JPH047466Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は天井埋込形空気調和機に関し、特にそ
の保守・点検のための構造に関するものである。

（従来の技術） 第２図は従来の天井埋込形空気調和機の構成例
を示す簡略断面図である。この空気調和機は破線
Ｃで示した面に対して左右対象であつて、同図は
その片側半分を示したものである。

１は空気調和機の本体で、天井板２の上部に埋
込まれ、吊ボルト３によつて上部の梁（図示せ
ず）等に取付けられている。４は天井に露出して
本体１に取付けられたパネルである。パネル４の
中央部の下方には吸入口５を備え、該吸入口５の
近くの本体１中に送風機６が設置されていて、矢
印で示すように該吸入口５から室内の空気を吸入
して本体１の側部側に向けて吹出すようになつて
いる。そしてその吹出し側に熱交換器７が設置さ
れていて、熱交換器７中を循環する熱媒体と吹出
された空気との間で熱交換される。

パネル４はまた、本体１の側部側との対応位置
に吹出し口８を備え、該吹出し口８には風向調節
用のルーバ９が取付けられていて、熱交換器７を
通過した空気を室内に吹出すとともに、その吹出
し方向を調節可能にしている。１０は送風機６を
取付け且つその吸入側と吹出し側とを隔離させて
いる送風機取付板で、送風機６はねじ締めにより
該送風機取付板１０に取付けられている。１１は
熱交換器７のドレン皿である。

上記の空気調和機において、ルーバ９を同図に
示すように下方外周寄りに傾斜させておくと、吹
出し口８における風向きは該傾斜に準じた方向と
なり、室内における空調空間が拡大される。そし
て矢印で示すように回動させてその方向を調節す
ると、空調空間が調節される。

そして送風系統に異常発生した場合などに、送
風機６を保守・点検する場合は、パネル４を本体
１から外した後に、送風機６の取付けねじをゆる
めて、該送風機６を送風機取付板１０から外して
下ろすようにしている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら上記の空気調和機においては、送
風機が天井板の上部の奥まつた位置にあつて点検
が容易でないために、保守・点検の際は送風機を
送風機取付板から外して下ろす必要があり、その
取外し作業が厄介であり、また、送風機を不自然
な作業姿勢で支えながら取外すことになるので、
取外し作業中に送風機を落下させる危険性もあつ
た。

本考案の目的は、送風機を空気調和機の本体側
に取付けたままで保守・点検が可能な位置まで移
動可能にした天井埋込形空気調和機を提供するこ
とにある。

また他の目的とするところは、送風機を移動可
能にすることによつて空気調和機本体内部品の保
守・点検も容易にすることにある。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記問題点を解決するために、天井板
の上部に埋込まれた本体の中央部の下方にあつて
室内から空気を吸入する吸入口と、前記吸入口か
ら本体の両側部側に向けて分岐され該両側部側の
下方においてそれぞれ室内に通ずる空気通路と、
前記各空気通路の前記両側部側の下方において室
内との間を隔てて本体にそれぞれ取付けられた板
状の部材であつて室内に対して開口した空気口を
有し本体の中央側から側部側に向けて上り傾斜し
た送風機取付板と、送風吹き出し側を前記空気口
と結合させて前記各送風機取付板の本体内部側に
取付けられ前記空気口に向けて送風する送風機
と、前記吸入口と各送風機との間において前記吸
入された空気と循環する熱媒体との間で熱交換す
る熱交換器とを備え、前記各送風機取付板は前記
側部側の端部が本体に枢着され、前記各送風機が
室内に対して露出する位置まで前記取付状態の傾
斜を急峻にする方向に回動可能にした空気調和機
とした。

（作用） 本考案によれば、各送風機は、本体の中央側か
ら側部側に向けて上り傾斜した送風機取付板の空
気口と送風機の送風吹出し側とを結合させて該各
送風機取付板の本体内部側に取付けられていて、
その送風吹出し方向は送風機取付板の前記傾斜に
よつて、空気調和機の取付け位置に対して下方の
両側に拡がる方向に傾斜しており、保守・点検の
際には前記送風機取付板は、前記側部側の端部を
回動中心として、前記取付状態の傾斜を急峻にす
る方向に回動されることにより、該送風機取付板
に取付けられた送風機を室内に対して露出させ
る。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を示す天井埋込形空
気調和機の簡略断面図である。

該空気調和機は破線Ｃで示した面に対して左右
対称になつており、同図において左右対称の部分
には添え字ａ或はｂを付した同一数字の符号で示
している。

１２は空気調和機の本体で、天井板１３の上部
に埋込まれ、吊ボルト１４によつて上部の梁（図
示せず）等に取付けられている。

１５はパネルで天井に露出させて後記するねじ
締めによつて本体１２に取付けられている。本体
１２の中央部の下方にはパネル１５を通して室内
に通ずる吸入口１６を備え、該吸入口１６の天井
露出部にはグリル１７が取付けられている。本体
１２の両側部側の下方にはパネル１５を通して室
内に通ずる吹出し口１８ａ，１８ｂを有し、本体
１２は、矢印で示すように、吸入口１６からそれ
ぞれの吹出し口１８ａ，１８ｂ側に分岐する空気
通路１９を形成している。そしてその吹出し口１
８ａ，１８ｂは本体１２の取付け位置に対して下
方の両側に拡がる方向に傾斜させている。

２０ａ，２０ｂは多翼形の送風機で、各送風吹
出し側２１ａ，２１ｂを吹出し口１８ａ，１８ｂ
側に向けて本体１２の内部側に設置され、吸入口
１６から吸入された室内の空気をその回転軸の側
部から吸入して吹出し口１８ａ，１８ｂに吹出
す。

２２ａ，２２ｂは吸入口１６から吸入された空
気が分岐する際に渦が生じないようにした整流板
である。２３ａ，２３ｂは熱交換器で、吸入口１
６と各送風機２０ａ，２０ｂとの間で本体１２と
一体に固定された熱交換器取付板２４ａ，２４ｂ
に取付けられ、熱交換器２３ａ，２３ｂ中を循環
する熱媒体と、該熱交換器２３ａ，２３ｂを通過
する空気との間で熱交換させる。２５ａ，２５ｂ
は各熱交換器２３ａ，２３ｂのドレン皿である。

２６ａ，２６ｂは送風機取付板で、空気通路１
９のそれぞれに分岐にされた各吹出し口１８ａ，
１８ｂの近傍において、該空気通路１９と各吹出
し口１８ａ，１８ｂとの間を隔離させて、本体１
２の各側部側にある一端２７ａ，２７ｂが蝶番２
８ａ，２８ｂによつて本体１２に枢着され、本体
１２の中央側にある他端２９ａ，２９ｂがパネル
１５とともに、ねじ３０ａ，３０ｂによつて各熱
交換器取付板２４ａ，２４ｂに取付けられてい
る。該各送風機取付板２６ａ，２６ｂの送風機取
付面は、本体１２の中央側の各端部２９ａ，２９
ｂ側から、側部側の各端部２７ａ，２７ｂ側に向
けて上り傾斜（同図に角度θで示す）になつてい
て、その傾斜方向は各吹出し口１８ａ，１８ｂの
吹出し方向とほぼ直交した方向をなしている。そ
して各送風機２０ａ，２０ｂの吹出し側２１ａ，
２１ｂに対向させた空気口３１ａ，３１ｂを有
し、該吹出し側２１ａ，２１ｂと空気口３１ａ，
３１ｂを結合させて各送風機２０ａ，２０ｂがね
じ締めされて本体１２の内部側に取付けられてい
る。送風機２０ａ，２０ｂの吹出し方向は、送風
機取付板２６ａ，２６ｂの傾斜面と直交させてい
て、各吹出し口１８ａ，１８ｂの方向とほぼ一致
している。上記の各送風機２０ａ，２０ｂと吹出
し口１８ａ，１８ｂによる吹出し方向は、所望の
拡がりを得るための適正の傾きに設定される。３
２ａ，３２ｂは吹出し口１８ａ，１８ｂの隔壁
で、各一端がパネル１５に固定され、各他端が各
送風機取付板２６ａ，２６ｂの吹出し側２１ａ，
２１ｂに当接させていて、吹出し口１８ａ，１８
ｂと、天井板３の上部における外部とを塞いでい
る。

第３図は一方の送風機取付板２６ａに一方の送
風機２０ａのユニツトを取付けた状態を示す斜視
図である。

送風機２０ａのユニツトは、両軸の駆動モータ
３３ａによつて駆動される各送風機２０ａ−１，
２０ａ−２よりなり、これらは第１図に示すよう
に送風機取付板２６ａに固定されている。そして
蝶番２８ａは、Ｌ形の通しピン３４ａを挿通して
本体１２側と送風機取付板２６ａ側との間を枢着
していて、該挿通後はスナツプリング（図示せ
ず）等によつて抜け防止している 第１図の空気調和機において、吸入口１６から
吸入された空気は本体１の中央部から側部側に分
岐されて、各熱交換器２３ａ，２３ｂを通過して
熱交換され、各送風機２０ａ，２０ｂの吹出し側
２１ａ，２１ｂから各吹出口１８ａ，１８ｂに向
けて室内に吹出される。該吹出し側２１ａ，２１
ｂの吹出し方向は各吹出し口１８ａ，１８ｂとと
もに本体１２の下方の両側に拡がる方向に傾斜し
ていて、該吹出し方向をもつて室内に吹出されて
空調空間が拡大される。

各送風機２０ａ，２０ｂを保守・点検する場合
は、グリル１７を外し、パネル１５を手で支えな
がらねじ３０ａ，３０ｂをゆるめると、各送風機
取付板２６ａ，２６ｂの他端２９ａ，２９ｂはパ
ネル１５とともに、熱交換器取付板２４ａ，２４
ｂから取外され、パネル１５の支え位置を下げる
と、各送風機取付板２６ａ，２６ｂは各蝶番２８
ａ，２８ｂを回動中心として回動し、各送風機２
０ａ，２０ｂの重心が各蝶番２８ａ，２８ｂの真
下に来ると停止する。該停止位置で、各送風機２
０ａ，２０ｂは室内に対して露出し、本体１２中
から天井板１３の下方に露出した位置となつて保
守・点検が容易な状態になる。また、各熱交換器
２３ａ，２３ｂの点検を必要とする場合にも、こ
の状態のままで点検することができる。なお、送
風機２０ａ，２０ｂが異常のために交換を要求さ
れた場合には、蝶番２８ａ，２８ｂの通しピン３
４ａ，３４ｂを抜いて、交換することができる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、空気調和
機の空気通路における両側部側の吹出し口の近く
に送風機を設置して、該送風機の送風吹出し方向
を空気調和機の取付け位置に対して下方の両側に
拡がる方向に傾斜させたので、該送風機から吹出
された風向きを外部で変えることなしに空調空間
を通過し拡大させることができ、保守・点検の際
には、前記送風機取付板は、前記側部側の端部を
回動中心として、回動して送風機が室内側に露出
させるようにしたので送風機が本体側に取付けら
れたままで該送風機の保守・点検が可能となり、
送風機を取外すことによる落下などの危険性もな
くなる。また空気調和機本体内の各部品の保守・
点検も送風機を移動して行えるのでやり易くな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す天井埋込形空気
調和機の簡略断面図、第２図は従来の天井埋込形
空気調和機の簡略断面図、第３図は送風機の取付
け状態を示す斜視図である。 １２……本体、１３……天井板、１６……吸入
口、１８ａ，１８ｂ……吹出し口、１９……空気
通路、２０ａ，２０ｂ……送風機、２３ａ，２３
ｂ……熱交換機、２６ａ，２６ｂ……送風機取付
板、２８ａ，２８ｂ……蝶番、３０ａ，３０ｂ…
…ねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 天井板の上部に埋込まれた本体の中央部の下方
   にあつて室内から空気を吸入する吸入口と、 前記吸入口から本体の両側部側に向けて分岐さ
   れ該両側部側の下方においてそれぞれ室内に通ず
   る空気通路と、 前記各空気通路の前記両側部側の下方において
   室内との間を隔てて本体にそれぞれ取付けられた
   板状の部材であつて室内に対して開口した空気口
   を有し本体の中央側から側部側に向けて上り傾斜
   した送風機取付板と、 送風吹き出し側を前記空気口と結合させて前記
   各送風機取付板の本体内部側に取付けられ前記空
   気口に向けて送風する送風機と、 前記吸入口と各送風機との間において前記吸入
   された空気と循環する熱媒体との間で熱交換する
   熱交換器とを備え、 前記各送風機取付板は前記側部側の端部が本体
   に枢着され、前記各送風機が室内に対して露出す
   る位置まで前記取付状態の傾斜を急峻にする方向
   に回動可能にしている ことを特徴とする天井埋込形空気調和機。