JPH048866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、洗面所等に備え付ける洗面装置に関
する。

〔従来の技術〕

従来、洗面所に備え付ける洗面台として、たと
えば、実開昭53−34539号公報に記載されたもの
がある。これは、床面に配置するキヤビネツトの
上面に段差部を設け、この段差部を挟んで高さが
異なる位置に２個の洗面ボールを配置したもので
ある。このように、洗面ボールを上、下の２段に
位置させることにより、たとえば、低い方の洗面
ボールを子供専用とすれば、１台の洗面台で大人
及び子供が併用できる構造になつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、２個の洗面ボールを横方向に配列す
るため、キヤビネツトの間口寸法は一般の洗面台
に比べて大きくなり、据え付け間口もこれに応じ
て広くする必要がある。したがつて、通常の幅寸
法を持つ洗面台に代えて、２個の洗面ボールを備
えた洗面台を据え付けるには、間口を拡げる等の
建屋の改修を必要とする。また、間口方向の容量
自体が大きいので、洗面所に付属する他の機器と
の寸法の取り合いができず、設置できない場合も
多い。

このように、洗面ボールを２個配置した洗面台
では、間口方向の寸法が大きくなることに起因す
る問題があつた。

更に、洗面ボールの近くにタオル、櫛、歯磨具
等を収納する場所がなくて乱雑になり易く、収納
棚を備えた洗面装置が望まれていた。

そこで、本考案は大人にも子供にも使用しやす
い高さの異なる２個の洗面ボールと洗面用具等を
収納可能な収納棚を備え、しかも狭い間口の据え
付け位置にも設置可能な洗面装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、以上の目的を達成するために、吐水
具を備え最上段に位置する洗面ボールの真下に補
助洗面ボール及び収納棚をこの順に重ね合わせた
円筒状の洗面装置であつて、同洗面装置は中心軸
から偏心した位置に設けた支軸に取り付けられ、
前記洗面ボール又は補助洗面ボールの少なくとも
一方及び前記収納棚を前記支軸周りに旋回可能と
したことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を具
体的に説明する。

第１図は本考案に係る洗面装置において下位の
洗面ボールを外側に出したときの斜視図、第２図
は洗面ボール及び収納棚を整列させたときの斜視
図である。

図示のように、最上段及びその下段に２個の洗
面ボール１及び補助洗面ボール２を備え、更に下
部側には収納棚３ａ，３ｂ，３ｃを設けている。
これらの洗面ボール１、補助洗面ボール２及び収
納棚３ａ，３ｂ，３ｃは全て同じ半径の筒体状で
あり、中心から偏心した支軸４に支持され、洗面
ボール１を除きこの支軸４周りに回転自在であ
る。なお、３ｄは最上段の収納棚３ａを開閉する
蓋である。

洗面ボール１及び補助洗面ボール２はいずれも
陶器等を素材として製作され、最上段に位置する
洗面ボール１の上には吐水具としてのシヤワーヘ
ツド５を設けている。このシヤワーヘツド５は給
水配管としてのホース６に連結され、洗面ボール
１の上面に固定したホルダー７から引き出し可能
であり、更に補助洗面ボール２を使用する場合に
便利なようにシヤワーヘツド５を掛けるハンガー
８を洗面ボール１の周壁に設けている。

シヤワーヘツド５への給水、洗面ボール１及び
補助洗面ボール２からの排水は、支軸４を利用し
て行うもので、第３図の断面図に示すように、支
軸４は中空となつている。支軸４の内部には、排
水本管１０は排水配管として設けられ、洗面ボー
ル１及び補助洗面ボール２に接続したそれぞれの
排水管１１，１２をこの排水本管１０に連結して
いる。また、シヤワーヘツド５に接続するホース
６は、支軸４の上端側に設けた孔１３からホルダ
ー７方向へ向かうように配置されている。なお、
このホース６は、シヤワーヘツド５をホルダー７
から引き出して使用できる長さとしておく。

更に、支軸４の外周には、洗面ボール１、補助
洗面ボール２及び最下段の収納棚３ｃを支持する
フランジ１５，１６，１７を設けている。収納棚
３ｃを支持するフランジ１７は、支軸４の下端側
に固定され、据え付け床面に収納棚３ｃが接触し
ないようにこれを回転自在に支持する。また、洗
面ボール１及び補助洗面ボール２を支持するフラ
ンジ１５，１６は、これらのボール１，２を支軸
４に嵌め込んだ後に下面から取り付け可能な半割
状のものを使用する。

現場での据え付けは、まず、支軸４を所定の位
置に鉛直に固定し、収納棚３ａ，３ｂ，３ｃの下
段から上段の順に支軸４の上端側から挿入し、更
に蓋３ｄをセツトする。これらの収納棚３ａ，３
ｂ，３ｃ及び蓋３ｄは、下端のフランジ１７によ
つて回転自在に支持される。なお、回転を円滑に
するために、最下段の収納棚３ｃとフランジ１７
との間、隣接する収納棚３ａ，３ｂ及び３ｂ，３
ｃ間、更に蓋３ｄと収納棚３ａとの摺動部分には
スリツプワツシヤ２０を設けておく。

次いで、補助洗面ボール２を支軸４の上端から
挿し込み、下面側から半割状のフランジ１６を支
軸４の周りに固定して補助洗面ボール２をスリツ
プワツシヤ１６ａを介装して支持する。このフラ
ンジ１６は、高さ調整するためのボルト２１によ
つて支軸４の周面に締付けて固定し、この後、排
水管１２を支軸４内の排水本管１０に接続する。
排水本管１０には、第４図ａ，ｂの断面図で示す
ように回転スリーブ２２を水密状に取り付けると
共に、支軸４の周面に優弧状に切開した開口４ａ
を挿通する補助管２３を接続している。そして、
ユニオン継手２４を利用してこの補助管２３と排
水管１２とを接続すれば、補助洗面ボール２から
排水を排水本管１０へ排出できる。なお、回転ス
リーブ２２内に位置する排水本管１０には孔１０
ａを設け、補助管２３より回転スリーブ２２内に
流入した排水を排出できるようにしている。

更に、洗面ボール１を同様に支軸４の上端から
挿し込み、半割状のフランジ１５を下面側から支
軸４に固定して洗面ボール１を所定の高さに固定
する。そして、補助管２５を支軸４の孔２６を挿
通して排水本管１０にネジ込み、ユニオン継手２
７によつてこの補助管２５を排水管１１に接続す
る。また、シヤワーヘツド５のホース６を孔１３
から支軸４内に挿入し、給水栓（図示せず）にこ
のホース６を接続する。

以上により、洗面装置全体は第２図のように、
洗面ボール１、補助洗面ボール２、蓋３ｄ及び収
納棚３ａ，３ｂ，３ｃを整列させることにより、
円柱状にその外観を呈するようになる。なお、補
助洗面ボール２、蓋３ｄ及び収納棚３ａ，３ｂ，
３ｃは、支軸４に対して単に自由回転するだけ
で、第２図のように整然と並べたりするには不便
である。このため、これらの部材と支軸４との間
に、ストツパ機構を設けることが必要である。こ
のストツパ機構としては、構造が比較的に簡単な
スナツプフツク等を利用することができる。すな
わち、支軸４とこれを外挿する部材間にスナツプ
フツクを、第２図のように全ての部材が整列可能
な状態及び最大角度回転したときにこれを拘束し
て保持可能とするように配置すれば、補助洗面ボ
ール２、蓋３ｄ及び収納棚３ａ，３ｂ，３ｃを支
軸４の周りの定位置にセツトすることができる。

洗面ボール１を使用して洗顔や洗髪等を行う場
合は、第２図の状態にしてシヤワーヘツド５から
の吐水によつて行う。なお、このシヤワーヘツド
５はその本体部に流路開閉用のハンドルを備えた
ものとすれば、手元の操作で簡単に取り扱うこと
ができる。また、給水源側に温度調節が可能な湯
水混合栓等を接続しておけば、必要とする温度の
給湯も可能である。

また、子供や身長の低い人の場合には、第１図
のように、補助洗面ボール２を旋回させ、列から
離れた位置に設定する。この状態では、床面から
の高さが小さい位置での洗顔や洗髪を楽な姿勢で
行うことができる。なお、シヤワーヘツド５をハ
ンガー８に掛ければ、補助洗面ボール２から吐水
が飛散することなく使用できる。

ここで、第５図ａに示すように、各部材を整列
させたときに必要とする据え付け位置の間口及び
奥行き寸法は、各部材の平面形状の直径に等しく
Ｄである。そして、支軸４の中心位置が部材の縁
からＥの距離にあるとすれば、補助洗面ボール２
を第５図ｂのように180度旋回させたときの間口
長さは2D−2Eとなる。つまり、２個の洗面ボー
ル１を配列したときの間口長さよりも2Eだけ小
さくなる。また、180度旋回させなくても、第５
図ｃのように補助洗面ボール２の大半が露出した
状態とすれば機能的には充分なので、更に間口長
さを短くした状態で使用することができる。この
ように、洗面用のボールを２個擁していても、大
きな間口寸法を必要としないので、狭いスペース
であつても支障なく据え付けることができる。

また、各収納棚３ａ，３ｂ，３ｃを必要に応じ
て引き出せば、タオル等の備品を通常の洗面台キ
ヤビネツトと同様に取り出すことができる。

なお、図面に示した例では、洗面ボール１及び
補助洗面ボール２の平面形状を円としたが、この
ほか四角形等の任意の形状とすることも無論可能
である。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の洗面装置にお
いては、最上段に位置する洗面ボールの下に補助
洗面ボールを、この補助ボールの下に収納棚をそ
れぞれ配置して支軸に取り付け、洗面ボール又は
補助洗面ボールの少なくとも一方及び収納棚を支
軸周りに旋回可能にしている。

このため、低い補助洗面ボールをその上の洗面
ボールと重合しない位置にすれば、背丈の低い子
供の場合でも洗顔や洗髪を楽に行うことができ
る。

また、２個の洗面ボールを横方向に配列うる場
合に比べて、洗面ボール同志が重合する分又はそ
れ以上の間口寸法を小さくでき、狭いスペースで
据え付けることができる。

また、収納棚にはタオル等の物品を収納するこ
とができると共に、収納棚を椅子としても利用で
き、洗面行為を楽に行うことができる。

更に、洗面ボール等を重合した状態で円筒形と
なるために、場所をとらず、またデザイン的にも
優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る洗面装置の補助洗面ボー
ルを引き出した状態の斜視図、第２図は洗面ボー
ル及び収納棚を整列させたときの斜視図、第３図
は第１図の縦断面図、第４図ａは同第３図の−
線矢視による断面図、第４図ｂは同第４図ａの
−線矢視による断面図、第５図は補助洗面ボ
ールの移動による間口寸法を示すための説明図で
ある。 １……洗面ボール、２……補助洗面ボール、５
……シヤワーヘツド、６……ホース、７……ホル
ダー、１０……排水本管、１１，１２……排水
管、１３……孔、１５，１６，１７……フラン
ジ、２０……スリツプワツシヤ、２１……ボル
ト、２２……回転スリーブ、２３……補助管、２
４……ユニオン継手、２５……補助管、２６……
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吐水具５を備え最上段に位置する洗面ボール１
   の真下に補助洗面ボール２及び収納棚３ａ，３
   ｂ，３ｃをこの順に重ね合わせた円筒状の洗面装
   置であつて、同洗面装置は中心軸から偏心した位
   置に設けた支軸４に取り付けられ、前記洗面ボー
   ル１又は補助洗面ボール２の少なくとも一方及び
   前記収納棚３ａ，３ｂ，３ｃを前記支軸４周りに
   旋回可能としたことを特徴とする洗面装置。