JPH0471847B2 - - Google Patents

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JPH0471847B2
JPH0471847B2 JP14364290A JP14364290A JPH0471847B2 JP H0471847 B2 JPH0471847 B2 JP H0471847B2 JP 14364290 A JP14364290 A JP 14364290A JP 14364290 A JP14364290 A JP 14364290A JP H0471847 B2 JPH0471847 B2 JP H0471847B2
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plate
lime
milk
basic calcium
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JP14364290A
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Hideo Yamada
Naomichi Hara
Hiraki Sonoda
Yasushi Eto
Tadashi Yasuda
Takashi Kutsuno
Hitoshi Mito
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Agency of Industrial Science and Technology
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、板状の形状を有する塩基性炭酸カル
シウムに関する。
[発明の背景] 炭酸カルシウムの工業的な製造方法としては、
二酸化炭素を石灰乳に吹き込み反応させる炭酸ガ
ス化合法が多く採用されている。一般に、この方
法によつて紡錘状炭酸カルシウムをはじめ、連鎖
状、柱状、針状などの形状を有する炭酸カルシウ
ムが製造されている。
炭酸カルシウムは紙、ゴム、プラスチツクス、
塗料などの充填剤として広く使用されている。
しかし、炭酸カルシウムは、最近まで板状のも
のの製造方法が開発されておらず、板状形状を有
するタルク、カオリンなど板状であることを利用
した用途、たとえば紙の填材および塗被剤として
の使用には充分対応し得ない面があつた。
[公知技術およびその問題点] 従来の炭酸カルシウムの製造方法、特に炭酸ガ
ス化合法においては、炭酸カルシウムの製造を迅
速に行なうために、反応に供する石灰乳の温度を
高くし、あるいは二酸化炭素の導入速度を高くす
る方法を利用するのが一般的であつた。従つて、
二酸化炭素を導入すると共に石灰乳のPH値が急速
に降下して、このため針状、紡錘状などの形状の
炭酸カルシウムが生成していた。
しかしながら、板状の炭酸カルシウムが安価に
供給できれば、天然に産するタルク、カオリン等
と異り、厳密な製品管理下に生産することが可能
であるので二次製品の製品管理の面から有利であ
り、板状の炭酸カルシウムの工業的な製造方法の
開発が望まれている。
本発明が提供する板状の塩基性炭酸カルシウム
は、特に上記の板状炭酸カルシウムを製造するた
めの原料として有効に使用することができるもの
である。
塩基性炭酸カルシウムについては、例えば、ジ
ー.シンメル:「ナチユールビツセンシヤフテン」
57巻、38〜39頁(1970年)(G.Schimmel,
“Naturwissenschaften”57,38−39(1970))に、
化学式及びX線回析結果が記載されている。しか
し、この文献には塩基性炭酸カルシウムがどのよ
うな形状を有するかについては開示されておら
ず、板状の塩基性炭酸カルシウムから板状の炭酸
カルシウムが生成することについても記載されて
いない。
[発明の目的] 本発明は、新規な形状を有する塩基性炭酸カル
シウムを提供すること目的とする。
本発明は、板状の炭酸カルシウムの製造のため
の中間原料として特に有用な板状の塩基性炭酸カ
ルシウムを提供することを目的とする。
[発明の構成] 本発明は、板状の部分の平均最大径が0.2〜
5.0μmの範囲、平均最小径が0.1〜4.0μmの範囲、
平均最小径/平均最大径の比が0.4〜1.0の範囲に
あつて、平均厚さが0.06〜0,9μmの範囲にあ
り、かつ平均最大径/平均厚さの比が5〜80の範
囲にあることを特徴とする板状塩基性炭酸カルシ
ウムにある。
この板状塩基性炭酸カルシウムは、反応開始時
の液温が25℃以下に調整された石灰乳に、該石灰
乳を攪拌しながら、該石灰乳中の水酸化カルシウ
ムの少なくとも9重量%が炭酸化される迄、該石
灰乳のpH値が二酸化炭素導入前のPH値よりも実
質的に0.2以上降下しない条件のもとに、該石灰
乳中に含有される水酸化カルシウム1gに対して
1〜7ml/分の範囲内の速度で二酸化炭素を導入
し、次いで、水酸化カルシウムの60〜75重量%が
炭酸化されるまで二酸化炭素の導入を続け、次い
で二酸化炭素の導入を停止することにより製造す
ることができる。
[発明の詳細な記述] 本発明の塩基性炭酸カルシウムの粒子は特定の
寸法形状にある板状を示す。
第1図に本発明の板状塩基性炭酸カルシウムの
一例の電子顕微鏡写真を示す。
この電子顕微鏡写真より明らかなように、本発
明の板状塩基性炭酸カルシウムは、板状の部分の
形状が四乃至十二角程度の多角形状であり、粒子
径の揃つた粒子の表面が平滑な板状体である。
さらに電子顕微鏡写真より明らかなように本発
明の板状塩基性炭酸カルシウムは、各粒子の板状
の部分の平均最大径が0.2〜5.0μm(好ましくは、
0.5〜3.0μm、特に好ましくは、0.7〜3.0μm)の範
囲、平均最小径が0.1〜4.0μm(好ましくは、0.4〜
4.0μm、特に好ましくは、0.5〜2.0μm)の範囲、
粒子の平均厚さが0.06〜0.9μm(好ましくは0.07〜
0.5μm)の範囲にある。そしてこの平均最小径と
平均最大径との比(平均最小径/平均最大径の
比)0.4〜1.0範囲(好ましくは、0.5〜1.0)にあ
るものであつて、かつ上記の平均最大径と粒子の
平均の厚さの比(平均最大径/平均厚さの比=ア
スペクト比)が5〜80(好ましくは、5〜50、更
に好ましくは5〜20)の範囲にある。
このような板状の塩基性炭酸カルシウムは下記
の組成式で表わすことができる。
xCaCO3・yCa(OH)2・zH2O[ただし、x+y
=1.5とした場合、0.9≦x≦1.13、0.37≦y≦0.6
であり、また0.3≦z≦0.8である] これは、水酸化カルシウムを炭酸化率60〜75%
まで炭酸化した際の塩基性炭酸カルシウムに相当
する。
従来、このような形状の板状塩基性炭酸カルシ
ウムは知られていなかつた。
本発明の板状塩基性炭酸カルシウムは、たとえ
ば次のようにして製造することができる。
まず、石灰乳(水酸化カルシウム懸濁液)を調
製する。
石灰乳の調製に用いる水酸化カルシウム源とし
ては、通常の生石灰あるいは消石灰を用いること
ができる。生石灰及び消石灰の例としては、生石
灰粉、塊状生石灰、塩焼き生石灰および通常の消
石灰を挙げることができる。
上記のような水酸化カルシウムを水中に投入し
て石灰乳を調製する。石灰乳中の水酸化カルシウ
ムの濃度は、通常は3〜25g/100ml、好ましく
は5〜16g/100mlの範囲である。石灰乳の濃度
が3g/100ml未満では濃度が低くすぎて経済的で
なく、他方25g/100mlを越えると石灰乳の粘度
が高くなり作業性が悪くなることがある。
炭酸化反応を開始する時点の石灰乳の温度は25
℃以下、好ましくは、7〜18℃の範囲に調製す
る。そして、水酸化カルシウムの炭酸化反応の間
に温度が上昇するが、少なくとも9重量%の水酸
化カルシウムが炭酸化されるまでの間、すなわち
炭酸化率が9%に達するまでの間、石灰乳の温度
を10〜25℃の範囲に維持することが好ましい。炭
酸化反応を開始する時点において石灰乳の温度が
25℃を越えると、炭酸化率が他の条件を満足した
としても炭酸化率9%の段階で板状塩基性炭酸カ
ルシウムを生成するための核が有効に生成しにく
いので本発明の板状塩基性炭酸カルシウムが得ら
れにくい。また、石灰乳の温度を炭酸化率が9%
に到達するまで上記の温度に制御することによ
り、上記の核が良好に生成し、有利である。石灰
乳の温度の制御は、炭酸化反応が発熱反応である
ので、たとえば反応容器に冷却装置を付設して行
なうことができる。
本発明では、少なくとも炭酸化率が9%になる
まで、石灰乳のPH値を二酸化炭素の導入前のPH値
よりも実質的に0.2以上降下しないようにして二
酸化炭素を導入する。
このようなpH値の範囲で炭酸化を行なうこと
により、石灰乳中の水酸化カルシウムと二酸化炭
素とが反応して、懸濁している水酸化カルシウム
粒子の表面上に非晶質炭酸カルシウムが生成す
る。そして、非晶質炭酸カルシウムが生成するこ
とにより、水酸化カルシウムの溶解が制御されて
PH値が降下するのであるが、有効に板状の塩基性
炭酸カルシウムを生成させるためには、PH値の降
下が二酸化炭素の導入前の値よりも0.2以上降下
しない条件のもとに二酸化炭素を導入することが
必要である。
特にPH値の降下が0.01〜0.17の範囲に制御して
二酸化炭素を導入することが好ましい。
PH値が0.2を越えて降下するように二酸化炭素
を導入すると板状の形状を有する塩基性炭酸カル
シウムが生成しない。
このような範囲にpH値を制御して炭酸化反応
を行なうことにより、石灰乳中の水酸化カルシウ
ム上に非晶質炭酸カルシウムが生成し、これが、
後の炭酸化により生成する板状塩基性炭酸カルシ
ウムの生成核となる。
炭酸化率とは、[炭酸化されたCa(OH)2/石灰
乳中に投入したCa(OH)2の総量]×100の値であ
る。
上記のようなPH値を維持する具体的な方法とし
ては、種々の方法が可能であるが、たとえば、二
酸化炭素の導入速度を、石灰乳中に含有される水
酸化カルシウム1gに対して1〜7ml/分の範囲
内の適宜な値に設定することにより可能となる。
例えば、二酸化炭素の導入速度を制御して、PH
値の降下を上記範囲とする場合に、二酸化炭素の
導入速度が水酸化カルシウム1gに対して7ml/
分を越えると、実質的にPH値を上記の以下に維持
することが不可能となる。
また、二酸化炭素の導入速度が水酸化カルシウ
ム1gに対して1ml/分未満でも非晶質炭酸カル
シウムは生成するが、板状塩基性炭酸カルシウム
の核に至るまで長時間を要するようになる。
ただし、二酸化炭素の導入速度が上記の範囲内
にあつたとしても、PH値の降下が0.2を越える場
合には目的の板状塩基性炭酸カルシウムを得るこ
とができない。
このようにして生成した非晶質の炭酸カルシウ
ムは、炭酸化率が20%を越えると板状の塩基性炭
酸カルシウムの生成に伴なつて消失し、再び水酸
化カルシウムが溶解してpH値は上昇する。
導入する二酸化炭素は、二酸化炭素単独であつ
てもあるいは水酸化カルシウムと実質的に反応性
を有していない気体(例、空気、窒素ガス)との
混合ガスであつてもよい。また、石灰石の焼成の
際に排出される二酸化炭素含有気体を用いること
ができる。混合ガスを用いる場合には、混合ガス
中の二酸化炭素の濃度が、通常10容量%以上、好
ましくは20容量%以上のものを使用する。
また、上記炭酸化反応は攪拌下に行なうことが
必要であり、攪拌を行なわないと板状の塩基性炭
酸カルシウムが得られない。
このようにして炭酸化した石灰乳に、更に二酸
化炭素を導入して炭酸化率60〜75%まで炭酸化を
行なう。特に炭酸化率62〜72%まで炭酸化を行な
うことが好ましい。炭酸化率が60%未満では板状
の塩基性炭酸カルシウムの成長が不充分であり、
一方、75%以上では生成した板状塩基性炭酸カル
シウムの形状が変化して板状の塩基性炭酸カルシ
ウムを得ることができない。
なお、この段階でPH値は、炭酸化反応開始時の
PH値から0.8程度降下した値となる。
この炭酸化により上記で生成した核を生成核と
して塩基性炭酸カルシウムが板状に成長する。
この段階での炭酸化反応の際の石灰乳の温度
は、特に冷却あるいは加熱などをすることなしに
行なうことができるが、一般には45℃以下、好ま
しくは10〜45℃の範囲で行なう。特に、この段階
の反応開始時の石灰乳は、45℃以下に調整されて
いることが好ましい。
また、この段階での炭酸化反応においては、二
酸化炭素も特定の導入速度で導入する必要はな
く、一般には、石灰乳中の水酸化カルシウム(石
灰乳を調製する際に投入した水酸化カルシウム)
1gに対して、1〜15ml/分の範囲である。なお、
初期の水酸化カルシウムを炭酸化した際の導入速
度で引続き二酸化炭素を導入することも可能であ
る。
なお、本発明のこの後半段階での炭酸化反応も
攪拌下に行なうことが望ましい。
攪拌を行なわなかつたり、あるいは攪拌が不充
分であると、均一に炭酸化反応を行なうことがで
きないことがあり、さらに導入した二酸化炭素が
未反応のまま放出されることとなり製品のコスト
を上昇させる要因ともなる。
本発明の板状塩基性炭酸カルシウムは、板状の
形状であることを利用して、そのまま、塗料ある
いは製紙用の塗被料などとして、さらには樹脂混
合複合建材の素材あるいは各種プラスタへの充填
剤として利用することができる。
さらに本発明の板状塩基性炭酸カルシウムを、
二酸化炭素雰囲気で、たとえば250〜700℃に加熱
して炭酸化することにより板状炭酸カルシウムを
得ることができる。この板状炭酸カルシウムは、
板状であるので種々の充填剤として使用できるこ
とは勿論であるが、殊に紙の塗被料としての有用
性が高く、従来使用されていたタルクあるいはカ
オリンに代わるものである。
次に本発明の実施例、比較例および参考例を示
す。
[実施例 1] 冷却装置を備えた容量3の反応容器に工業用
生石灰粉(平均粒子径74μm以下)および水を投
入して、水酸化カルシウム濃度9.5g/100mlの石
灰乳2を調製した。
この石灰乳中にPHメータの電極を挿入して継続
的に石灰乳のPH値を測定した。
この石灰乳を冷却して、激しく攪拌しながら反
応開始温度17℃で、窒素と二酸化炭素の混合ガス
(二酸化炭素10容量%)を二酸化炭素の導入速度
が石灰乳中の水酸化カルシウム1gに対して4.6
ml/分となるように導入して炭酸化反応を行なつ
た。
石灰乳のPH値は徐々に低下し、石灰乳のPH値が
炭酸化反応開始前のPH値より0.13降下した時点で
石灰乳を採取して、常法に従つて炭酸化率を測定
したところ炭酸化率は15.5%であつた。この間の
液温は17〜19℃であつた。
次に、この石灰乳に反応開始温度19℃にて更に
窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭素10容量
%)と石灰乳中の水酸化カルシウム1gに対して
二酸化炭素の導入速度が9.3ml/分となるように
導入して炭酸化反応を行なつた。
石灰乳のPH値が炭酸化反応開始前のPH値より
0.14降下した時点で混合ガスの導入を中止して、
石灰乳を採取して常法に従つて炭酸化率を測定し
たところ炭酸化率は、67%であつた。
この炭酸化された石灰乳を濾過、脱水、メチル
アルコール洗浄を行なつた後、100℃で乾燥して
塩基性炭酸カルシウム250gを得た。
炭酸化反応に要した時間は28分であつた。
第1図は本実施例で得られた塩基性炭酸カルシ
ウムの電子顕微鏡写真(倍率:10000倍)である。
得られた塩基性炭酸カルシウムは板状であるこ
とが確認され、また、板状以外の塩基性炭酸カル
シウムは殆ど観察されなかつた。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムの電子顕微
鏡写真を詳細に検討した結果、この塩基性炭酸カ
ルシウムの板状部分の平均最大径は1.0μm、平均
最小径は0.8μm、平均厚さは0.2μmであり、平均
最小径/平均最大径の比は0.8、アスペクト比は
5であつた。
更に熱重量分析を行なつたところ三つの重量減
少が認められ、ガス分析の結果から得られた板状
塩基性炭酸カルシウムは下記の組成式で示される
ものであることが判明した。
2CaCO3・Ca(OH)2・H2O [比較例 1] 実施例1で使用した反応容器に工業用生石灰粉
(平均粒子径74μm以下)および水を投入して、水
酸化カルシウム濃度9.5g/100mlの石灰乳2を
調製した。
この石灰乳中にPHメータの電極を挿入して継続
的に石灰乳のPH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、攪拌しながら反応開始温
度17℃で、窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化
炭素10容量%)を二酸化炭素の導入速度が石灰乳
中の水酸化カルシウム1gに対して15ml/分とな
るように導入し炭酸化反応を行なつた。
石灰乳の炭酸化率が9%に達したときのPH値
は、炭酸化反応開始前のPH値から0.21降下してお
り、石灰乳の炭酸化率が15.5%に達したときのPH
値は炭酸化反応開始前のPH値から0.25降下してい
た。
次に、この石灰乳に反応開始温度22℃にて更に
同じ窒素と二酸化炭素の混合ガスを石灰乳中の水
酸化カルシウム1gに対して二酸化炭素の導入速
度が9.3ml/分となるように導入して炭酸化反応
を行なつた。
石灰乳のPH値は、炭酸化反応が進むにつれ急速
に降下し炭酸化率37%の時点で炭酸化反応開始時
よりも2.37降下していた。その後PH値は上昇して
炭酸化率67%の時点では反応開始前のPH値より
0.10の降下であつた。すなわちPH値の推移は実施
例1とは全く異るものであつた。反応時間は反応
開始時から20分であつた。
炭酸化された石灰乳を濾過、脱水、メチルアル
コール洗浄を行なつた後、100℃で乾燥した。
得られた結晶を電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、生成結晶は未反応の水酸化カルシウムの粒子
と0.06μm前後の炭酸カルシウムが十数個連鎖状
につながつた連鎖状炭酸カルシウムからなつてお
り、板状の塩基性炭酸カルシウムは生成していな
かつた。
[比較例 2] 攪拌を行なわなかつた他は実施例1におけると
同様に実施した。
炭酸化されたスラリーを濾過、脱水、メチルア
ルコール洗浄を行なつた後、100℃で乾燥した。
得られた結晶を電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、生成結晶は未反応の水酸化カルシウムの粒子
と0.07μm前後の炭酸カルシウムが十数個連鎖状
につながつた連鎖状炭酸カルシウムからなつてお
り、板状の塩基性炭酸カルシウムは生成していな
かつた。
[実施例 2] 実施例1で使用した反応容器に塊状生石灰(5
〜35mm)および水を投入して、水酸化カルシウ
ム濃度9.5g/100mlの石灰乳2を調製した。
この石灰乳中にPHメータの電極を挿入して継続
的に石灰乳のPH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、攪拌しながら反応開始温
度10℃で窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭
素20容量%)を二酸化炭素の導入速度が石灰乳中
の水酸化カルシウム1gに対して1.8ml/分となる
ように導入し炭酸化反応を行なつた。
石灰乳のPH値が炭酸化反応開始前のPH値よりも
0.09降下した時点での炭酸化率は9.5%であつた。
この間の液温は10〜11℃であつた。
次に、この石灰乳に反応開始温度11℃にて更に
上記の混合ガスを石灰乳中の水酸化カルシウム
1gに対して二酸化炭素の導入速度が5.4ml/分と
なるように導入して炭酸化反応を行ない、炭酸化
率67%の塩基性炭酸カルシウム250gを得た。
炭酸化反応に要した時間は64分であつた。
得られた塩基性炭酸カルシウムを電子顕微鏡で
観察したところ板状であるこが確認され、また、
板状以外の塩基性炭酸カルシウムは殆ど観察され
なかつた。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムの電子顕微
鏡写真を詳細に検討した結果、この塩基性炭酸カ
ルシウムの板状部分の平均最大径は1.3μm、平均
最小径は1.0μm、平均厚さは0.15μmであり、平均
最小径/平均最大径の比は0.77、アスペクト比は
9であつた。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムを実施例1
と同様にして分析した結果、下記の組成式で示さ
れるものであることが判明した。
2CaCO3・Ca(OH)2・H2O [実施例 3] 実施例1で使用した反応容器に塩焼き生石灰
(35mm以下)および水を投入して、水酸化カル
シウム濃度7.9g/100mlの石灰乳2を調製した。
この石灰乳中にPHメータの電極を挿入して継続
的に石灰乳のPH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、攪拌しながら反応開始温
度15℃で窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭
素30容量%)を二酸化炭素の導入速度が石灰乳中
の水酸化カルシウム1gに対して2.2ml/分となる
ように導入し炭酸化反応を行なつた。
石灰乳のPH値が炭酸化反応開始前のPH値よりも
0.09降下した時点の炭酸化率は11.6%であつた。
この間の液温は15〜16℃であつた。
次に、この石灰乳に反応開始温度11℃にて更に
上記の混合ガスを石灰乳中の水酸化カルシウム
1gに対して二酸化炭素の導入速度が10.8ml/分と
なるように導入して炭酸化反応を行ない、炭酸化
率67%の塩基性炭酸カルシウム200gを得た。
炭酸化反応に要した時間は30分であつた。
得られた塩基性炭酸カルシウムを電子顕微鏡で
観察したところ板状であることが確認され、ま
た、板状以外の塩基性炭酸カルシウムは殆ど観察
されなかつた。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムの電子顕微
鏡写真を詳細に検討した結果、この塩基性炭酸カ
ルシウムの板状部分の平均最大径は1.1μm、平均
最小径は1.0μm、平均厚さは0.15μmであり、平均
最小径/平均最大径の比は、0.9、アスペクト比
は7であつた。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムを実施例1
と同様にして分析した結果、下記の組成式で示さ
れるものであることが判明した。
2CaCO3・Ca(OH)2・H2O [実施例 4] 冷却装置を備えた容量8の反応容器に消石灰
粉(平均粒子径149μm以下、特号S)および水を
投入して、水酸化カルシウム濃度9.5g/100mlの
石灰乳5を調製した。
この石灰乳中にPHメータの電極を挿入して継続
的に石灰乳のPH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、攪拌しながら反応開始温
度17℃で実施例3で使用した混合ガスを二酸化炭
素の導入速度が石灰乳中の水酸化カルシウム1g
に対して4.7ml/分となるように導入して炭酸化
反応を行なつた。
石灰乳のPH値が炭酸化反応開始前のPH値よりも
0.12降下した時点の炭酸化率は15.0%であつた。
この間の液温は17〜21℃であつた。
次に、この石灰乳に反応開始温度30℃にて更に
上記の混合ガスを石灰乳中の水酸化カルシウム
1gに対して二酸化炭素の導入速度が4.7ml/分と
なるように導入して炭酸化反応を行ない、炭酸化
率67%の塩基性炭酸カルシウム620gを得た。
炭酸化反応に要した時間は43分であつた。
得られた塩基性炭酸カルシウムを電子顕微鏡で
観察したところ板状であることが確認され、ま
た、板状以外の塩基性炭酸カルシウムは殆ど観察
されなかつた。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムの電子顕微
鏡写真を詳細に検討した結果、この塩基性炭酸カ
ルシウムの板状部分の平均最大径は1.0μm、平均
最小径は0.8μm、平均厚さは0.1μmであり、平均
最小径/平均最大径の比は0.8、アスペクト比は
10であつた。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムを実施例1
と同様にして分析した結果、下記の組成式で示さ
れものであることが判明した。
2CaCO3・Ca(OH)2・H2O [参考例] 実施例1で得られた板状塩基性炭酸カルシウム
を以下に示す方法により更に加熱下に炭酸化を行
ない、板状炭酸カルシウムを製造した。
実施例1で製造した板状塩基性炭酸カルシウム
100gを容量14の電気炉に投入し、炭酸ガス
(純度100%)を、1/分の導入速度で導入して
400℃に4時間加熱して加熱炭酸化反応を行なつ
た。
得られた炭酸カルシウムは板状で、板状部分の
平均最大径は1.0μm、平均厚さは0.2μm、アスペ
クト比は5であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の板状塩基性炭酸カルシウム
の結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 板状の部分の平均最大径が0.2〜5.0μmの範
    囲、平均最小径が0.1〜4.0μmの範囲、平均最小
    径/平均最大径の比が0.4〜1.0の範囲にあつて、
    平均厚さが0.06〜0.9μmの範囲にあり、かつ平均
    最大径/平均厚さの比が5〜80の範囲にあること
    を特徴とする板状塩基性炭酸カルシウム。 2 平均最大径が0.5〜3.0μmの範囲にあることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の板状塩基
    性炭酸カルシウム。 3 平均最大径が0.7〜3.0μmの範囲にあることを
    特徴とする特許請求の範囲第2項記載の板状塩基
    性炭酸カルシウム。 4 平均最小径が0.4〜4.0μmの範囲にあることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の板状塩基
    性炭酸カルシウム。 5 平均最小径が0.5〜2.0μmの範囲にあることを
    特徴とする特許請求の範囲第4項記載の板状塩基
    性炭酸カルシウム。 6 平均最小径/平均最大径の比が0.5〜1.0の範
    囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の板状塩基性炭酸カルシウム。 7 平均厚さが0.07〜0.5μmの範囲にあることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の板状塩基
    性炭酸カルシウム。 8 平均最大径/平均厚さの比が5〜50の範囲に
    あることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載
    の板状塩基性炭酸カルシウム。 9 板状塩基性炭酸カルシウムの組成が下記組成
    式で表されることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項乃至第8項のいずれかの項記載の板状塩基性
    炭酸カルシウム。 xCaCO3・yCa(OH)2・zH2O[ただし、x+y
    =1.5とした場合、0.9≦x≦1.13、0.37≦y≦0.6
    であり、また0.3≦z≦0.8である]
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