JPH048114Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、プリンタ、タイプライタ、複写機
などに取り付けられるシート供給装置に関する。

〔考案の技術背景〕

一般にプリンタやタイプライタなどの印字装置
は、印字する用紙をシート供給装置から供給され
る。このシート供給装置は印字装置の給排紙口に
取り付けられ、ホツパに積層された用紙を給紙ロ
ーラによりまたは１枚の用紙を手差しにより印字
装置のプラテンに供給し、このプラテン上で印字
処理された用紙を排紙ローラと排紙ガイドとの間
を通して排紙スタツカに収容するようになつてい
る。

このようなシート供給装置においては、セツト
レバーを回動させてホツパを回動軸を中心に給紙
ローラ側へ回動させ、固定部とホツパとの間に張
られたコイルバネの復帰力により用紙が給紙ロー
ラに圧接されるようになつている。

〔背景技術の問題点〕

しかし、給紙ローラが左右一対設けられている
場合には、給紙ローラと用紙との接触の仕方に左
右ではアンバランスが生じ、用紙のスキユーやジ
ヤムが発生する。

このため、実公昭55−505号公報ではホツパを
二つに分割して各ホツパを一対の給紙ローラにそ
れぞれ独立して押し、２つの給紙ローラに用紙が
均等に圧接されるようにしている。

しかし、２つのホツパが独立して動作するため
に、２つのホツパを一緒に給紙ローラから離間す
ることができない。また、用紙の両側はホツパに
支持されているが、中央が支持されていないの
で、中弛みが生じ大きいサイズの用紙はうまく送
ることができない。

〔考案の目的〕

この考案は、一対のホツパなどの積載部を対向
する給紙ローラなどの給送回転体にそれぞれ押圧
してシートの安定した送り出しができると共に、
シートを給送回転体から離間させる際、一対の積
載部を給送回転体から共に遠ざけることができる
シート供給装置を得ることを目的とする。

〔考案の概要〕

この考案は上記の目的を達成するために、同軸
上に設けられた複数の給送回転体によりシートを
１枚ずつ送り出すシート供給装置において、少な
くともシートの両端を支持してシートを積載収容
する左右一対の積載部と、この積載部の背面側に
設けられた規制部材と、前記積載部背面と前記規
制部材との間を上下方向に移動すると共に、前記
積載部を給送回転体に接するまで押し上げないよ
うにその上昇範囲を規制されている支持部材と、
前記給送回転体に向けて前記積載部をそれぞれ押
圧する前記積載部毎に設けられた第１の圧接手段
と、前記支持部材に作用して前記積載部を前記給
送回転体の方向に押圧する第２の押圧手段と、前
記支持部材によつて前記規制部材を押し下げるこ
とで前記積載部を前記給送回転体から遠ざける、
前記支持部材に連結されたセツトレバーと、を設
けたものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例について、図面を参
照して説明する。

この実施例では第１図に示すように印字装置１
の給排紙口２に取り付けられるシート供給装置３
を例に説明する。

まず印字装置１はプラテン軸４に取り付けられ
たプラテン５と、このプラテン５に沿つて横方向
に往復動自在のヘツドキヤリツジ６と、このヘツ
ドキヤリツジ６に取り付けられた印字ヘツド７
と、プラテン５の周面に沿つて設けられたガイド
８及びピンチローラ９，１０とを備えている。

一方、シート供給装置３は、第２図に示す両側
の側部フレーム１１Ｌ，１１Ｒに第１図のように
プラテン軸４と嵌合する円弧状の支持部１２を有
している。

また側部フレーム１１Ｌ，１１Ｒの内側には、
ロツクレバー１３が中間部を軸１４で支持されて
いる。このロツクレバー１３はプラテン軸４にシ
ート供給装置３を固定するためのもので、一端に
プラテン軸４に係合する係合部１５を有してい
る。

側部フレーム１１Ｌ，１１Ｒ間には、中程にガ
イド軸５１が、また後方に四角形の角軸１６が取
り付けられている。そしてガイド軸５１と角軸１
６にまたがつて第２図のように一対の支持フレー
ム５３Ｌ，５３Ｒが、ガイド軸５１及び角軸１６
に沿つて移動自在に取り付けられている。なお、
支持フレーム５３Ｌ，５３Ｒの前方には、ガイド
部３３Ｌ，３３Ｒが設けられている。これらガイ
ド部３３Ｌ，３３Ｒには、先端規制ストツパ３４
Ｌ，３４Ｒが設けられている。

支持フレーム５３Ｌ，５３Ｒの内側には、第１
の圧接手段例えば圧縮バネ５５Ｌ，５５Ｒの一端
が取り付けられている。

角軸１６には、第２図に示すように積載部例え
ば一対のホツパ１９Ｌ，１９Ｒは軸受２０Ｌ，２
０Ｒを介して回動可能に取り付けられている。こ
のホツパ１９Ｌ，１９Ｒは前記支持フレーム５３
Ｌ，５３Ｒと共に角軸１６の長さ方向に移動可能
である。

支持フレーム５３Ｌ，５３Ｒとホツパ１９Ｌ，
１９Ｒとの間には、第１図のように支持部材例え
ば支持プレート５７が設けられ、両側のアーム６
０Ｌ，６０Ｒを角軸１６に固定されている。また
支持プレート５７の両側には第２図及び第３図の
ように軸５９Ｌ，５９Ｒが取り付けられ、第２の
圧接手段例えばバネ６１Ｌ，６１Ｒにより引き上
げられている。

なお、バネ６１Ｌ，６１Ｒの復帰力により支持
プレート５７がホツパ１９Ｌ，１９Ｒを後述する
給紙ローラ２３Ｌ，２３Ｒに接するまで押し上げ
ないように、支持プレート５７は上昇の上限を規
制されている。例えば軸５９Ｌ，５９Ｒの移動範
囲を規制することにより行なわれている。

また、軸５９Ｌは離間手段例えばセツトレバー
１７の回動により押し下げられたり、押し下げが
解除されてバネ６１Ｌで引き上げられたりする。

ホツパ１９Ｌ，１９Ｒの背面には第１図のよう
にＬ字状の規制部材６３が設けられ、支持プレー
ト５７がホツパ１９Ｌ，１９Ｒと規制部材６３と
の間を移動できるようになつている。

また、ホツパ１９Ｌ，１９Ｒの背面にはブラケ
ツト６５がそれぞれ設けられ、圧縮バネ５５Ｌ，
５５Ｒの他端が取り付けられている。

ホツパ１９Ｌ，１９Ｒは、第２図のように片側
にそれぞれサイドプレート２２Ｌ，２２Ｒを備え
ている。これらサイドプレート２２Ｌ，２２Ｒに
は、給送回転体例えば給紙ローラ２３Ｌ，２３Ｒ
に取り付けられた例えば合成樹脂製のローラ受２
４Ｌ，２４Ｒを支持する第１図のような切り欠き
部２５が設けられている。また、分離爪２６Ｌ，
２６Ｒを有する分離レバー２７Ｌ，２７Ｒが軸２
８Ｌ，２８Ｒで回動自在に支持されている。

なお、給送回転体はローラに限らずベルトなど
でもよい。

さらに、ホツパ１９Ｌ，１９Ｒの後方背部には
給紙フレーム３１Ｌ，３１Ｒが着脱自在に取り付
けられている。

前記給紙ローラ２３Ｌ，２３Ｒ及びローラ受２
４Ｌ，２４Ｒはモータに連結された角軸３２に取
り付けられている。なお、給紙ローラ２３Ｌ，２
３Ｒの駆動力は、印字装置１のプラテン軸４から
得ても良い。

給紙ローラ２３Ｌ，２３Ｒの前方には、手差し
ガイド３５及び排紙ガイド３６が、手差しスリツ
ト３７を形成して取り付けられている。なお、手
差しガイド３５には排紙を保持する排紙フレーム
３８が着脱可能に取り付けられている。

排紙ガイド３６の上には駆動軸３９に排紙ロー
ラ４０が取り付けられ、軸４１を中心に回動する
排紙ガイド４２と共に用紙をフレーム３８側へ導
くようになつている。

このような構成において、この装置は次のよう
に動作する。

用紙をホツパ１９Ｌ，１９Ｒにセツトする場合
には、セツトレバー１７を回動してホツパ１９
Ｌ，１９Ｒを第１図のように下降させる。このよ
うな状態において、用紙サイズに応じた幅にホツ
パ１９Ｒを軸５１，１６，に沿つて移動させる。
その際、サイドプレート２２Ｒの切り欠き部２５
の縁がローラ受２４Ｒに係合しているので、ロー
ラ受２４Ｒ及び給紙ローラ２３Ｒがホツパ１９Ｒ
と共に移動する。

用紙サイズに応じてホツパ１９Ｒの位置が決ま
り用紙がセツトされると、用紙の両側はホツパ１
９Ｌ，１９Ｒで支持され、中央は支持プレート５
７で支えられる。このような状態においてセツト
レバー１７をセツト方向に回動すると、軸５９Ｒ
の押し下げが解除される。これにより軸５９Ｌ，
５９Ｒがバネ６１Ｌ，６１Ｒにより引き上げら
れ、支持プレート５７が角軸１６を中心に上方へ
回動する。このためホツパ１９Ｌ，１９Ｒが圧縮
バネ５５Ｌ，５５Ｒの復帰力により上昇する。従
つてホツパ１９Ｌ，１９Ｒ上の用紙が給紙ローラ
２３Ｌ，２３Ｒに圧接される。

このような状態において印字装置１にコンピユ
ータなどから印字指令が与えられると、角軸３２
が回転して給紙ローラ２３Ｌ，２３Ｒが用紙を送
り出す。その際、用紙の前方両端が分離爪２６
Ｌ，２６Ｒに引つ掛かり、たわんで弾性限界を越
えて跳ねると一枚に分離され、ガイド部３３Ｌ，
３３Ｒと手差しガイド板３５との間を通つてプラ
テン５とガイド８との間に供給される。

そしてプラテン５に巻き付き印字ヘツド７で印
字されると、排紙ガイド４２に案内されて、排紙
ガイド４２と排紙ローラ３８により排出される。

このようにしてホツパ１９Ｌ，１９Ｒに積載さ
れた用紙が減少していき、用紙が少なくなると、
支持プレート５７がホツパ１９Ｌ，１９Ｒの背面
から離間する。

このため、ホツパ１９Ｌ，１９Ｒは個々に上下
動可能となり、給紙ローラ２３Ｌ，２３Ｒの位置
に応じてホツパ１９Ｌ，１９Ｒが上下動し、用紙
が給紙ローラ２３Ｌ，２３Ｒに密着される。

用紙が無くなつたり、サイズ変更する場合に
は、セツトレバー１７を回動して軸５９Ｌを押し
下げる。このため、支持プレート５７が規制部材
６３に当たり、ホツパ１９Ｌ，１９Ｒが共に下降
する。

上記したこの実施例によれば、次のような効果
が得られる。

(1) ホツパ１９Ｌ，１９Ｒを給紙ローラ２３Ｌ，
２３Ｒ方向に押圧する圧縮バネ５５Ｌ，５５Ｒ
を設けると共に、支持プレート５７をホツパ１
９Ｌ，１９Ｒの背面と規制部材６３との間で接
離させ、支持プレート５７を給紙ローラ２３
Ｌ，２３Ｒ方向の所定位置までバネ６１Ｌ，６
１Ｒで押圧するようにしたので、ホツパ１９
Ｌ，１９Ｒ上に用紙がたくさんある間はホツパ
１９Ｌ，１９Ｒが支持プレート５７と共に上昇
し、用紙が少なくなり、支持プレート５７の上
昇が停止するとホツパ１９Ｌ，１９Ｒが独立し
て上下動可能となる。

即ち、ホツパ１９Ｌ，１９Ｒ上に用紙がたく
さんあり、給紙ローラ２３Ｌ，２３Ｒと用紙と
の接触状態が左右変わり無い間は、ホツパ１９
Ｌ，１９Ｒが共に上昇し、用紙が少なくなり左
右の接触状態に顕著な差が生じ易くなると、ホ
ツパ１９Ｌ，１９Ｒが個々に上下動可能とな
る。

このため、少なくとも給紙ローラ２３Ｌ，２
３Ｒと用紙との接触状態にアンバランスが生じ
易くなると、ホツパ１９Ｌ，１９Ｒが個々に圧
縮バネ５５Ｌ，５５Ｒで押され、用紙が給紙ロ
ーラ２３Ｌ，２３Ｒに圧接されて、スキユーの
生じ難い安定した給紙を行うことができる。

給送中にホツパ１９Ｌ，１９Ｒが上下動し難
く、給送し易い。

(2) ホツパ１９Ｌ，１９Ｒの背面に規制部材６３
を設けて支持プレート５７の移動範囲を規制し
たので、セツトレバー１７を回動して支持プレ
ート５７を下降させると、支持プレート５７が
規制部材６３に当たり、ホツパ１９Ｌ，１９Ｒ
も下降させることができる。このため、ホツパ
１９Ｌ，１９Ｒが独立して上下動可能でありな
がら、用紙の補充や交換を従来と同様に行うこ
とができる。。

(3) ホツパ１９Ｌ，１９Ｒを共に上下動させるた
めに設けた支持プレート５７がホツパ１９Ｌ，
１９Ｒの背面を横切つているので、用紙サイズ
に応じてホツパ１９Ｌ，１９Ｒを移動させるこ
とにより両者の間隔が開いても、積載された用
紙の中央が支持プレート５７に支えられ、用紙
が中弛みすることがなく、全サイズに渡つて安
定して給紙できる。

〔変形例〕

以上、この考案の一実施例について説明した
が、この考案は前記実施例に限定されるものでは
なく、次のような変形が可能である。

例えば前記実施例では左右一対の給紙ローラ２
３Ｌ，２３Ｒを示したが、給送回転体は２つ以上
あつてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、左右一
対の積載部を対向する給送回転体にそれぞれ押圧
可能であるから最終シートに至るまで安定したシ
ートの送り出しができる。

また、シートを給送回転体から離間させる際、
一対の積載部を給送回転体から共に遠ざけること
ができ、操作性に優れたシート供給装置を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案の一実施例を示す図
で、第１図がシート供給装置の構成を示す断面
図、第２図がホツパを中心とした構造を示す平面
図、第３図が支持プレートの押圧状態を示す図で
ある。 １……印字装置、３……シート供給装置、１７
……セツトレバー、１９Ｌ，１９Ｒ……ホツパ、
２３Ｌ，２３Ｒ……給紙ローラ、５３Ｌ，５３Ｒ
……支持フレーム、５５Ｌ，５５Ｒ……圧縮バ
ネ、５７……支持プレート、６１Ｌ，６１Ｒ……
バネ、６３……規制部材、６５……ブラケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 同軸上に設けられた複数の給送回転体により
   シートを１枚ずつ送り出すシート供給装置にお
   いて、 少なくともシートの両端を支持してシートを
   積載収容する左右一対の積載部と、 この積載部の背面側に設けられた規制部材
   と、 前記積載部背面と前記規制部材との間を上下
   方向に移動すると共に、前記積載部を給送回転
   体に接するまで押し上げないようにその上昇範
   囲を規制されている支持部材と、 前記給送回転体に向けて前記積載部をそれぞ
   れ押圧する前記積載部毎に設けられた第１の圧
   接手段と、 前記支持部材に作用して前記積載部を前記給
   送回転体の方向に押圧する第２の押圧手段と、 前記支持部材によつて前記規制部材を押し下
   げることで前記積載部を前記給送回転体から遠
   ざける、前記支持部材に連結されたセツトレバ
   ーと、 を備えたことを特徴とするシート供給装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のシート
   供給装置において、前記積載部は前記給送回転
   体と共に、シートの幅方向に移動自在であるこ
   とを特徴とするシート供給装置。