JPH0480509B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鉛蓄電池用極板２枚が一対となつた
対称形パネル極板の加工装置に関するものであ
る。

従来、この種のパネル極板の加工方法は、溶解
した鉛から極板２枚が一対となつた対称形を有す
るパネル極板格子を鋳造し、これに鉛粉をペース
ト状化して塗りつけ、その後乾燥したパネル極板
を作業者による手折り、又は円盤カツター、帯状
ノコ盤、スリツター等で二分割し、これらを集合
させてその切断面をブラシ掛けする方法が採用さ
れていた。

この様な極板加工作業は、鉛の比重が大であ
り、その上軟弱であるため、機械化することは非
常な難題であり、今まで作業者に頼る他は無い状
態であつた。しかしこの作業者による加工方法は
肉体的重労働作業であり、かつブラシ掛け等によ
る粉塵発生に起因して環境面は非常に悪く、作業
者の健康を害する問題もあつた。又極板を２枚に
切断分割する際バリが発生し、そのままで電池を
組み立てると内部シヨートを発生させる。従つ
て、バリの除去を必要とし、この為にも前記のブ
ラシ掛け作業は不可欠であつた。ブラシ掛けを自
動化するには前記した鉛の先天的性質をうまく扱
かわないと変形不良が発生するので、これも非常
にむつかしい問題であつた。

本発明による装置は、これらの問題を一掃した
ものである。

本発明をさらに詳しく述べると、２枚一対とな
つた対称形の鉛蓄電池用パネル極板を連続的に受
け取つて搬送しながら極板を斜めに傾斜させて一
定量分離するとともに分離した極板群を次工程へ
移動させる装置と、移動した極板群を切断搬送し
やすい姿勢に反転して押板と底部チエーンとによ
り搬送しながらパネル極板の中心部を切断する装
置と、２分割した極板を次工程のブラツシングし
やすい姿勢に横に並んだ状態から縦に積み重なつ
た状態に90度回転しながらクランプする装置と、
各極板が水平姿勢で積み重なり定位置に来た極板
群に対し、ブラシを回転させながら昇降させて各
極板の切口のバリ等を除去するブラツシング装置
と、ブラツシング加工された極板群を次工程へ送
るための搬出コンベアーに移して載せる移載装置
とからなる。

以下、本発明の実施例を図面とともに説明す
る。第１図は本発明装置の全体図であり、Ａ〜Ｊ
部の各装置、機構から構成されている。図中Ａは
ブリツジ円盤、Ｂはパネル極板を懸垂姿勢から傾
斜姿勢に変換するコンベアー部、Ｃは傾斜した極
板の所定量を分離して移動させる極板分離移動
部、Ｄは反転部、Ｅは切断部、Ｆはクランプ部、
Ｇはブラツシング部、Ｈは移載部、Ｉは搬出コン
ベアー部、Ｊはスクラツプコンベアー部である。

Ａのブリツジ円盤は、第２図に示すパネル極板
１が連続して搬入されてきたとき、Ｂ部に確実に
受け渡すものである。Ｂのコンベアー部は第３図
に示す様にパネル極板１の耳部を載せて送るチエ
ーン２と底部を載せて送るチエーン３とからな
る。第４図はＢのコンベアー部の側面図を示して
おり、モータａにより２のチエーンスピードより
も３のチエーンスピードを早くすることにより極
板１をチエーンに懸垂した状態から傾斜した姿勢
に変えることができる。

Ｃの極板分離移動部は第５図Ａに示す如く傾斜
姿勢にある極板のうち一定量の極板を分離し、次
工程へ移動させるためのものである。第５図Ｂ
は、同第５図Ｄの線Ａ−Ａ部分でのパネル極板の
吊り下げ状態図である。第５図Ｄに示すコンベア
ー部Ｂで傾斜した状態で搬送されてきたパネル極
板１−２の先端が定位置ストツパーＳに到着した
ことを感知すると、モータd′の一回転動作により
リンクレバー１３−１，１３−２がｔ方向に回動
し、バー１２−１，１２−２が左から右方向に移
動する反転リンク機構で、１−２で示す極板傾斜
姿勢から１−１で示す逆の極板傾斜姿勢に変化す
る。この状態が第５図Ｃである。次に第６図に示
すリンク機構のナツクル４をシリンダーｂにより
上側に引上げると、４−１，４−２のレバーが連
動し、５−１，５−２の軸を中心に６−１，６−
２のレバーが中心側へ円弧運動を行なう。すなわ
ち７−１，７−２の爪が極板１に耳部下方に入り
込むことになる。円弧運動距離はナツクル４の上
端がバー９の下部にあたる迄の寸法で決まり、残
りのシリンダーストロークにより爪７−１，７−
２の幅だけ分離した量の極板を持ちあげる。な
お、シリンダーｂを作動させることにより爪７−
１，７−２部は最初円弧運動しその後垂直方向に
上昇するのはスプリング８による付勢力に基づく
ものである。分離上昇した極板群はシリンダーＣ
（第１図に示す横移動シリンダー）の作動により
レール１０−１，１０−２上の車輪１１−１，１
１−２に案内されてＤの反転部に移転される。Ｄ
の反転部に移動した極板群はガイドシヤフト８−
１，８−２に案内され、シリンダーｂが下降作動
することにより８−１，８−２の上側に取り付け
ているストツパー８−３，８−４が本体８−Ａ上
面に接する迄下降し、続いて爪７−１，７−２が
極板の耳より外れてＤの反転部の定位置におろさ
れる。

第１図および第５図Ｄに示すＤの反転部に搬送
された時の極板姿勢は第７図Ａに示す１−１の様
に右方向に傾斜しており、モータｄが前記とは逆
方向に回動し、レバー１３−１，１３−２がＵ方
向に回転する反転機構により１−２の左に傾斜し
た姿勢に再び反転する。なぜなら１−１に示す傾
斜姿勢の状態で搬送しながらパネル極板の中央部
を切断すると、極板が前方に倒れてしまうからで
ある。第５図Ｅは分離移動部Ｃで一定量の極板を
捕捉する以前の図、同Ｆは捕捉して移動させる途
中の図である。尚反転部は第７図Ａに側面図を、
第７図Ｂに正面図をそれぞれ示し、１回転する駆
動モータｄの動作により、左右対称に設けられた
リンク機構レバー１２−１，１２−２の同時回転
移動により確実に回転できる。

第８図はパネル極板を搬送しながら切断を開始
する時点での切断部Ｅの状態を表わした図であ
り、第７図Ａに示す１−２の様に傾斜した極板群
を押板ｆとモータｅで駆動される底部搬送チエー
ン１３にて左から右に送り、モータｈで駆動され
るカツター１５にてパネル極板の中心を切断して
２分割する。尚、第８図中１４は極板群の最後部
の数枚分をチエーン上面より持ち上げて切断時に
極板の曲り不良が発生するのを防ぐ持ち上げ板で
ある。又シリンダーｇにより押板ｆは左右横方向
に往復移動する。

この切断部Ｅの正面側から見た状態を第９図に
示しており、極板を切断しているところである。

２分割された極板はＦのクランプ部に到着す
る。この状態を第１０図に示す。第１０図におい
て押板ｆが図に示す時点迄極板１を搬送すると、
クランプ爪ｉが上昇して押板ｆにとつて代つて極
板１を右に押し、押板ｆは定位置にもどる。そし
てクランプ爪ｉはシリンダーｌにて上昇され、極
板１−２(1)の倒れを防止する。この状態を表わし
たのが第１２図であり、第１１図はその正面図で
ある。

クランプ部Ｆは第１２図に示す駆動モータｊに
より１６−２から１６−１方向に90度回転を始め
るが、回転の途中に於いて、クランプ爪ｉはシリ
ンダーｋで極板をクランプして極板群とすると共
に、第１１図に示すシリンダー１６−１，１６−
２により１−３の位置から１−３′の位置に移動
する。この状態を表わした平面図が第１３図であ
り、各極板はそれぞれ水平位置で積み重ねられ相
互の間隔が開いた状態となる。第１３図の回転ブ
ラシ１７−１，１７−２，１８−１，１８−２は
極板の磨き部位置を表わしており、第１図のシリ
ンダーｍの昇降動作により極板の切断部をブラツ
シングする。

第１４図においてはブラツシング終了後クラン
プ爪ｉはクランプ状態を解放され、移載部Ｈのシ
リンダーｏで極板群受体１９を上昇させることに
より第１５図の如く縦に積み重ねた極板群を受け
取り、第１図のシリンダーｐにより移動し、搬出
コンベアー部Ｉのチエーン２０の上に移し載せら
れる。搬出コンベアー上のブラツシング済み極板
は次工程へ送られる。ｑはコンベアー２０の駆動
モータである。

スクラツプコンベアーＪは第１図に示す通り装
置の下側に装備されており、モータｒで駆動され
上側を通る極板から発生する粉及び切屑等を受け
一箇所に集合させるものである。尚本装置は極板
を切断加工並びにブラツシング加工する関係上、
粉塵をまき散らかすと環境が非常に悪化するの
で、フード等で装置全体を覆い、必要箇所には集
塵吸入口を設けることにより外部には粉塵を逸散
することを防止している。

この様に、完全に自動化された本発明による装
置は、肉体的重労働作業および人体に悪影響を与
える鉛公害から作業者を守り、健康で理想的な職
場が確保できることはもちろんのこと、品質の高
い鉛蓄電池用極板の生産が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の鉛蓄電池極板の加工装置を示
す全体図、第２図は本装置で加工するパネル極板
の形状図、第３図は同極板を搬送するチエーンの
配置図、第４図は第３図の側面を示し、極板を懸
垂状態から傾斜した姿勢にする搬送図、第５図Ａ
は傾斜した極板を一定量分離する部分の側面図、
同ＢはＤに示したＡ−Ａ線部分でのパネル極板の
状態を示す図、同Ｃは同じくＤのＢ−Ｂ線部分で
のパネル極板の状態図、Ｄはパネル極板の位置変
化を示したＡ・Ｂ・Ｃ・Ｄ各部における極板姿勢
状態図、ＥはＣ，Ｄ部において傾斜した極板を方
向変えする機構を正面から表した図、Ｆは一定量
分離したパネル極板の持ち上げた状態でＣ部から
Ｄ部に移動する状態図、第６図は極板分離移動部
の機構を示す正面図、第７図Ａは第１図Ｃ及びＤ
部における傾斜極板を反転させる際の側面図、第
７図Ｂはその正面図、第８図は分離した極板群を
搬送しながら極板の中心部を切断する側面図、第
９図は同切断部の正面図、第１０図は二分割され
た極板群がクランプ台迄搬送された状態の側面
図、第１１図は同正面図、第１２図はクランプ部
の説明図、第１３図はクランプした極板群をブラ
ツシングする状態を示した平面図、第１４図はブ
ラツシング部の側面図および極板移載部を示す
図、第１５図はブラツシングした極板群の受取り
部を示した図である。 Ａ……ブリツジ円盤、Ｂ……パネル極板傾斜変
換コンベアー部、Ｃ……極板分離移動部、Ｄ……
反転部、Ｅ……切断部、Ｆ……クランプ部、Ｇ…
…ブラツシング部、Ｈ……移載部、Ｉ……搬出コ
ンベアー部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ２枚の極板が一対となつた対称形の鉛蓄電池
   用パネル極板の耳部と底部をチエーンコンベアー
   で搬送しながら懸垂姿勢から傾斜姿勢に変換する
   装置と、このパネル極板を反転リンク機構でその
   傾斜方向を反転させ、前記極板の耳部を一定の長
   さのバーで持ち上げて一定量分離し次工程へ移動
   する装置と、傾斜した極板群の姿勢を再度傾斜方
   向変えするリンク機構からなる反転装置と、傾斜
   した極板群の最後部を押すと共に底部をチエーン
   搬送で送りながらパネル極板の中心部を切断する
   装置と、二分割した双方の極板群を傾斜姿勢から
   水平姿勢に位置がえしながらクランプする装置
   と、極板群相互の間隔を開き各極板を水平姿勢に
   積み重ねてクランプした状態で各極板の切断面を
   ブラツシングする回転ブラシを昇降させて極板切
   断面のバリを取る装置と、ブラツシングした極板
   を搬出コンベアーに移載する装置とからなる鉛蓄
   電池用極板の加工装置。