JPS6219858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の分野 本考案は熱交換器の空気入口側面にフイルター
を取付けるフイルター取付装置に関し、特に、冷
蔵庫、エアコンに用いられるフイルター取付装置
に関する。

(ロ) 従来技術とその問題点 以下、第１図及び第２図に基づいて従来のフイ
ルター取付装置について説明する。例えば実公昭
43−26934号公報によると第１図に示した如く、
エアコン１に取付けられたフイルター２には枠が
必要ないが、フイルター２が柔軟性を有している
ため、複数箇所止め具３によりフイルター２と蒸
発パイプ４とを固定せねばならず止め具３が複数
必要になり、その数はフイルター２の面積が広く
なるにつれ増加し、部品点数は増し、又、フイル
ター２に止め具３を通す孔を多数形成せねばなら
ず、フイルター２の取付け作業は極めて煩雑にな
る。さらにフイルター２は止め具３及び空気吸込
圧力でフイン５に押し付けられているが、フイル
ター２の周辺部には間隙が生じ易く、フイルター
２を介さず直接空気が吸い込まれるという欠点を
有する。

次に、実公昭47−22839号公報によると第３図
に示すようにエアコン本体６の吸込口下縁に受け
金具７を設け、上縁に下方へ突出する凸部８を形
成し、下縁を受け金具７に係止させるエアーフイ
ルター９の上縁に、前記凸部８に弾着する係止部
１０Ａと取手１０Ｂとを一体に形成した板ばね１
０を取付けたフイルターの取付装置であるから、
受け金具７、及び凸部８をエアコン本体６に新た
に取付けねばならず、フイルター９をエアコン本
体６に取付けるためには、本体６に板ばね１０と
対になる凸部８と受け金具７とを取付ける作業を
施さねばならず、部品点数は多く、取付作業は煩
雑になる欠点を有する。

(ハ) 考案の目的 本考案の目的はメツシユ部とこのメツシユ部を
囲む枠とからなるフイルターに共通して使用でき
るフイルター取付装置を提供すると共に、フイル
ターの熱交換器への取付作業に要する部品点数を
減少させ、取付作業を簡素化することにある。

(ニ) 考案の要点 本考案は熱交換器の空気入口側面にフイルター
を取付ける熱交換器のフイルター取付装置におい
て、熱交換器のフイン間に挿入され、熱交換器の
冷媒管に対し直行する挿入部と、この挿入部の一
端に設けられ、前記冷媒管に弾性的に嵌合される
第１の嵌合部と、前記挿入部の他端に設けられ、
フイルター枠に弾性的に嵌合される第２の嵌合部
とからなる一対の取付具をフイルター枠の相対向
する二辺に設けたフイルター取付装置である。

(ホ) 考案の実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。１１はエアコン又は冷蔵庫等に設けられた熱
交換器の一つである蒸発器で、該蒸発器１１は等
間隔L₁毎に配設された液冷媒が流れる冷媒管１
２と、該冷媒管１２に所定間隔毎に取付けられた
熱交換用のフイン１３と、該フイン１３の上面及
び左右両側面に設けられ、前記冷媒管１２を支持
する支持部材１１Ａとから構成されている。１４
は蒸発器１１の空気入口側面に取付けられるフイ
ルターで、例えば鉄鋼製の断面円形の棒を四角形
に折曲し形成したフイルター枠１４Ａと、該フイ
ルター枠１４Ａの内側に網目状にポリプロピレン
等の線材を張つたメツシユ部１４Ｂとからなつて
いる。尚、フイルター枠１４Ａの外周は蒸発器１
１の外周より僅かに小さく、蒸発器幅１１Ｗより
フイルター幅１４Ｗの方が小さい。１５，１６は
蒸発器１１にフイルター１４を取付けるための第
１、第２の取付具である。第１の取付具１５は樹
脂製で板状をなし、挿入部１５ａの一端に設けら
れた第１の嵌合部１５a′には上下方向に円形をし
た第１、第２、第３の凹部１５Ａ，１５Ｂ，１５
Ｃが形成されている。ここで、第１、第３の凹部
１５Ａ，１５Ｃの直径は冷媒管１２の直径と略等
しくなる様に形成され、第２の凹部１５Ｂは第
１、第３の凹部１５Ａ，１５Ｃの弾性を得るため
に形成されている。又、前記第１、第２、第３の
凹部１５Ａ，１５Ｂ，１５Ｃの反対側には凹部と
反対方向に突出した第１の固定部１５Ｄが形成さ
れ、第１の固定部１５Ｄの先端付近には固定用ビ
ス１７を通す第１の開孔１５D′が形成されてい
る。さらに第２の取付具１６は例えばステンレス
製の板金を成形したもので、第２の嵌合部１６ａ
にはフイルター枠１４Ａを嵌め込む略半円状のフ
イルター枠用第４の凹部１６Ａが上下方向に形成
され、第４の凹部１６Ａの開口の１端はく字型に
外側へ折曲し、他端はＵ字状に折曲して第４の凹
部１６Ａの底部近傍まで延び、第４の凹部１６Ａ
と反対方向へ延び第２の固定部１６Ｂが形成され
ている。尚、第４の凹部１６Ａの底部の略中央に
は第１の取付具１５の第１の固定部１５Ｄと幅が
等しい切り欠き１６A′が形成され、第２の固定
部１６Ｂには該切り欠き１６A′の略中央と水平
に等しい位置に固定用ビス１７を第１の取付具１
５の第１の開孔１５D′と連通する第２の開孔１
６B′が形成されている。又、第４の凹部１６Ａの
内径L₂はフイルター枠１４Ａの外径１４A′より
僅かに小さく形成され、さらに第４の凹部１６Ａ
の下端は第２の固定部１６Ｂの壁面より略この板
金の厚さL₃突出して形成されている。

以下、フイルター１４の蒸発器１１への一取付
け方法について説明する。まず、第５図に示した
ように第１の取付具１５の第１の固定部１５Ｄを
第２の取付具１６に係合させると共に第１、第２
の開孔１５D′，１６B′に固定用ビス１７を連通
させ、第１の取付具１５と第２の取付具１６とを
固定し、第１の取付装置Ａを組み立て、同様に第
２の取付装置Ｂを組み立てる。次に夫々の取付装
置Ａ，Ｂの第４の凹部１６Ａを弾性を利用してフ
イルター枠１４Ａの左右両辺の適所に嵌め込みフ
イルター１４に取付ける。この次に、第１図に矢
印１８で示した様に、挿入部１５ａをフイン１３
間に挿入して、上下に隣り合せた第１、第２の冷
媒管１２Ａ，１２Ｂを第１の取付具１５の第１、
第３の凹部１５Ａ，１５Ｃに夫々の凹部の弾性を
利用して嵌め込み、フイルター１４は蒸発器１１
に固定される。ここで、フイルター１４が蒸発器
１１と上下方向にずれているときは第４の凹部１
６Ａ内のフイルター枠１４Ａを上下にずらすこと
により蒸発器１１の上下端縁と、フイルター１４
の上下端縁を略一致させる。第６図はフイルター
１４を蒸発器１１に取付けたところの側面図であ
る。

従つて、第１、第２の取付具１５，１６を固定
ビス１７により固定することにより第１、第２の
フイルター取付装置Ａ，Ｂは完成するため、取付
装置は簡略化されると共に組み立て作業を極めて
簡素化することができる。又、蒸発器１１に新た
な部品を取付ける必要はなく、第４の凹部１６Ａ
をフイルター枠１４Ａに嵌め込み、第１、第３の
凹部１５Ａ，１５Ｃを冷媒管１２に嵌め込むこと
により、フイルター１４を蒸発器１１に確実に取
付けることができ、部品点数を減少することがで
きると共に、取付作業を簡素化することができ
る。又、第１の嵌合部１５a′と、第２の嵌合部１
６ａとの弾性を利用して、フイルター１４の着脱
作業、及びフイルター取付装置Ａの着脱作業を極
めて容易にでき、フイルター１４の洗浄作業を極
めて容易に行うことができる。さらに、蒸発器１
１及びフイルター１４が大型化したときはフイル
ター取付装置Ａを上下２対に設けることにより、
上記と同様にフイルターを確実に取付けることが
できる。このとき取付装置Ａを共通して使用でき
るため取付装置にかかる材料費の大幅な上昇を防
止することができる。尚、エアコン等の凝縮器に
本考案に係る取付装置を用いてフイルターを取付
けても同様な作業効果が得られる。

(ヘ) その他の実施例 上記実施例においては第１の取付具と、第２の
取付具とを固定用ビスを用いて固定しフイルター
の取付装置としたが、挿入部１５ａと第１の嵌合
部１５a′と第２の嵌合部１６ａとを第８図に示し
たように例えば樹脂にて一体成形しても前記実施
例と同様な作用効果を得ることができ、しかも一
体成形されているため一層フイルターの取付作業
を簡素化できると共に部品の製造コストを低減す
ることができる。

(ト) 考案の効果 熱交換器の空気入口側面にフイルターを取付け
る熱交換器のフイルター取付装置において、熱交
換器への挿入部と、この挿入部の一端に設けられ
冷媒管と弾性的に嵌合する第１の嵌合部と、前記
挿入部の他端に設けられ、フイルター枠に弾性的
に嵌合される第２の嵌合部とからなる取付装置を
対をなし、フイルター枠の相対向する二辺に設け
たフイルター取付装置であるから、熱交換器に新
たに部品を取付ける必要はなく部品点数を減少さ
せ、第１の嵌合部の弾性を利用してフイルターの
熱交換器への取付作業を極めて簡素化することが
できる。又、フイルターの熱交換器への着脱、及
び取付装置のフイルターへの離脱を容易にできる
ため、フイルターの洗浄作業を極めて容易に行う
ことができる。さらにフイルターの大きさの異な
るものに対してもフイルター取付装置を同様に使
用でき、メツシユ部と枠とからなるフイルターに
共通して使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第３図は従来のフイルター取付装置
の概略図で、第１図はフイルター取付装置を具備
したエアコンの正面図、第２図は第１図B′−
B″断面図、第３図はフイルター取付装置の斜視
図で、又、第４図乃至第８図は本考案の一実施例
を示した図で、第４図は蒸発器へのフイルターの
取付け方法を示す斜視図、第５図はフイルター取
付装置の組立斜視図、第６図はフイルター取付後
の要部側面拡大図、第７図は第２の取付具のＣ−
C′断面図、第８図は一体成形したフイルター取
付装置の斜視図である。 １１……蒸発器、１２……冷媒管、１３……フ
イン、１１Ａ……支持部材、１４……フイルタ
ー、１４Ａ……フイルター枠、１５……第１の取
付具、１５ａ……挿入部、１５Ａ，１５Ｂ，１５
Ｃ……第１、第２、第３の凹所、１５a′……第１
の嵌合部、１５Ｄ……第１の固定部、１５D′…
…第１の開孔、１６……第２の取付具、１６ａ…
…第２の嵌合部、１６Ａ……第４の凹所、１６Ｂ
……第２の固定部、１６B′……第２の開孔、１６
A′……切り欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレートフイン型熱交換器の空気入口側面にメ
   ツシユ部とこのメツシユ部を囲む枠とからなるフ
   イルターを取付けるフイルター取付装置におい
   て、前記熱交換器のフイン間に挿入され、該熱交
   換器の冷媒管に対し直行する挿入部と、この挿入
   部の一端に設けられ、前記冷媒管に弾性的に嵌合
   される第１の嵌合部と、前記挿入部の他端に設け
   られ、フイルター枠に弾性的に嵌合される第２の
   嵌合部とからなる取付装置を対をなしてフイルタ
   ー枠の相対向する二辺に設けたことを特徴とする
   フイルター取付装置。