JPH04746B2 - - Google Patents

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JPH04746B2
JPH04746B2 JP16673187A JP16673187A JPH04746B2 JP H04746 B2 JPH04746 B2 JP H04746B2 JP 16673187 A JP16673187 A JP 16673187A JP 16673187 A JP16673187 A JP 16673187A JP H04746 B2 JPH04746 B2 JP H04746B2
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fiber
molded body
molten metal
cylinder
light alloy
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JP16673187A
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English (en)
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JPS6411063A (en
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Shizuo Ebisawa
Shigeki Matsumoto
Yoshihisa Yamamura
Nobuaki Takatori
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6411063A publication Critical patent/JPS6411063A/ja
Publication of JPH04746B2 publication Critical patent/JPH04746B2/ja
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 A 発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、エンジンに用いられる繊維強化軽合
金製シリンダブロツク、特に、シリンダボア回り
を、筒状繊維成形体と軽合金マトリツクスとより
なる繊維強化複合体より構成したものゝ製造方法
に関する。
(2) 従来の技術 従来、前記シリンダブロツクを製造する場合
は、筒状繊維成形体を、金型の繊維強化複合体成
形部に存する心金に嵌合し、前記軽合金マトリツ
クスの溶湯を用いてシリンダブロツク素材を圧力
鋳造すると同時に繊維成形体に溶湯を充填して繊
維強化複合体を得ている。
(3) 発明が解決しようとする問題点 前記金型の心金には機械加工を施すことが可能
であるから、その寸法精度を高めることができる
が、繊維成形体は、一般に、通気性筒状成形型内
に吸引作用を施すことによつてその外周面に強化
用繊維および結合剤を含むゾル状成形材料を付着
させて成形されるので、離型時等に変形すること
があり、そのため常時、寸法精度の高い繊維成形
体を得ることは難しい。
このような状況下においては、心金と繊維成形
体との間に比較的大きなクリアランスを生じ易
く、その結果、鋳込み過程で溶湯の充填圧により
繊維成形体が変形して破壊されるおそれがある。
また鋳込み後の冷却過程では心金よりも軽合金マ
トリツクス単体部の収縮率が高いため、その軽合
金マトリツクス単体部の凝固収縮力が繊維強化複
合体に強く作用し、これにより繊維強化複合体が
破壊されるおそれもある。
本発明は前記従来の問題点を解決し得る前記製
造方法を提供することを目的とする。
B 発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明は、シリンダボア回りを、筒状繊維成形
体と軽合金マトリツクスとよりなる繊維強化複合
体より構成した繊維強化軽合金製シリンダブロツ
クを製造するに当り、前記繊維成形体の内側に軽
合金製補強筒を嵌合して、該繊維成形体および補
強筒を予熱することによりそれらの間のクリアラ
ンスを僅少にする工程と;それら繊維成形体およ
び補強筒を、金型の繊維強化複合体成形部に配設
し、前記軽合金マトリツクスの溶湯を用いてシリ
ンダブロツク素材を圧力鋳造すると同時に前記繊
維成形体に前記溶湯を充填して前記繊維強化複合
体を得る工程と;前記シリンダブロツク素材に溶
体化処理に次いで時効処理を施す工程と;前記シ
リンダブロツク素材より前記補強筒を除去して前
記シリンダボアを形成する工程と;を用いること
を特徴とする。
(2) 作用 前記手法によれば、繊維成形体の寸法精度が低
い場合にも、補強筒の予熱による熱膨張によつて
補強筒と繊維成形体との間のクリアランスを僅少
にし、これにより鋳込み過程における溶湯の充填
圧に伴う繊維成形体の変形を防止してその破壊を
回避することができる。
また鋳込み後の冷却過程においては、軽合金マ
トリツクス単体部と同程度に軽合金製補強筒も収
縮するので、軽合金マトリツクス単体部の凝固収
縮力を補強筒の収縮により吸引し、これにより前
記凝固収縮力が繊維強化複合体に強く作用するこ
とを防止してその破壊を回避することができる。
さらに、溶体化処理の急冷時においても、前記
補強筒の収縮により、軽合金マトリツクス単体部
の収縮力吸収作用が行われるので、この処理時に
おける繊維強化複合体の破壊をも回避することが
できる。
そして補強筒を除去することにより、シリンダ
ボアを確実に繊維強化された高強度な軽合金製シ
リンダブロツクを得ることができる。
(3) 実施例 第1〜第3図は本発明により得られた繊維強化
軽合金製シリンダブロツクとしての繊維強化アル
ミニウム合金製サイアミーズ型シリンダブロツク
Sを示し、そのシリンダブロツクSは、直列に並
ぶ複数、図示例は4個のシリンダバレル11〜14
を結合してなるサイアミーズシリンダバレル1
と、そのサイアミーズシリンダバレル1を囲繞す
る外壁部2と、外壁部2の下縁に連設されたクラ
ンクケース3とより構成される。各シリンダバレ
ル11〜14におけるシリンダボア4回りは、筒状
繊維成形体とアルミニウム合金マトリツクスとよ
りなる繊維強化複合体Cfより構成される。
サイアミーズシリンダバレル1と外壁部2間
に、サイアミーズシリンダバレル1の外周が臨む
水ジヤケツト6が形成される。その水ジヤケツト
6のシリンダヘツド側端部において、サイアミー
ズシリンダバレル1と外壁部2間は複数の補強デ
ツキ部8により部分的に連結され、相隣る補強デ
ツキ部8間はシリンダヘツド側への連通口7とし
て機能する。これによりシリンダブロツクSはク
ローズドデツキ型に構成される。
第5〜第8図は、第4図に示すシリンダブロツ
ク素材Smを鋳造する鋳造装置を示し、その装置
は金型Mを備え、その金型Mは昇降自在な上型9
と、その上型9の下方に配設され、第5、第6図
において左右二つ割の第1および第2側型101
102ならびに第7図において左右二つ割の第3
および第4側型103,104と、各側型101
104を摺動自在に載置する下型11とより構成
される。
上型9の下面に型締め用凹部12が形成され、
その凹部12は各側型101〜104上半部と協働
してサイアミーズシリンダバレル1および外壁部
2を成形するための第1キヤビテイC1を画成す
る。したがつて第1キヤビテイC1は繊維強化複
合体成形部として機能する。凹部12と嵌合する
型締め用凸部13が各側型101〜104の上面に
突設される。
第7、第8図に示すように、下型11に溶解炉
(図示せず)よりアルミニウム合金の溶湯を受け
る湯溜部14と、その湯溜部14に連通する給湯
シリンダ15と、その給湯シリンダ15に摺合さ
れるプランジヤ16と、湯溜部14より2本に分
岐して第1キヤビテイC1の長手方向に、且つそ
れと略同一長さに亘つて延びる一対の湯道17と
が設けられる。また下型11は両湯道17間にお
いて上方へ突出する成形ブロツク18を有し、そ
の成形ブロツク18は各側型101〜104の下半
部と協働してクランクケース3を成形するための
第2キヤビテイC2を画成する。そのキヤビテイ
C2の上端は前記第1キヤビテイC1に連通し、ま
た両側の下端は両湯道17に複数の堰19を介し
て連通する。
成形ブロツク18は、所定の間隔で形成された
背の高い4個のかまぼこ形第1成形部181と、
相隣る第1成形部181間および最外側の両第1
成形部181の外側に位置する凸字形第2成形部
182とよりなり、各第1成形部181はクランク
ピンおよびクランクアーム用回転空間20(第
2、第3図)を成形するために用いられ、第2成
形部182はクランクジヤーナルの軸受ホルダ2
1(第2、第3図)を成形するために用いられ
る。各堰19は各第2成形部182に対応して設
けられており、第2キヤビテイC2の容量の大き
な部分に溶湯を早期に注入するようになつてい
る。
両湯道17の断面積が湯溜部14側より湯道先
17aに向けて段階的に減少するように、湯道1
7底面は湯溜部14側より数段の上り階段状に形
成されている。各段部17bに連なる各立上がり
部17cは溶湯を各堰19にスムーズに導くこと
ができるように斜めに形成される。
このように湯道17の断面積を段階的に減少さ
せると、断面積の大きな部分では大量の溶湯を遅
い速度で堰19を通じて第2キヤビテイC2に注
入し、また断面積の小さな部分では少量の溶湯を
速い速度で堰19を通じて第2キヤビテイC2
注入することができるので、そのキヤビテイC2
内に溶湯が湯道17の全長に亘つて略均等に注入
される。したがつて溶湯がキヤビテイC2内で乱
流を起こすことがなく、空気等のガスが溶湯に巻
き込まれることを防止して巣の発生を回避するこ
とができる。また溶湯の注入作業が効率良く行わ
れるので、鋳造能率を向上させることができる。
第5、第6図に示すように、各第1成形部18
の頂面に後述する繊維成形体を立設する位置決
め突起22が突設され、その位置決め突起22の
中心に凹部23が形成される。また両側に位置す
る2つの第1成形部181に、位置決め突起22
の両側において第1成形部181を貫通する貫通
孔24が形成され、それら貫通孔24に一対の仮
設置ピン25がそれぞれ摺合される。それら仮設
置ピン25は、後述する水ジヤケツト用砂中子の
仮設置のために用いられる。両仮設置ピン25の
下端は、成形ブロツク18の下方に配設された取
付板26に固定される。その取付板26に2本の
支持ロツド27が挿通され、各支持ロツド27の
下部と取付板26の下面との間にコイルばね28
が縮設される。型開き時には、取付板26は各コ
イルばね28の弾発力を受けて各支持ロツド27
先端のストツパ27aに当接するまで上昇し、こ
れにより各仮設置ピン25の先端は第1成形部1
1頂面より突出している。各仮設置ピン25の
先端面に砂中子の下縁と係合する凹部25aが形
成される。
また両側に位置する2つの第1成形部181に、
両貫通孔24間の二等分位置において第1成形部
181を貫通する貫通孔29が形成され、その貫
通孔29に下端を取付板26に固定された作動ピ
ン30が摺合される。型開き時には、作動ピン3
0の先端は凹部23内に突出し、また型閉め時に
は後述する心金により押し下げられ、これにより
両仮設置ピン25を第1成形部181頂面より引
き込ませるようになつている。
第1および第2側型101,102における第1
キヤビテイC1を画成する壁部の中央部分に砂中
子を本設置するための中子受31が2個所宛設け
られている。各中子受31は砂中子の位置決めを
行う係合孔31aと、その開口部外周に形成され
て砂中子を挟持する挟持面31bとよりなる。
上型9の型締め用凹部12に、第1キヤビテイ
C1に連通して溶湯をオーバフローさせるための
複数の第3キヤビテイC3および連通口7を成形
するための第4キヤビテイC4がそれぞれ開口し、
また上型9に各第3キヤビテイC3および第4キ
ヤビテイC4に連通するガス抜き孔32,33が
それぞれ形成される。
それらガス抜き孔32,33に閉鎖ピン34,
35がそれぞれ遊挿され、それら閉鎖ピン34,
35の上端部は上型9の上方に配設される取付板
36に固定される。
各ガス抜き孔32,33の、両キヤビテイC3
C4に対する連通端から上方へ所定の長さに亘つ
て延びる小径部32a,33aは各閉鎖ピン3
4,35の下端部と嵌合して第3キヤビテイC3
および第4キヤビテイC4を閉鎖し得るようにな
つている。
上型9の頂面と取付板36間に油圧シリンダ3
9が介装され、その油圧シリンダ39の作動によ
り取付板36を昇降して各閉鎖ピン34,35に
より各小径部32a,33aを開閉するようにな
つている。40は取付板36の案内ロツドであ
る。
上型9の型締め用凹部12天面に各シリンダバ
レル11〜14に対応して、軸線を上、下方向に向
けた心金41が突設され、各心金41の下端面に
第1成形部181頂面の凹部23に嵌合し得る凸
部41aが設けられる。また心金41の外周面
は、その上端から下端に向けて先細りのテーパ面
に形成される。
第9、第10図は水ジヤケツト用砂中子59を
示し、その砂中子59は、シリンダブロツクSの
4本のシリンダバレル11〜14に対応して4本の
円筒部601〜604を備えると共にそれらの相隣
るもの相互の重合する周壁を欠如させた中子本体
61と、水ジヤケツトをシリンダヘツドの水ジヤ
ケツトに連通する連通口7および補強デツキ部8
を形成すべく、中子本体61の上端面に突設され
た複数の突起62と、中子本体61の中間に位置
する2本の円筒部602,603の両外側面にそれ
ぞれ突設された幅木63とより構成される。各幅
木63は中子本体61と一体の大径部63aと、
その端面に突設される小径部63bとより形成さ
れる。
第11図において、筒状繊維成形体Fは、強化
用繊維としての、炭素繊維とアルミナ繊維との混
合繊維より成形されたもので、その寸法は外径82
mm、内径78mm、高さ152mmであり、したがつて肉
厚は2mmと薄肉である。また繊維体積率(Vf)
は24%である。繊維成形体Fは、平均直径18μ
m、平均長さ0.8mmの炭素繊維(短繊維)と、平
均直径3〜4μm、平均長さ0.5mmのアルミナ繊維
(短繊維)とを1対3の割合で混合し、その混合
繊維にシリカゾルを結合剤として加えたゾル状成
形材料を用い、吸引付着成形法を適用して成形さ
れる。
前記吸引付着成形法とは、前記成形材料を入れ
た槽中に、両端面を密封した通気性を有する筒状
成形型を立設し、成形型の内部に吸引作用を施し
てその外周面に前記成形材料を吸着させる手法を
いう。
前記手法により成形された繊維成形体Fは、離
型後乾燥および焼成工程を経て使用に供される。
この乾燥工程では、繊維成形体Fは薄肉であるか
ら熱回りが良好となり、したがつて結合剤が全体
に亘つて均一に乾燥される。
繊維成形体Fの内側に、被切削性の良好なアル
ミニウム合金(例えばJIS A2011)よりなる補強
筒Tが嵌合され、これにより薄肉で脆弱な繊維成
形体Fの取扱い性の向上が図られている。補強筒
Tの内周面は、心金41と嵌合し得るようにテー
パ面に形成される。
次に前記繊維成形体Fを用いた前記鋳造装置に
よるシリンダブロツク素材Smの鋳造作業につい
て説明する。
先ず第5図に示すように上型9を上昇させ、ま
た相対向する両側型101,102;103,104
を互いに離間するように移動させて型開きを行
う。上型9上の油圧シリンダ39を作動させて取
付板36を介し各閉鎖ピン34,35を上昇さ
せ、第3、第4キヤビテイC3,C4に連通する小
径部32a,33aの各上部開口を開く。さらに
給湯シリンダ15内のプランジヤ16を下降させ
る。
繊維成形体Fおよび補強筒Tを略250℃に予熱
して補強筒Tを熱膨張させ、これにより補強筒T
を繊維成形体F内周面に密接させて両者T,F間
のクリアランスを僅少にする。そして第5図に示
すように補強筒体Tの下部開口を第1成形部18
の位置決め突起22に嵌合して繊維成形体Fを
第1成形部181に立設する。
また第5、第10図に示すように砂中子59に
おける両側の円筒部601,604下縁を、両側の
第1成形部181の頂面に突出する各仮設置ピン
25の凹部25aに係合させて砂中子59の仮設
置を行う。砂中子59の各円筒部601〜604
各繊維成形体Fの外周に配設される。
第6図に示すように、両側型101,102をそ
れらが互いに接近する方向に所定距離移動させ、
各中子受31と各幅木63とを係合して砂中子5
9の本設置を行う。即ち、各中子受31の係合孔
31aに砂中子59における各幅木63の小径部
63bを嵌合して砂中子59を位置決めし、また
各大径部63aのシリンダバレル配列方向と平行
な端面を各中子受31の挟持面31bに衝合して
砂中子59をそれら挟持面31bにより挟持する
ものである。また他の両側型103,104も同様
に移動させる。
次いで上型9を下降させ、心金41を補強筒T
にテーパ嵌合して繊維成形体Fおよび補強筒Tの
上端面を凹部12の天面に衝合し、これにより繊
維成形体Fを位置決め固定する。また心金41の
凸部41aが第1成形部181頂面の凹部23に
嵌合するので、作動ピン30が押し下げられて各
仮設置ピン25が第1成形部181頂面より引込
む。また砂中子59の各突起62が各第4キヤビ
テイC4に遊挿され、さらに上型9の凹部12が
各側型101〜104の凸部13に嵌合して型締め
が行われる。
下型11の湯溜部14に溶解炉より730〜740℃
のアルミニウム合金(例えばJIS ADC12)より
なる溶湯を供給し、プランジヤ16を0.08〜0.3
m/secの速度で上昇させ、第13図に示すよう
に圧力p1を以て溶湯を両湯道17より堰19を通
じて第2キヤビテイC2の両下部よりそのキヤビ
テイC2および第1キヤビテイC1に注入する。両
キヤビテイC1,C2内の空気等のガスは、溶湯に
より押し上げられて第3、第4キヤビテイC3
C4に連通するガス抜き孔32,33を経て上型
9の上方へ抜ける。
この場合両湯道17の断面積が前述のように湯
道先17aに向けて段階的に減少するように、湯
道底面が湯溜部14側より数段の上り階段状に形
成されているので、プランジヤ16の上昇により
溶湯は両湯道17より各堰19を通じて第2キヤ
ビテイC2に、その両下部よりその全長に亘つて
略均等に注入される。
また、ガス抜き孔32,33の小径部32a,
33aの開口が狭くなつているので、第1、第2
キヤビテイC1,C2内に溶湯を注入する際、該キ
ヤビテイC1,C2内に背圧が発生し、その背圧は
湯面全体に均等に作用する。その結果、湯面は波
立ちを抑制されて略水平に上昇し、これにより溶
湯へのガスの巻込みが防止され、またガス抜きも
効率良く行われるので巣の発生が回避される。前
記背圧に起因して、第1、第2キヤビテイC1
C2内における溶湯の注入圧は、第12図に示す
ように大気圧を上回る圧力p1、例えば2〜5Kg/
cm2になる。
さらに繊維成形体Fが前記温度に予熱されてい
るので、繊維成形体F周りの溶湯の保温が行なわ
れ、これにより繊維成形体Fに対する溶湯の凝着
が回避される。
第3、第4キヤビテイC3,C4に溶湯が完全に
注入された時点で、上型9上の油圧シリンダ39
を作動させて取付板36を下降させ、閉鎖ピン3
4,35によつて両キヤビテイC3,C4に連通す
る小径部32a,33aを閉鎖する。
その後プランジヤ16を0.14〜0.18m/secの速
度で上昇させて溶湯を、前記圧力p1を上回る高圧
力p2下、即ち400Kg/cm2の圧力下に所定時間保持
して繊維強化複合体Cfを得、またこの高圧下で
溶湯を完全に凝固させて、アルミニウム合金の組
織を緻密化し、その強度の向上を図る。この溶湯
の圧力上昇過程において溶湯の圧力5〜20Kg/cm2
で溶湯が繊維成形体Fに充填される。
このように溶湯の充填圧が低く、また補強筒T
と繊維成形体Fとの間のクリアランスが僅少であ
るから、溶湯の充填圧に伴う繊維成形体Fの変形
を防止してその破壊を回避することができる。こ
の場合、繊維成形体Fは薄肉であるから溶湯の充
填が効率良く、且つ確実に行われ、これによりミ
クロポロシテイ等の鋳造欠陥の発生のない繊維強
化複合体Cfを得ることができる。
鋳込み後の冷却過程においては、各シリンダバ
レル11〜14等のアルミニウム合金マトリツクス
単体部と同程度にアルミニウム合金製補強筒Tも
収縮するので、アルミニウム合金マトリツクス単
体部の凝固収縮力を補強筒Tの収縮により吸収
し、これにより前記凝固収縮力が、繊維強化複合
体Cfに強く作用することを防止してその破壊を
回避することができる。
砂中子59は、それの各幅木63を介して両側
型101,102により正確な位置に挟持されてい
るので、第1キヤビテイC1内への溶湯の注入時
およびそのキヤビテイC1内の溶湯の加圧時にお
いて砂中子59が浮き上がつたりすることがな
い。また各幅木63の大径部63aの端面が両側
型101,102における中子受31の挟持面31
bに衝合しているので、砂中子59が脹らみ傾向
になると、その変形力は各挟持面31bにより支
承され、これにより砂中子59の変形が防止され
て各シリンダボア4回りの肉厚が均一なサイアミ
ーズシリンダバレル1が得られる。
溶湯が凝固を完了した後、型開きを行うと第4
図に示すシリンダブロツク素材Smが得られる。
シリンダブロツク素材Smに溶体化処理に次い
で時効処理を施して、その素材Sm全体の強度、
特に硬さを増して繊維強化複合体Cfの耐摩耗性
を向上させる。
この溶体化処理は、シリンダブロツク素材Sm
を480〜500℃に加熱してその状態に4〜6時間保
持し、次いで水冷するものである。この水冷時に
おいても、前記補強筒Tの収縮により、アルミニ
ウム合金マトリツクス単体部の収縮力吸収作用が
行われるので、この処理時における繊維強化複合
体Cfの破壊をも回避することができる。
時効処理は、シリンダブロツク素材Smを160〜
220℃に加熱してその状態に4〜8時間保持し、
次いで炉冷するものである。
前記シリンダブロツク素材Smに研削加工を施
して各第4キヤビテイC4と砂中子59の各突起
62との協働により成形された各突出部64を除
去すると、突起62により連通口7が、また相隣
る連通口7間に補強デツキ部8がそれぞれ形成さ
れ、さらに砂抜きを行うことにより水ジヤケツト
6が得られる。その後補強筒Tを切削加工により
除去してシリンダボア4を形成すると、第1〜第
3図に示すように、シリンダボア4回りを筒状繊
維強化複合体Cfより構成されたシリンダブロツ
クSが得られる。
なお、前記繊維成形体Fは一種類の強化用繊維
より成形してもよい。また前記シリカゾルの代わ
りにアルミナゾル単体、またはシリカゾルとアル
ミナゾルとの混合物を用いることも可能である。
さらに前記アルミニウム合金の外にマグネシウム
合金等を用いることもできる。
C 発明の効果 本発明によれば、鋳込み過程において繊維成形
体の破壊を回避し、また鋳込み後の冷却過程およ
び溶体化処理においては繊維強化複合体の破壊を
回避して、シリンダボア回りを確実に繊維強化し
た高強度な軽合金製シリンダブロツクを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1乃至第3図は本発明により得られたサイア
ミーズ型シリンダブロツクを示し、第1図は上方
から見た斜視図、第2図は第1図−線断面
図、第2A図は第2図a−a線断面図、第3
図は下方から見た斜視図、第4図はサイアミーズ
型シリンダブロツク素材を上方から見た斜視図、
第5図は鋳造装置の型開き時の縦断正面図、第6
図は鋳造装置の型閉め時の縦断正面図、第7図は
第6図−線断面図、第8図は第7図−線
断面図、第9図は砂中子を上方から見た斜視図、
第10図は第9図−線断面図、第11図は繊
維成形体の斜視図、第12図は溶湯の圧力と時間
の関係を示すグラフである。 C1……繊維強化複合体成形部としての第1キ
ヤビテイ、Cf……繊維強化複合体、F……繊維
成形体、M……金型、Sm……サイアミーズ型シ
リンダブロツク素材、T……補強筒。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シリンダボア回りを、筒状繊維成形体と軽合
    金マトリツクスとよりなる繊維強化複合体より構
    成した繊維強化軽合金製シリンダブロツクを製造
    するに当り、前記繊維成形体の内側に軽合金製補
    強筒を嵌合して、該繊維成形体および補強筒を予
    熱することによりそれらの間のクリアランスを僅
    少にする工程と;それら繊維成形体および補強筒
    を、金型の繊維強化複合体成形部に配設し、前記
    軽合金マトリツクスの溶湯を用いてシリンダブロ
    ツク素材を圧力鋳造すると同時に前記繊維成形体
    に前記溶湯を充填して前記繊維強化複合体を得る
    工程と;前記シリンダブロツク素材に溶体化処理
    に次いで時効処理を施す工程と;前記シリンダブ
    ロツク素材より前記補強筒を除去して前記シリン
    ダボアを形成する工程と;を用いることを特徴と
    する繊維強化軽合金製シリンダブロツクの製造方
    法。 2 前記軽合金マトリツクスおよび前記軽合金製
    補強筒はアルミニウム合金より構成される、特許
    請求の範囲第1項記載の繊維強化軽合金製シリン
    ダブロツクの製造方法。
JP16673187A 1987-07-03 1987-07-03 Production of cylinder block made of fiber reinforced light alloy Granted JPS6411063A (en)

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