JPH03115120A - 板状塩基性炭酸カルシウム - Google Patents

板状塩基性炭酸カルシウム

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JPH03115120A
JPH03115120A JP14364290A JP14364290A JPH03115120A JP H03115120 A JPH03115120 A JP H03115120A JP 14364290 A JP14364290 A JP 14364290A JP 14364290 A JP14364290 A JP 14364290A JP H03115120 A JPH03115120 A JP H03115120A
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英夫 山田
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尚道 原
Hiraki Sonoda
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恵藤 泰
Tadashi Yasuda
正 安田
Takashi Kutsuno
沓野 尚
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三戸 均
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、板状の形状を有する塩基性炭酸カルシウムに
関する。
[発明の背景] 炭酸カルシウムの工業的な製造方法としては、二酸化炭
素を石灰乳に吹き込み反応させる炭酸ガス化合法が多く
採用されている。一般に、この方法によって紡錘状炭酸
カルシウムをはじめ、連鎖状、柱状、針状なとの形状を
有する炭酸カルシウムが製造されている。
炭酸カルシウムは紙、ゴム、プラスチックス、塗料など
の充填剤として広く使用されている。
しかし、炭酸カルシウムは、最近まで板状のものの製造
方法が開発されておらず、板状形状を有するタルク、カ
オリンなと板状であることを利用した用途、たとえば紙
の填材および塗被剤としての使用には充分対応し得ない
面があった。
[公知技術およびその問題点] 従来の炭酸カルシウムの製造方法、特に炭酸ガス化合法
においては、炭酸カルシウムの製造を迅速に行なうため
に、反応に供する石灰乳の温度を高くし、あるいは二酸
化炭素の導入速度を高くする方法を利用するのが一般的
であった。従フて、二酸化炭素を導入すると共に石灰乳
のpH値が急速に降下して、このため針状、紡錘状など
の形状の炭酸カルシウムが生成していた。
しかしながら、板状の炭酸カルシウムが安価に供給でき
れば、天然に産するタルク、カオリン等と異り、厳密な
製品管理下に生産することが可能であるので二次製品の
製品管理の面から有利であり、板状の炭酸カルシウムの
工業的な製造方法の開発が望まれている。
本発明が提供する板状の塩基性炭酸カルシウムは、特に
上記の板状炭酸カルシウムを製造するための原料として
有効に使用することができるものである。
塩基性炭酸カルシウムについては、例えば、ジー、シン
メル:「ナチュールビッセンシャフテン」57巻、38
〜39頁(1970年)(G。
Schimmel、”Naturwissenscha
ften” 57. 38−39(1970))に、化
学式及びX線回折結果が記載されている。しかし、この
文献には塩基性炭酸カルシウムがどのような形状を存す
るかについては開示されておらず、板状の塩基性炭酸カ
ルシウムから板状の炭酸カルシウムが生成することにつ
いても記載されていない。
[発明の目的] 本発明は、新規な形状を有する塩基性炭酸カルシウムを
提供すること目的とする。
本発明は、板状の炭酸カルシウムの製造のための中間原
料として特に有用な板状の塩基性炭酸カルシウムを提供
することを目的とする。
[発明の構成] 本発明は、板状の部分の平均最大径が0.2〜5.0μ
mの範囲、平均最小径が0.1〜4.0μmの範囲、平
均最小径/平均最大径の比が0.4〜1.0の範囲にあ
って、平均厚さが0.06〜0.9μmの範囲にあり、
かつ平均最大径/平均厚さの比が5〜80の範囲にある
ことを特徴とする板状塩基性炭酸カルシウムにある。
この板状塩基性炭酸カルシウムは、反応開始時の液温が
25℃以下に調整された石灰乳に、該石灰乳を攪拌しな
がら、該石灰乳中の水酸化カルシウムの少なくとも9重
量%が炭酸化される迄、該石灰乳のpH値が二酸化炭素
導入前のpH値よりも実質的に0.2以上降下しない条
件のもとに、該石灰乳中に含有される水酸化カルシウム
1gに対して1〜7mJ27分の範囲内の速度で二酸化
炭素を導入し、次いで、水酸化カルシウムの60〜75
重量%が炭酸化されるまで二酸化炭素の導入を続け、次
いで二酸化炭素の導入を停止することにより製造するこ
とができる。
[発明の詳細な記述] 本発明の塩基性炭酸カルシウムの粒子は特定の寸法形状
にある板状を示す。
第1図に本発明の板状塩基性炭酸カルシウムの一例の電
子顕微鏡写真を示す。
この電子顕微鏡写真より明らかなように、本発明の板状
塩基性炭酸カルシウムは、板状の部分の形状が四乃至十
二角程度の多角形状であり、粒子径の揃った粒子の表面
が平滑な板状体である。
さらに電子顕微鏡写真より明らかなように本発明の板状
塩基性炭酸カルシウムは、各粒子の板状の部分の平均最
大径が0.2〜5.0μm(好ましくは、0.5〜3.
0μm1特に好ましくは、0.7〜3.0μm)の範囲
、平均最小径が0.1〜4.0μm (好ましくは、0
.4〜4.0μm1特に好ましくは、0.5〜2.0μ
m)の範囲、粒子の平均厚さが0.06〜0.9μm(
好ましくは0.07〜0.5μm)の範囲にある。そし
てこの平均最小径と平均最大径との比(平均最小径/平
均最大径の比)が0.4〜1.0範囲(好ましくは、0
.5〜1゜0)にあるものであって、かつ上記の平均最
大径と粒子の平均の厚さの比(平均最大径/平均厚さの
比=アスペクト比)が5〜80(好ましくは、5〜50
、更に好ましくは5〜2O)、の範囲にある。
このような板状の塩基性炭酸カルシウムは下記の組成式
で表わすことができる。
xCaCO3− yCa (OH) 2− zH,0[
ただし、x+y=1.5とした場合、0.9≦x≦1.
13.0.37≦y≦0.6であり、また0、3≦z≦
0.8である] これは、水酸化カルシウムを炭酸化率60〜75%まで
炭酸化した際の塩基性炭酸カルシウムに相当する。
従来、このような形状の板状塩基性炭酸カルシウムは知
られていなかった。
本発明の板状塩基性炭酸カルシウムは、たとえば次のよ
うにして製造することができる。
まず、石灰乳(水酸化カルシウム懸濁液)を調製する。
石灰乳の調製に用いる水酸化カルシウム源としては、通
常の生石灰あるいは消石灰を用いることができる。生石
灰及び消石灰の例としては、生石灰粉、塊状生石灰、塩
焼き生石灰および通常の消石灰を挙げることができる。
下記のような水酸化カルシウムを水中に投入して石灰乳
を調製する。石灰乳中の水酸化カルシウムの濃度は、通
常は、3〜25 g 7100 m fL 。
好ましくは5〜16 g / 100 m 11の範囲
である。石灰乳の濃度が3 g 7100 m IL未
満では濃度が低くすぎて経済的でなく、他方25g/1
00mILを越えると石灰乳の粘度が高くなり作業性が
悪くなることがある。
炭酸化反応を開始する時点の石灰乳の温度は25℃以下
、好ましくは、7〜18℃の範囲に調整する。そして、
水酸化カルシウムの炭酸化反応の間に温度が上昇するが
、少なくとも9重量%の水酸化カルシウムが炭酸化され
るまでの間、すなわち炭酸化率が9%に達するまでの間
、石灰乳の温度を10〜25℃の範囲に維持することが
好ましい。炭酸化反応を開始する時点において石灰乳の
温度が25℃を越えると、炭酸化率が他の条件を満足し
たとしても炭酸化率9%の段階で板状塩基性炭酸カルシ
ウムを生成するための核が有効に生成しにくいので本発
明の板状塩基性炭酸カルシウムが得られにくい。また、
石灰乳の温度を炭酸化率が9%に到達するまで上記の温
度に制御することにより、上記の核が良好に生成し、有
利である。石灰乳の温度の制御は、炭酸化反応が発熱反
応であるので、たとえば反応容器に冷却装置を付設して
行なうことができる。
本発明では、少なくとも炭酸化率が9%になるまで、石
灰乳のpH値を二酸化炭素の導入前のpH値よりも実質
的に0.2以上降下しないようにして二酸化炭素を導入
する。
このようなpH値の範囲で炭酸化を行なうことにより、
石灰乳中の水酸化カルシウムと二酸化炭素とが反応して
、懸濁している水酸化カルシウム粒子の表面上に非晶質
炭酸カルシウムが生成する。そして、非晶質炭酸カルシ
ウムが生成することにより、水酸化カルシウムの溶解が
制御されてpH値が降下するのであるが、有効に板状の
塩基性炭酸カルシウムを生成させるためには、pH値の
降下が二酸化炭素の導入前の値よりも0.2以上降下し
ない条件のもとに二酸化炭素を導入することが必要であ
る。
特にpi−i値の降下が0.01〜0.17の範囲に制
御して二酸化炭素を導入することが好ましい。
pH値が0.2を起えて降下するように二酸化炭素を導
入すると板状の形状を有する塩基性炭酸カルシウムが生
成しない。
このような範囲にp)i値を制御して炭酸化反応を行な
うことにより、石灰乳中の水酸化カルシウム上に非晶質
炭酸カルシウムが生成し、これが、後の炭酸化により生
成する板状塩基性炭酸カルシウムの生成核となる。
炭酸化率とは、[炭酸化されたCa (OH)2/石灰
乳中に投入したCa (OH)2の総i] X100の
値である。
上記のようなpH値を維持する具体的な方法としては、
種々の方法が可能であるが、たとえば、二酸化炭素の導
入速度を、石灰乳中に含有される水酸化カルシウム1g
に対して1〜1m1l1分の範囲内の適宜な値に設定す
ることにより可能となる。
例えば、二酸化炭素の導入速度を制御して、pH値の降
下を上記範囲とする場合に、二酸化炭素の導入速度が水
酸化カルシウム1gに対して7mfl1分を越えると、
実質的にpH値を上記の以下に維持することが不可能と
なる。
また、二酸化炭素の導入速度が水酸化カルシウム1gに
対して1m1l1分未満でも非晶質炭酸カルシウムは生
成するが、板状塩基性炭酸カルシウムの核に至るまで長
時間を要するようになる。
ただし、二酸化炭素の導入速度が上記の範囲内にあった
としても、pH値の降下が0.2を越える場合には目的
の板状塩基性炭酸カルシウムを得ることができない。
このようにして生成した非晶質の炭酸カルシウムは、炭
酸化率が2O%を越えると板状の塩基性炭酸カルシウム
の生成に伴なって消失し、再び水酸化カルシウムが溶解
してpH値は上昇する。
導入する二酸化炭素は、二酸化炭素単独であってもある
いは水酸化カルシウムと実質的に反応性を有していない
気体(例、空気、窒素ガス)との混合ガスであってもよ
い。また、石灰石の焼成の際に排出される二酸化炭素含
有気体を用いることができる。混合ガスを用いる場合に
は、混合ガス中の二酸化炭素の濃度が、通常10容量%
以上、好ましくは2O容量%以上のものを使用する。
また、上記炭酸化反応は攪拌下に行なうことが必要であ
り、攪拌を行なわないと板状の塩基性炭酸カルシウムが
得られない。
このようにして炭酸化した石灰乳に、更に二酸化炭素を
導入して炭酸化率60〜75%まで炭酸化を行なう。特
に炭酸化率62〜72%まで炭酸化を行なうことが好ま
しい。炭酸化率が60%未満では板状の塩基性炭酸カル
シウムの成長が不充分であり、一方、75%以上では生
成した板状塩基性炭酸カルシウムの形状が変化して板状
の塩基性炭酸カルシウムを得ることができない。
なお、この段階でpH値は、炭酸化反応開始時のpH値
から0.8程度降下した値となる。
この炭酸化により上記で生成した核を生成核として塩基
性炭酸カルシウムが板状に成長する。
この段階での炭酸化反応の際の石灰乳の温度は、特に冷
却あるいは加熱などをすることなしに行なうことができ
るが、一般には45℃以下、好ましくは10〜45℃の
範囲で行なう。特に、この段階の反応開始時の石灰乳は
、45℃以下に調整されていることが好ましい。
また、この段階での炭酸化反応においては、二酸化炭素
も特定の導入速度で導入する必要はなく、一般には、石
灰乳中の水酸化カルシウム(石灰乳を調製する際に投入
した水酸化カルシウム)1gに対して、1〜15m11
分の範囲である。
なお、初期の水酸化カルシウムを炭酸化した際の導入速
度で引続き二酸化炭素を導入することも可能である。
なお、本発明のこの後半段階での炭酸化反応も攪拌下に
行なうことが望ましい。
攪拌を行なわなかったり、あるいは攪拌が不充分である
と、均一に炭酸化反応を行なうことができないことがあ
り、さらに導入した二酸化炭素が未反応のまま放出され
ることとなり製品のコストを上昇させる要因ともなる。
本発明の板状塩基性炭酸カルシウムは、板状の形状であ
ることを利用して、そのまま、塗料あるいは製紙用の塗
被料などとして、さらには樹脂混合複合建材の素材ある
いは各種プラスタへの充填剤として利用することができ
る。
さらに本発明の板状塩基性炭酸カルシウムを、二酸化炭
素雰囲気で、たとえば250〜700℃に加熱して炭酸
化することにより板状炭酸カルシウムを得ることができ
る。この板状炭酸カルシウムは、板状であるので種々の
充填剤として使用できることは勿論であるが、殊に紙の
塗被料としての有用性が高く、従来使用されていたタル
クあるいはカオリンに代わるものである。
次に本発明の実施例、比較例および参考例を示す。
[実施例1] 冷却装置を備えた容ji13J2の反応容器に工業用生
石灰粉(平均粒子径74μm以下)および水を投入して
、水酸化カルシウム濃度9.5g/100mλの石灰乳
2λを調製した。
この石灰乳中にpHメータの電極を挿入して継続的に石
灰乳のpH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、激しく攪拌しながら反応開始温度
17℃で、窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭素1
0容量%)を二酸化炭素の導入速度が石灰乳中の水酸化
カルシウム1gに対して4.6mft/分となるように
導入して炭酸化反応を行なった。
石灰乳のpH値は徐々に低下し、石灰乳のpH値が炭酸
化反応開始前のpH値より0.13降下した時点で石灰
乳を採取して、常法に従って炭酸化率を測定したところ
炭酸化率は15.5%であった。この間の液温は17〜
19℃であフた。
次に、この石灰乳に反応開始温度19℃にて更に窒素と
二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭素10容量%)を石灰
乳中の水酸化カルシウム1gに対して二酸化炭素の導入
速度が9.3mfl1分となるように導入して炭酸化反
応を行なった。
石灰乳のpH値が炭酸化反応開始前のpH値より0.1
4降下した時点で混合ガスの導入を中止して、石灰乳を
採取して常法に従って炭酸化率を測定したところ炭酸化
率は、67%であった。
この炭酸化された石灰乳を濾過、脱水、メチルアルコー
ル洗浄を行なった後、100t:で乾燥して塩基性炭酸
カルシウム250gを得た。
炭酸化反応に要した時間は28分であった。
第1図は本実施例で得られた塩基性炭酸カルシウムの電
子顕微鏡写真(倍率:10000倍)である。
得られた塩基性炭酸カルシウムは板状であることが確認
され、また、板状以外の塩基性炭酸カルシウムは殆ど観
察されなかった。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真を
詳細に検討した結果、この塩基性炭酸カルシウムの板状
部分の平均最大径は1.0μm、平均最小径は0.8μ
m、平均厚さは0.2μmであり、平均最小径/平均最
大径の比は0.8、アスペクト比は5であった。
更に熱重量分析を行なったところ三つの重量減少が認め
られ、ガス分析の結果から得られた板状塩基性炭酸カル
シウムは下記の組成式で示されるものであることが判明
した。
2CaC03・Ca(OH)2 ・H2O[比較例1] 実施例1で使用した反応容器に工業用生石灰粉(平均粒
子径74μm以下)右よび水を投入して、水酸化カルシ
ウム濃度9.5g/100mfの石灰乳2fiを調製し
た。
この石灰乳中にpHメータの電極を挿入して継続的に石
灰乳のpH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、攪拌しながら反応開始温度17℃
で、窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭素10容量
%)を二酸化炭素の導入速度が石灰乳中の水酸化カルシ
ウム1gに対して15mJlZ分となるように導入し炭
酸化反応を行なった。
石灰乳の炭酸化率が9%に達したときのpH値は、炭酸
化反応開始前のpH値から0.21降下しており、石灰
乳の炭酸化率が15.5%に達したときのpH値は炭酸
化反応開始前のpH値から0.25降下していた。
次に、この石灰乳に反応開始温度22℃にて更に同じ窒
素と二酸化炭素の混合ガスを石灰乳中の水酸化カルシウ
ム1gに対して二酸化炭素の導入速度が9.3mI!、
/分となるように導入して炭酸化反応を行なった。
石灰乳のpH値は、炭酸化反応が進むにつれ急速に降下
し炭酸化率37%の時点で炭酸化反応開始時よりも2.
37降下していた。その後pH値は上昇して炭酸化率6
7%の時点では反応開始前のpH値より0.10の降下
であった。すなわちpH値の推移は実施例1とは全く異
るものであった。反応時間は反応開始時から2O分であ
った。
炭酸化された石灰乳を濾過、脱水、メチルアルコール洗
浄を行なった後、100℃で乾燥した。
得られた結晶を電子顕微鏡にて観察したところ、生成結
晶は未反応の水酸化カルシウムの粒子と0.06μm前
後の炭酸カルシウムが士数個連鎖状につながった連鎖状
炭酸カルシウムからなっており、板状の塩基性炭酸カル
シウムは生成していなかった。
[比較例2コ 攪拌を行なわなかった他は実施例1におけると同様に実
施した。
炭酸化されたスラリーを濾過、脱水、メチルアルコール
洗浄を行なった後、100℃で乾燥した。
得られた結晶を電子顕微鏡にて観察したところ、生成結
晶は未反応の水酸化カルシウムの粒子と0.07μm前
後の炭酸カルシウムが士数個連鎖状につながった連鎖状
炭酸カルシウムからなっており、板状の塩基性炭酸カル
シウムは生成していなかった。
[実施例2] 実施例1で使用した反応容器に塊状生石灰(5〜35m
m)および水を投入して、水酸化カルシウム濃度9.5
g7100mj2の石灰乳2J!を調製した。
この石灰乳中にpHメータの電極を挿入して継続的に石
灰乳のpH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、攪拌しながら反応開始温度10℃
で窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭素2O容量%
)を二酸化炭素の導入速度が石灰乳中の水酸化カルシウ
ム1gに対して1.8mj!/分となるように導入し炭
酸化反応を行なった。
石灰乳のpH値が炭酸化反応開始前のpH値よりも0.
09降下した時点での炭酸化率は9.5%であフた。こ
の間の液温は10〜11℃であった。
次に、この石灰乳に反応開始温度11℃にて更に上記の
混合ガスを石灰乳中の水酸化カルシウム1gに対して二
酸化炭素の導入速度が5.μmJLZ分となるように導
入して炭酸化反応を行ない、炭酸化率67%の塩基性炭
酸カルシウム250gを得た。
炭酸化反応に要した時間は64分であった。
得られた塩基性炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した
ところ板状であることが確認され、また、板状以外の塩
基性炭酸カルシウムは殆ど観察されなかった。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真を
詳細に検討した結果、この塩基性炭酸カルシウムの板状
部分の平均最大径は1.3μm、平均最小径は1.0μ
m、平均厚さは0.15μmであり、平均最小径/平均
最大径の比は0゜77、アスペクト比は9であった。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムを実施例1と同様に
して分析した結果、下記の組成式で示されるものである
ことが判明した。
2CaCO,、* Ca (OH)2 ・H2O[実施
例3] 実施例1で使用した反応容器に塩焼き生石灰(35mm
以下)および水を投入して、水酸化カルシウム濃度7.
9g/100mILの石灰乳21を調製した。
この石灰乳中にpHメータの電極を挿入して継続的に石
灰乳のpH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、攪拌しながら反応開始温度15℃
で窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭素30容量%
)を二酸化炭素の導入速度が石灰乳中の水酸化カルシウ
ム1gに対して2.2mj!/分となるように導入し炭
酸化反応を行なった。
石灰乳のpH値が炭酸化反応開始前のpH値よりも0.
09降下した時点の炭酸化率は11.6%であった。こ
の間の液温は15〜16℃であった。
次に、この石灰乳に反応開始温度11℃にて更に上記の
混合ガスを石灰乳中の水酸化カルシウム1gに対して二
酸化炭素の導入速度が10.8mR,7分となるように
導入して炭酸化反応を行ない、炭酸化率67%の塩基性
炭酸カルシウム2O0gを得た。
炭酸化反応に要した時間は30分であった。
得られた塩基性炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した
ところ板状であることが確認され、また、板状以外の塩
基性炭酸カルシウムは殆ど観察されなかった。
得られた板状塩基性炭酸カルシウム、の電子顕微鏡写真
を詳細に検討した結果、この塩基性炭酸カルシウムの板
状部分の平均最大径紘1.1μm、平均最小径は1.0
μm、平均厚さは0.15μmであり、平均最小径/平
均最大径の比は、0.9、アスペクト比は7であった。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムを実施例1と同様に
して分析した結果、下記の組成式で示されるものである
ことが判明した。
2CaCO3・Ca(OH)2 ・H2O[実施例4] 冷却装置を備えた容量81の反応容器に消石灰粉(平均
粒子径149μm以下、持分5)J3よび水を投入して
、水酸化カルシウム濃度9.5g/100mftの石灰
乳52を調製した。
この石灰乳中にpHメータの電極を挿入して継続的に石
灰乳のpH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、攪拌しながら反応開始温度17℃
で実施例3で使用した混合ガスを二酸化炭素の導入速度
が石灰乳中の水酸化カルシウム1gに対して4.7mQ
1分となるように導入して炭酸化反応を行なった。
石灰乳のpH値が炭酸化反応開始前のpH値よりも0.
12降下した時点の炭酸化率は15.0%であった。こ
の間の液温は17〜21℃であった。
次に、この石灰乳に反応開始温度30℃にて更に上記の
混合ガスを石灰乳中の水酸化カルシウム1gに対して二
酸化炭素の導入速度が4.7m1Z分となるように導入
して炭酸化反応を行ない、炭酸化率67%の塩基性炭酸
カルシウム62Ogを得た。
炭酸化反応に要した時間は43分であった。
得られた塩基性炭酸カルシウムを電子顕微鏡で観察した
ところ板状であることが確認され、また、板状以外の塩
基性炭酸カルシウムは殆ど観察されなかった。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真を
詳細に検討した結果、この塩基性炭酸カルシウムの板状
部分の平均最大径は1.0μm、平均最小径は0.8μ
m、平均厚さは0,1μmであり、平均最小径/平均最
大径の比は0.8、アスペクト比は10であった。
得られた板状塩基性炭酸カルシウムを実施例1と同様に
して分析した結果、下記の組成式で示されるものである
ことが判明した。
2CaCO3+ Ca (OH)2 ’ H2O[参考
例] 実施例1で得られた板状塩基性炭酸カルシウムを以下に
示す方法により更に加熱下に炭酸化を行ない、板状炭酸
カルシウムを製造した。
実施例1で製造した板状塩基性炭酸カルシウム100g
を容量14ILの電気炉に投入し、炭酸ガス(純度10
0%)を、117分の導入速度で導入して400℃に4
時間加熱して加熱炭酸化反応を行なった。
得られた炭酸カルシウムは板状で、板状部分の平均最大
径は1.0μm、平均厚さは0.2μm1アスペクト比
は5であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の板状塩基性炭酸カルシウムの電子顕
微鏡写真である。 手続補正書 (方式) %式% 2゜発明の名称 板状塩基性炭酸カルシウム 3゜補正をする者 事件との関係  特許出願人 名 称 (114)工業技術院長 杉浦 賢名 称  
日本石灰工業株式会社 4゜T業技術院長杉浦賢の復代理人 住 所  東京都新宿区四谷2−14ミツヤ四谷ビル8
階7゜補正の対象 (1)代理権を証明する書面。 (2)明細書の「図面の簡単な説明1の欄。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、板状の部分の平均最大径が0.2〜5.0μmの範
    囲、平均最小径が0.1〜4.0μmの範囲、平均最小
    径/平均最大径の比が0.4〜1.0の範囲にあって、
    平均厚さが0.06〜0.9μmの範囲にあり、かつ平
    均最大径/平均厚さの比が5〜80の範囲にあることを
    特徴とする板状塩基性炭酸カルシウム。 2、平均最大径が0.5〜3.0μmの範囲にあること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の板状塩基性炭
    酸カルシウム。 3、平均最大径が0.7〜3.0μmの範囲にあること
    を特徴とする特許請求の範囲第2項記載の板状塩基性炭
    酸カルシウム。 4、平均最小径が0.4〜4.0μmの範囲にあること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の板状塩基性炭
    酸カルシウム。 5、平均最小径が0.5〜2.0μmの範囲にあること
    を特徴とする特許請求の範囲第4項記載の板状塩基性炭
    酸カルシウム。 6、平均最小径/平均最大径の比が0.5〜1.0の範
    囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    板状塩基性炭酸カルシウム。 7、平均厚さが0.07〜0.5μmの範囲にあること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の板状塩基性炭
    酸カルシウム。 8、平均最大径/平均厚さの比が5〜50の範囲にある
    ことを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の板状塩基
    性炭酸カルシウム。 9、板状塩基性炭酸カルシウムの組成が下記組成式で表
    されることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第8
    項のいずれかの項記載の板状塩基性炭酸カルシウム。 xCaCO_3・yCa(OH)_2・zH_2O[た
    だし、x+y=1.5とした場合、0.9≦x≦1.1
    3、0.37≦y≦0.6であり、また0.3≦z≦0
    .8である]
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