JPH0255370B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0255370B2
JPH0255370B2 JP17440086A JP17440086A JPH0255370B2 JP H0255370 B2 JPH0255370 B2 JP H0255370B2 JP 17440086 A JP17440086 A JP 17440086A JP 17440086 A JP17440086 A JP 17440086A JP H0255370 B2 JPH0255370 B2 JP H0255370B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium carbonate
carbonation
rate
lime
milk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP17440086A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6330316A (ja
Inventor
Hideo Yamada
Naomichi Hara
Hiraki Sonoda
Yasushi Eto
Tadashi Yasuda
Naohiko Sasaki
Takashi Kutsuno
Hitoshi Mito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP17440086A priority Critical patent/JPS6330316A/ja
Publication of JPS6330316A publication Critical patent/JPS6330316A/ja
Publication of JPH0255370B2 publication Critical patent/JPH0255370B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
    • C01F11/00Compounds of calcium, strontium, or barium
    • C01F11/18Carbonates
    • C01F11/181Preparation of calcium carbonate by carbonation of aqueous solutions and characterised by control of the carbonation conditions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、アラゴナイト系の針状形状を有する
炭酸カルシウムを製造する方法に関するものであ
る。
[発明の背景] 炭酸カルシウムは、紙、ゴム、プラスチツクス
および塗料などの充填材として広く使用されてい
る。このような炭酸カルシウムには、天然の白色
石灰石を微粉砕して製造される重質炭酸カルシウ
ムと、化学的に合成される軽質炭酸カルシウムと
がある。上記のような用途に使用される炭酸カル
シウムとしては、従来は重質炭酸カルシウムが主
流であつたが、昨今は、軽質炭酸カルシウムが多
くなつてきている。
特に最近、例えば中性紙などの製紙用の填料と
して広く使用されていたタルクに代わりに、軽質
炭酸カルシウムが使用されている。
製紙用の填料として使用される軽質炭酸カルシ
ウムには、基本的に凝集が少なく、良好な分散性
を有する必要がある。さらに、軽質炭酸カルシウ
ムには、これを顔料として使用して製造された塗
工紙の白紙光沢、印刷光沢、白色度、インク受理
性、インクセツト性、不透明度および表面強度な
どの特性に関し、他方、またこれを填料として使
用して製造された紙では白色度、不透明度および
引張強度などの特性に関し、従来から使用されて
いた填料を使用した場合と同等もしくはこれ以上
の特性を付与することができるものであるとの要
求がある。
このような要求を満足する軽質炭酸カルシウム
として針状(あるいは柱状)の結晶形状を有する
軽質炭酸カルシウムが注目されている。
軽質炭酸カルシウムには、カルサイト、アラゴ
ナイトおよびバテライトの同質異像があることが
知られている。カルサイト系の軽質炭酸カルシウ
ムも長柱状の結晶形状を有することもあるが、一
般には紡錘状あるいは立方体状の形状を有するこ
とが多く、また、バテライトは不安定であるの
で、上記の特性を有する針状(あるいは柱状)の
結晶形状を有する軽質炭酸カルシウムとしては、
アラゴナイト系のものが好適である。
軽質炭酸カルシウムの製造方法としては、石灰
乳などに二酸化炭素を導入して炭酸カルシウムを
沈澱させる方法が主に利用されており、アラゴナ
イト系針状炭酸カルシウムも、この方法を利用し
て製造することができる。
しかしながら、石灰乳などに二酸化炭素を導入
するとアラゴナイト系のものよりもカルサイト系
の炭酸カルシウムが生成し易い。そこで、上記の
方法を利用してアラゴナイト系針状炭酸カルシウ
ムを選択的に製造するためには、カルサイト系結
晶が生成しない条件を選択して炭酸化反応を行な
うことが必要であり、このような製造条件に関し
て種々の改良、あるいは提案がなされている。
たとえば、特公昭43−22783号公報には、アル
カリ性に調整された塩化カルシウム水溶液に特定
の条件下で二酸化炭素を導入して炭酸化を行なう
方法が開示されており、また、特開昭54−50499
号公報には、石灰乳に二酸化炭素を吹込む際の条
件を三段階にわたつて制御することを特徴とする
方法が開示されている。
すなわち、上記のようなアラゴナイト系針状炭
酸カルシウムを高い選択率で生成させるために提
案されている方法は、使用する原料および二酸化
炭素の導入速度などの炭酸化の際の全ての条件に
ついて厳しく制御することを主な特徴とするもの
である。従つて、上記のような方法は、反応条件
の設定のための操作が非常に煩雑になるとの問題
がある。またさらに、本発明者の検討によると、
反応条件などを厳しく制御したとしても、アラゴ
ナイト系針状炭酸カルシウムに対する選択性が低
く、通常は相当量のカルサイト系の結晶が副生す
るとの問題がある。
このような方法で改良が行なわれてきた理由の
ひとつは、アラゴナイト系針状炭酸カルシウムの
生成工程において、従来技術の改良が反応条件の
制御の根拠となる石灰乳等の物性の変化について
は、ほとんど考察が加えられておらず、反応条件
を厳格に制御することによつてのみアラゴナイト
系針状炭酸カルシウムの製造が可能であると考え
られていたことにある。
すなわち、従来の改良方法は、アラゴナイト系
針状炭酸カルシウムを工業的に製造する方法とし
ては、操作が複雑すぎ、さらに選択的にアラゴナ
イト系炭酸カルシウムを製造するとの目的も充分
には達成されていたとはいい難い。
[発明の目的] 本発明は、アラゴナイト系の針状炭酸カルシウ
ムを容易に製造することができる新規な方法を提
供することを目的とする。
さらに、本発明は、高い選択率でアラゴナイト
系の針状炭酸カルシウムを製造することができる
新規な方法を提供することを目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、少なくとも炭酸化率が5%になるま
で、石灰乳の導電率が二酸化炭素導入前の値より
も実質的に3.0ms/cm以上降下しない条件下で該
石灰乳に二酸化炭素を導入して炭酸化を行ない、
次いで炭酸化率が50%に至る以前に該石灰乳の強
制加温(強制加熱)を開始し、該石灰乳の昇温速
度が0.5〜10℃/分の範囲内になるように該加温
を行ないながら、もしくは該加温を行なつた後に
該石灰乳に二酸化炭素を導入する工程を含む炭酸
化工程により、炭酸化率が実質的に100%に至る
まで炭酸化反応を行なうことを特徴とするアラゴ
ナイト系針状炭酸カルシウムの製法を提供する。
さらに本発明は、炭酸化率が50〜75%の範囲内
にある板状塩基性炭酸カルシウムの水性懸濁液を
調製した後、該塩基性炭酸カルシウムの炭酸化率
が85%に至る以前に該水性懸濁液の強制加温を開
始し、該水性懸濁液の昇温速度が0.5〜10℃/分
の範囲内になるように該加温を行ないながら、も
しくは該加温を行なつた後に該水性懸濁液に二酸
化炭素を導入する工程を含む炭酸化工程により、
炭酸化率が実質的に100%に至るまで炭酸化反応
を行なうことを特徴とするアラゴナイト系針状炭
酸カルシウムの製法をも提供する。
[発明の効果] 本発明の製法によれば、特定の出発物質を用い
て、これを特定の強制加温条件で強制加温しなが
ら、もしくは強制加温を行なつた後に炭酸化を行
なうとの比較的簡単な操作でアラゴナイト系針状
炭酸カルシウムを製造することができる。
そして、操作が容易であるにも拘らず、アラゴ
ナイト系針状炭酸カルシウムを非常に高い選択率
で製造することができる。
さらに、好適な条件を設定することにより実質
的にカルサイト系の結晶を含まないアラゴナイト
系針状炭酸カルシウムを製造することができる。
[発明の詳細な記述] 本発明者は、石灰乳に二酸化炭素を導入して炭
酸化する際に、石灰乳の導電率あるいはPH値を継
続的に測定すると、導電率あるいはPH値が炭酸化
率に対して特異的に降下し、炭酸化の条件を変え
て降下状態を制御することにより、得られる炭酸
化物の形状を変えることができることを見い出し
た。
このような導電率あるいはPH値の降下状態を制
御して形状の異なる塩基性炭酸カルシウムあるい
は炭酸カルシウムを製造する方法などに関する発
明について、既に出願がなされている(特願昭60
−61288号、同60−61289号、同60−61290号)。
本発明は、アラゴナイト系針状炭酸カルシウム
の製造に際し、板状塩基性炭酸カルシウムがその
前駆物質的に地位にあるとの知見を基にしてなさ
れたものであつて、基本的には板状塩基性炭酸カ
ルシウムの生成過程において強制加温を行なうこ
とにより、もしくは板状塩基性炭酸カルシウムを
さらに炭酸化する過程において強制加温を行なう
ことにより板状塩基性炭酸カルシウムをアラゴナ
イト系針状炭酸カルシウムに変換することを主な
特徴とするものである。
以下、本発明を添付した図面に沿つて説明す
る。
第1図は、本発明に従う針状炭酸カルシウムの
製造の際の導電率と炭酸化率との関係の例を示す
図である。
なお、本発明において、炭酸化率は、次の式で
表わされる。
炭酸化率(%)=[(炭酸化された
水酸化カルシウムの重量) /(用いられた水酸化カルシ
ウムの重量)]×100 石灰乳に二酸化炭素を導入して水酸化カルシウ
ムの炭酸化を行なう際に石灰乳の導電率(あるい
はPH値)を精密に測定すると石灰乳の導電率が炭
酸化率により特異的に降下する。
すなわち、石灰乳に二酸化炭素を導入すると炭
酸化率が急速に降下する。これが一次降下であ
る。この一次降下は、通常は炭酸化率が20%まで
に現われる。
本発明においては、まず、石灰乳中の水酸化カ
ルシウムの炭酸化率が少なくとも5%に至るまで
(少なくとも5重量%が炭酸化されるまで)、炭酸
化を行なう前の導電率よりも導電率が3ms/cm以
上降下しない条件(PH値で表記すると0.2以上降
下しない条件)下で炭酸化を行なう。特に炭酸化
率が20%に至るまでは導電率が3ms/cm以上降下
しない条件で炭酸化を行なうことが好ましい。こ
のような条件は、基本的には石灰乳中に導入する
二酸化炭素の量が、二酸化炭素と水酸化カルシウ
ムとの反応により消費される二酸化炭素の量より
も過度に多くならないように、二酸化炭素の導入
速度を調整することにより達成することができ
る。
すなわち、二酸化炭素の導入速度を、石灰乳中
に含有される水酸化カルシウム1gに対して通常
1〜10ml/分の範囲(好ましくは、1〜6ml/
分、特に好ましくは2〜5ml/分)の範囲内に設
定する。
導入する二酸化炭素は、二酸化炭素単独であつ
ても、あるいは水酸化カルシウムと実質的に反応
性を有していない気体(例、空気、窒素ガス)と
の混合ガスであつてもよい。なお、本発明におい
ては、以下に記載する各工程で導入する二酸化炭
素は、上記のものを用いることができる。
石灰乳の調製に用いる水酸化カルシウム源とし
ては、通常の生石灰あるいは消石灰を用いること
ができる。生石灰および消石灰の例としては、生
石灰粉、塊状生石灰、塩焼き生石灰および通常の
消石灰を挙げることができる。石灰乳は、水酸化
カルシウムの濃度が、通常3〜25g/100ml(好
ましくは4〜16g/100ml、特に好ましくは5〜
12g/100ml)の範囲内になるように調製される。
上記の炭酸化に際しては、炭酸化反応を開始す
る時点の石灰乳の温度を通常25℃以下(好ましく
は、10〜25℃の範囲内)に調整し、この温度は、
通常炭酸化率が少なくとも5%に至るまでは維持
される。炭酸化反応は発熱反応であるので、通常
は、冷却しながら炭酸化を行なう方法が利用され
る。石灰乳の温度が25℃を越えると、最終的にカ
ルサイト系の結晶が生成し易くなる。
このようにして炭酸化率が少なくとも5%に至
るまでの導電率の降下を通常の条件下で炭酸化を
行なう場合よりも低く抑えることにより、主に石
灰乳中の水酸化カルシウムの粒子の周囲に板状塩
基性炭酸カルシウムの生成核が形成されるものと
推定される。
次いで、上記のようにして部分的に炭酸化され
た石灰乳に、特定の加温条件で強制加温を行ない
ながら、もしくは加温を行なつた後にさらに二酸
化炭素を導入して炭酸化反応を行なう。
すなわち、上記のようにして生成された石灰乳
に、さらに二酸化炭素を導入すると、第1図に示
すように導電率は緩やかに降下し、炭酸化率が一
定の値以上になると再び急激に降下する。これが
二次降下である。通常、二次降下は炭酸化率50〜
75%の範囲内で現われる。なお、本発明のアラゴ
ナイト系針状炭酸カルシウムを製造する場合に
は、二次降下は、カルサイト系の炭酸カルシウム
を製造する場合などよりもブロードに現われる傾
向がある。
本発明の製法においては、炭酸化率が50%に至
る前に強制加温を開始する。そして、石灰乳の昇
温速度を0.5〜10℃/分の範囲内に設定する。な
お、昇温速度は、強制加温による昇温および炭酸
化の際の反応熱による昇温の総合の昇温速度であ
る。
昇温速度を上記範囲内に設定することにより、
アラゴナイト系針状炭酸カルシウムを良好に製造
することができるが、さらに詳細に検討すると、
強制加温による昇温速度を比較的低く設定するこ
とによりアラゴナイト系針状炭酸カルシウムの生
成率が高くなる傾向がある。
従つて、本発明においては、昇温速度が0.8〜
5℃/分の範囲内になるように強制加温を行なう
ことが好ましい。このようにすることにより、通
常は、得られる炭酸カルシウムのうち90重量%以
上がアラゴナイト系針状炭酸カルシウムになる。
そして、昇温速度が1〜3℃/分の範囲内になる
ようにすることにより、得られる針状炭酸カルシ
ウムが実質的にカルサイト系の結晶を含まないも
のとなる。
強制加温を行なう前の部分的に炭酸化された石
灰乳の温度は、通常45℃より低い温度(好ましく
は5〜40℃の範囲内)に設定される。そして、こ
の強制加温によつて液温が通常45℃以上(好まし
くは45〜85℃の範囲内)になるようにする。な
お、強制加温前の液温と強制加温後の液温の差が
10℃以上(好ましくは20℃以上)になるように強
制加温前の石灰乳の液温、強制加温条件および強
制加温時間などの諸条件を設定することが好まし
い。
強制加温は、炭酸化率が100%に至るまで行な
うことができるが、二次降下が終了するまで行な
うことが好ましい。さらに、炭酸化率が20%に至
る以前に強制加温を開始し、昇温速度が前記範囲
内となるように加温を行なつて、炭酸化率が60〜
100%(特に好ましくは60〜85%)の範囲内にな
つた時点で強制加温が終了するように加温を行な
うことが好ましい。
二酸化炭素の導入速度は、通常は、石灰乳中の
カルシウム化合物の水酸化カルシウム換算重量1
gに対して1〜36ml/分(好ましくは1〜10ml/
分、特に好ましくは1〜5ml/分)の範囲内に設
定される。導入速度が上記範囲を逸脱するとカル
サイト系の結晶が生成し易くなる。
二次降下終了後、さらに二酸化炭素を導入する
と第1図に示すように導電率は上昇し、その後、
炭酸化率が100%の付近で急速に降下する。これ
が三次降下である。
本発明においては、上記のようにして特定の昇
温速度になるように強制加温しながら炭酸化した
のち、炭酸化率が実質的に100%になるまで、す
なわち、三次降下に至るまで二酸化炭素を導入し
て炭酸化反応を完結させる。なお、この場合の二
酸化炭素の導入速度は適宜設定することができ
る。
なお、本発明では、上記のように強制加温を行
ないながら二酸化炭素を導入することによりアラ
ゴナイト系針状炭酸カルシウムを製造することが
できるが、さらに強制加温を行なつた後、二酸化
炭素を導入する態様、あるいは二酸化炭素を導入
した後、一旦二酸化炭素の導入を停止して強制加
温を行ない、強制加温終了後に再び二酸化炭素を
導入する態様のように、最初の炭酸化により形成
されたものと推定される生成核が主に板状塩基炭
酸カルシウムを経てアラゴナイト系針状炭酸カル
シウムに変換するように強制加温と二酸化炭素の
導入とを組み合わせて実施することもできる。
このような条件で炭酸化を行なうことにより石
灰乳中に板状塩基性炭酸カルシウムの生成核が形
成され、この生成核が二次降下までの間に板状塩
基性炭酸カルシウムの結晶に成長し、さらにこの
板状塩基性炭酸カルシウムの結晶が三次降下まで
の間にアラゴナイト系針状炭酸カルシウムに変化
するものと推測される。また、上記経路以外に、
水酸化カルシウムが、板状塩基性炭酸カルシウム
を形成することなく、直接アラゴナイト系の針状
結晶に成長するとの生成経路でアラゴナイト系針
状炭酸カルシウムが生成するものと推測される。
すなわち、この方法においては、並列的に上記二
系列の生成経路でアラゴナイト系針状炭酸カルシ
ウムが生成するものと推察される。
アラゴナイト系針状炭酸カルシウムは、上述の
ように特定条件下で初期の炭酸化を行なつた石灰
乳を出発物質として製造することができるが、さ
らに、炭酸化率が50〜75%の範囲内にある板状塩
基性炭酸カルシウムの水性懸濁液を調製し、この
水性懸濁液を出発物質として製造することもでき
る。
すなわち、この方法は、石灰乳に特定条件で二
酸化炭素を導入して導電率が二次降下付近に至る
まで炭酸化を行なうことにより板状塩基性炭酸カ
ルシウムを調製し、この板状塩基性炭酸カルシウ
ムの水性懸濁液を、特定の昇温速度になるように
強制加温を行ないながら、もしくは強制加温を行
なつた後に炭酸化を行なうことにより、板状塩基
性炭酸カルシウムをアラゴナイト系針状炭酸カル
シウムに成長させるものである。
この方法で使用する板状塩基性炭酸カルシウム
は、特願昭60−61289号の明細書に記載されてい
る方法を利用することにより製造することができ
る。
すなわち、反応開始時の液温が25℃以下に調整
された石灰乳に、この石灰乳中の水酸化カルシウ
ムの少なくとも5重量%が炭酸化されるまで、こ
の石灰乳のPH値を二酸化炭素導入前のPH値よりも
0.2以上降下しない条件(導電率に換算すると
3.0ms/cm以上降下しない条件)のもとに二酸化
炭素を導入し、次いで、水酸化カルシウムの50〜
75重量%が炭酸化されるまで二酸化炭素の導入を
続けることにより製造することができる。
このようにして製造された板状塩基性炭酸カル
シウムが下記の組成式で表される。
xCaCO3・yCa(OH)2・zH2O 上記組成式においては、x、yおよびzは、x
+y=1.5とした場合、 0.9≦x≦1.13、0.37≦y≦0.6であり、また0.3
≦z≦0.8である。
このようにして調製された板状塩基性炭酸カル
シウムを水に投入して水性懸濁液を調製する。水
性懸濁液の濃度は、通常3.5〜28g/100ml(好ま
しくは、4.5〜15g/ml)の範囲内に調製される。
なお、板状塩基性炭酸カルシウムの水性懸濁液
は、上記の方法により製造した板状塩基性炭酸カ
ルシウムを分離し、これを水に投入することによ
り調製することができる。また、上記のようにし
て二酸化炭素を導入することにより炭酸化率が50
〜75%に至つた石灰乳を、そのまま水性懸濁液と
して使用することもできる。
このようにして調製された水性懸濁液の液温を
通常45℃より低い温度(好ましくは5〜40℃の範
囲内)に調整する。
次いで、この水性懸濁液に、二酸化炭素を導入
して炭酸化率が実質的に100%に至るまで炭酸化
を行なうのであるが、本発明の製法においては、
この水性懸濁液の昇温速度が0.5〜10℃/分(好
ましくは0.8〜5℃/分、特に好ましくは1〜3
℃/分)の範囲内になるように強制加温を行な
う。上記の昇温速度の範囲内になるように強制加
温を行なうことにより高い選択率でアラゴナイト
系針状炭酸カルシウムを製造することができる
が、特に昇温速度が1〜3℃/分の範囲内になる
ように強制加温を行なうことにより、90重量%以
上の選択率でアラゴナイト系針状炭酸カルシウム
を製造することができる。強制加温は、炭酸化率
が85%に至るまでの間に開始される。なお、この
場合においても昇温速度は、強制加温による昇温
および炭酸化の際の反応熱による昇温の総合の昇
温速度である。
また、強制加温後の液温が45℃以上(好ましく
は45〜85℃の範囲内)になるよう強制加温を行な
うことが好ましい。そして、強制加温前の液温と
強制加温後の液温との差が通常10℃以上(好まし
くは20℃以上)になるように液温などを調整す
る。
本発明は、このように強制加温を行なつた後
に、もしくは強制加温を行ないながら二酸化炭素
を導入する。特に、本発明において、二酸化炭素
の導入時間が短くなる場合は、強制加温を行なつ
た後に二酸化炭素を導入する態様を採ることが好
ましい。
導入する二酸化炭素の導入速度は、前記の場合
と同様に、通常カルシウム化合物の水酸化カルシ
ウム換算重量1gに対して1〜36ml/分(好まし
くは1〜10ml/分、特に好ましくは1〜5ml/
分)の範囲内に設定される。
このようにして板状塩基性炭酸カルシウムの少
なくとも一部を炭酸化した後、板状塩基性炭酸カ
ルシウムが残存する場合には、更に二酸化炭素を
導入して炭酸化率が実質的に100%になるように
する。
なお、この板状塩基性炭酸カルシウムを出発物
質とする方法において、温度および二酸化炭素の
導入速度を逸脱すると、前記の場合と同様にカル
サイト系の結晶が生成しやすくなる。
このように炭酸化を行なうことにより板状塩基
性炭酸カルシウムの結晶が三次降下までの間にア
ラゴナイト系針状炭酸カルシウムに変化するもの
と推測される。
上記の二方法により製造されるアラゴナイト系
針状炭酸カルシウムに、実質的に差異はなく、通
常、得られる炭酸カルシウムは、長径が1〜
10μmの範囲内にあり、短径が0.08〜2μmの範囲
内にあり、そしてアスペクト比が4〜30の範囲内
にあるサイズが揃つた針状形状を有している。ま
た、本発明においては、上記の範囲内で温度、二
酸化炭素の導入速度などを調整することにより得
られるアラゴナイト系針状炭酸カルシウムの平均
長径、平均短径およびアスペクト比などを制御す
ることができる。そして、結晶成長の為の放置を
実質的に必要としなので非常に短時間(例えば、
150の石灰乳からアラゴナイト系針状状炭酸カ
ルシウムを製造する場合には五時間以内、また、
同量の板状塩基性炭酸カルシウムの水性懸濁液を
用いた場合には一時間以内)で炭酸化反応を終了
させることが可能になる。
このようにして得られたアラゴナイト系針状炭
酸カルシウムは、紙の填料としての有効に使用す
ることができるばかりでなく、塗料あるいは製紙
用の塗被料などとして、さらには樹脂混合複合建
材の素材あるいは各種プラスタへの充填材として
利用することができる。
次に本発明の実施例を示す。
実施例 1 冷却装置および加温装置を備えた反応容器に工
業用生石灰粉および水を投入して、水酸化カルシ
ウム濃度6g/100mlの石灰乳を調製した。
この石灰乳中に導電率計の電極を挿入して継続
的に石灰乳の導電率を測定した。第1図にこの石
灰乳の導電率と炭酸化率との関係を示す。
この石灰乳を16℃にまで冷却した。そのときの
導電率は9.3ms/cmであつた。撹拌を行ないなが
ら、二酸化炭素をその導入速度が石灰乳の調製に
用いた水酸化カルシウム1gに対して4.0ml/分
となるように導入して炭酸化反応を行なつた。
二酸化炭素を導入しながら炭酸化率を常法に従
つて継続的に測定したところ、炭酸化率5%にお
ける導電率の降下は、8.4ms/cmであつた。ま
た、石灰乳の導電率は、炭酸化率が15.5%の時点
において一次降下が終了し、このときの導電率は
8.0ms/cmであつた。その後、導電率が9.0ms/
cmまで回復した。この間、二酸化炭素の導入によ
る炭酸化の反応熱により石灰乳の液温が16℃から
19℃に上昇した。
次に、液温が19℃の石灰乳を、液温の上昇速度
を1℃/分になるように装置に備えられた加温装
置を用いて加温しながら、この石灰乳の調製に用
いた水酸化カルシウム1gに対して2.0ml/分の
導入速度で二酸化炭素を導入した。
二酸化炭素の導入により、第1図に示すように
石灰乳の導電率が4.5ms/cmにまで緩やかに降下
(二次降下)した。炭酸化率は67%であつた。二
次降下した時点で加温を中止した。液温は60℃で
あつた。二酸化炭素の導入速度をそのままにし
て、さらに二酸化炭素の導入を続けることによ
り、導電率は0.1ms/cmにまで降下(三次降下)
した。この時点で二酸化炭素の導入を停止した。
得られた炭酸カルシウムを電子顕微鏡写真で観
察したところ、長径が1〜3μmの範囲内、短径が
0.1〜0.2μmの範囲内にあり、アスペクト比が、5
〜30の範囲内にある針状形状を有していた。な
お、得られた炭酸カルシウムの炭酸化率は100%
であつた。
さらにX線回折の結果、得られた結晶は、アラ
ゴナイト系の針状炭酸カルシウムからなり、実質
的にカルサイト系の結晶を含まないことが確認さ
れた。
なお、石灰乳に二酸化炭素を導入してから炭酸
化率が100%に至るまでに要した時間は120分間で
あつた。
実施例 2 実施例1において、水酸化カルシウム濃度が8
g/100mlの濃度の石灰乳を調製し、反応開始温
度を17℃に設定して炭酸化反応を行なつた。ただ
し、二酸化炭素の導入速度は、石灰乳の調製に用
いた水酸化カルシウム1gに対して4.2ml/分に
設定した。
炭酸化率5%における導電率の降下は、
8.3ms/cmであつた。また、石灰乳の導電率は、
炭酸化率が15.5%の時点で一次降下を示し、この
ときの導電率は7.8ms/cmであり、その後、
9.1ms/cmまで回復した。この間、二酸化炭素の
導入による炭酸化の反応熱により石灰乳の液温が
17℃から20℃に上昇した。
次に、温度が19℃の石灰乳を、温度上昇速度が
2℃/分になるように装置に備えられた加温装置
を用いて加温しながら、石灰乳の調製に用いた水
酸化カルシウム1gに対して4.0ml/分の導入速
度で二酸化炭素を導入した。
この二酸化炭素の導入により、石灰乳の導電率
が4.5ms/cmまで緩やかに降下(二次降下)し
た。炭酸化率は67%であつた。二次降下した時点
で加温を中止した。液温は45℃であつた。二酸化
炭素の導入速度をそのままにして、さらに二酸化
炭素の導入を続けることにより、導電率は
0.1ms/cmにまで降下(三次降下)した。この時
点で二酸化炭素の導入を停止した。
得られた炭酸カルシウムを実施例1と同様の方
法により観察し、さらにX線回折を行なつたとこ
ろ、長径が1〜2μmの範囲内、短径が0.1〜
0.25μmの範囲内にあり、アスペクト比が、4〜
20の範囲内にある針状形状を有していることが確
認された。なお、炭酸化率は100%であつた。
さらに得られた結晶は、アラゴナイト系の針状
炭酸カルシウムからなり、実質的にカルサイト系
の結晶を含まないことが確認された。
なお、石灰乳に二酸化炭素を導入してから炭酸
化率が100%に至るまでに要した時間は90分間で
あつた。
実施例 3 実施例2において、石灰乳中の水酸化カルシウ
ム濃度を10g/100mlとし、導電率の一次降下後
の二酸化炭素の導入速度を水酸化カルシウム1g
に対して1ml/分とした以外は同様にして炭酸化
を行なつた。
炭酸化率5%における導電率の降下は、
8.3ms/cm、一次降下(7.8ms/cm降下)の際の
炭酸化率は15.5%、一次降下後の二酸化炭素導入
開始時の液温は19℃、加温を中止した際の炭酸化
率は67%であつた。また加温(温度上昇速度:2
℃/分)により石灰乳の液温は80℃に上昇した。
得られた炭酸カルシウムを実施例1と同様の方
法により観察し、さらにX線回折を行なつたとこ
ろ、長径が5〜7μmの範囲内、短径が0.3〜1.0μm
の範囲内にあり、アスペクト比が、5〜23の範囲
内にある針状形状を有していた。なお、炭酸化率
は100%であつた。
さらに得られた結晶は、アラゴナイト系の針状
炭酸カルシウムからなり、実質的にカルサイト系
の結晶を含まないことが確認された。
なお、石灰乳に二酸化炭素を導入してから炭酸
化率が100%に至るまでに要した時間は180分間で
あつた。
実施例 4 [板状塩基性炭酸カルシウム水性懸濁液の調
製] 冷却装置を備えた反応容器に工業用生石灰粉
(平均粒子径74μm以下)および水を投入して、水
酸化カルシウム濃度8.0g/100mlの石灰乳を調製
した。
この石灰乳中にPHメータの電極を挿入して継続
的に石灰乳のPH値を測定した。
この石灰乳を冷却し、撹拌しながら反応開始温
度16℃で、窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化
炭素10容量%)を二酸化炭素の導入速度が石灰乳
中の水酸化カルシウム1gに対して4.0ml/分と
なるように導入して炭酸化反応を行なつた。
石灰乳の炭酸化率が5%のとき、二酸化炭素導
入前よりもPH値が、0.03降下した。また、継続的
な炭酸化率の測定により炭酸化率15.5%の時点で
一次降下を示した。このときPH値は炭酸化反応開
始前のPH値より0.13降下した。この間に液温は17
℃から19℃に上昇した。
次に、この石灰乳に反応開始温度19℃にて更に
窒素と二酸化炭素の混合ガス(二酸化炭素10容量
%)を水酸化カルシウム1gに対して二酸化炭素
の導入速度が9.3ml/分となるように導入して炭
酸化反応を行ない板状塩基性炭酸カルシウムの水
性懸濁液を調製した。
PH値が炭酸化反応開始前のPH値より0.5降下し
た時点で混合ガスの導入を中止して、炭酸化率を
測定したところ、炭酸化率は、50%であつた。ま
た、反応終了時の液温は25℃であつた。
炭酸化された水性懸濁液の一部を抜取り、脱水
およびメチルアルコール洗浄を行なつた後、100
℃で乾燥して塩基性炭酸カルシウムを得た。
この塩基性炭酸カルシウムは板状であることが
確認され、また、板状以外の塩基性炭酸カルシウ
ムは殆ど観察されなかつた。
また、この塩基性炭酸カルシウムの板状部分の
平均最大径は1.0μm、平均最小径は0.8μm、平均
厚さは0.2μmであり、平均最小径/平均最大径の
比は0.8、アスペクト比は5であつた。
さらに熱重量分析を行なつたところ三つの重量
減少が認められ、ガス分析の結果から得られた板
状塩基性炭酸カルシウムは下記の組成式で示され
るものであることが判明した。
2CaCO3・Ca(OH)2・H2O [アラゴナイト系針状炭酸カルシウムの調製] 上記のようにして得られた板状塩基性炭酸カル
シウムの水性懸濁液を16℃に調整した後、装置に
備えられた加温装置を用いて水性懸濁液の昇温速
度が1℃/分になるように装置に備えられた加温
装置を用いて50℃まで加温を行なつた。このとき
の導電率は、5ms/cmであつた。
次いで、水性懸濁液に含有される板状塩基性炭
酸カルシウムの水酸化カルシウム換算重量1gに
対して3/分の速度で二酸化炭素を導入して、
炭酸化を行なつた。
装置に備えられている導電率計により水性懸濁
液の導電率を継続的に測定し、導電率が二酸化炭
素導入前の水性懸濁液の導電率よりも、4.7ms/
cm降下した時点で二酸化炭素の導入を停止した。
得られた炭酸カルシウムを実施例1と同様の方
法により観察し、さらにX線回折を行なつたとこ
ろ、長径が1〜2μmの範囲内、短径が0.1〜0.25m
の範囲内にあり、アスペクト比が、4〜20の範囲
内にある針状形状を有していた。なお、炭酸化率
は100%であつた。
さらに得られた結晶は、97重量%のアラゴナイ
ト系の針状炭酸カルシウムと、3重量%のカルサ
イト系の結晶を含むものであつた。
なお、板状塩基性炭酸カルシウムの水性懸濁液
に二酸化炭素を導入してから炭酸化率が100%に
至るまでに要した時間は45分間であつた。
実施例 5 実施例4と同様の方法により調製した板状塩基
性炭酸カルシウムの水性懸濁液を25℃に調整した
後、装置に備えられた加温装置を用いて水性懸濁
液の昇温速度が1℃/分になるように装置に備え
られた加温装置を用いて55℃まで加温を行なつ
た。ただし、板状塩基性炭酸カルシウムの炭酸化
率は60%である。このときの導電率は4.8ms/cm
であつた。
次いで、水性懸濁液に含有される板状塩基性炭
酸カルシウムの水酸化カルシウム換算重量1gに
対して2/分の速度で二酸化炭素を導入して、
炭酸化を行なつた。
装置に備えられている導電率計により水性懸濁
液の導電率を継続的に測定し、導電率が二酸化炭
素導入前の水性懸濁液の導電率よりも、4.5ms/
cm降下した時点で二酸化炭素の導入を停止した。
得られた炭酸カルシウムを実施例1と同様の方
法により観察し、さらにX線回折を行なつたとこ
ろ、長径が1.5〜2.5μmの範囲内、短径が0.1〜
0.3μmの範囲内にあり、アスペクト比が、5〜25
の範囲内にある針状形状を有していた。なお、炭
酸化率は100%であつた。
さらに得られた結晶は、95重量%のアラゴナイ
ト系の針状炭酸カルシウムと、5重量%のカルサ
イト系の結晶を含むものであつた。
なお、板状塩基性炭酸カルシウムの水性懸濁液
に二酸化炭素を導入してから炭酸化率が100%に
至るまでに要した時間は55分間であつた。
実施例 6 実施例4と同様の方法により調製した板状塩基
性炭酸カルシウムの水性懸濁液を25℃に調整した
後、装置に備えられた加温装置を用いて水性懸濁
液の昇温速度が1℃/分になるように装置に備え
られた加温装置を用いて60℃まで加温を行なつ
た。ただし、板状塩基性炭酸カルシウムの炭酸化
率は65%である。このときの導電率は、4.6ms/
cmであつた。
次いで、水性懸濁液に含有される板状塩基性炭
酸カルシウムの水酸化カルシウム換算重量1gに
対して2/分の速度で二酸化炭素を導入して、
炭酸化を行なつた。
装置に備えられている導電率計により水性懸濁
液の導電率を継続的に測定し、導電率が二酸化炭
素導入前の水性懸濁液の導電率よりも、4.3ms/
cm降下した時点で二酸化炭素の導入を停止した。
得られた炭酸カルシウムを実施例1と同様の方
法により観察し、さらにX線回折を行なつたとこ
ろ、長径が2〜3μmの範囲内、短径が0.1〜0.3μm
の範囲内にあり、アスペクト比が、6.5〜30の範
囲内にある針状形状を有していた。なお、炭酸化
率は100%であつた。
さらに得られた結晶は、93重量%のアラゴナイ
ト系の針状炭酸カルシウムと、7重量%のカルサ
イト系の結晶を含むものであつた。
なお、板状塩基性炭酸カルシウムの水性懸濁液
に二酸化炭素を導入してから炭酸化率が100%に
至るまでに要した時間は45分間であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のアラゴナイト系針状炭酸カ
ルシウムの製法における導電率と炭酸化率との関
係の例を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも炭酸化率が5%になるまで、石灰
    乳の導電率が二酸化炭素導入前の値よりも実質的
    に3.0ms/cm以上降下しない条件下で該石灰乳に
    二酸化炭素を導入して炭酸化を行ない、次いで炭
    酸化率が50%に至る以前に該石灰乳の強制加温を
    開始し、該石灰乳の昇温速度が0.5〜10℃/分の
    範囲内になるように該加温を行ないながら、もし
    くは該加温を行なつた後に該石灰乳に二酸化炭素
    を導入する工程を含む炭酸化工程により、炭酸化
    率が実質的に100%に至るまで炭酸化反応を行な
    うことを特徴とするアラゴナイト系針状炭酸カル
    シウムの製法。 2 炭酸化率が20%に至る以前に強制加温を開始
    し、該炭酸化率が60〜100%の範囲内にて強制加
    温が終了するように該加温を行なうことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載のアラゴナイト系
    針状炭酸カルシウムの製法。 3 石灰乳の昇温速度が1〜3℃/分の範囲内に
    なるように強制加温を行なうことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のアラゴナイト系針状炭
    酸カルシウムの製法。 4 強制加温を行ないながら、もしくは該加温を
    行なつた後に導入する二酸化炭素の導入速度が、
    上記石灰乳中に含有されるカルシウム化合物の水
    酸化カルシウム換算重量1gに対して1〜10ml/
    分の範囲内にあることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のアラゴナイト系針状炭酸カルシウ
    ムの製法。 5 炭酸化率が50〜75%の範囲内にある板状塩基
    性炭酸カルシウムの水性懸濁液を調製した後、該
    塩基性炭酸カルシウムの炭酸化率が85%に至る以
    前に該水性懸濁液の強制加温を開始し、該水性懸
    濁液の昇温速度が0.5〜10℃/分の範囲内になる
    ように該加温を行ないながら、もしくは該加温を
    行なつた後に該水性懸濁液に二酸化炭素を導入す
    る工程を含む炭酸化工程により、炭酸化率が実質
    的に100%に至るまで炭酸化反応を行なうことを
    特徴とするアラゴナイト系針状炭酸カルシウムの
    製法。 6 水性懸濁液の昇温速度が1〜3℃/分の範囲
    内になるように強制加温を行なうことを特徴とす
    る特許請求の範囲第5項記載のアラゴナイト系針
    状炭酸カルシウムの製法。 7 強制加温を行ないながら、もしくは該加温を
    行なつた後に導入する二酸化炭素の導入速度が、
    上記水性懸濁液中に含有されるカルシウム化合物
    の水酸化カルシウム換算重量1gに対して1〜10
    ml/分の範囲内にあることを特徴とする特許請求
    の範囲第5項記載のアラゴナイト系針状炭酸カル
    シウムの製法。 8 板状塩基性炭酸カルシウムが下記組成式で表
    されることを特徴とする特許請求の範囲第5項記
    載のアラゴナイト系針状炭酸カルシウムの製法; xCaCO3・yCa(OH)2・zH2O [ただし、x+y=1.5とした場合、0.9≦x≦
    1.13、0.37≦y≦0.6であり、また0.3≦z≦0.8で
    ある]。
JP17440086A 1986-07-23 1986-07-23 アラゴナイト系針状炭酸カルシウムの製法 Granted JPS6330316A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17440086A JPS6330316A (ja) 1986-07-23 1986-07-23 アラゴナイト系針状炭酸カルシウムの製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17440086A JPS6330316A (ja) 1986-07-23 1986-07-23 アラゴナイト系針状炭酸カルシウムの製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6330316A JPS6330316A (ja) 1988-02-09
JPH0255370B2 true JPH0255370B2 (ja) 1990-11-27

Family

ID=15977913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17440086A Granted JPS6330316A (ja) 1986-07-23 1986-07-23 アラゴナイト系針状炭酸カルシウムの製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6330316A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2684056B2 (ja) * 1988-05-02 1997-12-03 丸尾カルシウム株式会社 熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体
JP2008273761A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 New Raimu Kenkyusha:Kk アラゴナイト系針状あるいは柱状炭酸カルシウム凝集体の製造方法
KR102240348B1 (ko) * 2019-06-11 2021-04-14 한국해양대학교 산학협력단 해수를 이용한 고순도 아라고나이트형 탄산칼슘의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6330316A (ja) 1988-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU632706B2 (en) Precipitated calcium carbonate
US5296002A (en) Rhombohedral calcium carbonate and accelerated heat-aging process for the production thereof
US5558850A (en) Precipitated calcium carbonate
JP5490345B2 (ja) 沈降炭酸カルシウム/ケイ素化合物複合顔料
US6156286A (en) Seeding of aragonite calcium carbonate and the product thereof
US5342600A (en) Precipitated calcium carbonate
WO2001064585A1 (fr) Particule composite de carbonate de silice-calcium
FI105545B (fi) Saostettu kalsiumkarbonaatti
JPS6350316A (ja) 六角板状粒子炭酸カルシウムの生成方法
US5227025A (en) Rhombohedral calcium carbonate and accelerated heat-aging process for the production thereof
PL192346B1 (pl) Sposób wytwarzania sypkich cząstek węglanu wapnia
JPS59223225A (ja) アラゴナイト質炭酸カルシウムの製造方法
JPH0255370B2 (ja)
JPS5836924A (ja) アラゴナイト系柱状炭酸カルシウムの結晶成長方法
JP4157202B2 (ja) 紡錘状炭酸カルシウムの製造方法
JP2002234725A (ja) アラゴナイト結晶系炭酸カルシウムの製造方法
JP2549857B2 (ja) 粒子径が制御された炭酸カルシウムの製造法
JPH0231007B2 (ja) Itajotansankarushiumunoseizoho
JPS6330317A (ja) 立方体状炭酸カルシウムの製造法
JPH033604B2 (ja)
JPH02184519A (ja) 板状炭酸カルシウムの製造方法
JP3626620B2 (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JPH05116936A (ja) 高分散性板状炭酸カルシウムの製造方法
JPH0471847B2 (ja)
JPH033605B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term