JPH047523B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ケーブルに金属線を鎧装する装置、
より詳細にはエネルギ用又は遠隔通信用ケーブル
に非常に短いピツチで複数の鎧装線を巻付るため
の装置に係る。

［従来の技術］ このような装置としては、ケーブルの直線状部
分を軸に沿つて一つの方向に移動させるための手
段と、該軸に垂直な面内でケーブルの該直線状部
分の周囲に回転可能に取付けられた少なくとも１
個の線分配用ドラムとから主に構成される装置が
知られている。

このような装置では、線はドラムから巻出さ
れ、ケーブルの送り時にケーブル自体により生じ
る索引力により駆動される。

［発明が解決しようとする課題］ 鎧装すべきケーブルが脆弱な場合、例えばケー
ブルの外側が鉛シースで被覆されている場合、前
記装置は使用できない。事実、ケーブルに対する
金属線（直径６〜７mm又はそれ以上）の締着力は
甚大であり、鉛を破壊しかねない。その結果、鉛
シースに襞が形成され、絶縁障害を生じ、ケーブ
ルの使用時にケーブルに疲労を招き易い。

［課題を解決するための手段］ 本発明の目的は、線の良好な張力と螺旋状鎧装
の一定ピツチとを維持しながらケーブルの内部を
破壊することなくケーブルの鎧装線を正確に配置
することの可能な装置を提供することにある。

本発明によれば前記目的は、ケーブルに金属線
を鎧装する装置であつて、直線状に一つの方向に
移動するケーブルを巻取る回動自在なキヤプスタ
ンと、直線状に一つの方向に移動するケーブルを
囲繞するように配設されておりケーブルの長手軸
の回りで回動自在に円筒体と、前記円筒体と同軸
にかつ前記円筒体を囲繞するように前記円筒体に
配設されており前記長手軸の回りで回動自在なド
ラム台アセンブリと、回動自在に前記ドラム台ア
センブリに取付けられており鎧装すべき金属線を
供給する少なくとも一つのドラムと、前記円筒体
の回動と同期して回動自在となるように前記ドラ
ム台アセンブリに取付けられており前記ドラムか
ら供給される金属線を張架しながらケーブルの外
表面に鎧装すべく、供給される金属線を該金属線
と摩擦係合しながらケーブルの外表面に案内する
滑車部材と、超過された金属線の張力を検出する
検出手段と、前記キヤプスタン、前記円筒体及び
前記ドラム台アセンブリを同時に回動すべく前記
キヤプスタン、前記円筒体及び前記ドラム台アセ
ンブリと結合した駆動装置と、前記駆動装置の回
動を前記円筒体に伝達すべく前記駆動装置及び前
記円筒体と結合されており金属線の鎧装中に金属
線を一定の張力で張架すべく前記検出手段が検出
した張力に応じて前記滑車部材の回動速度を前記
ドラム台アセンブリの回動速度とは別個に前記円
筒体を介して制御する変速装置とを含むケーブル
に金属線を鎧装する装置によつて達成される。

［作用］ 本発明のケーブルに金属線を鎧装する装置にお
いては、検出手段が検出した張力に応じて滑車部
材の回動速度はドラム台アセンブリの回動速度と
は別個に円筒体の介して制御されるので、ドラム
台アセンブリの回動速度の変動に応じて滑車部材
の回動速度を制御する必要がなくドラム台アセン
ブリの回動速度の変動とは独立して滑車部材の回
動速度が独自に制御され、金属線を一定の張力で
正確に張架できる。これにより張力の不足による
金属線の巻過ぎが防止され、更に滑車部材は供給
される金属線を該金属線と摩擦係合しながらケー
ブルの外表面に案内するので、キヤプスタンの回
動速度が適正速度よりも多少増加しても変速装置
が検出手段によつて検出された張力の増加に応じ
て滑車部材の回動速度を速める前に金属線が滑車
部材との摩擦部位を滑り、キヤプスタンの回動速
度の多少の増加に対応して適切な量の金属線をケ
ーブルの外表面に自動的に案内できる。したがつ
て、キヤプスタンの回動速度が多少増加したとき
に金属線に瞬時にかかる過度の張力に起因する金
属線の破損、疲労を防止でき、一定の張力を維持
しながら適切に効率よく金属線をケーブルに鎧装
できるものである。

［実施例］ 本発明の実施例では、円筒体はドラム台アセン
ブリと同軸であり且つ変速装置に結合されたモー
タにより駆動され、該円筒体は傘歯車を介して滑
車を回動させるピニオンをチエーンで駆動する冠
歯車を含む。

以下、添付図面を参考に本発明の好適実施例に
ついて説明する。

第１図中、鎧装すべきケーブルは参照符号１で
示した。ケーブル１は矢印の方向に従つて一つの
方向に移動するように駆動され、直線状にされた
部分で鎧装用金属線を受容した後、キヤプスタン
２に巻付けられ、その後巻框（図示せず）に巻取
られる。

鎧装用金属線の巻付は、周知のようにケーブル
１の直線状部分の周囲にドラム台アセンブリ３を
回転させることにより実施される。図面の明瞭化
のために２個のドラム４のみを示したが、数個の
ドラム、例えば16個のドラムがアセンブリ３の周
囲に等間隔に分配され、固定され得ることが容易
に理解されよう。

金属線５はドラム４から離れて滑車６及び８を
通る。アセンブリ３は、ピニオン１０を介して該
アセンブリ３の周囲の第３冠歯車１１を駆動する
モータ９により回転駆動するモータ９により回転
駆動される。

一点鎖線１２は、キヤプスタン２の回転、即ち
ケーブル１を一つの方向に移動する速度とアセン
ブリ３の回転速度との同期を示している。

以上の記載は従来技術で周知である。

本発明は、線５の張力によるケーブル１の損傷
を避けるために、ドラム４とケーブル１との間の
線５の行路にはケーブル１の出口側であるアセン
ブリ３の端部に滑車８が配置されている。該滑車
８は線５をケーブル１へ案内すべくモータ９によ
り駆動される。

滑車８の駆動は、ケーブル１の直線状部分と同
軸状であり且つアセンブリ３の内側に配置された
円筒体１５を介して実施される。該円筒体１５
は、ピニオン１７，１８及び１９で回転駆動され
る。ピニオン１７及び１８間には変速装置２０が
配置されている。該変速装置２０の機能について
は後述する。

円筒体１５の巻框側の端部に支持されており、
ピニオン１８，１９、変速装置２０、ピニオン１
７、第２冠歯車１６、円筒体１５を介してモータ
９と結合された第１冠歯車２１は、チエーン２
２、ピニオン２３及び傘歯車２４を介して滑車８
を駆動させる。チエーン２２による第１冠歯車２
１とピニオン２３との連結については第２図を参
考に後述する。

作動は以下の通りである。

線巻付時にケーブル１は一つの方向に移動、ア
センブリ３は回動移動するので、均一な巻付が可
能になる。

ドラム４と同期的な滑車８の回転は、ケーブル
１に対する線の張力がケーブル１に対して適切と
なるように、摩擦係合により線５の移動、すなわ
ちケーブル１への線５の案内量を確保する。線５
のこの張力は検出手段としてのセンサ２５により
測定される。線５の張力が一定の値より大きい場
合には、円筒体１５の回転速度、即ち、滑車８の
回転速度を増加させるように変速装置２０を操作
する。

逆にケーブル１の張力が一定の値より小さい場
合には円筒体１５を介して滑車８の回転速度を減
速させる。このように、滑車８の回転速度はアセ
ンブリ３の回転とは別個に制御される。

圧着ローラ２６は滑車８の溝に線５を押圧し、
滑車８とともに線５を摩擦係合により保持してい
る。三角形断面を有するこの溝は、ケーブル１の
移動速度、すなわちキヤプスタン２による巻取速
度が適正速度に対して多少速くなつた場合には線
５が滑車８及び圧着ローラ２６との摩擦部位を滑
りケーブル１への線５の案内量が多少速くなつた
巻取速度に対応して増加するので、キヤプスタン
２による巻取速度が多少速くなつても滑車８を回
転速度がキヤプスタン２の巻取速度の増加による
線５の張力の増加に応じて速くなる前に、線５の
滑りにより張力が自動的に減少しいわゆる「自動
調節」が得られる。

滑車６、滑車８、ピニオン２３、傘歯車２４、
センサ２５及び圧着ローラ２６を含むアセンブリ
の数は、機械に備えられるドラム４と同数であ
る。好ましくは、第２図（16個のドラム台を有す
る機械の部分端面図）に示すように単一の駆動チ
エーン２２が使用される。

ケーブル１は、第１冠歯車２１を支持する円筒
体１５内を通つている。チエーン２２は、ピニオ
ン２３及び15個の他の金属線の駆動アセンブリに
対応するピニオン２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃ，…２
３Ｎ，２３Ｐを通つている。

歯車３３，３３Ａ，３３Ｂ，…３３Ｇがチエー
ン２２を案内するために設けられており、これら
の歯車の少なくとも１個（ここでは歯車３３）
は、チエーン２２（破線はチエーンと歯車３３と
の別の位置を示す）の張力を調節できるように移
動可能な軸を有している。本発明の非限定的な一
変形例では、センサ２５による線張力の表示は、
変速装置２０の比を直接制御するか、或いは制御
モータが主モータ９から独立している場合には該
制御モータの速度を制御することができる。

［発明の効果］ 本発明のケーブルに金属線を鎧装する装置にお
いては、変速装置は金属線が一定の張力で張架さ
れるように検出手段が検出した張力に応じて滑車
部材の回動速度をドラム台アセンブリの回動速度
とは別個に円筒体を介して制御するが故に、ドラ
ム台アセンブリの回動速度の変動に応じて滑車部
材の回動速度を制御する必要がなく検出手段が検
出した張力に応じてドラム台アセンブリの回動速
度との変動とは独立して滑車部材の回動速度を独
自に制御し得、金属線を一定の張力で正確に張架
し得、張力の不足による金属線の巻過ぎを防止し
得、更に滑車部材が少なくとも一つのドラムから
供給される金属線を張架しながらケーブルの外表
面に鎧装すべく、供給される金属線を該金属線と
摩擦係合しながらケーブルの外表面に案内するの
で、キヤプスタンの回動速度が適正速度よりも多
少増加しても変速装置が検出手段によつて検出さ
れた張力の増加に応じて滑車部材の回動速度を速
める前に金属線が滑車部材との摩擦部位を滑り、
キヤプスタンの回動速度の多少の増加に対応して
適切な量の金属線をケーブルの外表面に自動的に
案内し得、キヤプスタンの回動速度が多少増加し
たときに金属線に瞬時にかかる過度の張力に起因
する金属線の破損、疲労を防止し得、一定の張力
を維持しながら適切に効率よく金属線をケーブル
に鎧装し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の主要説明図、第２図
は同一装置に設けられた16個の滑車の同時駆動を
示す概略説明図である。 １……ケーブル、２……キヤプスタン、３……
ドラム台アセンブリ、４……ドラム、５……金属
線、６，８……滑車、９……モータ、１０，１
７，１８，１９，２３……ピニオン、１１，１
６，２１……冠歯車、１５……円筒体、２０……
変速装置、２２……チエーン、２４……傘歯車、
２５……センサ、２６……圧着ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ケーブルに金属線を鎧装する装置であつて、
   直線状に一つの方向に移動するケーブルを巻取る
   回動自在なキヤプスタンと、直線状に一つの方向
   に移動するケーブルを囲繞するように配設されて
   おりケーブルの長手軸の回りで回動自在な円筒体
   と、前記円筒体と同軸にかつ前記円筒体を囲繞す
   るように前記円筒体に配設されており前記長手軸
   の回りで回動自在なドラム台アセンブリと、回動
   自在に前記ドラム台アセンブリに取付けられてお
   り鎧装すべき金属線を供給する少なくとも一つの
   ドラムと、前記円筒体の回動と同期して回動自在
   となるように前記ドラム台アセンブリに取付けら
   れており前記ドラムから供給される金属線を張架
   しながらケーブルの外表面に鎧装すべく、供給さ
   れる金属線を該金属線と摩擦係合しながらケーブ
   ルの外表面に案内する滑車部材と、張架された金
   属線の張力を検出する検出手段と、前記キヤプス
   タン、前記円筒体及び前記ドラム台アセンブリを
   同時に回動すべく前記キヤプスタン、前記円筒体
   及び前記ドラム台アセンブリと結合した駆動装置
   と、前記駆動装置の回動を前記円筒体に伝達すべ
   く前記駆動装置及び前記円筒体と結合されており
   金属線の鎧装中に金属線を一定の張力で張架すべ
   く前記検出手段が検出した張力に応じて前記滑車
   部材の回動速度を前記ドラム台アセンブリの回動
   速度とは別個に前記円筒体を介して制御する変速
   装置とを含むケーブルに金属線を鎧装する装置。 ２ 前記滑車部材は、断面が三角形の溝を有する
   滑車と金属線を前記滑車の前記三角形の溝を底部
   に圧着する圧着ローラとを含む特許請求の範囲第
   １項に記載の装置。 ３ 前記円筒体は、前記駆動装置と結合された第
   １冠歯車と前記変速装置から前記駆動装置の回動
   を伝達される第２冠歯車とを含み、前記滑車部材
   は前記滑車を回動するために前記滑車に結合され
   た傘歯車を含み、前記ドラム台アセンブリは前記
   駆動装置の回動を伝達するように前記駆動装置と
   結合した第３冠歯車、前記傘歯車と結合したピニ
   オン及び第１冠歯車と前記ピニオンとを結合させ
   るチエーンとを含む特許請求の範囲第２項に記載
   の装置。