JPH0472157B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔分野〕 本発明は、放熱器、凝縮器、ヒータコア、蒸発
器などの熱交換器を自動車やクーリングユニツト
などの本体の熱交換器取付部（保持枠）に取付け
るための取付具（ステイ）に関する。

〔従来技術〕

一般に熱交換器１は、第１図に示す如く空気な
ど被熱交換流体と接触する表面積を大きくとるた
めに偏平なチユーブ１０を同一平面内で上下方向
または左右方向に蛇行状に幾重にも折曲げ、平行
的に配された直管部１Ａ間にコルゲートフインな
どフイン１１を接合している。この熱交換器１は
熱交換器１の両端のベント部に外嵌される断面コ
の字状のサツシ部２Ａと、その外がわに固着され
たフランジ２Ｂとからなる取付具２により製品本
体の保持枠へ取付けられる。この取付具２は、従
来網板のプレス加工品であつたが、近年軽量化お
よびローコスト化のため取付具２の材質を第２図
に示すように樹脂化する傾向にある。しかるに取
付具２を従来同様の形状で樹脂化し、従来同様に
熱交換器１と取付具２の固定にタツピングスクリ
ユー３あるいはリベツトなどの固定部材を使用す
ると、タツピングスクリユー３の場合、タツピン
グスクリユー３の締め過ぎにより取付具２のネジ
締付部２Ｃがネジ切れとなつたり、取付具２のネ
ジ締付部２Ｃの形成時に内部に気泡があるとタツ
ピングスクリユー３が締まらなかつたり、寒期に
ネジ締付部２Ｃに割れを生じさせたり、数回のタ
ツピングスクリユー３の脱着により取付具２のネ
ジ締付部２Ｃのネジ切れとなる。リベツトの場合
はリベツトを樹脂製の取付具２で締めるためリベ
ツト締付用の専用機が必要となり、締付力を適正
に調整することが困難で、一度取付けられた熱交
換器１と取付具２とを脱着するのは困難となるな
ど欠点を有していた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、熱交換器を製品本体に取付け
る取付具を樹脂で一体形成することにより、軽量
で量産性に優れ、且つ熱交換器の製品本体への取
付作業が容易にできる熱交換器取付具の提供にあ
る。

〔発明の構成〕

本発明の熱交換器取付具は、偏平、円形など所
定の形状を呈したチユーブを蛇行状に曲げて形成
され、平行的に配された直管部と湾曲した両側の
ベント部とを有する熱交換器を、該熱交換器の保
持枠に固定するための熱交換器取付具において、
前記熱交換器の一方の各ベント部の端に当接され
る当板部と、該当板部の両側から一体に形成され
前記ベント部を両側から挟持する側板部と、前記
熱交換器の該側板部の内がわに前記熱交換器のベ
ント部に対応して突設され、開口がわに前記ベン
ト部の押し込みを許容する楔面を有し当板部がわ
にベント部内壁に対向した係止面を有する弾性返
り止め爪とを備え、前記熱交換器の両側に外嵌さ
れる構成を有する。

〔発明の効果〕

本発明の熱交換器取付具は上記構成より次の効
果を奏する。

(イ) 熱交換器と取付具との固定用の取付部材（タ
ツピングスクリユー、リベツトなど）が不要と
なり、製品の軽量化ができる。

(ロ) 熱交換器と取付具との固定用の取付部材がな
いため製品本体の振動により取付部材がゆるん
だり、はずれたり、取付具が割れたりすること
が防止でき、且つ熱交換器と取付具との多数の
脱着に対しても取付具の劣化が防止できる。

(ハ) 熱交換器と取付具との固定用の取付部材およ
び取付道具が不要となり、ワンタツチで固着す
ることができるため取付け作業が容易となる。

(ニ) 一度型を製造すれば同一物が量産できるため
生産性に優れ量産コストを低くできる。

〔実施例〕

つぎに本発明を第３図および第４図に示す一実
施例に基づき説明する。

１は、内部に熱交換流体が流通する多数の穴を
もつ偏平なチユーブ１０を平行面を有するよう蛇
行状に所定回数曲げ返して製造された熱交換器で
あり、平行的に配された直管部１Ａとその両側に
位置し、曲げ返し部でコルゲートフイン１１の取
付けてないベント部１Ｂとからなり、直管部１Ａ
には表面積を大きくするためコルゲートフイン１
１が取付けられている。２は前記熱交換器１を図
示しない保持枠に固着するための本発明にかかる
取付具で、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニルなど弾力性を有する樹脂により成型に
より製造される。この取付具２は、熱交換器１の
一方の各ベント部１Ｂの端１Ｃに当接する当板部
２１と、ベント部１Ｂの前面および後面を挟持す
る側板部２２と、該側板部２２の内側には熱交換
器１の一方の各ベント部１Ｂに対応した位置にベ
ント部１Ｂの中にそれぞれ嵌め込まれる弾性返り
止め爪２３、当板部２１の外壁に突設されたフラ
ンジ２Ｂとからなる。爪２３は、取付具２の開口
がわに、テユーブ１０のベント部１Ｂの押し込み
を許容する楔面２３Ａを有し、当板部２１がわに
ベント部１Ｂの内壁に対応した形状の係止面２３
Ｂを有する爪２３の周囲の当板部２１がわの３方
には第５図で示す如く爪２３を可動しやすくする
べくスリツト２４を設けている。このスリツト２
４は第６図で示す如く、当板部２１の反対がわの
３方に設けてもよい。爪２３が前面の側板部２２
に設けられた場合はその後面の側板部２２に、爪
２３が後面の側板部２２に設けられた場合はその
前面の側板部２２にそれぞれ爪２３を外方向に押
すべく穴２５が爪２３に対応して側板部２２に設
けられている。また第６図で示す如く爪２３は側
板部２２の前面と後面とに同時に設けても良い。
取付具２は、熱交換器１の片辺のベント部１Ｂの
みではなく、他辺のベント部１Ｂにも同様に設け
られる。

取付具２を熱交換器１のベント部１Ｂに取付け
る場合、取付具２の爪２３自体の有る弾力性を利
用し、爪２３をベント部１Ｂにそれぞれ嵌め込む
ようにして取付具２を熱交換器１のベント部１Ｂ
の外方向から押し込むだけで取付けられる。取付
具２は熱交換器１の外方向より熱交換器１のベン
ト部１Ｂに押されることにより、楔面２３Ａはベ
ント部１Ｂのチユーブ１０により取付具２の外方
向がわに変形し、係止面２３Ｂがベント部１Ｂの
内壁壁へ達すると爪２３は爪２３自体の弾力性に
よりもとの形状に復帰し、ベント部１Ｂの内壁と
取付具２の係止面２３Ｂとが噛み合い、嵌合され
る。熱交換器１のベント部１Ｂの両辺に一度装着
されれば、取付具２の各爪２３がチユーブ１０の
ベント部１Ｂにひつかかり、抜けることなく確実
に熱交換器１に取付けられる。一度熱交換器１に
装着された取付具２を取外す必要があるときは、
取付具２の爪２３に対応して設けられた穴２５よ
り、爪２３を取付具２の外方向へ押すことで爪２
３がベント部１Ｂから外れ、取付具２と熱交換器
１を容易に取外すことができることになる。

取付具２の装着された熱交換器１を自動車やク
ーラーユニツトなどの製品本体に取付ける際、取
付具２の外部には製品本体の保持枠に対応した製
品本体取付用のフランジ２Ｂが取付具２と一体に
形成され、フランジ２Ｂに設けられた保持枠取付
用穴２６と図示しないネジ類により製品本体に取
付けられる。保持枠への取付けは、クランプ類あ
るいは嵌合などにより取付けられるようにしても
良く、取付具２は樹脂製に限定されるものではな
く、金属など他の部材で形成しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の取付具を示す斜視図、第２図は
取付具のみ樹脂製の断面図、第３図は本発明にか
かる取付具の斜視図、第４図は本発明いかかる取
付具の断面図、第５図は本発明にかかる取付具の
側面図、第６図は本発明にかかる他の実施例の取
付具の断面図である。 図中、１…熱交換器、２…取付具、２１…当板
部、２２…側板部、２３…爪、２３３Ａ…楔面、
２３Ｂ…係止面、２４…スリツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ チユーブを蛇行状に曲げて形成され、平行的
   に配された直管部と湾曲した両側のベント部とを
   有する熱交換器を、該熱交換器の保持枠に固定す
   るための熱交換器取付具において、 前記熱交換器の一方の各ベント部の端に当接さ
   れる当板部と、該当板部の両側から一体に形成さ
   れ前記ベント部を両側から挟持する側板部と、該
   側板部の内がわに前記熱交換器のベント部に対応
   して突設され、開口がわに前記ベント部の押し込
   みを円滑にする楔面を有し、当板部がわにベント
   部内壁に対向した係止面を有する弾性返り止め爪
   とを備え、前記熱交換器の両側に外嵌されること
   を特徴とする熱交換器取付具。 ２ 前記側板部に形成された前記返り止め爪の周
   囲３方に前記返り止め爪の弾性を増大させるスリ
   ツトを設けたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の熱交換器取付具。