JPH047911B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はプリンタの紙送り機構に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来ワードプロセツサなどの大型のプリンタで
は、紙送り機構としてオートローデイング機構を
具備しており、これは外部に突出する操作レバー
で紙押えローラをプラテンから引き離しておき、
ついで押しボタンを押圧することにより紙送りモ
ータを始動させ、これにより自動的に紙が引き込
まれるものであつた。また紙のフリクシヨンフイ
ード機構を具備しており、これはプリンタのフレ
ームにばねを固着し、このばねにピンチローラを
保持させている構造、あるいはプリンタの底板に
取り付けたばねによつてピンチローラを押し付け
ているものであつた。

（発明が解決しようとする問題点） この従来技術におけるオートローデイング機構
およびフリクシヨンフイード機構では、操作レバ
ーによる操作と、押しボタンの押圧操作とが必要
で、操作が煩雑である。また記録紙を挿入すると
きも送るときもピンチローラがプラテンに弾接す
る力が常に同じ強い力であり、このために記録紙
の先端がピンチローラに当接していても、プラテ
ンとピンチローラとの間に紙を挟み込みにくく、
紙のセツトがしにくい。また記録紙をピントラク
タなどで送るときには、ピンチローラをばねに抗
してプラテンから離反させる機構が別に必要とな
り、構成が複雑となつていた。

本発明の目的は、簡単な操作により記録紙の自
動引き込みを可能とすることにある。またプラテ
ンとピンチローラとの間へ記録紙を確実に挟み込
み可能とし、また記録紙が傾斜して引き込まれた
場合などの挟み込みの修正をも容易とし、またト
ラクタフイードの際にも記録紙に適度の張力を与
えることを可能とすることにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の特徴は、カム部が備わつているプラテ
ン軸受けの外部への突出端にノブを連結し、この
カム部の回動に追従可能の連結バーを介して紙押
えレバーを揺動させて紙押えローラをプラテンに
接離させてある。またカム部に形成されたスイツ
チ押圧カム面により紙送りモータのスイツチをオ
ン，オフさせてある。さらにカム部に設けたそれ
ぞれ半径を異にする第１，第２および第３位置決
めカム面に追従するカムフオロアをレバーに設
け、このレバーを３つの揺動位置に変位可能とし
てある。レバーは支え軸に固着し、支え軸は回動
自在に支持してある。支え軸には支持アームを固
着してあり、この支持アームはレバーの３つの揺
動位置に対応して揺動変位する。支持アームの先
端部にローラ受けを連結し、このローラ受けの一
端部に記録紙にフリクシヨンを供給するためのピ
ンチローラを軸受けしてある。支持アームとロー
ラ受けとの間に付勢ばねを張設し、支持アームと
ローラ受けとには、付勢ばねのばね力の作用線か
ら両者の連結部へ向つて僅かに離れた位置に、方
に突部と他方に突部受けとを設けてある。ピンチ
ローラはノブの回動に連動するレバーおよび支持
アームの３つの揺動位置に対応してプラテンに対
する押圧力が変化するものである。

（作用） このために紙を挿入する際にはノブを回動する
操作のみによつて、カム部が回転して紙押えロー
ラをプラテンから離反させると同時に、カムフオ
ロアがカム部の第１位置決めカム面から第２位置
決めカム面へ追従して紙送りモータのスイツチを
オンとする。さらにノブを回動させればカムフオ
ロアがカム部の第２位置決めカム面から第３位置
決めカム面へ追従し、支持アームを揺動させ、支
持アームによるローラ受けの支点を切り換え、各
支点における回転モーメントを変化させてピンチ
ーラのプラテンに対する押圧力を変化させる。す
なわちカムフオロアが第１位置決めカム面に追従
するときは、紙押えローラはプラテンに弾接する
と同時にスイツチをオフとし、かつピンチローラ
は強い押圧力でプラテンに弾接し、第２位置決め
カム面に追従するときは、スイツチをオンとし、
かつピンチローラはやや強い押圧力で弾接し、第
３位置決めカム面に追従するときは、スイツチは
オンのままであり、かつピンチローラは弱い押圧
力で弾接する。

（実施例） 第１，４，７図示において、１は紙送り時に回
転駆動されるプラテンであり、２はプラテン１に
弾接するピンチローラで、記録紙Ｐはセツト時に
プラテン１とピンチローラ２との間へ供給され
る。プラテン１の軸１ａはプラテン軸受け３を貫
通し回転自在であり、プラテン軸受け３はプリン
タのフレーム４に回動自在に支持してある。プラ
テン軸受け３は外部への突出端（第７図）にノブ
５が固着してあり、中間部にはカム部３１が備わ
つている。カム部３１の側面には溝３１ａと、そ
のカム面にはそれぞれ半径を異にする第１位置決
めカム面３１ｂ、第２位置決めカム面３１ｃおよ
び第３位置決めカム面３１ｄが設けてあり、さら
にスイツチ押圧カム面３１ｅが設けてある。６は
紙押えレバーで、フレーム４に設けてある軸７に
揺動自在に枢着してある。紙押えレバー６の一端
部には、記録紙Ｐをフリクシヨンフイードで送り
出す際にフリクシヨンを与える紙押えローラ８ａ
を回転自在に取り付けている紙押えローラの軸８
が支持してある。紙押えレバー６の他端部には連
結ピン９によつて連結バー１０の一端部が揺動自
在に枢着してある。連結バー１０の他端部にピン
１０ａが突設してあり、溝３１ａに挿入され、カ
ム部３１の回動に追従できるようにしてある。１
１は紙押えレバー６とフレーム４との間に掛止さ
れた引張りばねであり、１２は連結バー１０とフ
レーム４との間に掛止された引張りばねである。
カム部３１の下方には紙送りモータ（図示せず）
のスイツチ１３が配設してあり、スイツチ押圧カ
ム面３１ｅによりその作動片１３ａが押下げられ
てオンとなる。１４は連結バー１０のピン１０ａ
側の端部を持ち上げる台部である。１５は支え軸
であつて、プラテン１と平行に位置しており、回
動自在にフレーム４に支持してある。支え軸１５
の端部にレバー１６の一端部が固着してあり、こ
れによりレバー１６はその一端部で揺動自在に枢
着されている。レバー１６の他端部にはカムフオ
ロア１６ａが回転自在に設けてあり、カム部３１
の回動に追従可能であり、これによりレバー１６
は揺動し、支え軸１５は回動する。

支え軸１５には支持アーム１７が固着してあ
る。支持アーム１７は支え軸１５に嵌合するボス
部１７ａから一体的に延伸しており、先端部に連
結軸１７ｂが一体的に設けてある。ボス部１７ａ
の一部には突部１７ｃが設けてある。支持アーム
１７には一体的にばね掛け１７ｄが形成してあ
り、このばね掛けは突部１７ｃよりも僅かな距離
だけプラテン１に近寄つた位置に設けてある。支
持アーム１７にはローラ受け１８が連結してあ
る。すなわちローラ受け１８の一端部にプラテン
１に弾接しているピンチローラ２が回転自在に支
持してあり、他端部に連結溝１８ａが設けてあ
り、連結軸１７ｂに係合し、回動自在かつ移動自
在である。ローラ受け１８の両側辺には立曲げ片
１８ｂが設けてあり、突部１７ｃに係接するよう
に凹設された突部受け１８ｃが形成してある。ロ
ーラ受け１８にはばね掛け１８ｄが設けてあり、
支持アーム１７のばね掛け１７ｄとの間に付勢ば
ね１９が張設してある。

支持アーム１７はレバー１６の揺動に伴う支え
軸１５の回動に連動して、ローラ受け１８と反対
方向に揺動変位した後退位置（第６図位置）か
ら、ローラ受け１８の方向に揺動変位した前進位
置（第４図位置）までの角度範囲だけ揺動する。

プラテン１の軸１ａの先端に軸まわしつまみ２
０（第７図示）が固着してある。

紙送りに際し、記録紙Ｐがプラテン１とピンチ
ローラ２との間に供給された後、ノブ５を反時計
方向に回すと、プラテン軸受け３が反時計方向に
回動し、カム部３１が反時計方向に回動し、第１
図示のように溝３１ａの係止部に入り込んでいる
ピン１０ａを追従させて第２図示の位置まで至
る。カム部３１のこの回動により、ピン１０ａに
より連結バー１０が移動し、紙押えレバー６が反
時計方向へ揺動して紙押えローラ軸８を持ち上
げ、紙押えローラ８ａをプラテン１から引離す。
第２図示の位置で連結バー１０のピン１０ａ側の
端部が台部１４により持ち上げられるので、ピン
１０ａは溝３１ａの係止部から脱出して摺動部へ
移るので、以後はカム部３１の回動に追従し得な
い。また第２図示の位置でカム部３１のスイツチ
押圧カム面３１ｅがスイツチ１３の作動片１３ａ
を押し下げスイツチ１３を閉じるので、紙送りモ
ータが始動して記録紙Ｐが引き込まれる。反射型
センサ（図示せず。）の前を記録紙Ｐの先端が通
過して所定時間後に紙送りモータが停止し、記録
紙Ｐは所定の位置にセツトされる。

第１図示のようにカム部３１の第１位置決めカ
ム面３１ｂにカムフオロア１６ａが弾接している
ときは、支え軸１５は第４図示の位置であり、こ
のときは支持アーム１７が前進位置にあり、ロー
ラ受け１８は支持アーム１７にその連結部を介し
て押進されて前進位置にあり、このために突部１
７ｃと突部受け１８ｃとの間が離反して付勢ばね
１９は伸長している。したがつて連結軸１７ｂと
連結溝１８ａとの連結手段が支点となり、この支
点はばね力の作用線、すなわちばね掛け１７ｄか
ら１８ｄを結ぶ線から遠く離れているので、ピン
チローラ２はプラテン１に強い押圧力で弾接して
いる。

第２図示のようにカム部３１の第２位置決めカ
ム面３１ｃにカムフオロア１６ａが弾接している
ときは、支え軸１５は第５図示のように第４図示
の位置より僅かに反時計方向へ回動しており、こ
のときは、連結軸１７ｂと連結溝１８ａとからな
る連結手段は第４図示の位置よりやや後退してお
り、ピンチローラ２もやや後退しているが、突部
１７ｃと突部受け１８ｃとの間は僅かに離反して
いるので、上記連結手段が支点となつて付勢ばね
１９のばね力がピンチローラ２からプラテン１に
及んでおり、第４図示よりはやや弱いがそれでも
十分強い押圧力でプラテン１に弾接している。

上記したように第２，５図示の位置でプラテン
１とピンチローラ２との間に記録紙Ｐが挿入され
るのであるが、もし記録紙が傾斜して引き込まれ
るなどして記録紙を正しい姿勢に直したいときに
は、ノブ５をさらに反時計方向に回す。カム部３
１が第３図示の位置に来るときは、連結バー１０
はピン１０ａが溝３１ａの摺動部内を摺動するの
でこれに追従せず紙押えレバー６の姿勢は変らな
いが、第３位置決めカム面３１ｄにカムフオロア
１６ａが弾接するので、支え軸１５は第６図示の
ようにさらに反時計方向に回動しており、このと
きは支持アーム１７が後退位置にあり、ローラ受
け１８はその突部受け１８ｃが突部１７ｃに付勢
ばね１９のばね力により係合し、この係合位置が
支点となつて保持されている。このときの支点は
付勢ばね１９のばね力の作用線に極めて近いの
で、ピンチローラ２はプラテン１に弱い押圧力で
弾接している。またこの位置ではピンチローラ２
は第５図示の位置よりも後退している。したがつ
てノブ５を回すことによつて第５図の状態から第
６図の状態に変え、その上で記録紙Ｐの傾き等を
修正し、正しい姿勢の記録紙がプラテン１とピン
チローラ２との間にしつかりと挟まれる。の第
３，６図示の状態でもスイツチ１３は閉じられて
いるので、再び第２，５図示の状態としてピンチ
ローラ２の押圧力を強くすれば、紙送りモータの
作動によつて正しい姿勢の記録紙Ｐが所定の位置
まで送り込まれる。

記録紙Ｐがセツトされ、印字を行う際には、第
１，４図示の状態に戻せば、紙押えレバー６が元
に戻り、紙押えローラ８ａが記録紙Ｐを挟んでプ
ラテン１に弾接し、かつピンチローラ２が記録紙
Ｐを挟んで強い押圧力でプラテン１に弾接してい
るので、紙送りモータの作動により記録紙Ｐは印
字されつつフリクシヨンフイードされる。

記録紙Ｐをトラクターフイードで印字するとき
には、第３，６図示の状態にすれば、ピンチロー
ラ２が記録紙Ｐを挟んで弱い押圧力でプラテン１
に弾接するので、記録紙に適度の張力がかかつて
おり、これによりきれいな印字ができる。

（発明の効果） 本発明はプラテン軸受けに連結してあるノブを
回すのみにて、紙押えローラをプラテンから離反
させ、同時に記録紙を送るモータのスイツチをオ
ンにすることができ、記録紙の自動引き込みが可
能となり、構成が簡単で操作性が良好である。ま
た記録紙が傾斜して引き込まれたり、ずれたりし
たときには、ノブをさらに回す操作のみにてピン
チローラの押圧力を弱めるとともに正しい姿勢に
直された記録紙をプラテンとピンチローラとの間
に確実に挟み込み、自動引き込みが確実となる。
さらに記録紙をトラクタフイードする際にも、そ
れに適合した弱い押圧力をピンチローラからプラ
テンに与え、これにより記録紙に適度の張力を与
えておくことができ、印字を美しくすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は第７図−線断面図であ
つて動作を説明する図面、第４図乃至第６図は第
７図−線断面図であつて動作を説明する図
面、第７図は一部切欠平面図である。 １……プラテン、２……ピンチローラ、３……
プラテン軸受け、５……ノブ、６……紙押えレバ
ー、８……軸、８ａ……紙押えローラ、１０……
連結バー、１３……スイツチ、１５……支え軸、
１６……レバー、１６ａ……カムフオロア、１７
……支持アーム、１７ｂ，１８ａ……連結手段、
１７ｃ……突部、１８……ローラ受け、１８ｃ…
…突部受け、１９……付勢ばね、３１……カム
部、３１ｂ……第１の位置決めカム面、３１ｃ…
…第２の位置決めカム面、３１ｄ……第３の位置
決めカム面、３１ｅ……スイツチ押圧カム面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 紙送り時に回転駆動されるプラテンに弾接す
   るピンチローラと、上記プラテンが回転自在に貫
   通し外部への突出端に固着したノブにより回動可
   能であるとともにカム部が備わつているプラテン
   軸受けと、紙押えローラを支持しかつ揺動自在に
   枢着してあり紙押えレバーと、上記カム部の回動
   に連動して上記紙押えレバーを揺動駆動する連結
   バーと、回動自在に支持された支え軸に固着して
   あり先端部に上記カム部のカム面に係合するカム
   フオロアが設けてあるレバーと、上記支え軸に固
   着してありその回動に連動して揺動変位する支持
   アームと、一端部に上記ピンチローラを軸受けし
   ているローラ受けと、上記支持アームの先端部と
   上記ローラ受けの他端部とを回動および移動自在
   に連結する連結手段と、上記支持アームと上記ロ
   ーラ受けとの間に張設された付勢ばねと、この付
   勢ばねのばね力の作用線から上記連結手段側へ僅
   かに離れた位置で上記支持アームと上記ローラ受
   けとの一方に突出形成された突部およびその他方
   に設けられた突部受けとを具備し、 上記カム部のカム面は、上記カムフオロアが追
   従して上記レバーを３つの揺動位置に変位させる
   ためのそれぞれ半径を異にする第１，第２および
   第３の位置決めカム面と、紙送りモータのスイツ
   チをオン・オフせしめるスイツチ押圧カム面とを
   備えている。 ことを特徴とするプリンタの紙送り機構。