JPH0474188B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はドツト式ワイヤプリンタに使用する印
字ヘツド、特に多数配列された印字用ワイヤを使
用し、漢字のような文字の印字を高速かつ高精度
で印字しうるドツトプリンタの印字ヘツド可動装
置に関する。

実施例の構成とその問題点 近年、コンピユータ及び周辺技術の進展により
コンピユータによる情報処理が進み、オフイス・
オートメーシヨンの分野では読み易く、理解しや
すい日本語の特徴を生かした漢字情報処理へのニ
ーズが増大している。それにともない各種プリン
タの開発も進んでいるが、これらプリンタとして
は各種用紙に印字可能で、かつコストの安いワイ
ヤドツトプリンタが急速に発展しつつある。そこ
で、ドツトプリンタ用印字ヘツドとして印字ワイ
ヤ及び駆動エレメントを複数配置したワイヤドツ
ト方式による漢字プリンタ用の印字ヘツドが開発
されており、高速化、小型化、低騒音化等の対策
が望まれている。

そこで、駆動用バネ部材をアマチユアに対して
垂直方向に取り付けた、バネチヤージ式の印字ワ
イヤ駆動用可動部を用いて、文字を高速かつ高精
度で行い、しかも、可動部を数億ドツトの印字に
も耐え得るドツトプリンタ印字ヘツドが要望され
ている。

以下に従来のドツトプリンタの印字ヘツド可動
装置について、第１図を用いて説明する。

第１図において、１は駆動用垂直バネ部材（以
下垂直バネ部材という。）で、一端にバネホルダ
ー２が取り付けられ、他端に印字ワイヤ３を先端
に設けた背骨４を有するアマテユア５が取り付け
られている。

尚、印字ワイヤ３、背骨４で印字ワイヤ可動部
を構成している。

また、アマチユアの可動方向に対して垂直バネ
部材１のたわみ方向が略直角になるように配設さ
れている。５ａはアマチユア吸着面である。な
お、垂直バネ部材１の回転中心Ａは、垂直バネ部
材１にアマチユア５を取り付けた下端の位置から
回転中心Ａまでの長さlaと、バネホルダー２に垂
直バネ部材１を取り付けた位置から回転中心Ａま
での長さlbとの比を１：１の割合とした位置に設
け、さらに、磁気回路を構成するコマ部６のアマ
チユア吸引面６ａの直線上に回転中心Ａが位置す
る構造としたものである。

また、印字ヘツドを構成する磁気回路コア部の
アマチユア吸引面６ａと、アマチユア吸着面５ａ
とが吸着状態において平面で均一に接触するよう
に、アマチユア吸着面５ａとアマチユア吸引面６
ａの２つの平面が、開放状態において所定の角度
Ｂ（ただし、角度Ｂはストロークの大きさによつ
て決められる。）を持つように構成されている。

このように構成されたドツトプリンタの印字ヘ
ツド可動装置は、アマチユア５、垂直バネ部材１
等からなる印字ワイヤ駆動部の回転中心Ａをバネ
取り付け位置上とすることができ、アマチユア５
の重量は、アマチユア５を垂直バネ部材１に直接
取り付けていることから、垂直バネ部材１の近傍
にかかることとなり、それによつてインクリボン
及び紙等（共に図示せず。）を破ることなく印字
速度の高速化が図れるものである。ここで、垂直
バネ部材１を用いたドツトプリンタの印字ヘツド
可動装置の前記各種条件を満足する垂直バネ部材
１のバネ形状について第２図、第３図を用いて説
明する。

第２図は、アマチユア５と垂直バネ部材１との
取り付け面１ａ（斜線部分）を数億ドツトの繰り
返し印字にも耐え得るように大きくしたドツトプ
リンタの印字ヘツド可動装置（以下単に可動装置
という。）の形状を示したもので、第２図ａは可
動装置の要部分解斜視図、第２図ｂは同要部側面
図である。この場合、垂直バネ部材１は縦方向に
長くする必要がある。つまり、取り付け面１ａを
多数の印字回数に耐え得るように大きく取り、さ
らに回転中心Ａを、la：lb＝１：１の割合でアマ
チユア吸引面６ａの直線上に位置させている。

しかしながら上記構成では、バネホルダー２か
らアマチユア５の上面までの高さlnが高くなり、
しいては、印字ヘツド全体の形状が大きくなつて
しまうといつた欠点を有していた。

また第３図は前記欠点を解決するために、垂直
バネ部材１の横幅を大きくし、縦方向の長さlhを
短くした可動装置を示すもので、第３図ａは可動
装置の分解斜視図、第３図ｂは同要部側面図であ
る。第３図において、アマチユア７の取り付け面
側に垂直バネ部材１との取り付け面１ｂを大きく
するためのアーム７ａを設けた構造とし、垂直バ
ネ部材１の条件、即ち、 la：lb＝１：１ を満足する形状とし全高lhを小さくしたものであ
る。

しかしながら上記のように、単にアーム７ａを
設け取り付け面１ｂの横方向の長さを大きくした
だけでは、数億ドツトの繰り返し印字に耐え得な
いという欠点を有していた。これはアマチユア７
の駆動方向に対して、同一方向、即ち縦方向に長
く取り付け面１ｂを取らない限りアマチユア取り
付け面の縦方向に応力が集中し、接着面の信頼性
向上にはつながらない。即ち、垂直バネ部材１の
横幅に対し、アマチユア７の駆動方向と同一方向
のアマチユア７の取り付け面１ｂの長さを大きく
取ることにより、応力を垂直バネ部材１に集中さ
せる必要がある。

さらに上記構成では生産性が悪くなるといつた
欠点を有していた。

発明の目的 本発明は前記従来の欠点を解消するもので、文
字の印字を高速かつ高精度で行いかつ印字ヘツド
の小型化及び信頼性の向上を図つたドツトプリン
タの印字ヘツド可動装置を提供することを目的と
する。

発明の構成 本発明は上記目的を達するため、印字ワイヤ可
動部を有するアマチユアの可動方向に対してたわ
み方向が略直角となるように固定部材に略垂直に
取り付けられた垂直バネ部材と、前記垂直バネ部
材には前記アマチユアの取付面の一部または全部
を形成してなる中央突起部を構成するように設け
られた略Ｕ字状の穴とを備え、前記アマチユアの
取り付け面の横幅lfより前記アマチユアの駆動方
向に対して同一方向の縦幅leを長くしかつ前記縦
幅leを、駆動用バネとして用いる略Ｕ字状の穴の
両側の板バネ部の横幅ldより大きく設定した構成
となつており、これにより垂直バネ部材の縦方向
の長さを短くできることから、印字ヘツドの小型
化が図れ、かつアマチユア取り付け面は、アマチ
ユア駆動方向と同一方向の縦方向に長く取れアマ
チユア駆動時に垂直バネ部材に加わる応力を両側
の板バネ部に集中させることが可能となり、しい
ては、数億ドツトの繰り返し印字に耐えるこをが
できる。

実施例の説明 以下本発明の一実施例のドツトプリンタの印字
ヘツド可動装置について第４図及び第５図を用い
て説明する。なお、第２図と同一部には同一番号
を付し説明を省略する。

第４図、第５図において、８は垂直バネ部材
で、中央にＵ字状の穴９を有している。８ａは垂
直バネ部材８の下端部で、下端部８ａはパネルホ
ルダー２に取り付けられている。また８ｂは中央
突起部で、第４図の斜線部（以下取り付け面８ｃ
という。）に印字ワイヤ可動部を有するアマチユ
ア１０が取り付けられる。この場合、アマチユア
１０の上平面１０ａに対して垂直バネ部材８は垂
直方向に取り付けられ、アマチユア１０の可動方
向に対して垂直バネ部材８のたわみ方向が略直角
となるように配設されている。

また垂直バネ部材８はＵ字状の穴９を設けてい
るため平板バネとして動作し、駆動用板バネとし
ては、主にＵ字状の穴９の両側の板バネ部８ｄを
用い、バネ定数の設定には垂直バネ部材８の板厚
ｔと板バネ部８ｄの縦幅lc、横幅ldによつて所定
の形状に設定される。また、アマチユア１０に取
り付けられる取り付け面８ｃの縦幅leを板バネ部
８ｄの横幅ldより長く設定する。この理由は、ア
マチユア１０がコアに衝突した際にせん断力が発
生するが、このせん断力が両側部の板バネに伝達
する前に板バネ上部でたわみや、エネルギーの伝
達ロスがあるので、少なくとも取り付け面８ｃは
両側部に板バネより強くなければならず、縦幅le
を横幅ldより長く設定している。

尚、取り付け面８ｃの縦幅leはその横幅lfより
長く設定している。この理由は、アマチユア１０
の振動に伴う取付面との剥離を防止するために、
縦幅leの長さをできるだけ大きくとることが必要
だからである。

以上の構成によりアマチユア１０の駆動方向に
対して同一方向の縦方向に取り付け面８ｃを十分
長くとれ、取り付け面８ｃの面積も大きくできる
ものである。

以上のように構成された本実施例についてその
動作を説明する。まず、Ｕ字状の穴９を設けた垂
直バネ部材８の中央の取り付け面８ｃにアマチユ
ア１０を取り付けることができるので、第５図に
示すように垂直バネ部材８の全高lhを小さくでき
ることから、ドツトプリンタ印字ヘツドの小型化
が図れるものであり、さらにアマチユア１０の駆
動方向と同一方向の縦方向にアマチユア１０の取
り付け面８ｃを長く取れるので、垂直バネ部材８
の条件、即ち la：lb＝１：１ 及び回転中心Ａをアマチユア吸引面６ａの直線
上に位置させることを損なうことはない。また、
アマチユア１０の駆動時に垂直バネ部材８に加わ
る応力を両側の板バネ部８ｄに集中させることが
可能となり、しいては数億ドツトの繰り返し印字
にも耐え得る構造とすることができるものであ
る。

尚、la：lb＝１：１としているのは、垂直バネ
部材の自由端に押す力と回転モーメントが加わる
時、回転中心Ａに大きな力が働くため、この回転
中心Ａに余分な力が発生しないように回転中心Ａ
とコアに接触する位置を合わせたためである。

尚、第６図に本発明の可動装置を用いたドツト
プリンタの印字ヘツドの構造断面図を一実施例と
して示す。

発明の効果 以上のように本発明によれば、略Ｕ字状の穴を
設けた垂直バネ部材を用いたことにより、垂直バ
ネ部材を駆動用バネ材として用いた効果、即ち印
字ワイヤ可動部の回転中心を垂直バネ材固定部上
に設けることができ、見かけ上の印字ワイヤ先端
重量がアマチユア吸引力を落とす事なく小さくで
きるとともに、印字速度の高速化が可能となり、
また板バネ部には、引き延ばそうとする力しか働
かず、板バネは縦方向弾性には強いので、その結
果、垂直バネ部材の全高を小さくでき印字ヘツド
の小型化が図れる。

さらに、アマチユア取り付け面を長くとれるこ
とから、アマチユア駆動時に垂直バネ部材に加わ
る応力を両側の板バネ部材に集中させることが可
能となり、数億ドツトの繰り返し印字に耐える構
造とすることができ、しいては信頼性の向上を図
ることが可能となりその効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドツトプリンタの印字ヘツド可
動装置の構成図、第２図ａ，ｂ、第３図ａ，ｂは
同要部構成図、第４図は本発明の一実施例におけ
るドツトプリンタの印字ヘツドの可動装置の要部
分解斜視図、第５図は同要部側面図、第６図は同
ドツトプリンタの印字ヘツドの構造断面図であ
る。 １……垂直バネ部材、２……バネホルダー、３
……印字ワイヤー、４……背骨、８……垂直バネ
部材、８ｂ……中央突起部、８ｃ……取り付け
面、８ｄ……板バネ部、９……Ｕ字状の穴、１０
……アマチユア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 印字ワイヤ可動部を有するアマチユアの可動
   方向に対してたわみ方向が略直角となるように固
   定部材に略垂直に取り付けられた垂直バネ部材
   と、前記垂直バネ部材には前記アマチユアの取付
   面の一部または全部を形成してなる中央突起部を
   構成するように設けられた略Ｕ字状の穴とを備
   え、前記アマチユアの取り付け面の横幅lfより前
   記アマチユアの駆動方向に対して同一方向の縦幅
   leを長くしかつ前記縦幅leを、駆動用バネとして
   用いる略Ｕ字状の穴の両側の板バネ部の横幅ldよ
   り大きく設定したことを特徴とするドツトプリン
   タの印字ヘツド可動装置。