JPH0479785A - 電力変換装置とその制御方法及び交流電動機の可変速システム - Google Patents

電力変換装置とその制御方法及び交流電動機の可変速システム

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JPH0479785A
JPH0479785A JP2190549A JP19054990A JPH0479785A JP H0479785 A JPH0479785 A JP H0479785A JP 2190549 A JP2190549 A JP 2190549A JP 19054990 A JP19054990 A JP 19054990A JP H0479785 A JPH0479785 A JP H0479785A
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孝行 松井
Toshiaki Okuyama
俊昭 奥山
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正博 飛世
Junichi Takahashi
潤一 高橋
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パルス幅変調インバータを用いた交流電動機
即動装置のトルクリプルの発生、及び制御特性の劣化を
防止した電力変換装置とその制御方法及び交流型WJ 
機の可変速システムに関する。
〔従来の技術〕
交流電動機をパルス幅変調(PWM)インバータを用い
て高速応答、高精度に制御するベクI・ル制御装置が、
圧延機及び工作機械などの駆動に適用されている。
PWMインバータにおいては、インバータを植成する正
側及び負側スイッチング素子を交互に導通制御して出力
電圧をPWM制御する方式が採用されている。このよう
な制御方式を実行するに際しては、スイッチング素子に
ターンオフ時間によるスイッチングの遅れがあるため、
正側及び負側スイッチング素子が同時に導通しないよう
に、方がオフした後、オンデレイ時間(直流短絡防止期
間)の後に、もう一方を遅れてオンするようにしている
。このオンデレイの影響により、特にインバータ出力周
波数が低い場合において、出力電圧変動並びに波形歪が
生しるという問題がある。
そのため、PWMインバータにおいては出力電圧を精度
良く制御できないことが起こり、ベクトル制御を適用し
ても高速応答、高精度な制御が満足に行なえない。また
、前記出力電圧変動は高調波成分を含むためトルクリプ
ルを生じる。
従来、この対策法として、特開昭60−82066号公
報に記載されているように、インバータの出力電圧を検
出してパルス幅を補正するようにしたものが提案されて
いる。また、特開昭62−135289−り公報に記載
されているように、出力電流指令0.1;に基づいてイ
ンバータのオンデレイによる出力電圧降下を演算し、こ
の演算値をインバータの出力電圧指令に加算してオンデ
レイに伴う出力電圧降下を補償する方法が提案されてい
る。
また、特開昭62−152392号公報に記載されてい
るように、インバータの出力電圧指令に、PWM周期に
同期したバイアス電圧を加算して、変調幅がオンデレイ
期間よりも/hさくなることを防止し、オンデレイの影
響を低減することにより電流が零付近の波形歪を改善す
る方法が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来技術は、検出遅れ及び演算処理
によるむだ時間によって補正タイミングに遅れが発生し
、特にインバータの出力電流の極性が反転する出力電流
が零近傍において、オンデレイ補償誤差が発生し、出力
電流が特定の周波数で振動しつづける恐れがある。さら
に、各相の出力電圧指令に同一のバイアス電圧を与える
方法では、このバイアス電圧が雰相分となり、インバー
タ出力の線間電圧では相殺されて現われない。そのため
、インバータ出力電流は、このバイアス電圧によって何
ら影響を受けず、出力電流波形歪は改善されない。
また、出力電流の振動によって、交流電動機にトルクリ
プルが発生し、交流電動機に機械的に連結された負荷装
置との間の機械的振動を加振することが起こり、高速応
答、高精度な制御が満足に行なえない問題がある。
本発明の目的は、インバータ出力電流が零近傍において
、オンデレイ補償電圧の平均値を等価的に零にして、オ
ンデレイ補償による補正電圧誤差や補正遅れ等によって
発生する電流の振動を防止すると共に、交流電動機と機
械的に連結された負荷装置との共振を抑制した電力変換
装置とその制御方法及び交流電動機の可変速システムを
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は第1の制御方法と
して、PWM変調における搬送波の周期より長く、交流
電動機の巻線時定数より短い所定の周期で、所定の振幅
値を有する信号を、電力変換装置の出力電流の位相ある
いは大きさに加算し、その加算信号に基づいてオンデレ
イ補償を行ない、電力変換装置の出力電流の極性が反転
する前後の所定期間にわたって、前記オンデレイ補償の
電圧を正、負極性に繰返し反転するようにしたものであ
る。
第2の制御方法として、交流電動機の回転座標系の出力
電圧ベクトル成分指令のトルク発生に関係する側に、正
、負極性に所定の周期で反転する所定の大きさの電圧を
加算して、電力変換装置の出力を制御するようにした。
〔作用〕
電力変換装置を構成するスイッチング素子のオンデレイ
期間による出力電圧降下は、オンデレイ期間中の電流が
スイッチング素子に逆並列接続されたダイオードを介し
て流れるため、各相の出力電流極性に応じて正から負極
性に、あるいは、逆に負から正極性に変化する。一方、
オンデレイ期間による出力電圧降下を補償する補償電圧
指令は、検出遅れ及び演算処理のむだ時間によって、各
相の出力電流極性が反転する出力電流が零近傍において
、補償タイミングに遅れが発生する。これにより補償誤
差が発生し、出力電流が零近傍でスムースに極性反転で
きずに補償誤差が振動的に持続し、これが交流電動機の
1−ルクリプルとなり1機械系を加振する。
そこで、出力電流の極性が反転するタイミングの前後の
所定期間を推定して、この期間中はオンデレイによる出
力電圧降下を補償する補償電圧の極性を所定の周期で反
転して与えることにより、出力電流を強制的に正、負極
性に断続させる。その結果、上述の所定期間ではオンデ
レイによる出力電圧降下は正、負極性に振動して平均値
が零となり、また補償電圧も正、負極性に振動させてい
るので平均値は零となって一致し、補償誤差を無くする
ことができる。
また、回転座標系の出力電圧ベクトル成分に所定の周期
で正、負極性に反転する所定の大きさの電圧指令を加算
して出力電圧を制御することにより、電力変換装置の各
相の出力電流の零近傍において、出力電流が正、負極性
に所定の周期で振動し、オンデレイ期間による出力電圧
降下の平均値を零とすることができる。この場合、オン
デレイ補償電圧も出力電流の零近傍では零となる。
従って、出力電流の零近傍における振動が無くなり、そ
れにより交流電動機のトルクリプルが無くなるので、交
流電動機に機械的に連結された負荷装置との共振が無く
なり、速度制御系の安定化が図れることにより、高速応
答、高精度な制御ができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は圧延機のロール1を負411として誘導電動機
2を電力変換装置により可変速乱動するシステム構成を
示す。インバータ4は1−ランジスタ等のスイッチング
素子TrP、 TrNからなるアームが誘導電動機の相
数に相当した数だけ備えられ、後述するパルス幅変調(
PWMと称する)によって得られるパルス信号に基づき
トランジスタをオン、オフし、そのパルス幅の大きさを
制御することにより、インバータの直流電圧入力Vdc
を交流電圧に変換する。これは−船釣に電圧形PWMベ
クトル制御インバータとよばれ、制御方式は以下に述べ
るベクトル制御とよばれる。
以下、制御構成について説明する。誘導電動機2の回転
速度は速度検出器3により検出し、加算器5で速度指令
ωr*より速度検出イご号ωrを減算し、その偏差が零
となるように速度調節器(ASR)6よりトルク電流指
令■q*を出力する。そのトルク電流指令工q*の−っ
はすベリ角周波数演算器7に入力し、すベリ係数Ksを
乗じてずへり角周波数指令ωS*を演算する。加算器8
は速度検出信号ωrとすべり角周波数指令ωS*を加算
し1次角周波数指令ω、本を生成する。按分器9では1
次角周波数指令ω1*を時間積分して座標基準位相信号
O*(=ω1*L)に変換し座標変換器10.11に供
給する。
座標変換器10は第1座標変換器として構成されており
、インバータ4の出力電流を検出する電流検出器12u
、12wからの検出信号iu、 iwを座標基準位相信
号θ*に従って、誘導電動機2の回転座標系における励
磁電流成分Idとトルク電流成分子qに変換する。そし
て変換した励磁電流検出信号Iclは加算器13に、ト
ルク電流検出信号I(lは加算器14にそれぞれ入力し
、加算器13では励磁電流指令■d*より励磁電流検出
信号Idを減算し、また加算器14ではトルク電流指令
■9*よりトルク電流検出信号Iqを減算し、各加算器
13.14の出力はそれぞれ電流調節器(ACR)15
.16に入力する。各電流調節器15.16は入力値が
零となるように、回転座標系における出力電圧ベクトル
成分指令Vd*、 Vq*を生成し、座標変換器11に
入力する。ここで、座標変換器11は座標基準位相信号
θ*に従って出力電圧ベクトル成分指令vd*、vq*
を誘導電動機2の固定子座標系における三相交流出力電
圧指令Vu+k、vv*、■讐*に変換する第2座標変
換器として構成されている。
PWMパルス演算器17は座標変換器11がらの電圧指
令信号■u*、Vv*、 Vw* (変調波)と搬送波
信号を比較し、その比較結果に応じたパルス幅変調信号
(PWM信号)を生成する。PWM信号はオンデレイ補
償器20に入力され、電流極性信号Su、Sv、Swに
応じてPWM信号を加工する。
ここで、オンデレイ補償器はオンデレイ設定によって発
生する電圧降下をPWMパルス幅により補正するもので
、その詳細な説明は後述する。さらにオンデレイ補償器
からのPWM信号はオンデレイ設定器18に入力され、
PWM信号のオンパルスの立上りに遅延時間Td (オ
ンデレイ期間)が設けられる。これはインバータを構成
するアームの正側TrPと負側TrNのスイッチング素
子が同時にオン状態になる短絡を防止するためである。
そして、オンデレイ設定器18によって加工されたPW
M信号はドライバ19に入力され、ドライバからの点弧
パルス信号に基づいてインバータ各アームのスイッチン
グ素子はオン、オフされる。
なお、図中破線で囲んだA部は、前記オンデレイ補償器
20の入力信号Su、 Sv、 5illを作成する電
流極性演算部で、これは励磁電流検出値d*と1−ルク
電流指令工9*と座標基準位相信号0*及び速度指令ω
r*を入力信号とする、電流位相演算器21と加算器2
2と電流極性判別器23とデイザ信号発生器24と切換
スイッチ25と切換指令器26より構成される。
以上の構成において、本発明とするところは上記電流極
性演算部Aと、その出力信号に基づいて動作させるオン
デレイ補償器20にある。次に各部の詳細な説明をする
第2図は電流極性演算部への具体的構成を示す。
電流位相演算器21は励磁電流指令Id*(もしくは励
磁電流検出値Id)とトルク電流指令Iq*(もしくは
トルク電流検出値Iq)を入力として逆正接演算器21
0において、(1)式より電流位相角ψを演算し、加算
器211により電流位相角ψと座標基準信号O*を加算
し、電流位相信号θjを演算する。
さらに、電流位相(0号(lliには加算器22でディ
ザイご号発生器24からの信号Ozを加算し、電流極性
判別器23に人力する。電流極性判別器23では固定子
座標系における各相の電流位相信号θiu、θiv、θ
iwを、次の(2)式によって演算する。
ここで、加算器230,231は(2)式の演算部を構
成している。
そして、各相の電流位相信号Diu、Ojv、  Oj
wをそれぞれ余弦関数232,233,234に入力し
、さらに比較器235.236.237により各相出力
電流の極性信号Su、Sv、Swを出力する。この各極
性信号は前記オンデレイ補償器20に入力される。
また、前記電流位相信号Oiに加算されるデイザ信号θ
2はスイッチ(SWI)25を介して振幅±02、周期
Tzの矩形波の信号を発生するデイザ信号発生器24か
ら供給するが、デイザ信号O7を電流位相信号f3iに
加算するかどうかは、切換指令器26によって速度指令
信号ωr*の大きさにに基づきスイッチ(SWI)25
を入切れし、低速域ではスイッチはオン状態となるよう
に設定されている。
第3図はオンデレイ補償器20の具体的構成の説明図で
U相分だけについて示す。P W Mパルス演算器17
で得られたPWMパルス信号Upはパルス修正回路20
0.201にそれぞれ入力される。パルス修正回路20
0ではパルスオン時間をTd待時間け長くし、一方のパ
ルス修正回路201では逆にパルスオン時間をTc1時
間だけ短くなるようにパルス幅を修正する。パルス修正
回路200、201の出力は、切換スイッチ(SW2)
202によりどちらか一方が選択され、前記電流極性信
号Suが正極性ならSW2はA側を、負極性ならB側ス
イッチを閉じ、電流極性信号に応じて修正したPWMパ
ルス信号Usを出力する。
次に本発明の詳細な説明する。第1図に示す制御システ
ムの制御方式は、第4図(a)、(b)に示すように、
回転座標系の基準軸(d軸)を磁束方向にとり、固定子
巻線U相軸を起点に位相θで回転させる。したがって、
電圧、電流、磁束の位相関係は第4図(a)のようの示
され、電流11の位相θ1は磁束φdに対して位相角ψ
を有す。また電流の大きさは第4図(b)に示すように
、電流位相の余弦関数で表せる。
本実施例では基本波電流の位相θjはインバータ出力の
交流電流から直接に求めず、回転座標系に変換した直流
量で表せる励磁電流指令値Id*(あるいは検出値Id
)と、これに直交するトルク電流の指令値Iq*(ある
いは検出値Iq)から磁束軸に対する位相角ψを前記(
1)式より算出し、磁束位相(座標基準位相信号θ*)
との加算より求める。
これは高調波の影響を極力避けた基本波電流位相の検出
法である。
ここで説明の都合上、インバータの運転は定常時とし、
最初にスイッチ(SWI)25を開放した時、即ち電流
位相θiにデイザ信号θ2を加算しない場合を考える。
第5図(a)は電流位相信号Oiとその極性信号Suの
関係を示す。電流位相信号θjは座標基準位相信号θ*
に位相角ψが加算され、Oから2πまで変化する。電流
の大きさCuは前記したように電流位相の余弦関数とな
り、電流極性Suはこの余弦関数の極性と一致する。
次にスイッチ(SWI)25を閉じた時、即ち電流位相
O1にデイザ信号Ozを加算した場合を考える。これを
上記O2を加算しない場合と対比して、第5図(b)を
用いて説明する。U相電流位相θiuには、θiに振幅
±02、周期Tzの矩形波のデイザ信号が重畳し、した
がって、電流の大きさCuにも基本波にデイザ(0号が
重畳する。このため、電流極性イa号Suは電流の大き
さが零近傍となる電流位相90度及び270度において
、±O2の位相範囲で、時間Tzを周期として極性反転
を繰り返す。ここで、θ2の大きさを調節すれば極性反
転を繰り返す位相の範囲の調節ができる。
本発明は上記電流極性反転信号を巧みに使うことにより
、インバータ出力電流の零近傍でのオンデレイ補償を操
作するものであり、次にオンデレイ補償を含めた動作を
説明する。
第6図は上記電流極性信号SuによりPWM変調信号の
パルス幅を修正してオンデレイ補償する動作波形を示す
。ここではデイザ信号である矩形波の周期Tzは三角波
とした搬送波Vcの周期Tcの2倍に設定している。図
中、UpはU相電圧指令Vu*(変調波)と搬送波Vc
を比較して得られるPWMパルス波形で、U p−Nは
Upのパルスによって得られるU相電圧波形で、Usは
電流極性信号Suの極性に基づきUpのパルス幅を修正
したオンデレイ補償器20の出力波形で、Usp−sN
はUsのパルスによって得られるU相電圧波形である。
これよりU p−NとUsp−sNとの差分がオンデレ
イ補償電圧となり、その電圧極性は電流極性信号Suの
極性と一致する。ここで、電流位相θ1にデイザ信号O
2を加算したことによるオンデレイ補償電圧への影響は
、インバータ出力電流iuの大きさが零近傍で発生して
いることがわかる。即ち、出力電流の零近傍においてオ
ンデレイ補償電圧は電流位相O1の極性とは無関係にデ
イザ信号θ2の極性によって発生し、短い周期で極性反
転を繰り返すため、出力電流の零近傍ではオンデレイ補
償の平均値は零となるが、本発明では、各相の出力電流
の零近傍でしかデイザ信号が作用しないため、このオン
プレ補償電圧が線間電圧で相殺されること無く線間電圧
に現われる。
第7図は本発明によるインバータの制御システムで圧延
機を負荷にして誘導電動機を可変速乱動したときの電動
機特性で、回転速度0.3Hzの低速域での定速運転中
において、ステップ的に速度を0.1Hz上昇したとき
の、電動機実速度ωrとロール速度と電流成分工d、■
9及びオンデレイ補償電圧の現象波形を示す。同図(a
)はオンデレイ補償にデイザ信号を付加しない場合で、
同図(b)はオンデレイ補償にデイザ信号を付加した場
合である。これより、同図(a)では出力電流極性反転
(零電流)近傍において振動が発生し、電!IJ機実速
度ωrにも振動が発生していることがわかる。
この振動要因としては、電流検出遅れや演算処理による
むだ時間によるオンデレイ補償タイミングの遅れ、及び
電流振動による電動機のトルクリプルの発生で、電動機
に連結された負荷装置との機械系で共振が起ることが原
因する。特にインバータ出力周波数が低いときには電動
機の誘起電圧よりもオンデレイ補償電圧の方が高くなる
ため、オンデレイ補償の位相遅れによる振動は出力電流
が零近傍において顕著に現われる。
一方、本発明によるところの同図(b)では、電動機電
流成分Id、Iqには上記のような振動現象は発生せず
、回転実速度ωrは指令値通りに制御できていることが
わかる。これは電動機電流の零近傍において、オンデレ
イ補償電圧がデイザ信号の周期で正負に極性反転してお
り、この範囲では補償電圧の平均値は等測的に零になる
ためである。
本発明によれば、上記したように極低速運転でもオンデ
レイ補償による誤差や、機械系の共振の影響を受けるこ
となく、出力電流の不安定な振動現象を防止することが
でき、安定な速度制御ができるという効果がある。また
、オンデレイ補償器におけるオンデレイ電圧に相当した
パルス幅の設定や、補償の位相に多少の誤差を許容でき
ることから制御系の設計が容品になる。
ところで、第1図実施例ではデイザ信号発生器24より
出力する矩形波信号θZの振幅、周期は固定としたが、
第8図に示すように速度の大きさ。
及び電動機の巻線時定数の大きさ等によって、振幅指令
器27、周期指令器28よリディザ信号発生器24の振
幅値Oz、及び周期Tzを可変してもよい。これは低速
域になるに従いオンデレイによる電圧降下の影響で電流
波形歪率が大きくなり、第6図の電流波形で示したよう
に零クロスする期間が長くなることから、基本波電流位
相の判別に誤差を生しやすくなるため、デイザ信号の振
幅値θ2を高速域では小さく、低速になる程大きくなる
ようにした。また、電動機巻線の時定数が大きい場合に
は電流変化率が小さいことから、デイザ信号の周期Tz
は搬送波Vcの周期Tcの2倍より大きく、電動機巻線
の時定数及び機械系の固有振動数の周期より小さい範囲
内で設定するようにした。
上述した第8図実施例によれば、第1図実施例の効果に
加え、さらに、速度の大きさに伴ってデイザの一範囲を
スムースに変更するため、デイザ信号の入切による過渡
的な電流変動が無くなるという効果が得られる。
なお、上記した第1図実施例、及び第8図実施例では、
オンデレイ補償を動作させる電流位相信号にデイザ信号
を付加するかどうかを速度の大きさに基づいて判定して
いたが、第9図実施例では。
回転座標系における励磁電流とトルク電流の検出値Id
、Iqに重畳する高調波リプル電流の大きさに基づき、
電流位相信号にデイザ信号を付加するかどうかを判定す
るようにした。こわは、オンデレイ補償誤差や機械系の
共振で出力電流が振動すると、Id、Iqの検出値に振
動に応したりプルが基本波電流成分に重畳する。そのリ
プルの大きさやりプルが何回続いて発生したかを判定器
31.32で判定し、許容値を越えた場合には各判定器
から信号を出力し、それを論理和回路33によっていず
れの出力(i3号でもスイッチ25を閉じ、電流位相信
号O1にデイザ信号θZを加算し、その位相信号θiu
により電流極性を判別し、オンデレイ補償を行なうよう
にした。
本実施例によれば、−時的に電流振WJが発生した時の
みデイザ信号により電流零近傍のオンデレイ補償を等測
的に無くし電流振動を抑えるので、機械的共振による振
動の発散を防止できる。
以上に述へた実施例では、デイザ信号θZを加算する電
流位相信号O]は回転座標系に変換した電流検出値Id
、工9より演算したが、インバータ出力の交流電流瞬時
値から直接位相を求めてもよいことは勿論である。
また、第1図、第8図、第9図の実施例では、デイザ信
号発生器24の位相信号Ozを電流位相信号Ojに加算
し、この信号に基づいてオンデレイ補償を行なったが、
第10図実施例では、@幅値±Δ工、周期Tzの矩形波
信号を発生するデイザ信号発生器24′からのデイザ信
号Δ工を励磁電流指令工d*に加算し、その加算値のI
 d**とトルク電流指令■q*に基づき逆正接関数器
20により電流位相角ψ′を演算し、このψ′と座標基
準信号0*との加算値を入力とする電流極性判別器23
から電流極性信号Su、Sν、Swを求め、この信号に
基づいてオンデレイ補償を行なうようにした。
本実施例によっても第1図実施例と同様の効果が得られ
る。
なお、第10図実施例において、前記デイザ信号発生器
24′からのデイザ信号Δ工は励磁電流指令■d*では
なく、トルク電流指令19本の方に加算しても同様な効
果を得ることができる。
また、第1図実施例ではオンデレイ補償をPWlfパル
ス幅で行なうことを示したが、これに対して第11図実
施例ではオンデレイ補償電圧を三相交流電圧指令信号v
u*、■v*、■警*に加算して行なうようにした。即
ち、オンデレイ補償電圧演算器39は第2図で示した電
流極性判別器23における極性比較器235〜237を
関数器238〜240に変更し、各関数器では余弦関数
演算器232〜234からの各電流位相に対して正負−
定値の電圧信号ΔVu、ΔVv、ΔVwを出方し、その
電圧信号を座標変換器11の出力信号V+r*、Vv*
、■V*に加算して、オンデレイ補償電圧を含む三相交
流電圧指令信号vu**、Vv**、■す**を生成し
、この信号に基づいてPWM制御するようにした。
この実施例によっても第1図実施例と同様の効果が得ら
れると共に、さらに、第12図のように関数器238〜
240の関数を余弦関数演算器232〜234からの各
電流位相の大きさに対して、オンデレイ補償電圧の大き
さを変化させ、即ち、電流が小さいところではオンデレ
イ補償電圧を小さくすることで、第6図で示したような
デイザ信号θ2の位相範囲内と範囲外との境目における
補償電圧の極性切り替わりによる電圧落差が緩和され、
急便な電流変化が抑えられるという効果が得られる。
以上までに述べた実施例は全て出力電流位相θjを基準
にして、オンデレイ補償を行う方式であった。しかし、
本発明は前記電流位相に限らず、出力電流の大きさに基
づいても実施できる。
第13図は第1図で示した本発明の要部Aにおける他の
実施例を示す。インバータ出方電流の各相電流の大きさ
を検出しくなお図中ivはiuとjすの加算より求めて
もよい)、この各相電流検出値iu〜iwにデイザ信号
発生器24′から出方される振幅値±Δ工、周期Tzの
矩形波信号をそれぞれ加算し、その加算値の電流信号を
比較器235〜237に入力して、各相出力電流の極性
信号5uSv、Stvを求め、これに基づいてオンデレ
イ補償するようにした。ここで、デイザ信号の振幅値△
■を変化させることにより、出力電流の零近傍において
オンデレイ補償電圧の正負に極性反転を繰り返す範囲を
調整できる。
本実施例によっても第1図実施例と同様な効果が得られ
ると共に電流極性演算部Aの演算が少なくてすむという
効果がある。
また、第14図は本発明の他の実施例を示す。
第1図実施例と異なるところは、第1図実施例ではオン
デレイ補償電圧を所定期間中、正負極性に反転させて出
力電流を断続させているのに対して、第14図実施例で
は、電流調節器16の出力電圧ベクトル成分指令vq*
にデイザ信号発生器24Ilから出力する振幅値±ΔV
、周期Tzの矩形波信号ΔVを加算するようにした。こ
こで、オンデレイ補償はデイザ信号を加算しない電流位
相信号に基づいて行っている。これにより、デイザ信号
を加算した回転座標系の出力電圧ベクトル成分指令vq
零* (= vq*±Δ■)のデイザ信号±Δ■によっ
てq軸呂力電流(トルク電流)がデイザ信号の周期Tz
で断続する。ここで、出力電流の零近傍を断続させる範
囲は、デイザ信号の振幅値ΔVの大きさによって調整で
きる。
その結果、本実施例によっても第1図実施例と同様な効
果が得られると共にポジティブフィートバックであるオ
ンデレイ補償系の不安定なループのゲインを低下でき安
定な運転ができる。
第15図は本発明の他の実施例を示す。第1図実施例の
制御構成と異なるところは、座標変換器11′により回
転座標系において直交する二つの電流ベクトル成分指令
の励磁電流指令1d*とトルク電流指令19本を固定座
標系の三相交流電流指令信号10本、iV*、iw*に
変換し、各相ごとに交流電流調節器40u、40v、4
0りにより前記交流電流指令信号とインバータ出力電流
との偏差に応じた8力電圧指令信号vU*、■v*、■
讐京を生成し、この電圧指令信号によりインバータの出
力電圧を制御するところにある。
ここで三相交流電圧指令信号■u*、Vv*、■−*に
はオンデレイ補償電圧ムV u、ムvν、h V wが
加算され、このオンデレイ補償電圧は第11図実施例と
同様にして演算する。即ち、励磁電流指令工d*とトル
ク電流指令Iq車及び座標基準位相信号θ*からインバ
ータ出力電流の基本波の位相O1を演算し、そして、こ
の電流位相信号O1にデイザ信号発生器24の位相信号
θZを加算し、この加算した信号θiuに基づいてオン
デレイ補償電圧演算器39により演算される。
本実施例によれば、第1図実施例と同様な効果が得られ
ると共に、オンデレイ電圧降下をフィードフォワード的
に補償するので低電流域での交流電流調節器の応答不足
が解消され安定化が図れるという効果がある。
なお、第15図実施例のオンデレイ補償は電圧指令側で
行なったが、第1図実施例のようにPWMパルスを修正
しても同様な効果が得られることは勿論である。
以上説明した実施例では制御構成をハードウェアのイメ
ージで示したが、マイクロコンピュータを適用してソフ
トウェアによっても実現することが可能なことは勿論で
あると共に、本発明をコンバータ制御に適用して、同様
にオンデレイ補償系の安定化を図ることも可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、インバータ出力
電流が零近傍において、オンデレイ補償電圧の平均値を
等測的に零しこすることができるので、オンデレイ補償
による補正電圧誤差や補正遅れ等によって発生する電流
の振動を防止できる。
また、それにより電動機のトルクリプルの発生が防止で
きるので、機械的に連結された負荷装置との共振が無く
なり、制御系の安定化が図れ高速応答で高精度な速度制
御ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の全体構成図、第2図は第1
図A部の電流極性演算部の具体的構成図、第3図は第1
図のオンデレイ補償器の具体的構成図、第4図、第5図
及び第6図は本発明の詳細な説明する図、第7図は本発
明による制御システムで駆動した誘導電動機の特性図、
第8図ないし第11図は本発明の他の実施例の構成図、
第12図は第11図実施例における関数器の関数曲線図
、第13図、第14図及び第15図は本発明の他の実施
例の構成図である。 4・・インバータ、10.11・・座標変換器、15.
16・・・電流調節器、17−PWMパルス演算器、1
8・・オンデレイ補償器、20・・・オンデレイ補償器
、21・・電流位相演算器、23・・電流極性判別器、
24・・・デイザ信号発生器、26・・・切換指令器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ブリッジ接続されたスイッチング素子をパルス幅変
    調信号に基づいてオン、オフして、直流電源の直流電圧
    を交流電圧に変換する電力変換装置の制御方法において
    、前記電力変換装置の出力電流の基本波の極性が反転す
    るタイミングの前後の所定期間にわたって、所定の周期
    で正、負極性に反転する所定の大きさを有する信号を、
    前記パルス幅変調における変調波の振幅値、もしくはパ
    ルス幅変調信号のパルス幅に加算して、出力電圧を制御
    することを特徴とする電力変換装置の制御方法。 2、ブリッジ接続されたスイッチング素子をパルス幅変
    調信号に基づいてオン、オフして、直流電源の直流電圧
    を多相交流電圧に変換し、各相の出力電流と電流指令値
    の偏差に応じて各相の出力電圧を制御する電力変換装置
    の制御方法において、前記電力変換装置の出力電流の基
    本波の極性が反転するタイミングの前後の所定期間にわ
    たって、所定の周期で正、負極性に反転する所定の大き
    さの信号を、前記パルス幅変調における変調波の振幅値
    、もしくはパルス幅変調信号のパルス幅に加算して、出
    力電圧を制御することを特徴とする電力変換装置の制御
    方法。 3、請求項第1項又は請求項第2項において、前記所定
    期間にわたって出力する所定の周期で正、負極性に反転
    する所定の大きさの信号は、前記電力変換装置の出力電
    流ベクトルの基本波の位相信号に、所定の周期で正、負
    極性に反転する所定の大きさを有する位相信号を加算し
    た位相信号に基づいて演算することを特徴とする電力変
    換装置の制御方法。 4、請求項第1項又は請求項第2項において、前記所定
    期間にわたって出力する所定の周期で正、負極性に反転
    する所定の大きさの信号は、前記電力変換装置の出力電
    流ベクトルの基本波電流の振幅値信号に、所定の周期で
    正、負極性に反転する所定の振幅値を有する信号を加算
    した信号に基づいて演算することを特徴とする電力変換
    装置の制御方法。 5、請求項第1項又は請求項第2項において、前記所定
    期間にわたって出力する所定の周期で正、負極性に反転
    する所定の大きさの信号は、前記電力変換装置の回転座
    標系の直交する二つの出力電流ベクトル成分と、所定の
    周期で正、負極性に反転する所定の大きさを有する電流
    指令信号と、前記回転座標系の座標基準位相信号に基づ
    いて演算することを特徴とする電力変換装置の制御方法
    。 6、ブリッジ接続されたスイッチング素子の点弧パルス
    を制御して、直流電源の直流電圧を交流電圧に変換する
    電力変換装置において、電圧指令信号の変調波と搬送波
    を比較して得られるパルス幅変調信号により前記スイッ
    チング素子の点弧パルス幅を制御する手段と、前記電力
    変換装置の出力電流の基本波の極性が反転するタイミン
    グの前後の所定期間にわたって、所定の周期で正、負極
    性に反転する所定の大きさを有する信号を発生する手段
    と、前記パルス幅変調における変調波の振幅値、もしく
    は、パルス幅変調信号の点弧パルス幅に前記極性反転す
    る信号を加算する手段とを備えたことを特徴とする電力
    変換装置。7、ブリッジ接続されたスイッチング素子の
    点弧パルスを制御して、直流電源の直流電圧を多相交流
    電圧に変換する電力変換装置において、前記電力変換装
    置の各相の出力電流と電流指令値の偏差に応じた各相の
    出力電圧指令信号を生成する手段と、前記各相の出力電
    圧指令信号の変調波と搬送波を比較して得られるパルス
    幅変調信号により前記スイッチング素子の点弧パルス幅
    を制御する手段と、前記電力変換装置の出力電流の基本
    波の極性が反転するタイミングの前後の所定期間にわた
    って、所定の周期で正、負極性に反転する所定の大きさ
    を有する信号を発生する手段と、前記パルス幅変調にお
    ける変調波の振幅値、もしくは、パルス幅変調信号の点
    弧パルス幅に前記極性反転する信号を加算する手段とを
    備えたことを特徴とする電力変換装置。 8、ブリッジ接続されたスイッチング素子の点弧パルス
    を制御して、直流電源の直流電圧を交流電圧に変換する
    電力変換装置において、前記電力変換装置の回転座標系
    の直交する二つの出力電圧ベクトル成分指令信号を演算
    する手段と、所定の周期で正、負極性に反転する所定の
    大きさを有する電圧指令信号を発生する手段と、前記回
    転座標系の直交する二つの出力電圧ベクトル成分指令信
    号の少なくとも一方に、前記極性反転する電圧指令信号
    を加算する手段と、前記回転座標系の出力電圧ベクトル
    成分指令信号を固定子座標系における出力電圧指令信号
    に変換する手段と、前記電圧指令信号の変調波と搬送波
    を比較して得られるパルス幅変調信号により前記スイッ
    チング素子の点弧パルス幅を制御する手段とを備えたこ
    とを特徴とする電力変換装置。 9、請求項第6項ないし請求項第8項の何れかに記載さ
    れた電力変換装置と前記電力変換装置により駆動される
    交流電動機を有することを特徴とする交流電動機の可変
    速システム。 10、各相の出力電流の基本波の極性が反転する近傍の
    振動を抑制した電力変換装置と前記電力変換装置により
    駆動される交流電動機を有することを特徴とする交流電
    動機の可変速システム。 11、請求項第6項ないし請求項第8項の何れかに記載
    された電力変換装置により交流電動機を駆動するとき、
    前記電力変換装置における前記正、負極性に反転する所
    定の周期は、前記パルス幅変調における搬送波の周期よ
    りも長く、前記交流電動機の巻線時定数及び前記交流電
    動機と機械的に連結された負荷装置との間の固有振動数
    の周期より短くしたことを特徴とする電力変換装置。 12、請求項第6項ないし請求項第8項の何れかに記載
    された電力変換装置により交流電動機を駆動するとき、
    前記電力変換装置における前記所定の周期で正、負極性
    に反転する信号の所定の大きさは、前記交流電動機の回
    転速度に応じて変化させ、前記交流電動機の回転速度が
    大きいときは前記信号の大きさは小さく、回転速度が小
    さいときは前記信号の大きさは大きくすることを特徴と
    する電力変換装置。 13、請求項第6項ないし請求項第8項の何れかに記載
    された電力変換装置により交流電動機を駆動するとき、
    前記交流電動機の回転座標系の直交する二つの出力電流
    ベクトル成分検出値に、所定の大きさを持つ振動、また
    は振動回数が所定期間中発生したときのみ、前記極性反
    転する信号を、前記パルス幅変調における変調波の振幅
    値、もしくはパルス幅変調信号の点弧パルス幅、もしく
    は前記回転座標系の直交する二つの出力電圧ベクトル成
    分指令信号の少なくとも一方に加算することを特徴とす
    る電力変換装置。
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