JPH0489306A - 球状亜リン酸アルミニウム結晶、その製造方法、及び、それを含有する塗料 - Google Patents

球状亜リン酸アルミニウム結晶、その製造方法、及び、それを含有する塗料

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JPH0489306A
JPH0489306A JP20187190A JP20187190A JPH0489306A JP H0489306 A JPH0489306 A JP H0489306A JP 20187190 A JP20187190 A JP 20187190A JP 20187190 A JP20187190 A JP 20187190A JP H0489306 A JPH0489306 A JP H0489306A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規物質である球状亜リン酸アルミニウム結
晶、その製造方法、及び、それを含有する塗料に関する
ものである。
現在、プラスチック等各種ポリマーの添加剤、光拡散剤
、固体潤滑剤、化粧品、グリース、インキ、ペイント等
には、多くの白色顔料や潤滑材等の添加剤がが使用され
ている。本発明は、このような白色顔料としても、流動
性および防火性等において優れた特性を有する球状亜リ
ン酸アルミニウム結晶、その製造方法、及び、それを含
有する塗料を提供するものである。
〔従来の技術〕
従来から亜リン酸アルミニウムはよく知られた物質であ
り、ミョウバ・ン水溶液に亜リン酸アンモニウムを加え
る方法、及び、亜リン酸に水酸化アルミニウムを溶解し
て得られる亜リン酸アルミニウム水溶液を煮沸して結晶
を析出させる方法等によって製造されている。
特開昭57−95814号公報には、アルミナ水和物と
亜リン酸とを70℃以上の温度で加熱反応させることを
特徴とする亜リン酸アルミニウム含有組成物の製造方法
が開示されている。しかしながら、この方法では、アル
ミナ粒子の表面の反応にとどめ、アルミナ粒子の芯まで
反応させる必要はないとしている。
このような方法で得られた亜リン酸アルミニウム粒子は
、何れも、板状結晶や柱状結晶が凝集した無定形の塊で
あって′、亜リン酸アルミニウムに球状結晶が存在する
ことは全く知られていなかった。
一方、球状粒子の製造方法に関しては、多くの方法が知
られている。
溶融金属又は溶融ガラスを圧縮ガスで飛散させ固化させ
て金属又はガラスの球状粒子を製造する方法、及び、5
101またはTin5の微粉末を01  H1炎中を通
過させてSiO茸またはTi1tの球状粒子を製造する
方法等の物理的な方法は既に知られており、特開平1−
234308号公報には、リン酸カルシウム粉末を分散
状態で1600℃以上の火炎と接触させることを特徴と
するヒドロキシアパタイトの球状粒子の製造方法が開示
されている。
また、水溶液又は懸濁液の噴霧乾燥によっても球状粒子
を製造することができ、アルカリ土類金属珪酸塩及び炭
酸カルシウムの球状粒子が得られている。
更に、炭化水素の熱分解によるカーボンブラックの球状
粒子を製造する方法等の物理化学的な方法も既に知られ
ており、特開昭61−186216号公報には、気化さ
せた珪素化合物を水蒸気で高温で分解し更に焼成するこ
とを特徴とするシリカの球状粒子を製造する方法が開示
されている。
一方、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有
機高分子化合物には、結晶の一形態として球晶が存在す
ることが認められている。しかしながら、無機化合物の
球晶は、アジ化鉛、炭酸カルシウム、セレン化物、硫化
アンチモン、硫化カドミウム、タングステン酸ストロン
チウム等の特定の化合物にしか認められていない。この
ような状況を裏付けるように、特開昭62−21220
2号公報及び特開昭62−212203号公報には、そ
れぞれ、ヘテロポリ酸のセシウム塩及びルビジウム塩の
球状微粒子が開示されている。
更に、最近になって、第二銅イオンやリン酸塩の共存下
で、水酸化カルシウムと二酸化硫黄との反応による亜硫
酸カルシウム半水和物の球晶の合成が報告され、特開昭
59−223205号公報には、カルシウム化合物とリ
ン酸化合物を、リン酸縮合物の存在下で50℃以上で反
応させて、球状の無水第ニリン酸カルシウム粒子を製造
する方法が開示されている。
なお、上述の特開昭57−95814号公報には、亜リ
ン酸アルミニウムが防錆顔料として優れていることが開
示されている。
また、亜リン酸アルミニウムは、300〜400℃に加
熱することにより発泡し、1000℃まで安定な発泡体
構造を保つため、発泡性防火塗料としての効果が期待で
きる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が解決しようとする課題は、上述のように防錆顔
料として優れた特性を有する不定形の亜リン酸アルミニ
ウム粉末粒子とは別に、球形の結晶の存在する可能性、
及び、その条件を探索し、その製造方法を確立して、亜
リン酸アルミニウム粉末の流動性や機械的強度を高めて
、塗料製造等における分散性や、防火塗料に必要な高I
II度混入性等の作業特性を改善し、得られ塗料の塗布
の際の作業特性が高い塗料を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述の課題を解決するため、新規勧賞で
ある球状亜リン酸アルミニウム結晶、その製造方法、及
び、それを含有する塗料を提供する。
この球状亜リン酸アルミニウム結晶は、直径が3〜18
μmの範囲に分布し、平均直径が10μm以下の球状の
結晶である。
その製造方法は、50℃以上に加熱した亜リン酸水溶液
にアルミナ水和物を添加し反応させて得られた粘稠な亜
リン酸アルミニウムスラリーを、50〜90℃で撹拌し
ながら微細な結晶を徐々に析出せる方法である。
この場合の亜リン酸水溶液の好ましい濃度は、40〜6
0%であり、アルミナ水和物には、水酸化アルミニウム
、アルミナゲル、ギブサイト、ベーマイト等が使用でき
る。また、得られた亜リン酸アルミニウムスラリーの粘
度は、20c、p、以上である。
更に、亜リン酸アルミニウムスラリーを50〜90℃に
保持しながら、結晶を析出させる際に、アミン又はキレ
ート化合物を添加すると球状化が円滑に行われる。この
場合使用されるアミンは、沸点80℃以上のものが好ま
しく、脂肪族又は芳香族の第一、第二又は第三アミンの
いずれでもよい。また、キレート化合物もアミン系のも
のが好ましい。
それを含有する塗料は、この方法で作られた球状亜リン
酸アルミニウム結晶を、顔料として含有する塗料である
〔作用〕
本発明に係わる製造方法において、どのような作用によ
って亜リン酸アルミニウムの球状結晶が生成するか詳細
は不明であるが、一応次のような作用が関与するものと
推定される。
50℃以上で反応させ、引き続き50〜90℃で粘稠な
亜リン酸アルミニウムスラリーを撹拌することにより、
粘稠な液体と主成分と考えられる亜リン酸二水素アルミ
ニウム(AI(H*POs)s )を介して、局部的に
亜リン酸アルミニウムの溶解と析出とが行われ、先ず最
初に、粘性流体に対して抵抗の少ない針状結晶が析出し
ても、それがある程度長くなると、針状結晶の軸に交叉
する流れに対する抵抗が急激に増加するので、針状結晶
の側面方向に結晶が成長を始めるが、撹拌による液流の
乱れによって、単一の平板を維持したまま成長すること
ができずに螺旋状に成長し、そして、最終的には、粘性
流体に対・して最も抵抗の少ない球状の結晶を形成する
ものと考えられる。
アミン又はキレート化合物の添加の効果は、アルミニウ
ムイオンのキレート化作用によって、結晶の成長速度が
遅くなる結果、急速な針状結晶の発達が抑えられ、穏や
かな結晶の螺旋状成長が助長されることにあると考えら
れる。
また、本発明に係わる塗料において、球状亜リン酸アル
ミニウム結晶自体の機械的強度が高く、かつ、結晶集合
体としての流動性が高く、更に、分散液の流動性が高い
のは、結晶の形状が球形であることによるものと考えら
れる。
〔実施例〕
(1)  球状結晶の製造 (実施例1) 80℃に加温した40%亜リン酸水溶液1250gに、
撹拌しながら水酸化アルミニウム(ギブサイ)  Al
倉Os3HmO) 317gを徐々に加えて反応させ粘
稠な溶液とした後、60℃に保持して撹拌を続けると5
時間で反応スラリーが中性となり結晶化が終了する。反
応スラリーを濾過し、得られたフィルターケーキを11
0℃で24時間乾燥して粉末(以下「粉末I」という)
を得た。
(実施例2) 60℃に加温した50%亜リン酸水溶液1000gに、
撹拌しながら89.6%水酸化アルミニウム(ギブサイ
ト ^I*0*4HtO) 354gを徐々に加えて反
応させ粘稠な溶液とした後、80℃に保持して撹拌を続
けると3時間で反応スラリーが中性となり結晶化が終了
する。反応スラリーを濾過し、得られたフィルターケー
キを 110℃で24時間乾燥して粉末(以下「粉末■
」という)を得た。
(実施例3) 70℃に加温した50%亜リン酸二水素アルミニウム(
AI([l*Pロコ)3)水溶fil 1000 g 
ニ、撹拌しながら89.6%水酸化アルミニウム(ギブ
サイト ^l。
034H1O) 162.3gを徐々に加えて反応させ
粘稠な溶液とした後、70℃に保持して撹拌を続けると
6時間で反応スラリーが中性となり結晶化が終了する。
反応スラリーを濾過し、得られたフィルターケーキを1
10℃で24時間乾燥して粉末(以下「粉末■」という
)を得た。
(実施例4) 50℃に加温した60%亜リン酸水溶液1000gに、
撹拌しながら50%アルミナゲル(AI(OR)s)7
61gを徐々に加えて反応させ粘稠な溶液とした後、5
0℃に保持して撹拌を続けると8時間で反応スラリーが
中性となり結晶化が終了する。反応スラリーを濾過し、
得られたフィルターケーキを110℃で24時間乾燥し
て粉末(以下「粉末■」という)を得た。
(実施例5) 80℃に加温した40%亜リン酸二水素アルミニウム(
AI(LPOs)s )水溶液1250gに、撹拌しな
がら50%アルミナゲル(AI(OR)s) 231.
1gを徐々に加えて反応させ粘稠な溶液とした後、80
℃に保持して撹拌を続けると1時間で反応スラリーが中
性となり結晶化が終了する。反応スラリーを濾過し、得
られたフィルターケーキを110℃で24時間乾燥して
粉末(以下「粉末V」という)を得た。
(実施例6) 80℃に加温した40%亜リン酸1250gに撹拌しな
がら水酸化アルミニウム(ギブサイト^hasSFhO
) 317gを徐々に加えて反応させ粘稠な溶液とした
後、アニリン20膳lを加え、70℃に保持して撹拌を
続けると4時間で反応スラリーが中性となり結晶化が終
了する。反応スラリーを濾過し、得られたフィルターケ
ーキを110℃で24時間乾燥して粉末(以下「粉末V
IJという)を得た。
(実施例7) 80℃に加温した40%亜リン酸1250gに撹拌しな
がら水酸化アルミニウム(ギブサイト^l、0゜3Mm
O) 317gを徐々に加えて反応させ粘稠な溶液とし
た後、0.1M−EDT^(エチレンジアミン四節II
)3011を加え、70℃に保持して撹拌を続けると4
時間で反応スラリーが中性となり結晶化が終了する。反
応スラリーを濾過し、得られたフィルターケーキを11
0℃で24時間乾燥して粉末(以下「粉末■」という)
を得た。
(比較例1) 30℃に加温した50%亜リン酸水溶液1000gに、
撹拌しながら89.6%水酸化アルミニウム(ギブサイ
ト A1彦0j4Bt(l ) 354gを徐々に加え
て反応させた後24時間撹拌を続けたが、反応スラリー
はpH1の強酸性であった。この反応スラリーを濾過し
、得られたフィルターケーキを110℃で24時間乾燥
して粉末(以下「粉末■」という)を得た。
(比較例2) 70℃に加温した50%亜リン酸水溶液1000gに、
撹拌しながら89.6%水酸化アルミニウム(ギブサイ
ト 八1sOz4BsO) 354gを徐々に加え95
℃に保持すると、烈しく反応して、数分で撹拌が困−に
なるとともにスラリーがpH1の強酸性のままであり、
水5001を加えて24時間撹拌を続けたが変化があか
った。この反応スラリーを濾過し、得られたフィルター
ケーキを110℃で24時間乾燥して粉末(以下「粉末
■」という)を得た。
(比較例3) 70℃に加温した50%水酸化アルミニウム(ギブサイ
ト ^l鵞Os3[1to ) 634gに撹拌しなが
ら60%亜リン酸水溶液833gを徐々に加え、粘稠な
溶液とすることなく反応させた後、70’Cに保持して
24時間撹拌を続けたが、反応スラリーはpH1の強酸
性であった。この反応スラリーを濾過し得られたフィル
ターケーキを110℃で24時間乾燥して粉末(以下「
粉′末X」という)を得た。
表1に、上述の実施例1〜7及び比較例1〜3で得られ
た粉末I−Xの電子顕微鏡観察による結晶形、平均法粒
径、XH回折による同定物質を示した。
表1に示したように、実施例1〜7で得られた粉末I〜
■は、いずれも平均粒径1oμm以下の亜リン酸アルミ
ニウムの微細な球状結晶が認められたが、比較例Iで得
られた粉末■は、平均粒径2μmの亜リン酸アルミニウ
ムとギブサイトの無定形混合結晶であり、反応が不充分
のままであった。比較例2及び3で得られた粉末■及び
Xは、それぞれ、平均粒径70μm1及び、42μmの
亜リン酸アルミニウムとギブサイトの無定形凝集混合結
晶であった。
(以下余白) 表 注)  AP:亜すン酸アルミニウム AO:アルミナ永和物 O:存在する。
△ :少し存在する。
:存在しない。
なお、実施例3で得られた粉末■の電子顕微鏡テ2,0
00倍、 5.000倍・、及び、211.000倍に
拡大した時の様子は、図1〜3に示したように、表面に
幅0.3μm程度の細かいひだを有する球状をしている
。また、比較例2で得られた粉末■の電子顕微鏡で5.
000倍に拡大した時の様子は、図4に示したように、
小さい板状結晶がほぼ球状に集合しており、作用の項で
述べたような球状結晶の生成機構が妥当性であることを
裏付けているものと考えられる。
(2)  m料の製造 実施例1〜7及び比較例1〜3で得られた粉末I−Xを
、次の配合比で調整し、ガラスピーズ(Φ 1.5+*
s) loogをサンドミルを用いて分散させて塗料工
〜Xを製造する際の所要分散時間を測定した。
粉末I −X 水酸化アルミニウム 炭酸カルシウム タルク 水系合成樹脂エマルジョ 28.8g 5、4 g 5、0 g 5、2 g ン   55.6g なお、ここで使用した水系合成樹脂は、エチレン−酢酸
ビニル共重合体である。
このようにして得られた所要分散時間、粒子の形状の不
規則性等に関連する吸油量(JIS K5101)、塗
料の難燃性の尺度となる酸素指数(JIS K7201
)を表2に示した。
表    2 表2に示したように1、本発明に係わる球状量リン酸ア
ルミニウム結晶は、流動性に富み、塗料製造における混
和作業等′の短縮化に役立ち、得られた塗料の吸油性が
低く、粒子の形状が規則的で比表面積の小さい球形をし
ていることを示し、このような粒子の特性に基づいて、
酸素指数が高く、高い不燃性を示している。
〔発明の効果〕
本発明に係わる新規物質である球状量リン酸アルミニウ
ム結晶、その製造方法、及び、それを含有する塗料は、
前述のような、構成及び作用を有するので、亜リン酸ア
ルミニウムに球形の結晶が存在することを明らかにし、
その製造方法を確立して、亜リン酸アルミニウム粉末の
流動性や機械的強度を高めて、塗料製造等における混和
等の作業特性を改善すると同時に、顔料の高濃度配合を
可能にし、得られた塗料の塗布の際の作業特性を高め、
塗料の防火効果を高める等の効果をもたらすものである
。        。
【図面の簡単な説明】
図1〜4は、それぞれ、本発明に係わる球状量すン酸ア
ルミニウム結晶を電子顕微鏡で2,000倍、5.00
0倍、20.000倍に拡大した時の態様を示す図面、
及び、比較のために製造した亜リン酸アルミニウム結晶
を電子顕微鏡で5.000倍に拡大した時の態様を示す
図面である。 図 図 図 図 手続補正書(自発) 平成2年9月11日

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)球状亜リン酸アルミニウム結晶
  2. (2)50℃以上に加熱した亜リン酸水溶液にアルミナ
    水和物を添加し反応させて得られた粘稠な亜リン酸アル
    ミニウムスラリーを、50〜90℃で撹拌しながら微細
    な結晶を徐々に析出せさて球状結晶に成長させることを
    特徴とする球状亜リン酸アルミニウム結晶の製造方法
  3. (3)球状亜リン酸アルミニウム結晶を含有する塗料
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