JPH0483760A - 表面保護材及びその接着シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、セラミック成形体の表面に接着したまま焼成
処理しうる表面保護材、及びその接着シートに関する。

従来の技術及び課題 セラミックグリーンシート等のセラミック成形体の流通
保管時や積層時等における損傷や、ゴミ付着等による汚
染を防止すべく表面保護材を接着して被覆保護する方法
が採られている。

従来、セラミック成形体に接着したまま焼成処理に供し
うる、従って焼成処理前に剥離除去する必要がない表面
保護用の接着シートとしては、金属箔等の耐熱性基材に
易熱分解性の特殊な粘着組成物からなる層を設けたもの
が知られていた（特開平２−１０７５７４号公報）。

しかしながら、セラミック成形体の一部が耐熱性基材と
焼成接着し、その剥離で形成焼成体の表面が害される問
題点があった。また耐熱性基材が粘着組成物等の分解ガ
スを遮蔽し、そのためか焼成残滓の多量発生等の焼成不
良が生じやすく、歩留まりに劣る問題点もあった。この
問題点は、大面積のセラミック成形体への適用を不可能
にしたり、速い昇温速度による効率的処理を不可能にす
るなどの問題点も誘発する。

本発明は、セラミック成形体に接着したまま焼成処理に
供しても前記の問題点を生じない表面保護材、及びその
接着シートの開発を課題とする。

課題を解決するための手段 本発明は、セラミック成形体の焼成時に熱分解するポリ
マー系表面保護材において、これまで焼成残滓問題やク
ラック発生問題等のため焼成処理前に剥離除去する必要
のあった点を克服しうるポｊマーを用いて、上記の課題
を達成したものである。

すなわち本発明は、セラミック成形体の焼成温度よりも
低温で解重合により熱分解するポリマーを含有するフィ
ルムを用いてなることを特徴とするセラミック焼成用の
表面保護材、及びその表面保護材に、セラミック成形体
の焼成温度よりも低温で熱分解する粘着層を設けてなり
、その粘着層を介しセラミック成形体の表面に接着した
まま焼成処理できるようにしてなることを特徴とする接
着シートを提供するものである。

作用 セラミック成形体の焼成温度よりも低温で解重合により
熱分解するポリマーを含有するフィルムを用いることに
より、そのポリマー形成単位であるモノマー等への易熱
分解性などに基づいて、酸化雰囲気下、非酸化雰囲気下
又は還元雰囲気下のいずれの場合においても焼成残滓が
発生し難（、また得られるセラミック焼成体にクラック
が生じ難い。さらに、表面保護材そのものが熱分解して
消失するので、内部の有機成分に基づく分解ガスもスム
ーズに飛散し、その表面保護材がセラミック焼成体の表
面を損傷することも回避することができる。

発明の構成要素の例示 本発明の表面保護材は、セラミック成形体の焼成温度よ
りも低温で解重合により熱分解するポリマーを用いてな
る。かかるポリマーの一般的なものとしては、例えばポ
リメチルメタクリレートの如きポリメタクリレート類、
ないしその混合物やコポリマー類、メタクリレートとア
クリレート、ないしスチレンとの共重合体の如きメタク
リレート系コポリマー類などがあげられる。

表面保護材は、かかるポリマーの１種又は２種以上を用
いて成形したフィルムや、かかるフィルムと、他のプラ
スチックフィルムとをラミネートしてなる複合フィルム
などとして形成される。そのプラスチックフィルムとし
ては、セラミック成形体の焼成温度以下で熱分解するも
のが用いられる。就中、ポリエチレンやポリプロピレン
の如きポリオレフィン、ないしそのコポリマーからなる
フィルムや、ポリエステルフィルムなどが好ましく用い
られる。フィルム厚は必要な強度等により適宜に決定し
てよい。通例の場合の必要強度は、引張強度に基づき約
１０ｋｇ／ｃ−以上、好ましくは約４０　ｋｇ　／　ｃ
ｗｔ以上である。スムーズな熱分解を達成する点よりは
フィルム厚が薄いほど好ましい。かかる点より、前記の
必要強度を踏まえて、一般には１０〇−以下のフィルム
厚とすることが好ましい。

なお、引張破断伸度が４００％以下、就中２００％以下
のフィルムが好ましい。エラストマーの如きゴム弾性を
示して伸度が過大であると、ロール状としたものを巻戻
す際や、接着シートとしてその粘着層よりセパレータを
剥がす際などに伸びすぎて取り扱い難くなる。

本発明の接着シートは、セラミック成形体に接着するた
めの粘着層を予め表面保護材に設けたものである。粘着
層の形成に用いる粘着剤は、セラミック成形体の焼成温
度よりも低温で熱分解するものであればよい。一般には
、必要に応じロジンの如き粘着付与樹脂、ポリブテンの
如き軟化剤、亜鉛華の如き充填剤、老化防止剤等の添加
剤を配合してなるアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤、例
えば天然ゴムやポリイソブチレン、あるいはポリスチレ
ンブタジェンゴムなどを成分とするゴム系粘着剤などが
用いられる。

粘着層の接着力は、スムーズな熱分解を達成する点より
薄いほど好ましいことを踏まえて、ステンレス板に対す
る１８０度ビール値（剥離速度３００　ｗａ／分）に基
づき３〜１５００　ｇ　／　２０　ｍ　、就中５〜７０
０ｇ／２０ｍとすることが好ましい。

本発明の表面保護材、ないし接着シートは、セラミック
グリーンシートや、その他のセラミック粉末の圧粉体な
どからなるセラミック成形体、ないし予め仮焼処理して
なるセラミック成形体の表面保護に用いられるものであ
り、焼成処理（仮焼ないし本焼）に際して剥離除去する
必要な（、セラミック成形体に接着したまま焼成処理に
供することができるものである。

なお、粘着層を有しない状態の表面保護材として用いる
場合には、セラミック成形体に接着する際に表面保護材
、ないしセラミック成形体に易熱分解性の粘着剤、ない
し接着剤等を設けてもよいし、またセラミック成形体中
のバインダ等を介して圧着してもよい。

セラミック成形体の処理条件は、セラミック成形体に応
じ適宜に決定してよい。本発明の表面保護材では、解重
合により熱分解するポリマーを含有するので、大気中等
の酸化雰囲気下や、窒素ガス等による非酸化雰囲気下、
あるいは水素ガス等による還元雰囲気下のいずれでも用
いることができる。また、低温、例えば７００℃以下、
就中３００〜７００℃から高温、例えば１８００以上ま
での幅広い焼成温度範囲において用いることができる。

なお、セラミック成形体の焼成温度が７００℃以下の低
温焼成の場合には、ポリメタクリレートフィルムからな
る表面保護材が好ましく用いつる。

本発明の表面保護材ないし接着シートは、例えば低温焼
成基板や厚膜多層配線基板の如き焼成基板の形成、ピン
グリッドアレイパッケージの如き積層型ＩＣパッケージ
の形成等の種々のセラミック焼成体の形成に好ましく用
いることができる。

発明の効果 本発明の表面保護材、ないし接着シートによれば、解重
合より熱分解するポリマーを用いたのでセラミック成形
体の表面に適用したまま焼成処理に供することができ、
焼成炉等に供給した後においてもセラミック成形体の表
面を保護することができる。

一方、セラミック成形体の焼成処理により表面保護材、
ないし接着シートは熱分解して消失するので、セラミッ
ク成形体中の有機成分の分解ガス等もスムーズに飛散し
て焼成残滓を生じ難く、セラミック焼成体にもクラック
が生じ難くて、焼成後に形成セラミック焼成体より除去
する必要がない。その結果、表面状態に優れるセラミッ
ク焼成体を形成することができる。

実施例１ アクリル系粘着剤を紙セパレータ上に塗布して厚さ５μ
ｍの粘着層を形成し、これを厚さ１７ｕｍのボッメチル
メタクリレート系フィルムにその粘着層を介してラミネ
ートし、接着シートを得た。

実施例２ ポリメチルメタクリレート系フィルムに代えて厚さ３０
μｍのポリイソブチルアクリレートフィルムを用いたほ
かは実施例１に準じて接着シートを得た。

実施例３ ブチルアクリレート１００部、アクリル酸５部及びポリ
イソシアネート２部を用いてなるアクリル系粘着剤を紙
セパレータ上に塗布して厚さ２μｍの粘着層を形成し、
これを厚さ１７１７ｇ１のポリメチルメタクリレート系
フィルムにその粘着層を介してラミネートし、接着シー
トを得た。

比較例１ ２−エチルへキシルアクリレート１００部、アクリル酸
２部、及びポリイソシアネート２部を用いてなるアクリ
ル系粘着剤１００部と、ポリイソブチレン１００部との
混合物からなる粘着性組成物を紙セパレータ上に塗布し
て厚さ１８μｍの粘着層を形成し、これを厚さ３０ｕｍ
のステンレス箔にその粘着層を介してラミネートし、接
着シートを得た。

比較例２ ポリメチルメタクリレート系フィルムに代えてポリエチ
レンテレフタレートフィルムを用いたほかは実施例１に
準じて接着シートを得た。

評価試験 実施例、比較例で得た接着シートより紙セパレータを剥
がしてその粘着層を介し、ポリビニルブチラールからな
るバインダを１０重量％含有する厚さ１．２ｏＩ１１の
アルミナグリーンシートに接着し、これを電気炉中で４
℃／分の速度で昇温下、６００℃に１時間保持して焼成
処理したのち、徐冷して形成された焼成体を取出し、外
部観察した。

前記において実施例１．２．３のいずれの場合にも、得
られたアルミナ焼成基板に焼成残滓やクラックは認めら
れず、その表面状態も良好で板の平坦性にも優れていた
。

しかし比較例１の場合には、残存したステンレス箔にア
ルミナ粉末の付着が認められ、得られたアルミナ焼成基
板の表面状態は凹凸が太き（、平滑性に乏しかった。

また比較例２の場合には、得られたアルミナ焼成基板に
多量の焼成残滓やクラックが認められ、その表面状態も
不良であると共に、波形化で板の平坦性にも劣っていた
。

特許出願人　　日東電工株式会社

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. １．セラミック成形体の焼成温度よりも低温で解重合に
   より熱分解するポリマーを含有するフィルムを用いてな
   ることを特徴とするセラミック焼成用の表面保護材。
2. ２．請求項１に記載の表面保護材に、セラミック成形体
   の焼成温度よりも低温で熱分解する粘着層を設けてなり
   、その粘着層を介しセラミック成形体の表面に接着した
   まま焼成処理できるようにしてなることを特徴とする接
   着シート。