JPH0471715B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、インクリボンを有するインクリボン
カセツトを装着するインクリボンカセツトの装着
機構に関する。

（従来技術） インパクト式印字装置においては、１回活字で
打撃するとその部分が抜けてしまう、ワンタイム
リボンを用いることが多い。このリボンはカセツ
トに収納されて用いられるが、近年消費量の節約
が望まれ、その為に必要最小限のリボン送り量で
使用される様になつてきた。しかしながらこのよ
うにリボン送り量を最少に抑えていくと、例えば
印字中にリボンカセツトがガタついてリボンがず
れた場合、インクが抜けた部分を再び活字で打撃
する危険があり、印字不良が発生し易い。

（目 的） 本発明の目的は上記問題点を解決した、リボン
カセツトのガタつきのない良好な装着を可能とす
るインクリボンカセツト装着機構を提供すること
である。

（概 要） 上記目的を達成する本発明のインクリボンカセ
ツト装着機構は、インクリボンが収納されるカセ
ツト本体と、前記カセツト本体の左右先端に延出
して設けられた２本のアームと、前記インクリボ
ンの巻き取りリールに駆動力を伝達するためのリ
ボン送りローラと、前記リボン送りローラに近い
側の前記アームに設けられたスリツトと、前記リ
ボン送りローラの近傍であつて前記カセツト本体
後端に設けられた位置決めリブと、前記カセツト
本体の側面の夫々に設けられた一対の平板状リブ
と、を有し、前記スリツトと前記位置決めリブと
前記リボン送りローラとが略直線上に配置されて
いると共に、前記一対の平板状リブが前記直線と
は略直交する方向に突出しているインクリボンカ
セツト：及び前記インクリボンカセツトを装着す
るための揺動板：とを有し、前記駆動は、前記リ
ボン送りローラを駆動するための回転部材と、前
記揺動板の有する一対のアーム支持腕の一方であ
つて且つ前記スリツトを有する前記アームに対応
し前記回転部材に近い側の前記アーム支持腕に設
けられた位置決め用平爪と、前記揺動板の後端折
曲部に設けられた切り欠きと、前記揺動板の側面
に突出して設けられた軸を回動中心としてスプリ
ングにより前記揺動板の後端折曲部方向に回動付
勢されている一対の固定爪と、を有し、前記イン
クリボンカセツトが前記揺動板に装着され、前記
リボン送りローラと前記回転部材と、前記スリツ
トと前記位置決め用平爪と、前記位置決めリブと
前記切り欠きと、及び前記一対の平板状リブと前
記一対の固定爪と、が夫々係合することを特徴と
する。

（実施例） 第１図は本発明の実施例を示しており、インク
リボンカセツト１は、不図示の印字装置のキヤリ
ツジ上に固定された揺動板２上に搭載される。揺
動板２の下面には、偏心カム３が設けられ、この
カム３の１回転によつて揺動板２が上下に揺動
し、この揺動板に固定されたリボンカセツトも一
体的に揺動する。

第２図に示す如くリボンカセツト１の本体４に
は、リール５に巻回された供給側スプール６と、
スプール６から引き出されたリボン７を、アーム
８の先端から導き出し、アーム９の先端から導き
入れて巻取るリール１０が収納されている。巻取
リール１０は、ピン１１を中心に回動可能なレバ
ー１２の先端に回転可能に保持され、不図示のバ
ネによりＡ方向に付勢され、リボン送りローラ１
３に押圧される。リボン送りローラ１３の周面に
は、ピン１３ａが植立されており、巻取リール１
０またはリール１０に巻回されたリボンを突き刺
してリボンを巻取つていく。リボン送りローラ１
３の動力は、キヤリツジ上から突出した不図示の
回転爪と十字状の溝１３ｂで噛合することによ
り、回転爪から与えられる。リボン送りローラ１
３は、カセツト本体４の右下端部（第２図）に設
けられている。巻取りリール１０はリボンを巻取
るに従つて太り、これによつてレバー１２は反Ａ
方向に回動し、これによつてカセツトの壁面に接
触することはない。またリボン送りローラ１３は
右下端にあるので、リボンの巻取量を最大に設定
することができる。アーム９の下端面には位置決
め用のスリツト１４部が形成されている。このス
リツト部１４は、中央のスリツト１４ａに対して
斜面１４ｂを有し、揺動板２のアーム支持腕１６
から突出した位置決め用平爪１６ａを、この斜面
で案内しつつスリツト１４ａで嵌合保持する。ア
ーム支持腕１５，１６は、リボンカセツトのアー
ム８，９に対応して揺動板２から突出しており、
突起１５ｂ，１６ｂで各アーム８，９の下端面を
当接支持する。

カセツト本体４の両側面には、カセツトを揺動
板２に固定するための平板状リブ１７，１８が突
出している。揺動板２のリブ１７，１８に対応し
た位置には、スプリング１９で軸２１を中心にＢ
方向に付勢された一対の固定爪２０が、回動可能
に取り付けられている。この一対の固定爪２０
は、それぞれ押下げレバー２２が固定されてお
り、このレバーを押下げることにより固定爪２０
を反Ｂ方向に回動させ、固定爪２０とリブ１７，
１８の係合を解除させる。

カセツト１を揺動板２上に装着固定するには、
カセツト１を揺動板２に押下げれば良く、固定爪
２０はその上部斜面２０ａをリブ１７，１８に押
圧されてスプリング１９に抗して反Ｂ方向に回動
し、リブ１７，１８を乗り越えた所でＢ方向に回
動しリブ１７，１８と噛合する。固定爪２０のス
プリング１９の力は、カセツトを揺動板底上面に
押し付け、またカセツト本体４の後端４ａを揺動
板２の後端折曲部２ａに押し付ける。ここで揺動
板２の上面には、押上バネ２３が固定されてお
り、カセツト本体４を揺動板２から上方に押上げ
る。このバネ力によつてリブ１７，１８は一対の
固定爪２０に確実に押し付けられ、またモーメン
トを発生させて前述した様にカセツトのアーム
８，９の下面を、アーム支持腕１５，１６の突起
１５ｂ，１６ｂに当接させる。

カセツトが揺動板２に装着された状態において
は、前述した様に、アーム支持腕１６の平爪１６
ａが、スリツト１４ａにガタつきなく嵌合してお
り、カセツト１のアーム８，９と直交する方向に
おけるガタつきを無くしている。

また、カセツトを装着した状態においては、カ
セツト本体４の後端４ａの左端部（第１図）に、
アーム９と反対方向に突出して設けられた後端リ
ブ２４が、揺動板の後端折曲部２ａに形成された
位置決め用切欠部２ｂと嵌合している。

この後端リブ２４は、スリツト１４ａとリボン
送りローラ１３とを結ぶほぼ直線上に設けられて
いて、カセツト本体４の後端部における揺動板２
に対するガタつきを防止しており、スリツト部１
４と共働してカセツトの位置決め精度を向上させ
ている。

またリボン送りローラ１３には、カセツト上面
から露出するようにして手動送りノブ１３ｃが一
体的に設けられており、リボン７がたるんだ時の
たるみ取りを行なえる様になつている。

第３図は本実施例のインクリボンカセツト１の
好ましい各部の寸法を示しているが、この寸法は
適宜変更可能であることは明らかである。

以上のような実施例においては、次の様な効果
を有する。

まず、リボンの被打撃部に近いカセツト１のア
ーム９に、位置決めのためのスリツト部１４を形
成したので、露出リボンの走行方向Ｃにカセツト
１がガタつくことがない。またスリツト１４ａは
アーム９の伸びた方向に形成され、ここに平板状
の平爪１６ａが嵌入するので、よりカセツト１の
Ｃ方向におけるガタつきを防止できる。

また、カセツト本体４の後端であり、スリツト
部１４に最も近接した位置である左端に後端リブ
２４を設けたので、カセツトを形成する際にスリ
ツト部１４と後端リブ２４が、極めて精度の高い
相対位置を有して形成される。これによつてカセ
ツトの取付精度は著しく向上する。

またカセツト本体４の両側に設けたリブ１７，
１８は平板状をなしており、一対の固定爪２０と
大きな面積を持つて係合することができ、カセツ
ト１を揺動板２に対して強固に固定することがで
きる。

さらに、スリツト１４ａ、リボン送りローラ１
３及びリボン送りローラ１３の近傍に設けられた
後端リブ２４とが略直線上に設けらていると共
に、カセツト本体４の両側に設けたリブ１７と１
８とが、前記直線は略直交する直線上に設けられ
ているので、インクリボンカセツト１を前後方向
及び左右方向から、インクリボンカセツト装着機
構の揺動板２に強固に固定することができる。そ
のため、リボンを巻き取る際のリボン送りローラ
１３の回転駆動力により、カセツト本体４が回転
しようとする動きを効果的に防ぐことができる。
さらには、インクリボンが一方のアームから繰り
出され他方のアームを通して巻き取られる際のア
ームの揺動を効果的に防ぐこともできる。

尚本発明は上記実施例に限定するものではな
く、例えばインクリボンの種類はワンタイムリボ
ンだけでなくコレクタブルリボンや、他のあらゆ
るリボンを用いることができる。

（効 果） 以上述べた如く本発明は、スリツトと位置決め
リブとリボン送りローラとが略直線上に配置され
ていると共に、一対の平板状リブが前記直線とは
略直交する方向に突出しているインクリボンカセ
ツトを、揺動板に装着することにより、リボン送
りローラと揺動板の回転部材と、スリツトと揺動
板の位置決め用平爪と、位置決めリブと揺動板の
切り欠きと、及び一対の平板状リブと揺動板の一
対の固定爪と、が夫々係合するので、インクリボ
ンカセツトと揺動板とを前後方向及び左右方向か
ら強固に固定してガタつきのない良好な装着を可
能としたインクリボン装着機構を得ることができ
る。

そのため、リボンを巻き取る際のリボン送りロ
ーラの回転駆動力により、カセツト本体が回転し
ようとする動きを効果的に防ぐことができる。

さらには、インクリボンカセツトのアームに設
けられたスリツトと、揺動板のアーム支持腕に設
けられた位置決め用平爪と、の係合により、一対
のアーム間に掛け渡されるインクリボンの動きに
起因するアームの揺動も効果的に防ぐこともでき
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例であり、第１図は全体斜視
図、第２図はカセツトの裏面図、第３図はカセツ
トの好ましい寸法を示した斜視図。 １…インクリボンカセツト、２…揺動板、２ａ
…後端折曲部、２ｂ…切欠部、３…偏心カム、４
…カセツト本体、４ａ…カセツト本体後端、５…
リール、６…供給側スプール、７…インクリボ
ン、８，９…アーム、１０…巻取りリール、１１
…ピン、１２…レバー、１３…リボン送りロー
ラ、１３ａ…ピン、１３ｂ…十字状溝、１３ｃ…
手動送りノブ、１４…スリツト部、１４ａ…スリ
ツト、１４ｂ…斜面、１５…アーム支持腕、１５
ｂ…突起、１６…アーム支持腕、１６ａ…位置決
め用平爪、１６ｂ…突起、１７，１８…リブ、１
９…スプリング、２０…固定爪、２０ａ…上部斜
面、２１…軸、２２…押下レバー、２３…押上バ
ネ、２４…後端リブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ インクリボンが収納されるカセツト本体と、
   前記カセツト本体の左右先端に延出して設けられ
   た２本のアームと、 前記インクリボンの巻き取りリールに駆動力を
   伝達するためのリボン送りローラと、 前記リボン送りローラに近い側の前記アームに
   設けられたスリツトと、 前記リボン送りローラの近傍であつて前記カセ
   ツト本体後端に設けられた位置決めリブと、 前記カセツト本体の側面の夫々に設けられた一
   対の平板状リブと、 を有し、前記スリツトと前記位置決めリブと前記
   リボン送りローラとが略直線上に配置されている
   と共に、前記一対の平板状リブが前記直線とは略
   直交する方向に突出しているインクリボンカセツ
   ト： 前記インクリボンカセツトを装着するための揺
   動板：とを有し、 前記揺動板は、 前記リボン送りローラを駆動するための回転部
   材と、 前記揺動板の有する一対のアーム支持腕の一方
   であつて且つ前記スリツトを有する前記アームに
   対応し前記回転部材に近い側の前記アーム支持腕
   に設けられた位置決め用平爪と、 前記揺動板の後端折曲部に設けられた切り欠き
   と、 前記揺動板の側面に突出して設けられた軸を回
   動中心としてスプリングにより前記揺動板の後端
   折曲部方向に回動付勢されている一対の固定爪
   と、 を有し、 前記インクリボンカセツトが前記揺動板に装着
   され、前記リボン送りローラと前記回転部材と、
   前記スリツトと前記位置決め用平爪と、前記位置
   決めリブと前記切り欠きと、及び前記一対の平板
   状リブと前記一対の固定爪と、が夫々係合するこ
   とを特徴とするインクリボンカセツト装着機構。