JPH047334Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、昇降用リンク機構を利用して昇降式
駐車装置において、車輌を搭載して昇降するパレ
ツトの上昇定位置を保持するためのパレツト落下
防止装置に関するものである。

〔従来の技術〕 従来、昇降可能な車輌搭載用のパレツトにより
立体的に駐車を行うための昇降式駐車装置には、
パレツトの昇降をチエーン又はワイヤロープで行
う方式や油圧を利用して行う方式があり、その昇
降機構はリンク機構を利用したものも多く利用さ
れていた。そしてこのような昇降式駐車装置に
は、パレツトの上昇時にチエーン又はワイヤロー
プの切断、油圧ユニツトの故障等によりパレツト
が落下するのを防止するための安全装置として、
パレツト落下防止装置が付設されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のパレツト落下防止装置としては各種のも
のが考案されているが、いずれもパレツトを直接
支持することにより落下防止をはかつており、車
輌を搭載したパレツトの大きな荷重を支持するた
め、落下防止装置を構成する各部材は頑丈なもの
となり、またパレツトを自動的にロツクできるよ
うにするために構造が複雑となり、コストも高く
なるという欠点があつた。

本考案は、リンク機構を利用してパレツトを昇
降させる昇降式駐車装置において、パレツトの上
昇定位置におけるリンク機構の位置をスプリング
により自動的にロツクし、ロツク解除にソレノイ
ドを利用するもので、小さな力でパレツトの落下
防止を確実にし、構造単純で故障が少ないパレツ
ト落下防止装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、昇降用リンク機構により駐車用のパ
レツト５を昇降させる昇降式駐車装置において、
昇降用リンク機構の一つのリンク８にロツクピン
１４を植設し、これと隣接する他方のリンク３に
ロツクピン１４に係止するフツク１５を支点１６
を軸に回動自在に取り付けると共に、フツク１５
の支点１６と反対側に形成されたレバー１７に一
端を連結したスプリング１８を固定してパレツト
５の上昇定位置でフツク１５がロツクピン１４に
係止するように付勢し、さらに通電状態でフツク
１５を引張りロツクピン１４から解除するように
付勢するソレノイド１９を設けたことを特徴とす
る昇降式駐車装置のパレツト落下防止装置であ
る。

〔作用〕

本考案によれば、パレツトの上昇時にはパレツ
トが上昇定位置に至る前でソレノイドに通電して
フツクを引張り、上昇定位置でパレツトが停止す
るとソレノイドへの通電停止によつてソレノイド
の引張力を消滅させ、スプリングによつてフツク
が自動的にロツクピンに係止され、リンク機構の
両リンクがロツクされてパレツトの落下が防止さ
れる。

またパレツトが下降する時は、再びソレノイド
への通電によつてフツクを引張り、フツクのロツ
クピンへの係止を解除してリンク機構のロツクを
外し、下降定位置でパレツトが停止したのちソレ
ノイドへの通電を停止する。

〔実施例〕

本考案の一実施例を図面を参照しながら説明す
れば、昇降用リンク機構を利用して昇降式駐車装
置として、例えば第１図及び第２図に示すよう
に、一対の下枠体１が車輌の駐車位置の両側に沿
つて平行に互いに連結され、各下枠体１にはそれ
ぞれ支柱２が植設、固定されている。

各支柱２の下部には揺動リンク３の一端が揺動
支点４を軸に揺動可能に枢着され、揺動リンク３
の他端は駐車用の昇降するパレツト５に沿つて移
動する伝動ローラー６を介して枢着されている。

７は、加圧時に収縮するピストンロツドを備え
た油圧シリンダーで、油圧シリンダー７の一端は
支柱２の上部に枢着され、油圧シリンダー７の他
端は揺動リンク３に枢着されている。

さらに、揺動リンク３には隣接してアームリン
ク８の一端が枢着され、アームリンク８の他端は
支柱２に沿つて上下に案内されるガイドローラ９
に枢着され、パレツト５もさらにガイドローラ９
に枢着されている。

１０は、下枠体１と支柱２に固定された固定フ
レームで、モーター１１を備えて油圧シリンダー
７に油圧を伝達するための油圧ユニツト１２が取
り付けられている。

図中、１３は駐車する車輌を示す。

このようなリンク機構の揺動リンク３とアーム
リンク８間には次に説明するようなパレツト落下
防止装置Ｓが設けられている。

即ち第３図に示すように、アームリンク８にロ
ツクピン１４が植設され、アームリンク８に隣接
した揺動リンク３にはロツクピン１４に係止する
フツク１５を支点１６を軸に回動自在に取り付
け、フツク１５の支点１６と反対側に形成された
レバー１７に一端を連結したスプリング１８に固
定し、パレツト５の上昇定位置でフツク１５がロ
ツクピン１４に係止するようにレバー１７を引張
つている。さらに、揺動リンク３にはソレノイド
１９が固定され、ソレノイド１９はリンク２０を
介してフツク１５と連なり、ソレノイド１９の通
電状態においてフツク１５を引張つてフツク１５
をロツクピン１４から解除するようになつてい
る。

いま、第３図の実線に示すようにフツク１５が
ロツクピン１４に係止されてパレツト防止装置Ｓ
が働いている第１図示のような二段駐車状態から
上段の車輌１３を出すには、まず下段の車輌を外
に移動させたのち、ソレノイド１９に通電してフ
ツク１５を引張つて第３図破線に示すようにフツ
ク１５をロツクピン１４から外したのち、油圧シ
リンダー７に連結されている油圧配管の弁を開く
などして、油の移動をパレツト５の自重により行
わせる。この時油圧シリンダー７のピストンロツ
ドが伸び、揺動リンク３は伝動ローラー６がパレ
ツト５に沿つて回転しながら揺動支点４を軸に下
方に揺動し、支柱２と揺動リンク３との角度が次
第に開き、またアームリンク８もガイドローラー
９で支柱２で案内されながら下降し、パレツト５
も下降する。そしてパレツト５が接地すると、そ
の時点で下降が終了し、パレツト５上の車輌は外
に移動することができる。

なおパレツト５の下降が始まつた時はソレノイ
ド１９への通電を停止してよい。

また、パレツト５に車輌１３を乗せて上昇させ
る時には、再びソレノイド１９に通電してフツク
１５を引張りながら、油圧シリンダー７に油圧を
伝達させてピストンロツドを収縮させる。この
時、揺動リンク３は伝動ローラー６がパレツト５
に沿つて回転しながら揺動支点４を軸に上方に揺
動し、同時にアームリンク８をガイドローラー９
で案内しながら上昇させ、パレツト５を上昇させ
所定の上昇位置に至る前にソレノイド１９に通電
してフツク１５を引張る。このようにしてパレツ
ト５を所定の位置まで上昇させると、電気的スイ
ツチ等によつて油圧シリンダー７への油圧の伝達
を遮断し、パレツト５を停止させ、同時にソレノ
イド１９への通電停止によつてソレノイド１９の
引張力を消滅させ、スプリング１８によつてレバ
ー１７を介してフツク１５はロツクピン１４に係
止され、パレツト落下防止装置Ｓが働いて第１図
の状態が確保される。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、昇降用リン
ク機構を利用した昇降式駐車装置において、上昇
定位置におけるリンクをスプリングにより自動的
にロツクし、パレツトを直接支持することなく小
さい力で上昇定位置を確保し、またロツク解除は
ソレノイドへの通電によつて容易に行うことがで
き、極めて単純な構造で故障少なく、信頼性も高
い等の有用なる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は昇降
式駐車装置全体の側面図、第２図はその平面図、
第３図はパレツト落下防止装置の部分の側面図で
ある。 １……下枠体、２……支柱、３……揺動リン
ク、４……揺動支点、５……パレツト、６……伝
動ローラー、７……油圧シリンダー、８……アー
ムリンク、９……ガイドローラー、１０……固定
フレーム、１１……モーター、１２……油圧ユニ
ツト、１３……車輌、１４……ロツクピン、１５
……フツク、１６……支点、１７……レバー、１
８……スプリング、１９……ソレノイド、２０…
…リンク、Ｓ……パレツト落下防止装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降用リンク機構により駐車用のパレツト５を
   昇降させる昇降式駐車装置において、昇降用リン
   ク機構の一つのリンク８にロツクピン１４を植設
   し、これと隣接する他方のリンク３にロツクピン
   １４に係止するフツク１５を支点１６を軸に回動
   自在に取り付けると共に、フツク１５の支点１６
   と反対側に形成されたレバー１７に一端を連結し
   たスプリング１８を固定してパレツト５の上昇定
   位置でフツク１５がロツクピン１４に係止するよ
   うに付勢し、さらに通電状態でフツク１５を引張
   りロツクピン１４から解除するように付勢するソ
   レノイド１９を設けたことを特徴とする昇降式駐
   車装置のパレツト落下防止装置。