JPH0474580B2 - - Google Patents

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JPH0474580B2
JPH0474580B2 JP58016732A JP1673283A JPH0474580B2 JP H0474580 B2 JPH0474580 B2 JP H0474580B2 JP 58016732 A JP58016732 A JP 58016732A JP 1673283 A JP1673283 A JP 1673283A JP H0474580 B2 JPH0474580 B2 JP H0474580B2
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  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車両の制動力の調整に連係して変速比
の調整が行なわれるように構成された制御装置に
関するもので、例えば車両を最短停止距離で停止
すべく制動力の調整がなされているような段階に
おいて、当該車両の原動機−走行輪の駆動系にお
ける駆動トルクを最適に制御しようとするもので
ある。
〔従来の技術〕
アンチスキツド制御装置、アンチロツク制御装
置などと呼ばれる車輪の制動力を調整する制動力
調整装置が知られている。この制動力調整装置
は、一般にブレーキペダルが急に踏み込まれた場
合に作動し、制動力を調整(ブレーキ圧力を断続
的に緩める)することによつて、車輪の回転速度
を車体の移動速度に対して所定のスリツプ率の範
囲に維持するように作動する。そして、この制動
力調整装置においては、制動力の調整中に車輪の
回転速度が繰り返し測定される。この車輪の回転
速度の変化から制動力の調節結果がフイードバツ
クされ、それに基づいて制動力が精密に調整され
る。
このような制動力の調整中に、車輪に加わる駆
動トルクが変動することは、制動力調整装置の作
動に対して外乱となるため好ましくない。
このため、例えば特開昭51−102773号公報に
は、制動力調整装置による制動力の調整中には、
変速機の変速位置を高速側の所定の位置に固定す
ることにより、エンジンブレーキの作用を弱める
とともに駆動トルクの変動を防止することが提案
されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ここで、上記従来装置においては、制動力調整
装置が作動中であるときパルス信号が出力され、
このパルス信号が出力されたことのみを条件とし
て変速機の変速パターンを切り換えていた。この
ため、例えば制動力調整装置に異常が生じ、誤つ
てパルス信号が出力された場合であつても、変速
機の変速位置が高速側の所定の位置に固定されて
しまう。この場合には、通常走行時のエンジンブ
レーキ性能及び加速性能に悪影響を及ぼす。
そこで本発明では、制動力調整装置が駆動トル
クの変動による外乱の影響を受けることなく良好
な制動力の調整作動を実行可能とするとともに、
制動力調整装置と変速比調整装置との連係作動を
実現する際の不具合を解消することが可能な車両
用制御装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明による車両
用制御装置によれば、 車両の制動力を調整する制動力調整装置と、 前記車両の原動機−走行輪間の変速装置の変速
比を調整する変速比調整装置とを備える車両用制
御装置において、 前記変速比調整装置が、 前記制動力調整装置の作動状態を監視する監視
手段と、 この監視手段によつて監視される前記作動状態
に基づいて、前記制動力調整装置が正常に作動し
ているか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段によつて前記制動力調整装置が正
常に作動していると判定され、かつ前記制動力調
整装置より制動力の調整に関連する所定の信号が
出力されたときにのみ、前記変速比調整装置によ
つて前記変速比を所定の状態に設定させる設定手
段とを備えることを特徴とする。
設定手段は、制動力調整装置が制動力の調整作
動を開始した場合に、望ましくは変速比を最高速
状態に保持する。変速機構が電気制御可能な直結
機構(ロツクアツプ機構)を有している場合、設
定手段は、この直結機構を解除することが望まし
い。
監視手段による制動力調整装置の作動状態の監
視は、いくつかの方法を採用することができる。
例えば、制動力調整装置が自己診断機能を有して
いる場合には、その診断結果を示す出力信号を監
視するだけで良い。また、制動力調整装置と同等
の演算を実行し、その演算結果を比較しても良
い。例えば、制動力調整装置及び変速比調整装置
においては、両者とも車両の走行速度の演算が行
われる。従つて、監視手段は、変速比調整装置に
おいて演算された演算値と制動力調整装置から受
け取つた演算値とを比較照合することができる。
もちろんこの他の適当な演算値の比較を行うこと
もできる。また、2以上の項目の演算値について
監視することも可能である。
好ましい実施例によると、変速比調整装置は、
制動力調整装置との連係作動からの離脱を自発的
に行う。このことは、制動力制御装置からの指令
信号に基づいて離脱する場合よりも、制動力調整
装置に万一の支障を生じた場合に連係誤作動を防
ぎ得る。
このため、変速比調整装置は、車両の走行速度
が、制動力調整装置の作動により、或いは仮に制
動力調整装置が有効でなくなつたとしてもブレー
キ踏圧の効果により、充分低い速度に低下した場
合に、連系作動から離脱する。
さらに、変速比調整装置は、制動力調整装置に
よる制動圧力調整開始後に、制動力調整装置の制
御能力として通常充分に低い速度に低下すること
が気体されている時間が経過するか、あるいは期
待されている走行距離を走行すると連係作動から
離脱する。
実施例では、上記2つの離脱方式を併用し、確
実に離脱が行われるように構成されている。
制動力調整装置は、車両制動時だけでなく加速
スリツプ対策としても効果を有する。すなわち、
例えば車両の前後輪の一方が駆動輪であり、制動
力調整装置により前後輪の両回転速度を測定する
場合に、制動力調整装置は従動輪と駆動輪との回
転速度から加速スリツプを検出することができ
る。変速比調整装置は、制動力調整装置より加速
スリツプ信号を受けるように接続され、加速スリ
ツプ信号を受けたときに駆動トルクが減少するよ
うに変速位置をシフトアツプする。
〔作用〕
上記構成により、変速比調整装置における監視
手段が制動力調整手段の作動状態を監視する。こ
の監視においては、例えば制動力調整装置から与
えられる指令信号、または制動力調整装置によつ
て電気的に駆動される作動機構に印加される駆動
信号の状態より正常に作動しているか否かが判別
される。そして、制動力調整装置が正常作動して
おり、かつ制動力の調整を開始した場合にのみ、
変速比調整装置の設定手段により変速比が制動力
調整装置の作動が良好に行われるように設定され
る。
〔効果〕
以上のように本発明によれば、制動力調整装置
の作動状態を監視し、正常に作動していると判定
し、かつ制動力の調整を開始した場合にのみ変速
比を所定の状態に設定しているので、制動力調整
装置が駆動トルクの変動による外乱の影響を受け
ることなく良好な制動力の調整作動を実行するこ
とが可能となる。さらに、制動力調整装置の誤作
動による不適切な変速比の設定を確実に防止する
ことができるので、制動力調整装置と変速比調整
装置とを連係作動の不具合を防止し信頼性の向上
を図ることが可能となる。
〔実施例〕
以下本発明を図示の実施例について詳細に説明
する。第1図は本発明の全体構成図で、制動力を
調整する制動力調整装置としての第1の電気制御
装置と、原動機−走行輪間の変速装置の変速比
(伝達トルク)を調整する変速比調整装置として
の第2の電気制御装置とを具備し、これら第1、
第2の電気制御装置が連係作動制御装置として構
成された車両が示されている。
図示された車両において、符号10,12,1
4,16で示される4つの走行輪は、駆動輪1
0,12と従動輪14,16とに分れる。原動機
である内燃機関18が、走行輪10〜16と共通
の車体ボデー(図示せず)に固定保持され、内燃
機関18の出力軸に生じる回転トルクは、アクセ
ルペダル38の踏込み操作によつて変化され、変
速装置20、プロペラシアフト22、および最終
減速機構24を介して、駆動輪10,12に伝達
される。
公知の機構になる変速装置20は、トルクコン
バータ26、変速機構28、および電磁駆動タイ
プの直結クラツチ30から構成されている。変速
機構28は図示しないが歯車機構と、これを駆動
するためのシフトレンジ切換レバー32に連動す
るマニアル弁を包含した流体駆動経路と、その流
路を開閉して1速、2速、3速、および4速のギ
ヤ比を実現する2つの電磁弁34,36とから構
成される。シフトレンジ切換レバー32は、上記
1速〜4速のギヤ比を切換可能なDレンジの他、
1速と2速の間でギヤ比を切換可能とするSレン
ジと1速に固定するLレンジ、さらに電磁弁3
4,36の付勢と消勢に係わりなく、流体駆動経
路の状態をニユートラル、後進、駐車の間で選択
することができるようになつている。直結クラツ
チ30は、電気的に付勢されたときにトルクコン
バータ26の入出力軸を直結して、機関18の回
転トルクを変速装置28に直接に伝達する。
これも公知である油圧式の制動装置が設けら
れ、ブレーキペダル40の踏込み操作により制動
圧力を発生する共通のブースタ42より発生され
た制動圧力は、圧力配管を経由して、各走行輪1
0〜16毎に設けられた制動機構44,46,4
8,50に伝えられる。制動圧力の調整装置とし
て、電磁作動型の調整弁52,54,56が、圧
力配管に設けられている。これらの調整弁52〜
56は、電気的に付勢されたときに、制動油をバ
イパスさせて各制動機構における制動力を減じ
る。この装置では、調整弁52が駆動輪10,1
2に対して共通に機能し、調整弁54,56が
各々1つの従動輪14,16に対して機能するよ
うに配置されている。
第1の電気制御装置58は、調整弁52〜56
を包含し、走定輪の現実の回転速度から走行輪の
スリツプ量を推測し、スリツプ量が過度にならな
いように継続的に調整弁52〜56を付勢し、制
動力を減じるフイードバツク制御系を構成してい
る。詳述すると電気制御装置58は、予め設定さ
れたプログラムに従つてデータ処理を実行する制
御用コンピユータ60を備え、駆動輪の回転速度
検出器62と各従動輪の回転速度検出器64,6
6から、各々の走行輪の回転速度に対応したパル
ス信号IP1,IP2,IP3が供給され、これらの
パルス信号の時間間隔に対応したデータ処理を実
行し、その結果として調整弁52〜56に断続的
に付勢状態となる出力信号OP1,OP2,OP3
を与える。
制御用コンピユータ60は、自分自身を含むフ
イードバツク制御系の作動状態ないしは各構成部
品の状態を点検し、不具合のあるときに消勢レベ
ル(接地レベル)となる点検信号OCを出力線6
8に発生するプログラムを有している。出力線6
8には、正電圧源との間に表示装置70が接続さ
れ、不具合の存在が制御用コンピユータ自身よつ
て車両計器盤に表示される。
制御用コンピユータ60はまた、ブレーキペダ
ル40の踏込み操作量が一定以上のときに作動す
る検出スイツチ72から検出信号BSを受けて、
ブレーキペダルが踏込まれかつ制動力が調整段階
である作動状態にあるかどうかをプログラムによ
り判定し、作動状態にあるときに付勢レベルとな
る作動信号OOを出力線74に生じる。
さらに制御用コンピユータ60は、現実の車速
を示す車速データ信号OVを出力線76に生じる
プログラム、および駆動輪と従動輪との回転速度
差を演算し、駆動輪回転速度が従動輪回転速度に
対して著しく増加するときに付勢レベルとなる加
速スリツプ信号OAを出力線78に生じるプログ
ラムを備えている。
出力線76は、高周波数のデータが送信される
ため、必要により同軸ケーブル使用した伝送線路
とする。
第2の電気制御装置80は、電気信号によつて
付勢される前記の直結クラツチ30、および変速
用の2つの電磁弁34,36を包含しており、車
両の現実の走行速度および負荷状態を測定し、こ
れらの測定データに基づいて駆動トルクおよび/
または燃料消費率が最適となるように予め考慮さ
れた変速パターン、および直結パターンに従うよ
うに、直結クラツチ30、および電磁弁34,3
6の付勢と消勢を制御するように構成される。
詳述すると第2の電気制御装置80も、予め設
定されたプログラムに従つてデータ処理を実行す
る制御用コンピユータ82を備えている。制御用
コンピユータ82は、プログラムに従うデータ処
理により、第1の電気制御装置58と共用される
駆動輪の回転速度検出器62から車両速度の代表
値として使用するための走行輪の回転速度に対応
したパルス信号IP1を受けて現実の走行速度を
示すデータを作成する一方、アクセルペダル38
の踏込み操作量に対応した電気信号を生じる負荷
検出器84からの負荷信号ILを受けとる。さら
に制御用コンピユータ82はシフトレンジ切換レ
バー32の操作位置に対応して電気信号を発生す
るレンジ検出器86からレンジ信号IRを受けと
る。制御用コンピユータ82は、レンジ信号IR
が示すレンジD,S,L毎に予め設定された走行
速度−負荷特性曲線をプログラム上で参照し、直
結クラツチ30、および電磁弁34,36が付勢
と消勢のいずれに属するかを読み出して、直結制
御信号OLおよび変速制御信号OS1,OS2を直
結クラツチ30、および電磁弁34,36に与え
る。
制御用コンピユータ82は、さらに第1の電気
制御装置58と連係作動をなすべく、制御用コン
ピユータ60からの点検信号OC、作動信号OO、
車速データ信号OV、および加速スリツプ信号
OAを受けとり、それらの信号レベルに対応して
前記の速度−負荷特性曲線が実質的に変更される
ように作動する。
すなわち、制御用コンピユータ82は、直結制
御処理と変速制御処理の合間に、点検信号OCの
状態を調べ、第1の電気制御装置58が正常作動
しているか否かを決定する。また、車速データ信
号OVの受信内容と、共用されている回転速度検
出器62からのパルス信号IP1から作成した自
己の車速データと、比較し両データ間に矛盾がな
いかを調べ、これにより第1の電気制御装置58
および第2の電気制御装置80の双方が正常作動
しているか否かを決定する。
制御用コンピユータ82は、上記の判定の結果
において、正常作動であることが認識されている
間、作動信号OOに対して待機状態となる。この
待機状態において、作動信号OOが付勢レベルに
なると、制御用コンピユータ82は変速装置28
の電磁弁34,36に対して最高速ギヤ、つまり
4速を得るための付勢または消勢のレベルを付与
した変速制御信号OS1,OS2を発生し、またこ
れとほぼ同時に直結クラツチ30の連結状態を解
除する消勢レベルの直結制御信号OLを発生する。
また制御用コンピユータ82は、上記の判定の
結果において、正常作動であることが認識されて
いる間、加速スリツプ信号OAに対しても待機状
態であつて、この加速スリツプ信号OAが加速ス
リツプ状態を示す付勢レベルであると、そのとき
の変速装置28の変速ギヤ比が1速、または2速
である場合に限り、次段のギヤ比に移行すべく変
速制御信号OS1,OS2を発生する。
次に本装置に適応される2つの制御コンピユー
タ60,82の役割について、それぞれ制御プロ
グラムの成立ちとともに、詳細に説明する。第1
の制御コンピユータ60、第2の制御コンピユー
タ82とも、通常マイクロコンピユータと呼称さ
れ、CPU、ROM、RAM、入出力装置、バス、
クロツク回路等を包含し、各種のデジタル計算、
判別、記憶とその読出、フリーランカウンタを用
いた時間測定、および複数個の割込入力に対する
受付、の各処理がROMに予め設定する制御プロ
グラムに従う手順で実現されるものでものであれ
ばよい。
第2図は第1の制御用コンピユータ60の制御
プログラムの概要を示している。制御コンピユー
タ60は、車両のキースイツチ(図示せず)の投
入によつて、給電され作動可能状態になる。コン
ピユータ60は、パワーオンリセツト作動により
スタートステツプ100より制御プログラムの実
行を開始する。初期セツトステツプ102で、内
部レジスタ、カウンタ、フラグ、メモリ等の内容
および出力線68,74,76,78に与える電
気信号のレベルを初期値にセツトする。また、図
示しない割込プログラムの受付を許可する。
割込プログラムにおいては、回転速度検出器6
2,64,66からの各パルス信号IP1,IP2、
IP3を個別に監視する。すなわち、各々のパル
ス信号の立ち上りに応答して、その立ち上り時点
をフリーランカウンタのデータを個別に記憶す
る。また、その時点の記憶データと先に記憶され
たデータとの差、つまり時間差を計算し、駆動輪
および各従動輪の回転速度の逆数を表すデータと
して記憶する。
点検ステツプ104が実行される前に、ステツプ
103で出力線68の点検信号OCを付勢レベルとす
る。つまり、この実施例では出力線68が点検信
号OCだけでなく車速データ送信の際のスタート
信号の送信にも使用されるようになつており、ス
テツプ103はこのスタート信号が点検信号と混同
されないように、仮に付勢されたとしてもわずか
の時間(約1ms)で消勢することを意味してい
る。
点検ステツプ104、106において、コンピユータ
60自身の内部データが、点検される。点検項目
の1つとして、各回転速度検出器62〜66の時
間差データがある。例えば、ブレーキペダル検出
スイツチ72からの検出信号BSが、ブレーキペ
ダル40の非踏込み操作を表わしているときに、
各回転速度検出器の時間差データ(前記割込みプ
ログラムで作成されるデータ)を相互に比較し、
他との差が予め設定された割合を越えるものがあ
る場合、その回転速度検出器、信号伝送線、ある
いはその時間差を得るプログラムに異常があると
判定する。
他の点検項目として、初期セツトステツプ102
を実行した直後に、内部レジスタ、カウンタ、フ
ラグ、メモリ等の内容が、予め決められた値にな
つているかを判定することもできる。
点検の結果、異常があると、ステツプ108で調
整弁52〜56に対する出力信号OP1,OP2,
OP3をすべて消勢状態とする。このことにより、
第1の電気制御装置58は制動力を減じる作動を
自発的に停止する。さらにステツプ110で、出力
線68の点検信号OCを消勢レベルとすることで、
表示装置70を点灯させる。コンピユータ60
は、この状態で停止モード(ハルト)となり、割
込プログラムの受付も停止し、再度キースイツチ
を投入するまで、停止状態を維持する。
点検の結果、異常がない場合は、ステツプ114
以下のプログラムを実行する。ステツプ114、
116、118、120は、各々ルートR1,R2,R3,
R4に従い、3種のスキツド制御ステツプ122、
124、126と、ステツプ130以下の補助プログラム
とを時分割で、かつ一定周期で実行するための、
タイミングチエツクステツプを表す。この実施例
において、各ルートR1,R2,R3,R4が
各々10ms周期で実行されるように、10msを3対
3対1に分割した時間割合が設定されている。
すなわち、ステツプ114、116、118、120では、
10msの範囲内で、0msを起点として、3ms経過
時、6ms経過時、および9ms経過時に、各々ルー
トR1,R2,R3,R4に沿つてプログラムの
実行を分岐する。なお、時間経過の測定は、フリ
ーランカウンタのオーバーフロー毎に割込プログ
ラム(図示しないが一般にタイマ割込と呼ばれる
処理方法)を起動して、RAMに設定してある計
時カウンタの内容を10msの範囲内で繰り返し更
新することで実現される。
10msの範囲における0ms経過時、3ms経過時、
および6ms経過時には、各々予め3msの範囲以内
で実行されるようにプログラムされたスキツド制
御ステツプ122、124、126とそれに続く作動信号
発生ステツプ128が実行され、9ms経過時から
10ms(0ms)に到達するまでの間にステツプ130、
132が実行される。
スキツド制御ステツプ122、124、126は、各々
第3図に示す処理を各走行輪毎に(調整弁52,
54,56毎に)個別に実行するようにプログラ
ムされている。例えば、ステツプ122では駆動輪
10,12に関して調整弁52の付勢と消勢とを
制御する。またステツプ124、126ではそれぞれ従
動輪14,16について調整弁54,56の付勢
と消勢とを制御する。
第3図についてスキツド制御ステツプを説明す
ると、まずステツプ134では、割込プログラムで
求めた走行輪の回転速度の逆数を示す時間差デー
タTnの逆数に比例定数K1を乗じて、走行輪の
回転速度を示すデータVwを演算する。次いでス
テツプ136で、近似車体速度を示すデータVtoを、
それまでの近似車体速度データから予め設定した
一定の減速度分αを差し引いた値と、回転速度デ
ータVwとのうちで大きい方の値から選択する。
なお、詳述しないが、減速度αは実際の減速状態
を測定または推定して、その値を修正することが
できるものである。
ステツプ138では、この近似車体速度データ
Vtoから予め設定した一定の速度ΔVを減じて基
準速度を示すデータVsを計算する。ステツプ
140、142では、回転速度データVwと基準速度デ
ータVsとの比較により、調整弁(52,54,
56のうちの該当するもの)の付勢と消勢を選定
し、ステツプ144で付勢、ステツプ146で消勢とな
る出力信号(OP1,OP2,OP3のうちの該当
するもの)を発生する。
かくて、第1の制御用コンピユータ60は、各
走行輪のスリツプ量が過度にならないように、各
調整弁の付勢と消勢とを10ms間隔で監視し制御
することで、制動力を調整し、ブレーキペダル踏
込み操作後、車両を最短走行距離で停止させる。
作動信号発生ステツプ128の詳細が第4図に示
されている。第4図において、ステツプ148で検
出スイツチ72からの検出信号BSをチエツクし、
これがブレーキの非操作状態を示す消勢レベルで
あると、ステツプ150で出力線74の作動信号
OOを消勢する。またステツプ152で、RAMに設
定した計数カウンタ(タイマ割込プログラムによ
りデータが更新され、その内容は時間を表す)を
リセツト(0クリア)する。
ステツプ154で、調整弁52〜56の少なくと
も1つに付勢信号が与えられているかどうかがチ
エツクされる。もし、付勢信号が与えられている
と、ステツプ156で出力線74の作動信号OOを
付勢する。また、付勢信号が与えられていると、
その都度ステツプ158で計時カウンタをリスター
ト(0クリア後スタート)する。
付勢信号が与えられていない場合、ステツプ
160で計時カウンタの内容が予め設定した値に達
したかどうか、つまり付勢信号が与えられている
ときにステツプ158でスタートされた計時が、調
整弁の消勢後所定の時間が経過したかどうかが判
定される。例えば、調整弁が付勢から消勢に切換
わつて数秒が経過すると、ステツプ162で出力線
74の作動信号OOを消勢する。また、ステツプ
164で計時カウンタのデータ更新を停止させる。
このようにして、第1の制御用コンピユータ6
0は、ブレーキ操作時であつて、調整弁が通常の
スキツド制御に従つて断続的に付勢されている間
は、出力線74の作動信号OOを付勢状態に維持
する。ブレーキ操作時であつても、付勢が停止し
た後予め設定した時間が経過すると、作動信号
OOは消勢され、またブレーキの非操作時は直ち
に作動信号OOは消勢される。
従つてこの実施例において、作動信号OOは、
制動油圧の第1回目の減少動作の発生と同調して
発生される。路面摩擦係数が小さく滑り易い路面
では、ブレーキ操作の効果による走行輪の回転速
度の減少速度が速く、このためブレーキ操作後に
調整弁が第1回目の付勢がされるまでの時間も短
かくなり、作動信号OOの発生タイミングも速め
られる。しかし、必要により作動信号OOの発生
をさらに速くすることも可能である。例えば、調
整弁の付勢の継続が、走行輪の回転速度の減少度
合に基づいてなされることから、この様子を監視
することにより、調整弁が付勢されるよりも前段
階で作動信号OOを発生させるようにすることが
できる。
先に説明したプログラムの時分割のための計時
カウンタの内容が、10msの範囲内の9ms経過時
点に達すると、第2図の車速データ送信ステツプ
130および加速スリツプ信号発生ステツプ132が実
行される。
第5図は、車速データ送信ステツプ130の詳細
を示す。制御用コンピユータ60は、ここで車速
データの作成と、そのデータのシリアル送信とを
時分割で行なう。まずステツプ180で、データ作
成モードにあるか送信モードにあるかをフラグF
によつて判定する。ここで、フラグFの1は送信
モード、0はデータ作成モードを表すものとす
る。
いま、F=0でデータ作成モードにあるとする
と、コンピユータ60はステツプ182で車速デー
タの作成が終了しているかどうかを、次に述べる
フラグによつて判定する。車速データが用意され
ていない場合は、ステツプ184にて車速データの
作成を継続する。データ作成は、先に述べた第2
図のスキツド制御ステツプ122、124において計算
された2つの従動輪の回転速度データを利用し、
プログラムされた一定の手順により、その2つの
データの平均値をもとめ、さらにある期間内にお
けるその平均値の複数個の平均値を求めることに
よつてなされる。最終的に得られた平均値データ
は8ビツトの車速データ(1ビツトが1Km/時を
表す)として、RAMに記憶される。このデータ
計算は、車速データ送信ステツプ130の割当られ
た1回の時間内に終了しない場合、計算手順を分
割して実行し、最終的に車速データが整つたとき
に、作成終了を示すフラグをセツトする。
ステツプ182において、この作成終了フラグに
より車速データが用意されていることが、チエツ
クされると、ステツプ186で出力線68(点検信
号OC)に消勢レベル信号を与える。この出力線
68の消勢は、先の述べた第2図のステツプ103
で付勢されるため、結局出力線68が消勢レベル
にある時間は約1msである。さらにステツプ188
において、データ作成モードが終了し、以後デー
タ送信を行なうべく、フラグFを1にセツトす
る。
送信モードにある場合、ステツプ190以下の処
理が実行される。まず、ステツプ190において、
用意された車速データの先頭ビツトが1か0かを
判定し、1ならばステツプ192で出力線76のデ
ータ信号OVを付勢レベルとし、0ならばステツ
プ193でデータ信号OVを消勢レベルとする。次
にステツプ194で車速データを1ビツトだけロー
ルし、もとのデータの2ビツト目が先頭ビツトに
位置するようにする。ステツプ196で、このロー
ル回数を示す回数データC(RAMの特定番地が
このデータCのために割当てられている)をイン
クリメントする。
車速データの送信は、回数データCが8に達す
るまで、10ms毎に1ビツトの割合で行なわれ、
出力線76はこの送信中10ms毎に付勢レベルま
たは消勢レベルが与えられ、少なくとも10msの
間そのレベルを維持する。
回数データCが8に達すると、ステツプ198か
らステツプ200にプログラムを分岐し、ステツプ
200でフラグFを0にリセツトして新たな車速デ
ータの作成を要求する。またステツプ202で回数
データCを0クリアし、次回の送信に備える。
このように車速データの送信は、車速データの
平均計算が終了する毎に実行され、送信は第7図
に示すように点検信号OCをスタート信号として、
出力線76より10msごとに1ビツトの割合で、
シリアル送信される。
加速スリツプ信号発生ステツプ132の詳細が第
6図に図示されている。第1の制御用コンピユー
タ60による加速スリツプの有無判断は、ステツ
プ166でブレーキ操作検出スイツチ72からの検
出信号BSをチエツクすることに始まる。ここで
検出信号BSが付勢レベルで、ブレーキ操作がな
されている場合には、ステツプ168以下の処理が
実行される。ステツプ168では、駆動輪10,1
2と従動輪14,16との回転速度差が算出され
る。ここでは、先に説明したスキツド制御ステツ
プ122、124、126で各々計算された回転速度デー
タVwが使用され、駆動輪速度Vwdと従動輪の平
均速度Vwsとの差が計算される。
ステツプ170で、回転速度差が予め設定された
基準値βより大かどうかチエツクされ、大なら
ば、ステツプ172にすすむ。ステツプ172では、出
力線78の加速スリツプ信号OAを付勢レベルと
する。次にステツプ174において、RAMに設定
した別の計数カウンタ(タイマ割込プログラムに
よりデータが更新され、その内容は時間を表す)
をリスタート(0クリア後スタート)する。
こうして加速スリツプ状態が判定され、加速ス
リツプ信号OAが付勢レベルにされた後、加速ス
リツプ状態が消減すると、ステツプ176で計数カ
ウンタのデータにより設定された時間が経過した
かを判定する。しかして、加速スリツプ状態の消
滅後予め設定された数秒が経過すると、ステツプ
178で出力線78の加速スリツプ信号OAを消勢
レベルに復帰させる。
第8図乃至第11図は、第2の制御用コンピユ
ータ82の制御プログラムの概要を示している。
制御用コンピユータ82は制御用コンピユータ6
0と同様に車両のキースイツチの投入によつて、
給電され作動可能状態になる。コンピユータ82
は、パワーオンリセツト作動によりスタートステ
ツプ200より制御プログラムの実行を開始する。
初期セツトステツプ202、内部レジスタ、カウン
タ、フラグ、メモリなどの内容および出力線に与
える電気信号のレベルを初期値にセツトする。ま
た、いくつかの割込プログラムの受付を開始す
る。
図示しない第1の割込プログラムにおいては、
回転速度検出器62からのパルス信号IP1を監
視する。すなわちパルス信号の立ち上りに応答し
て、その立ち上り時点を示すフリーランカウンタ
のデータを記憶する。また、その時点の記憶デー
タと先に記憶されたデータとの差、つまり時間差
を計算し、駆動輪の回転速度の逆数を表すデータ
として記憶する。
第2の割込プログラムにおいては、点検信号
OCについて待機状態にあり、この点検信号が付
勢レベルから消勢レベルになつたときに起動さ
れ、第10図に示す処理を実行する。
第3の割込プログラムは、通常知られたタイマ
割込プログラムで、時間計測のための処理等を実
行する。第11図はそのタイマ割込プログラムを
示し、時間計測処理については省略的に図示され
ており、それに続く1ms周期の処理が詳細に図示
されている。
第8図のステツプ204〜222の制御プログラム
は、変速装置20の自動制御プログラムを示して
いる。第8図のポイントAからBには、第9図に
示す制御プログラムが結合されている。すなわ
ち、第1の制御用コンピユータ60からの点検信
号OCと車速データ信号OVとを受付け、その
各々の状態をチエツクする監視プログラム222〜
232、およびチエツク結果が正常である場合に制
御用コンピユータ60からの作動信号OOおよび
加速スリツプ信号OAを受け取り、変速装置20
をそれぞれスキツド制御モードおよび加速スリツ
プ制御モードに設定する特別制御プログラム23
4〜252が結合されている。
監視プログラムでは、第10図および第11図
の割込プログラムで作成されたデータを利用する
ようになつている。また、特別制御プログラムに
は、スキツド制御モードあるいは加速スリツプ制
御モードから自発的に離脱する離脱プログラム2
36,238,244〜248が含まれている。
第8図のステツプ204からステツプ222に示され
る変速装置20の自動制御プログラムについて説
明する。ステツプ204では上記の第1の割込プロ
グラムで得られた駆動輪の回転速度の逆数を表す
データに基づいて、当該車両の走行速度(車速)
を表す車速データを作成する。ついで、負荷検出
器84からの負荷信号ILを入力し負荷データを
作成する。
ステツプ208、210、212では、レンジ検出器8
6からのレンジ信号IRをチエツクし、シフトレ
ンジ切換レバー32の操作位置が、Dレンジにあ
る場合にステツプ214、Sレンジにある場合にス
テツプ216、Lレンジにある場合にステツプ218に
おいて変速装置20の変速比を決定する変速比読
出し処理を実行する。さらに、Dレンジである場
合にステツプ220で直結クラツチ30の断接有無
を決定する直結有無読出し処理を実行する。各読
出し処理ステツプ214、216、218、220は、予め制
御用コンピユータ82のROMに記憶された速度
−負荷特性曲線を、車速データおよび負荷データ
をアドレスとして記憶された命令データを読出す
ことによつて実現される。読出された命令データ
は、直結クラツチ30、および電磁弁34,36
が付勢と消勢のいずれに属するかに対応してい
る。なお、こうした読出し処理については公知で
ある。
読出された命令出は、ステツプ222において電
磁弁34,36への変速制御信号OS1,OS2お
よび直結クラツチ30への直結制御信号OLとし
て出力される。
ポイントA〜Bおよび第9図に示す。監視なら
びに特別制御プログラムにおいて、ある特定条件
下では、独自に変速比を決定する命令データ、お
よび直結クラツチを遮断とする命令データが作成
される。この場合、この監視、特別制御プログラ
ムにより後から作成された命令データが、先のス
テツプ214〜220で作成された命令データに対して
優先する。このことにより、特定条件下で第2の
電気制御装置が第1の電気制御装置に対する連係
作動を可能にする。
第10図に示す割込プログラムは、点検信号
OCが付勢レベルから消勢レベルになつた瞬間に
起動される。ステツプ254で割込が受付られると、
待ちステツプ256を経て微少時間後に未だ点検信
号OCが消勢レベルにあるかをステツプ258で判定
する。かくして設定された微少時間を挾んで2度
連続して点検信号OCが消勢レベルであることが
認知されると、ステツプ260でチエツクフラグCF
を「1」にセツトするとともに、ステツプ262で
タイマカウント処理T1をスタートさせる。
第11図に示すタイマ割込プログラムは、コン
ピユータ82が内蔵しているクロツクカウンタが
一定時間をカウントする毎に起動され、ステツプ
266より処理が開始される。ステツプ268は制御プ
ログラムの他の命令ステツプで開始、停止される
タイマカウント処理T1,T2のカウント処理を
表わしている。
ステツプ270では、このタイマ割込プログラム
が1msの定められた処理タイミングに該当してい
るかを判定し、1ms秒毎にステツプ272以下の処
理が実行される。ステツプ272で、チエツクフラ
グCFのレベルが調べられ、「1」レベルのときス
テツプ274で点検信号OCのレベルが再度チエツク
される。この結果、点検信号OCの立ち下がりに
起因する割込プログラム(第10図)の実行が、
第1の制御用コンピユータ60自身の異常点検結
果によるものか、車速データの通信のためのもの
か、が決定される。
すなわち、先に述べたように、第の制御コンピ
ユータ60は、異常点検結果が生じた場合には長
い時間にわたつて点検信号OCを消勢レベルとす
るのに対して、車速データの通信に際しての同期
信号とするときは1ms秒以内の限定された時間だ
け点検信号OCを消勢レベルとするから、第2の
制御コンピユータ82においては、割込プログラ
ムの受付後の点検信号OCが消勢レベルにある時
間を測定することにより、上記の決定を行なうこ
とができる。
このことを図示の制御プログラムについて説明
すると、もし点検信号OCが消勢レベルにあり続
けたとした場合、ステツプ276でタイマカウント
処理T1の計数値(割込プログラムが起動されて
からの経過時間)が予め設定された値T1oを越え
るかどうかが繰り返しチエツクされ、例えば3ms
程度の値に設定された値T1oを越えることが判定
されると、ステツプ278でエラーフラグEFが
「1」にセツトされる。このセツトされたエラー
フラグEFは、第2の制御用コンピユータ82に
おいて、第1の制御装置58が正常でないことを
認定したことを意味する。
一方、点検信号0Cが消勢レベルにある時間が
値T1oをもつて設定された時間より短かいと、ス
テツプ274からステツプ280へと処理が移行する。
ステツプ280〜ステツプ290では車速データ信号
OVに対して待機状態とする処理が行なわれる。
まずステツプ280でチエツクフラグCFが「0」に
リセツトされるが、このことは点検信号OCによ
る新たな割込プログラムの受付に対しての待機を
意味する。また同様の意味で、ステツプ282では
タイマカウント処理T1がリセツトされる。
そして、ステツプ284で受信モードフラグRFが
「1」にセツトされる。このセツトされたフラグ
RFは、コンピユータ82が車速データ信号OV
に対して受信状態にあることを意味する。次にス
テツプ286、288で各々受信データのビツト数を表
わす制御変数N、データの取込みタイミングを表
わす制御変数Cを初期値にセツトする。さらに、
受信した車速データと第2の制御コンピユータ8
2で作成した車速データとの比較を近似条件で行
なうために、第2の制御コンピユータ82で作成
した最新の車速データをこのタイミングで一時記
憶しておく。
点検信号OCによる新たな割込プログラムの受
付がない限り、チエツクフラグCFはセツト状態
を持続するので、1ms周期でステツプ292〜312の
受信プログラムが実行される。そして、ステツプ
292で受信フラグRFのセツトが判定された場合
は、ステツプ294以下の処理が繰り返し実行され
る。ステツプ294では制御変数Cの値を1ms毎に
デクリメントする。
この制御変数Cが「0」になることがステツプ
296で検知された場合のみステツプ298以下が実行
される。当初、制御変数Cは値14にセツトされ
ているから、ステツプ298が実行されるのは、点
検信号OCによる割込が受付られてからおよそ
15ms程度の時間が経過した後のこととなる。こ
の、15ms程度経過した時間をもつて車速データ
信号OVの第1回目の取込みタイミングとされ
る。しかして、ステツプ298においてコンピユー
タ82は線74に印加されている車速データ信号
OVのレベルを検知してデータレジスタの最初の
ビツトに記憶する。ステツプ300で記憶すべきデ
ータレジスタのビツトが次のビツトにロールされ
る。
1ビツトが取込まれる毎に、ステツプ302で制
御変数Cは新たに値10にセツトされ、ステツプ
304で制御変数Nがインクメントされる。制御変
数Cが値10にセツトされた結果、車速データ信号
OVの次のビツトからは入力タイミングが10ms周
期になる。このことは、第7図に示した送信タイ
ミングに対し、入力タイミングがデータ1ビツト
の現れている時間のほぼ中央になることを示して
いる。
車速データ信号の受信は、ステツプ306で制御
変数Nが8回、つまり8ビツトに達したことが判
定されるまで行なわれる。かくして、車速データ
の受信が終了すると、ステツプ308で受信フラグ
RFが「0」にリセツトされ、データレジスタに
記憶された受信データは、一時メモリに第1の制
御用コンピユータ60の車速データとして記憶さ
れる。また、比較すべき車速データが用意された
ことを示すために、比較フラグCPが「1」にセ
ツトされる。
次に第9図に示す監視プログラムおよび特別制
御プログラムについて、順を追つて説明する。な
お、このプログラムは第8図のポイントA〜Bに
結合されて先に述べたように通常の変速制御およ
び直結制御に優先して変速装置20を制御するこ
とを可能にするものである。
このプログラムでは、エラーフラグEFの状態
が第一義的にチエツクされる。先に述べた割込プ
ログラムにおいて、第1のコンピユータ60の異
常状態が認定され、エラーフラグEFがセツトさ
れていると、ステツプ224〜246のプログラムは全
く実行されることがない。従つて、第2の電気制
御装置80は第1の電気制御装置58と連係して
作動することはない。
ステツプ224〜230においては、車速データの比
較がなされる。ステツプ224でまず比較フラグCP
がセツトされているかどうかをチエツクし、セツ
トされている場合のみステツプ226で比較フラグ
CPを一旦リセツトし、ステツプ228で、受信した
車速データと予め記憶している第2の制御用コン
ピユータ82の車速データとを比較する。ステツ
プ230で両車速データの差の絶対値が予め設定さ
れた範囲内であると両データは一致していると看
做され、ステツプ24以下の処理を実行する。両デ
ータがかけはなれたものである場合、ステツプ
232でエラーフラグEFがセツトされる。このた
め、第2の電気制御装置82はこの後第1の電気
制御装置58と連係して作動することはない。
ステツプ234以下に連係作動を行なうためのプ
ログラムが示されている。ステツプ234、236、
238では、第1の電気制御装置58の制動力の調
整と連係して変速装置20を制御すべきかどうか
が判断される。判断条件は、(1)作動信号OOが付
勢レベルにあること、(2)現実の車両速度が予め設
定された値より大であること、(3)連係作動を開始
して予め設定された時間が未だ経過していないこ
と、の3項目であり、それぞれの項目については
各々ステツプ234、236、238で判断される。
ここで、ステツプ236における速度設定値は時
速数kmに定めてあり、車両速度が調整を必要と
しない程度に充分減速された場合に、連係作動か
ら離脱する一つの基準を設定している。また、ス
テツプ238における時間の設定は、ステツプ246で
セツトするタイマカウント処理T2における計数
内容が設定値T2oに達したかを判定するもので、
この時間は数秒に設定することができるが、好ま
しくは連係作動を開始したときの車両速度に応じ
て変化させる。この時間も、第2の電気制御装置
が連係作動からせ離脱する二つ目の基準を設定し
ている。
上記の判断条件に適う場合、ステツプ240で変
速装置20の変速比を最速速状態(一般に4速あ
るいはオーバードライブと称する状態)とするた
めの電磁弁34,36の付勢と消勢の組合せを選
定する。またステツプ242では直結クラツチ30
を解除するための消勢命令を選定する。これらの
変速装置20に対する命令は、先に述べたステツ
プ214〜220で読出された基本制御パターンに従う
命令を書き換えることによつてなされる。この後
ステツプ244でタイマカウント処理T2が未だ開
始されていないことがチエツクされた場合にはス
テツプ246でこのタイマカウント処理を開始させ
る。このタイマカウント処理は、作動信号OOが
消勢レベルとなつたことがステツプ234で検知さ
れた場合にステツプ248でリセツトされる。
ステツプ234およびステツプ250では、第2の電
気制御装置80が第1の電気制御装置58と連係
して加速スリツプ対策を実行するための条件が判
定される。加速スリツプ対策を行なうための条件
は、制動力の調整を示す作動信号OOが付勢レベ
ルにないこと、および加速スリツプ信号0Aが加
速スリツプ中であることを示す付勢レベルにある
こと、との2項目である。
上記の条件が満たされると、コンピユータ82
はステツプ252で上記のステツプ214〜218で読出
された変速比をさらに1段階シフトアツプさせる
処理を行なう。シフトアツプは、加速スリツプ信
号OAが付勢レベルにある間だけ持続される。
以上のように、第2の電気制御装置80は特定
の条件で第1の電気制御装置58からの状態信号
に応答して変速装置20を制御するとともに、条
件が満たされないときは独立して変速装置20を
制御する。本装置では、車両が制動力の調整段階
にあるときに変速装置の変速比を所定の状態に保
持することにより、制動力の調整が速やかに実行
され、また加速スリツプが検知されときにその抑
止効果が期果される。
なお、本発明は上記の実施例の構成に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて変形を
付加して実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の全体構成図、第2図
は第1の制御用コンピユータ60の制御プログラ
ムの概要を示すフローチヤート、第3図は第2図
中のスキツド制御処理の詳細を示すフローチヤー
ト、第4図は第2図中の作動信号発生処理の詳細
を示すフローチヤート、第5図は第2図中の車速
データ送信処理を示すフローチヤート、第6図は
第2図中の加速スリツプ信号発生処理の詳細を示
すフローチヤート、第7図は車速データ送信処理
の説明用タイムチヤート、第8図は第2の制御用
コンピユータ82の制御プログラムのうち変速装
置20の自動制御プログラムを示すフローチヤー
ト、第9図は第2の制御用コンピユータ82の制
御プログラムのうち監視、および特別制御プログ
ラムを示すフローチヤート、第10図は第2の制
御用コンピユータ82の点検信号OCに対する割
込プログラムを示すフローチヤート、第11図は
第2の制御用コンピユータ82のタイマ割込プロ
グラムを示すフローチヤートである。 18……内燃機関、20……変速装置、52〜
56……制動圧力の調整弁、58……第1の電気
制御装置、60……第1の制御用コンピユータ、
80……第2の電気制御装置、82……第2の制
御用コンピユータ、OC……点検信号、OO……作
動信号、OV……車速データ信号。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 車両の制動力を調整する制動力調整装置と、
    前記車両の原動機−走行輪間の変速装置の変速比
    を調整する変速比調整装置とを備える車両用制御
    装置において、 前記変速比調整装置が、 前記制動力調整装置の作動状態を監視する監視
    手段と、 この監視手段によつて監視される前記作動状態
    に基づいて、前記制動力調整装置が正常に作動し
    ているか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段によつて前記制動力調整装置が正
    常に作動していると判定され、かつ前記制動力調
    整装置より制動力の調整に関連する所定の信号が
    出力されたときにのみ、前記変速比調整装置によ
    つて前記変速比を所定の状態に設定させる設定手
    段とを備えることを特徴とする車両用制御装置。 2 前記設定手段は、前記車両の走行速度が予め
    決められた最低設定速度以下になつた場合に前記
    変速比の設定状態を解除することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の車両用制御装置。 3 前記設定手段は、前記制動力調整開始後であ
    つて所定時間の経過或いは所定距離の走行の後
    に、前記変速比の設定状態を解除することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の車両用制御装
    置。
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