で配設して、かつ、同苗床押圧
体の下辺部が駆動機構と上下に対向した状態に構
成されているので、苗送り装置により苗送りされ
る苗床の崩れ、及び苗床の浮き上りを防止すると
共に、苗床の縦送りを確実に行うものである。

また、特に、苗床が浮き上りを発生する部位
で、苗載せ台の底板の切欠孔から一部が突出して
平面視で露出した駆動機構と、苗床押圧体の下辺
部とが対向しているために、駆動機構が間歇的に
作動した場合の苗送りが一定であると共に、苗の
植付量が常時一定となり、苗の育成が均一となつ
て、全体として苗載せ台の構造が簡単でありなが
ら、苗の植付作業を能率的に行うことができるも
のである。

(ト) 実施例 以下本発明の苗載せ台について添付の図面によ
つて説明する。

本発明の苗載せ台は、底板４と側壁５とから成
る苗支持部１、該底板４下面に設けた苗送り装置
２、及び前記苗支持部１に上下位置調節自在に設
けた本発明の最も要旨とする苗床押え部３によつ
て構成されている。

前記苗支持部１は、複数枚の底板４と側板５と
を交互に連結し、該底板４の側壁５を連結しない
一側辺寄り所定位置に側壁５と平行な切欠孔６，
６…を穿設している。

前記苗送り装置２はローラーベルト等の駆動機
構７，７…を前記切欠孔６，６…に嵌合されるよ
う底板４下面に設けて、同駆動機構７，７の一部
が切欠孔６，６から突出して平面視で露出した状
態としながら、原動機（図示せず）と連結されて
いる。

本発明の最も要旨とする苗床押え部３は、前記
苗支持部１の両端部側壁５，５外面に定設した保
持部８，８、両側縦杆９，９を該保持部８，８に
貫通支持させた〓形の苗床押圧体支持杆１０、該
苗床押圧体支持杆１０に上端部を固着された略Ｌ
字状の複数個の苗床押圧体１１，１１…より成
り、該各苗床押圧体１１は、前記切欠孔６及び駆
動機構７の真上付近に位置して平面視でラツプす
るように、Ｌ字の上端自由端で片持ちして支持杆
１０に固着され、更に前記保持部８は、弾力ばね
１２及び縦杆押圧体１３を内蔵した筐体１４の上
下対向面に縦杆９が貫通可能な通孔１５，１５を
穿孔すると共に、縦杆押圧体１３の弾性ばね１２
によつて達杆９に押圧される面に縦杆９と嵌合さ
れる凹溝１６を凹設して縦杆９を上下摺動可能に
支持することにより苗床押圧体１１を上下位置調
整及び調整後の位置固定可能に構成している。

また、略Ｌ字状の苗床押圧体１１のＬ字状の下
辺部１１−１は、上記駆動機構７の露出した部分
と上下に対向した状態とし、かつ、苗載せ台の底
板４に平行に構成しており、従つて、同苗床押圧
体１１は、底板４に平行状態のまま上下調整及び
位置固定可能に構成されていることになる。

また、苗床押圧体１１のＬ字状の下辺部１１−
１の自由端先端部１１−２は、上方に折曲して、
下辺部１１−１は、前後端部分とも折曲状態とな
つて、苗床１７の浮き上がり時に、下辺部の前後
端部分が苗床１７へ、のめりこむのを防止してい
る。

以上の構成になる本発明の苗載せ台の作用は次
の通りである。

平板状に育苗される苗床１７を苗身部１８が上
方に向くように苗支持部１に載せる。

苗床１７の前端面を底板４の前側辺に接近させ
苗床押え部３の下端部を苗床１７上面に圧接させ
て田植付けを行なう。

苗支持部１が横方向(A)に移動している間は苗送
り装置２は停止し、苗植付爪（図示せず）が作動
する度に所定本数の苗を植付ける。

横方向一列の苗植付けが完了すると苗送り装置
２によつて所定距離苗床１７が前方に移送され、
前記と逆の横方向（A′）に苗支持部１が移動し
ながら苗植付けが行われる。

苗床１７が前方に移送される間、及び苗植付け
を行なつている間は、苗床１７は苗床押圧体１１
によつて底板４上面、特に、駆動機構７の上面に
て圧接されるので該駆動機構７が作動している間
においても苗床１７の崩れ、及び底板４からの浮
き上がりを防止して規則正しい苗の移送、並びに
苗の植付けを行なうことができる。

並びに、本発明の苗載せ台は上記のように構成
されており、したがつて、苗送り装置２としての
駆動機構７を苗載せ台の底板４の下面に設け、同
駆動機構７の上方付近で苗載せ台の上方に配設し
た略Ｌ字状の苗床押圧体１１によつて苗床１７を
駆動機構７の上面に圧接しているので、駆動機構
７の作動による苗床１７の崩れを完全に防止でき
苗床１７の浮き上がりも完全に防止でき規則正し
い苗の移送及び植付けを行なうことができると共
に、苗床押圧体１１のＬ字の上端自由端で片持ち
状に支持して、しかもＬ字の下辺部１１−１の曲
り方向は、苗載台の上端に向つた状態とし、かつ
Ｌ字の下辺部１１−１は、底板４に平行に形成さ
れちるので、苗床１７の浮き上がりによる下方か
らの押上げ力を、Ｌ字の下辺部１１−１全体で受
けることができ、Ｌ字の上端自由端部の片持ち状
態において、浮き上がりによる押上げ力を確実に
受止め押圧し、更には、Ｌ字の折れ曲げ部分がＬ
字の下辺部１１−１の前端にきて、同下辺部１１
−１が苗載せ台の上端に向つているので苗床の浮
上りを更に確実に押えることができ、また苗床の
厚みの変化や、苗床側の浮き上がりや上面の凹凸
の状況等に応じて略平行状態で苗押圧体１１の上
下調整及び固定を行うことができ、また、苗床押
圧体１１の前後端部分は折曲しており、苗床１７
の浮き上がり防止作用時に、苗床にめり込むのを
防止しうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の苗載せ台の斜視図。第２図は
第１図−線断面図。第３図は保持部の横断平
面図。 １：苗支持部、２：苗送り装置、３：苗床押え
部、４：底板、６：切欠孔、７：駆動機構、１
１：苗床押圧体、１１−１：下辺部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 苗送り装置２としての駆動機構７を苗載せ台
   の底板４の先端寄り部下面に設け、同駆動機構７
   の真上付近で苗載せ台の上方に、側面形状が略Ｌ
   字状に形成した複数個の苗床押圧体１１を設け、
   同苗床押圧体１１は上部を片持ち状に固着しなが
   ら平面視で駆動機構７とラツプする状態で配設す
   ると共に、同駆動機構７は、苗載せ台の底板４に
   穿設した切欠孔６から一部が突出して平面視で露
   出しながら、同露出した部分と苗床押圧体１１の
   Ｌ字状の下辺部１１−１が上下に対向した状態と
   し、さらに、同下辺部１１−１を駆動機構７に対
   向させた状態で同苗床押圧体１１の上下調整及び
   調整後の位置固定が可能に構成してなる自動田植
   機における苗載せ台。